Friday, August 31, 2007

夏の終わり

今日で八月も終わり。まだやや蒸し暑いとは言え、夕方にはもう秋だなと思う。 時々、虫の声が聞こえる。 八月の最後の日をどう暮らそうかな、と思って色々考えたのだが、 結局、ひっそりと家でお酒でも飲みながら本を読むことにする。 遅い昼寝をした後、お風呂に入り、じゃが芋を茹でつつ、 白ワインを飲みながらクイーンの「盤面の敵」 (青田勝訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 901)を読む。

この小説では、 章の各タイトルが全てチェスに関係した名前になっている。 これがなかなか本格的であることに今さら気付いた。 と言うのも、子供の頃、文庫版で読んだ当時は、 チェスをそれほど知らなかったので気付かなかったのだ。 例えば、「Yのギャンビットは応じられない」 (原文は Y's gambit declined ?)、 「空いている縦の筋」(原文は open file ?)、 「発見された王手」(原文は discovered check, つまり「開き王手」に違いない!)、 「孤立したポーン」(isolated pawn だろう)、 「組み合わせ」(combination だろう)などなど。 誤訳と言うほどでもないが不適切と思われるこれらの訳は、 ひょっとしたら意図かも知れない。 それはさておき、エラリィ・クイーンはかなりチェスを知っていたようだ。 この "The Player on the Other Side" が出版されたのは 1963 年だから、 アメリカではフィッシャー・ブームが始まっていた頃か。

「私の夢」© HARA, Keisuke 2007

Wednesday, August 29, 2007

ユーモア

朝方強い雨が降って少し目を覚ましたものの、 結局、9 時過ぎまで寝ていた。 昨日から気温が下がり、まだ真夏日とは言え、やや秋らしい。 寝床でウッドハウスの「マリナー氏の冒険譚」から短編一つを読む。 良きコメディは偉大だ。 今日もまあこの一日は生きてみようか、せっかくだから、 と言う気持ちにさせてくれる。 かつて、私の妹が交通事故にあったとき、 しばらくはショックを受けて泣いたりしていたようだったが、 数日して落ち着いた頃、 病室の寝台の上で、「人生で一番大事なものはユーモアやね」 と言っていた。至言だ。 ちなみに、バイクに乗っていて、 赤信号を横から突っこんで来た車にはねられた、 かなりの事故だったのだが、 最寄りの民家まで這って行って、 電話を借りて自分で救急車を呼んだらしい。 それを聞いたときには、 わが愚妹ながら天晴れと思ったものだ。 こういうのを何と言うのだったっけ…転んでもただでは起きない? ちょっと違うね。

朝のコナ珈琲を一杯。昼食は月見蕎麦。 午後はいつものお仕事。夕食はシンプルにトマトソースだけのスパゲティ。

明日木曜日は更新を休みます。次回は明後日、金曜日の夜です。

Tuesday, August 28, 2007

Cryptograph

8 時起床。目覚し時計をかけておいたのだが、 なかなか起きられず、ラジオのスウィッチを入れると、 この暑い夏に何故か「雨音はショパンの調べ」が流れていた。 懐かしのメロディの扱いらしい…そうか、もう二十数年は昔だものね。 (YouTube より。 著作権はどうなっているんだろう。) 小林麻美を見ると、小椋冬美の漫画を思い出すのは私だけだろうか。 苦手な漫画家だけど。 それはさておき、この曲以外にも、 小林麻美の 「Cryptograph ~ 愛の暗号」の映像をもう一度観てみたい。 「恋なんてかんたん」なんか良かったよね。

さて、ゴミ出しだ。 寝室の前の廊下に真横に寝そべって通せんぼしているクロに階下で御飯を与えてから、 ゴミ出しをする。雨が降ったのかも知れない、ちょっと涼しい。 再度寝床に戻ってウッドハウスのマリナー氏ものの短編を一つ読んでから起床。 目覚めのコナ珈琲。午前中はチェスの手など考えて、 昼食は手抜きリゾット。 午後はお仕事。また手がかりのない日々。 夕食はトマトソースでオクラと茄子のスパゲティ。

Monday, August 27, 2007

残暑

昨日、随分遅くまで眠れなかったのだが、 目覚しをかけてちゃんと 8 時に起きた。 明日がゴミ出しの日なので、前日から調整に入らねば。 寝床でウッドハウスのマリナー氏ものの短編を一つ読んでから、起床。 目覚めの珈琲。 チェスの手を考えたりしたあと、郵便局へ用事に行く。 今日も暑い。明日あたりから涼しいらしいのだが。 ついでに近所のワイン屋で注文していたものを受け取って帰る。 昼食は茄子のスパゲティ。食後に珈琲。いただきものの珈琲豆。良い香り。 一日一杯ずつありがたく飲もう。 午後は少し仕事。 夕食は御飯を炊いて、だしをひき、卵丼と油揚げと若芽の味噌汁。

某研究集会の講演依頼に返事を書いた。 分野が違うのでちょっと怖い、と言うのと、 英語で講演するのが(相変わらず)すごく嫌、 と言う二つの理由でけっこう悩んだが、 これくらいのプレッシャをかけないと仕事をしないので、 お引き受けすることにした。 生まれながらの怠けもので、 放っておくとどこまでも怠惰に無為徒食に暮らしてしまう。 ここまで怠けものでなければ、 数年前には大学を辞めていたと思うほど。

Sunday, August 26, 2007

The inverse coffee maker

9 時頃、目が覚めた。今日も暑そうだ。予報によると、 週の半ばから涼しくなってくるそうだ。 寝床で「マリナー氏の冒険譚」 (P.G.ウッドハウス/岩永正勝・小山太一編訳/文芸春秋社) から短編を一つ読み、10 時頃になって起床。 久しぶりに朝の珈琲。カフェインが身体に沁み渡るようであるよ。 エルデシュ曰く、数学者とは珈琲を定理に変える機械である。 と言うことは、定理が出てこない私の場合、 珈琲を消費するだけの機械… うん、哀れっぽくてなかなかいいヴィジョンだ。絵にでもしようかな。

午後は日本橋のチェスクラブ「アンパサン」の例会に参加。 関西弁の達者な外国人のおじさんと対局。 白番、シチリア防御モスクワの変化、勝ち。 気持ち良く 4 回連続王手の詰将棋チェックメイト。 早く終わり過ぎたので、 審判に許しを得て持ち時間 30 分のギロチンで第二局。 黒番、ウィーン定跡。これも勝ち。 第三局はレイティングがやや上の方と。 白番、シチリア防御ロッソリモの変化、勝ち。 ドロー風味の中盤でミスをついて交換得。 その後やや怪しげな局面もあったものの、 何とか勝ちまで持っていくことができた。 今日も連勝。チェスの女神様は今日もご機嫌。

"The end of a game" © HARA, Keisuke 2007

Saturday, August 25, 2007

バカラの日本式ビールグラス

9 時起床。目覚めの純水。 カフェイン中毒なのでかなり辛い。今日こそ珈琲豆を買いに行くぞ。 通信チェスの手を考えたりしているうちに昼。 昼食はアスパラガスのスパゲティ。 土曜なので数学は休んで、 午後は秘密プロジェクトの作業をした。けっこう快調。 一種の逃避かも。 夕方、涼しくなるのを待って、珈琲豆を買いに行く。 他にサラダオイル、洗剤など家事用の消耗品を買って帰る。 夕食は盛り蕎麦とだし巻き卵。蕎麦湯。

某安売り店でサラダオイルを見ていたら、 ヱビスの黒ビールを売っていたので、つい買ってしまう。 夜、お風呂上がりに、冷蔵庫で冷やしておいたグラスに注いで、味見。 これはこれで良いが、やっぱりギネスの方が美味しいな… そう言えば日本では、 持ってないみたいに軽い、 うすーいガラスで出来た小さなグラスで、ビールを飲むことがある。 なかなか悪くないものだが、外国にはない習慣だと思う。 あるバーで、バカラ製だと言うこの手のビールグラス(?) を見せてもらったことがある。その店ではチェイサー用に使っていた。 まさしく、あの手のグラスで、アラベスク模様って言うのだろうか、 蔓草のような繊細な透かし模様が入っていた。 へええ、バカラでこんなのあるんだ、欲しいなあ、と言ったら、 「それ披露宴の引出物なんです」とのことだった。特注品らしい。 さすがに商品としては、こういうタイプのものは出していないのだろうか。

少し分野の違う方から、研究集会での講演依頼。 英語での講演なのでかなり悩んだが、 頼まれる内が花なのよ、と思い、引き受けようと思っている。

Friday, August 24, 2007

再開

9 時起床。 珈琲を切らしてしまったので、純水を飲む。 珈琲豆を買いに出る元気なし。明日にしよう… 午前中はペトロシアン vs. フィッシャー (Portoroz 1958) を並べたりして、心を落ちつける。 一種の写経みたいなものだろうか。 昼食はまたカレーライス。鶏肉、茹で卵。 午後はお仕事。間違いの近辺を調べる。 問題の理解は深まったかも知れないが、修復の可能性は全くない。 またどこかにとっかかりがないか、探す日々か… 夕食は最後のカレーの残り。5 食目。 グリーン・アスパラガスとじゃが芋、茹で卵を追加。

"The Magic" © HARA, Keisuke 2007

Thursday, August 23, 2007

無為徒食

9 時起床。珈琲。昨夜の豪雨のせいか、気温は低い。 昼食には御飯を炊いて、カレーを食べる。 昨日の間違い発見を受けて、 午後は寝台であれこれ考えごと。 時々、猫と握手、とか、猫とじゃんけん、とか、猫とおちゃらかほい、とか。 夕食はまたカレー。多分、後二回くらい。 今度は茄子の素揚げを入れてみた。 夜はチェロを弾く。

Wednesday, August 22, 2007

間違い発見

9 時起床。 昼食には、 昨日作っておいたカレーにじゃが芋を揚げたものと茹で卵を入れて食べた。 午後、プレプリントを書いていると、 「あっ」と言う声とともに間違いを発見。 まさに将棋やチェスで、 大ポカを指した瞬間に首筋の裏側(?)あたりに悪寒が走るのと似ている。 やはり駄目だったか…流石にこれでは簡単過ぎる。 間違いにしてはあまりにぴたっとはまっているので、 ひょっとしたらと思ってしまったが、 もっとデリケイトな問題であるはずだと言う直感の方が正しかった。 まあそういう繰り返しで、進歩して行くのだね。と信じたい。 とは言え、しばらく小旅行にでも出たい気分。

後は「マリナー氏の冒険譚」(P.G.ウッドハウス/岩永正勝・小山太一編訳/ 文芸春秋社)を読んだり。 この訳者たちでも悪くはないが、 やはりここは今、絶好調の森村たまきさんだったらなあ、 とつい思ってしまう。

夕方、外が暗くなったな、と思ったら、 雷鳴が聞こえた途端に大粒の雨が降ってきた。 夕立かと思ったら、 嵐のようなものすごい豪雨に発展。 この前の台風でもこれほどではなかった、と思うくらい。 一時間ほどでおさまって後は小雨になったが、いや凄い雨だった。

Tuesday, August 21, 2007

夏はカレー

8 時前に何とか起きてゴミ出し。でも二度寝。 さて、またいつもの夏休み仕事をするか。 昼食は近所のカレー屋(私の家の周囲にはカレー屋さんが多い)。 ついでに自分でもカレー作ろう、と思ってスパイスを購入。 午後はプレプリント書きを始める。 間違いを発見するのが怖くて、 今日はイントロダクションとか文献表とかを書いていた。 しかし、近い内に「あっ(泣)」と叫ぶ日がやってくる…と思う。 夕方になって仕事に一段落ついたところで、 近所のスーパーに買い出しに行く。 やっぱりまだまだ暑い。8 月一杯は真夏日が続く予定だそうだ。 夕食は御飯を炊いて、清らかな一汁一菜。 夕食の支度の傍ら、カレーの仕込み。

「めぐり逢う朝」© HARA, Keisuke 2007

Monday, August 20, 2007

夏休み2 (ギネス/白くま/泡ロゼ)

9 時起床。 「花より男子2(リターンズ)」を観ている内に昼。 さて、夏休み二日目の昼食はどうするかな…と少し考えて、 近所の町屋インドカレー屋さんに決めた。 本棚をしばらく眺めて、クイーンの「ドラゴンの歯」(青田勝訳/ハヤカワポケットミステリ 213)を選んでから、本を片手に歩いて行く。

店では何故か、いつものインド音楽ではなくて、 バッハの無伴奏チェロ組曲が流れていた。 ランチのカレー二種セット(野菜と魚)と、ギネスビール。 昼間からビール。冷えたギネス。これくらいいいよね、夏休みだし。 十分弱とは言え猛暑の中を歩いた後だけに、 椎名誠ばりに美味しそうに飲んだと思うね。 食後のチャイと一緒に、もみじ饅頭を出してくれた。 何故にもみじ饅頭…しばらく読書して休んでから、 気合を入れて激しい日差しの中に出る。 歩いて大宮駅の方に行き、 ワイン屋で注文していたものを受け取る。 そうだ、かき氷が食べたいな、と思い、 コンビニエンスストアで「和風白くま」を買って帰った。

帰宅して、 寝台の上で「白くま」を食べながら「ドラゴンの歯」を読む。 音楽はボサノヴァ("Gontiti recommends Bossa Nova")。 音楽のせいに違いない、 少し横になったら眠くなってきて、また一時間ばかり昼寝してしまった。 夕方になって、お風呂に入る。 37 度の湯を張って、湯船で読書。 湯上がりに今日買ってきたばかりのスパークリングのロゼを飲む。 つまみにチーズ…しまった、昼に買っておけば良かった。 代わりに、冷凍してあったバゲット。夕食は冷やし納豆蕎麦。

夏休みの中の夏休みは終わって、明日からは普通の夏休みです(笑) 明日、ゴミ出しに起きられるかどうか。

Sunday, August 19, 2007

夏休み

10 時起床。昨夜、なかなか寝付けなくて寝坊してしまった。 個人的に今日は「夏休み」だが、 いつもとどう変わるでない引き籠り生活。 午前中はプロブレムを考える。 今回は夏休みで忙しかったから、全然解けていない。

昼は猛暑の中、少し歩いて近所の担々麺屋に行く。 担々麺(並)と、昼間から冷たい生ビール。休みだしいいよね、これくらい。 外出したついでに、ワイン屋に注文していたものを引き取りに行くかな、 と思ったが、店の外に出たらまた厳しい日差しで、 すごすごと家に帰る。シャワーを浴びて昼寝。 30 分くらい、と思ったら、丸々二時間寝てしまった。 休みだしいいよね、これくらい。寝過ぎて頭がぼんやりしたまま、 読み残してあった「ジーヴスと朝のよろこび」 (P.G.ウッドハウス/森村たまき訳/国書刊行会) の大団円を読む。 主人公バートラム・ウースターは私のヒーローだ。 黄金のハートを持つ人、と言う形容はこういう人のためにあるのだな、と思う。 ウースター家の家訓は「ともだちをがっかりさせないこと」と 「淑女のプロポーズを断わらないこと」で、 毎回そのおかげで困難に巻き込まれて、おバカな騒動を起こしては、 天才執事ジーヴスに助けてもらう、 と言うだけの筋。でも毎回、大笑いできて、癒される。 16 時くらいから 37 度のお湯を張って、湯船で読書。 「幸福論」(斎藤一郎/平凡社新書)。

夕食は盛り蕎麦とだし巻き卵。 夜はプロブレムの解答の清書など。 少し雨が降ってきた。

「私の夏休み」© HARA, Keisuke 2007

Saturday, August 18, 2007

検算

9 時起床。珈琲。午前中はプロブレムを考える。 昼食はトマトソースの残りと、玉葱とオクラでスパゲティを作った。 少し休憩してから、いよいよ検算作業に入る。 しかし、間違いは見つからなかった。 ひょっとして本当に出来たのだろうか。 特に華麗なテクニックを使ったわけでも、 新しいアイデアがあるわけでもなく、 やや要領良くやったかな、と言う程度。 今は、これでいいはずだ、と言う気持ちと、 まさかこんなに簡単に出来るはずがない、と言う気持の半々くらい。 どこかで勘違いをしているに違いない。 10 ページくらい不等式評価を続けるので、 間違う箇所に事欠かないことは確か。

地球上でこの問題を真面目に考えたことがあるのは、 私の知る限り三人だけで、 その内一人はこんな些細な問題を考えるには多忙過ぎるし、 一人は既に他界している。 つまり、この世で私だけしか考えていないと思われる上に、 優先権を争うほど重要性のある問題でもない。 まあ、ゆっくりプレプリントでも作りながら、間違い探しをしよう。 夕方、証明を最初から最後まで一通り清書して、今日はおしまい。 とりあえず、頭を冷やすために、二三日は数学を考えない予定。 つまり、本当に夏休みを取ります。

お風呂に入ってから、夜は久しぶりに近所のバーへ。 電話で予約してから、 「幸福論」(斎藤一郎/平凡社新書)を持って歩いて行く。 この前の日曜日以来、6 日ぶりに外出して、しかも人間と話をした。 まずテタンジェを一杯。白ワインと、 挽肉と甘長唐辛子とチーズのキッシュ、 鯛のポワレ、アメリケーヌソース。つけ合わせはグリーンアスパラガス。 食後にデザートワインとウォッシュタイプのチーズ。 お盆は暇と言う話だったが、 7 時過ぎくらいから段々とお客も入って、 電話の予約もいくつか入り始めたので、 8時頃、お邪魔にならない内に帰る。

「冷たい密室と博士たち」の犀川先生の言葉を思い出しながら、 家までの 15 分ほどの道をほろ酔いで歩いて帰る。 「学問というのは本来虚しいものですよ。(…) 学問の虚しさを知ることが、学問の第一歩です。 テストで満点をとったとき、初めて知る虚しさです。 それが学問の始まりなんですよ」…。 この真実を今、知っているのはこの世界に自分だけなのだ、 と言う幻想の虚しさ、幻想の孤独を知ることが、 学問をする価値かも知れない。

Friday, August 17, 2007

夏の夜の束の間の夢

9 時起床。今日は昨日より少し涼しかった。37.7 度だったらしい。 朝は珈琲一杯だけ。締切が 20 日だったことを思い出して、 慌ててプロブレムを考える。 昼食は久しぶりに御飯を炊いて、だしを引き、 冷奴、納豆に生卵、オクラと豆腐の味噌汁の粗食。 食後、少し昼寝をして、午後はいつものお仕事。

とすると、丁度、15 時頃であろうか、 まさかこんな誰でもすることで証明できるはずはないが、 一応行き止まりであることを確認しておくのも無駄ではあるまい、 特に今一つ気分の乗らないこんな日には、 と思って始めた計算が 15 分くらいで決着した。 しかも証明できてしまった。 勿論、これは良くあることで、 ほぼ確実にどこかで間違っているか、何か勘違いをしているのだ。 とは言え、ひょっとしたら、ひょっとするのではないか、 と言う僅かな、微かな、希望がないではない。 この希望をすぐに終わらせるのは勿体ない。 すぱっとノートを閉じ、お風呂に入って、 湯船でマンディアルグの短編集を読みながら、 冷やした白ワインを飲んだ。 少なくとも、明日の午前中までは、ほがらかな気分でいられそう。 明日、間違いを発見するまでは。

長葱と卵の炒飯、葱のスープ。 チェロを小一時間ほど弾く。無伴奏一番プレリュードなど。 このあと夜は、秘密プロジェクトの予定。

すっかり引き籠り生活が板についてきた。 確かこの前、家から出たのは三日前のゴミ出し、 その前はいつ外出したんだったかなあ… 人間と一言も話していないので、 ついクロに「にゃにゃ、にゃ?」(ごはん食べる?)とか話しかけてしまうほど、 言葉を忘れてきた。

Thursday, August 16, 2007

ビアホイ

9 時起床。朝、珈琲一杯。 昼食、王将の餃子二人前と汁ビーフン。 夕食、夏野菜のトマトソース・スパゲティ。 オクラも入れてみたのがいい感じだった。 今日の京都の最高気温はなんと 39 度。もう日本じゃない。 とは言え、今日も家から一歩も出なかったので、 そんなに暑かったんだ、と思うだけだけど。 しかしこうまで暑いと、 東南アジアや南の島にバカンスに行ったら、 海が近いだけに日本より涼しいと思うんじゃないだろうか。

最近、夕方の日の高い内にお風呂に入るのが習慣になってきた。 仕事の直後にくつろげる感じがいいし、 なんとなく夜の時間を得したような気になる。 それはさておき、 昼にお風呂に入ると、やっぱり湯上がりにはビール、そして枝豆、 って気持ちになる。 日本はこれから亜熱帯と熱帯の間くらいの気候になるはずなので、 きっと薄味のコクのないビールの需要が高まるに違いない。 来年の夏以降、 ベトナムのビアホイ風のビアガーデンが流行するんじゃないだろうか。 もちろんビールは氷入り。 どうですか、この企画。

「半減期」© HARA, Keisuke 2007

Wednesday, August 15, 2007

イマージュ

8 月も半分過ぎてしまった。早いなあ。 数学は当然のように全く進展ない。 この前の春の学会の講演で自分で出した問題を、 来年夏の大きなシンポジウムまでに少しでも解きたい、 と思っているのだが、順調なのは紙の消費だけだ。 昼食は盛り蕎麦と、冷奴にオクラと鰹節。 焼きびたしにしようと思っていた茄子がかなり傷んでいたので、 しばらく茄子とにらめっこして考えた末に、 夕食はトマトソースで茄子のスパゲティ。 今日も家から出ず。外はとても暑かったらしい。

最近の読書。 「真珠の耳飾りの少女」(T.シュヴァリエ/木下哲夫訳/白水uブックス)、 「半島を出よ (上、下)」(村上龍/幻冬舎文庫)、読了。 今日は、夕方まだ日の高い内にぬるめの湯を張って、湯船で ジャン・ド・ベールの「イマージュ」(榊原晃三訳/河出文庫)を読んだ。

「誘惑は暗く優しい」© HARA, Keisuke 2007

Tuesday, August 14, 2007

Als die alte Mutter mich noch lehrte singen

目覚しをかけて 8 時起床。 朝っぱらから気合の入った日差しの中、よろめきながらゴミ出し。 こういうのを美徳のよろめき、って言うのかな。 午前、午後とあまり調子が出ず。 仕事の合間に、と言うより、 お茶や珈琲をいれたり、本を読んだり、昼寝したり、お風呂に入ったりの合間に、 少し仕事。 昼食は昨日のスープで炊いた御飯の残りでオムライス、 夕食は蕎麦を茹でて、鶏肉で鴨せいろ風(?)。

夜はチェロを弾く。何だか素朴なメロディを身体が求めているようなので、 「ロンドンデリーの歌」を弾く。 アイルランド民謡の名曲だが、昔、人の前で情感たっぷりに弾いたら、 「私もケ○タッキー・フライドチキン好き」 って言われて、二週間くらい落ち込んだ。 ちょっと新しい曲も譜読みしようと、 「わが母の教へたまひし歌」をぽつぽつと弾いてみる。 気が済んだら、その後は秘密プロジェクトの予定。

Monday, August 13, 2007

チキンライス

目覚し時計をかけて 8 時に起きる。 とは言え、9 時起床。 今朝はやや雲が多く、まだそれほど気温は高くない。 水出しのルイボス・ティとバゲットの欠片。 コンピュータと 10 分チェスを一局。 Jennifer(1800)に対し黒番。ペトロフ。 軽くチェックメイト。最早、彼女は敵ではないな。 朝のお仕事。 昼食は御飯を炊く元気がなくて、盛り蕎麦と鰹のたたき。 半時間ほど寝室で昼寝をしてから、二階の仕事部屋(?)で午後のお仕事。

夕方 17 時頃、明るいうちから湯船に湯を張る。 ぬるめのお風呂に長々とつかって、時々読書、時々考えごと。 一時間くらい入っていた。 子供の頃は少し長くお風呂に入っているだけで、 すぐに指先がしわしわになった。今はそうならない。 湯上がりに三割引きで買ったシャンパン(Varnier-Fanniere)を一杯だけ。 日が経ったらますますあっさりして、これはこれで美味しい。 普段の値段は高過ぎるように思うが、 もう日本には輸入されないらしいのは残念。 もう一本店舗に残ってたら、セール中に買っておこうかな… 夕食は海南島風チキンライス。 簡単に言うと、柔く煮た鶏を、そのスープで炊いた御飯の上に載せたもの。 外で食べた記憶をもとに、こんな感じだろうと作ってみた。 まあ、どうやっても不味くはならない料理のような気がする。

夜はスミスロフの "125 selected games" から棋譜を並べたり。 私の好きな本人注釈の棋譜集は、フィッシャー、タリ、スミスロフ。 チェスファンが三つ挙げると、 その内の二つは大抵、フィッシャーとタリなので、 三冊目で趣味が分かる。

「流れる」© HARA, Keisuke 2007

Sunday, August 12, 2007

シャンパンを二杯

また遅くまで寝てしまった。いかんなあ。明日こそ早起きしよう。 昨日の京都市内の最高気温は 38 度だったそうだ。 ベトナム? 今日も暑そうだが、確かに昨日ほどじゃない。 目覚めの珈琲。ちょっとフィッシャーの棋譜を並べてから、 早めの昼食に王将の餃子を食べて、 日本橋のチェスクラブの例会に向かう。 午後からの二局。朝は二人だけだったようだが、 午後からは意外と盛況。

そして、デュシャン参りが良かったのか、 フィッシャーの棋譜並べが良かったのか、 昨日久しぶりにシャンパンを買ったのが良かったのか、 今日のチェスの女神様は私がお気に入りだったようだ。 前クラブ・チャンピオンを含む、 クラブのトッププレイヤの二人に連勝し、最近のスランプを脱出。 一局目、白番。シシリアン、モスクワ変化。 マイナーピースを全て交換して、 1 ポーンダウンのエンドゲームになったところで、 気持ちが緩んだのか前チャンピオンの大ブランダー。 指した途端に気付かれたらしく、 こちらの手を待たずして潔く投了された。 二局目、黒番。ヴォルガ(ベンコ)・ギャンビット。 流石に相手はベンコも良く知っていて、 5. b6 の突き捨てでポーン得を早々に返す手で対応された。 確か、シロフ得意のベンコ封じ定跡。 その後もタクティクスを事前に摘み取りあっては、 駒をあれこれ組み替え続ける難しいゲームだった。 やや黒が不利な 2R + N のエンドゲームになったあたりから、 白の持ち時間がなくなり始めた。 結局、相手のタイムトラブルの助けをかりて、 最後はポーン・エンドゲームを勝つ。 ルーク・エンドゲームの時点で多分、白優勢、 最善でもドローだったはずだが、指運が良かった。

意気揚々と帰還。 夕食は御飯を炊く時間もなくて、汁ビーフン。 豚の骨付き肉でとったスープに鶏肉と葱と生姜を加えて、 適当に塩と少しの醤油で味つけした。 食後にシャンパン。 そしてお風呂上がりにも一杯。

Saturday, August 11, 2007

卵を落としたとき

10 時起床。いかんなあ…来週からはちゃんと早く起きよう。 今日も最高気温 36 度の予報を見るまでもなく、 この寝室を出た踊り場のむっとするような暑気は猛暑。 階下のキッチンで珈琲とバゲットの欠片にオリーヴオイル。 コンピュータと 10 分チェスを一局。 David(2000) に黒番、ペトロフ。負け。 通信チェスの手を考えたりしている内に昼。 甘長唐辛子のスパゲティ、ワインを一杯。 食後のルイボス・ティを飲みながら、 フィッシャーの "My 60 Memorable Games" から一局並べたり。

遅く起きたので昼寝はなしにして、 昨日借りてきた本に目を通したり。 16 時前、休憩がてら近所のワイン屋さんの夏の決算セールを覗きに行く。 大きな通りに出たら、猛烈な日射しと熱波。37 度どころではない。 こんな時間のこの暑さなのにさすがセール、店舗はお客で賑わっていた。 セール商品を三本購入して帰ってくる。 ここまで暑いとなると、しばらく昼間は外に出られないな…

夕食には、鰹の叩きの散らし寿司。 一人分の散らし寿司と言うのも作り難いので、二人前弱くらい作る。 卵の澄まし汁を作ろうとしたら、うっかり卵を床に落としてしまった。 私はかれこれ二十年ほど、一人で暮らしているが、 つくづく嫌になるときがある。 その一つが、卵を床に落としたときだ。 もう一つは、煮込み料理を鍋ごと床にひっくり返したとき。 情けなくて、その場で自殺したくなる。 どちらかと言うと煮込み料理の方が派手な気がするが、 卵一つを床に落としたときのショックも、 地味に、ヘヴィに、ボディブロウのように効く。 フロイト的に何かを象徴しているのかも知れない。 真面目に考えたくないテーマだな、ほんと。 それはともかく、今日は運良く殻が丈夫だったらしく、 中身がほとんど殻の中に残っていたので、 無駄にせず溶き卵のような感じでお吸いものに使った。 中華料理に出てくるようなやつ。 立ち直りの早さが重要だ。 散らし寿司は結構美味しく出来て、 二人前弱、一人で全部食べてしまった。いかんなあ。 立ち直りを強化するために、 風呂上がりに今日買ってきたシャンパーニュを一杯だけ。

Friday, August 10, 2007

フィラデルフィア!

今日も寝坊。 寝室から出ると、階段のあたりからいつもと違う暑さ。 予報では 36 度、実際は 37 度超だろう。 今日は外に出なければいけないのに。 キッチンで珈琲とバゲットの欠片にバター。 コンピュータと 10 分チェスを一局。 Jennifer(1800) を相手に白番。ペトロフ・ディフェンス。 勝ち。 追試験のレポートを受け取るために、久しぶりに出勤。 キャンパスに向かう。 キャンパスはまさに言葉通りに白熱していた。 昼食は生協食堂。鮭の塩焼き、ひじきの煮物、冷奴、味噌汁、 玄米御飯(S)。 午後は追試験のレポートを受けとって採点、報告。 ついでに図書館に行って、必要な資料を探し、四冊ほど借り出す。 生協書籍部で本を買って、キャンパスでの用事は終了。

折角外出したので、 帰りに京都市美術館の 「フィラデルフィア美術館展」 に行くことにする。 (本家リンク: Philadelphia Museum of Art)。 ポスタはあちこちで見かけていたのだが、 「またルノワールとモネか」「何度目だ、印象派」 などと思って興味を持っていなかった。 しかし、デュシャンの「チェス・プレイヤーの肖像」が含まれていると聞いた上に、 知り合いから招待券をいただいたので、早速。 東山駅で下りて、コインロッカーに荷物を預け、 白川沿いを歩いて行く。かなりの暑さだが、 川沿いにほとんど日陰を歩いて行くので少しはまし。 とは言え、「オ・タン・ペルデュ」の前では、 よほどテラスでビールを注文しようかと思ったが、 そこはぐっと我慢して美術館へ。

人の入りはそこそこで、ゆっくりと観られるくらい。 いつものように「Z式」で観る。 つまり、ひととおり順路に沿ってざっと見て出口に到着すると、 今度は逆順に気に入ったものを中心に観て入口に向かい、 さらに順路に沿ってもう一度気に入ったものだけをじっくり観る。 今回、気に入ったのは順路に沿って以下の作品。 ピカソ「テーブルの上に瓶、トランプ、ワイングラスのある風景」/ デュシャン「チェス・プレイヤーの肖像」/ クレー「魚の魔術」/ ミロ「月に吠える犬」/ ステットハイマー「ベンデルの春のセール」/ ワイエス「競売」。ちょっとバラバラな趣味だけど、どうでしょう。 帰りこそ、よっぽどビールを飲もうかと思ったが、 同じ発想を持ったらしい人々で既にテラスは満席。 喫茶室でビールじゃ雰囲気が出ないなあ…と、あきらめて帰る。

夕食は御飯を炊く元気がなくて、 ゴーヤと豚肉と豆腐の素麺チャンプルー。 完全に我流だが、意外に美味しく出来た。白ワインを一杯。

Thursday, August 09, 2007

京都のお惣菜

9 時過ぎに目が覚めた。今日も暑くなりそうだ。 ほとんど家の中にいるので、害はないのだが。 寝床で「半島を出よ (上)」(村上龍/幻冬舍文庫)を読んでいたら、 起床は 10 時になってしまった。 珈琲とバゲットの欠片。 コンピュータと 10 分チェスを一局。 David(2000)は大学のチェスクラブのメンバで、 特に弱点のないオールラウンド型のプレイヤ。 保守的な序盤、開いた局面、古典的なポーン構造を好むそうだ。 黒番、ヴォルガ(ベンコ)・ギャンビット。負け。 うーむ、格段に強敵になったな。 昼食は卵と長葱の炒飯、ゴーヤのおひたし、葱のスープ。

午後はお仕事。 チェロの練習用だけに使っていた二階の部屋にテーブルと椅子を持ち込んでみた。 何もない部屋なので気も散らないし、 明るいので照明もいらないし、 小さな部屋なので冷房も良く効いて節約にもなっていいかな、と。 夕方少し涼しくなってから、食材の買い出しに行く。 駅前の「餃子の王将」で特売をしていたので、 生餃子(一人前 100 円)も買ってきた。 壬生育ちのグレゴリ青山さんによれば、 京都の地元の味、京都のお惣菜と言えば「餃子の王将」だそうだ。 きっとこの店で買っていたのだろう。 誰にも信じてもらえないのだが、 駅前のこの店が一号店(だと思う)。でも誰から聞いたのか、 どこで知ったのかさえ忘れたので、自分でも疑わしく思えてきた(笑)。 夕食は蕎麦を茹でで、盛り蕎麦。甘長唐辛子の焼きびたし。 これだけで済ませるつもりだったのが、 ちょっと足りないかな…と思って餃子を焼いてしまった。 餃子にはやっぱり麦酒だよなあ。買っておけば良かった。 食後は久しぶりに湯船につかる。 夜は秘密プロジェクト。

Wednesday, August 08, 2007

ウルフ音とブショネ / 100 億円なんて

9 時起床。今日も晴天。 今日から暦では残暑らしいが、 京都はこれから本格的な猛暑になりそう。 寝床で「緑は危険」(クリスチアナ・ブランド/中村保男訳/ハヤカワ文庫) の残りを読了。今まで何回か読んだが、 その度に犯人を忘れていて、新鮮に楽しめる。 階下のキッチンで珈琲。 コンピュータと 10 分チェスを一局。 Jennifer(1800) はチェス歴 5 年、 卓越した序盤理論の知識を持ち、怪しげな序盤を軽蔑している。 閉じたポジションを好む、らしい。 黒番、ペトロフ・ディフェンス。白側から繰り返しのドロー。 午前中に少し仕事。やはり 9 時起きでは、朝の時間が足りないな…

昼食は茸のリゾット。つい白ワインを一杯だけ。 食後に少し昼寝して、午後の部。 夕方になって、ストレス発散のため掃除機がけ。 夕食の準備。御飯を炊いて、 豚肉とエリンギの炒めものと、ゴーヤのおひたし。 ゴーヤを向こうが透けるくらい薄切りにして、 鰹節とでおひたしにしてみた。 食後はシャワーの後、チェロの練習。 何故か今日は、D 弦の F 音のウルフが激しい。 こんなことを言うのは私だけかも知れないが、 ワインのブショネはウルフ音に似てないかな。 すーっと音が伸びなくて、ひっかかるような嫌な感じが。 夜は秘密プロジェクト。

今日の読書、「100 億円はゴミ同然」(坪井信行/幻冬舎新書)。 タイトルは無理にキャッチーにつけた(か、つけさせられた)のだろう。 タイトルはひどいが、 投資関連業界にどんな職種があって、それぞれどんな感じで働いているのか、 一時間程度でぱらぱらと読めてお手軽に分かる。 僕の周りの院生や学生は証券や銀行関係に就職することが多いので、 雰囲気がつかめて良かった。 例えば、証券会社と投資銀行(インベストメント・バンク)では、 「アナリスト」と言う職種の意味が違う、とか、 投資銀行では数年アナリストをやった後、 自分で部下を持って独立した仕事ができるようになる地位が 「バイス・プレジデント」で、 ディレクタやマネジメント・ディレクタよりも下の職階だとか、 知らないことが多かった。 定価 720 円とは言え内容がかなり薄いので、 学生さんが自費であえて買うほどの本ではないが、 学生・院生室に一冊置いてあってもいいだろう。

「箱詰め猫」 © HARA, Keisuke 2007

Tuesday, August 07, 2007

初ゴーヤチャンプルー

8 時に目が覚めたが、起床は 9 時。 もう一時間後ろにずれてきた。今日も暑くなりそうだ。 水出しのルイボス・ティ。目覚しにコンピュータと 10 分チェス。 Peter(1600)は公園のブリッツ勝負師、 経験豊かで、オフビートな定跡を好む、という設定。 黒番。1. b4 言わゆる「オランウータン定跡」だ。 クイーンただ取られのブランダーで負け。 悔しくてもう一局。白番。スコッチ。今度はあっさり勝ち。 10 時から少し数学を考える。またメイルで会議のお報せ。 今度は文系教養科目のコーディネーター会議らしい。 そういや、そんなものにもさせられていた。

昼食は夏野菜スパゲティ。セミヨンの白ワインがあいそうだったが、 午後の仕事に影響するのでアイスティにしておく。 食後に小一時間ほど昼寝してから、また数学。 やっぱりこの問題は難し過ぎるかなあ… しかも、そこに山があるから登るんだ的問題で、 出来たところで誰にも褒めてもらえなさそう。 時間の半分は別の問題に向けようか。 珈琲豆が切れたので、 夕方少し涼しくなった頃を見計らって買い出しに行く。 珈琲豆を買うと、今日は十周年記念日だそうで、 ロゴ入りコースターかアイスクリームをプレゼントしてくれると言う。 アイスクリームをもらう。チョコチップ入り。 ついでにスーパーで豆腐を買って、 少し本屋を見て帰ってくる。 帰宅した途端に外が真っ暗になり夕立になった。 激しい雷鳴と大粒の雨。夏だなあ。

夕食は御飯を炊いて、ゴーヤチャンプルー。 初めてにしては良くできた方かな、というくらい。 白ワインを一杯だけ。

Monday, August 06, 2007

夏休み

7 時に目が覚めた。 朝の霧でしっとりとした緑の丘に雲雀は鳴き、 蝸牛がゆっくりと朝露に濡れた葉を這い、 神は静かに天よりしろしめす、世はこともなし。 ああ、平和とはこういうことであったのであろう、 ああ、我が愛しの忠実なる秘書セレストよ、いつものように、 スプーンが立つほど濃い珈琲と、 手に取るとぱりぱりと音が鳴るようなクロワサンを寝台まで持ってきてくれないか。 以上、心象風景。終了。

寝床で「緑は危険」(クリスチアナ・ブランド/中村保男訳/ハヤカワ文庫) の続きと、 「ジーヴスと朝のよろこび」(P.G.ウッドハウス/森村たまき訳/国書刊行会) の続きを読み、8 時に起床。 既に朝の日差しの叩きつけるカーテンを開けると、 朝の霧でしっとりと濡れた緑の丘が広がっている代わりに、 コンクリートやらアンテナやら煙突やら電信柱やら電線やらに、 真夏の太陽が照りつけていた。雲雀も蝸牛もいそうにない。 階下のキッチンで珈琲をいれる。 しばらくインタネットを巡回し、 コンピュータ相手にチェスを一局。 Ellen(1400)はチェス歴 3 年、攻撃型で、まあまあの序盤の知識を持ち、 シャープなラインを好むそうだ。 持ち時間 10 分、白番。25 手でメイト、勝ち。 9 時から数学を考える。 少し調子が出てきた頃にうっかりメイルを見たら、 また新学部の数学教育関連。電話をかけて打ち合わせをしたり。 電話で仕事をするのは好きじゃないが、しようがない。 また数学に戻って、11 時半まで。 御飯を炊いて昼食の準備。 ゴーヤと油揚げの炒め物(ウー・ウェン先生レシピ)、 長葱と油揚げの味噌汁で一汁一菜。 食後は半時間ほど昼寝。 14 時からまた数学。だんだんと何をしていたか思い出してきた。 ずいぶんと下げた目標に向けてやや進んだような気がしたので、 少しやることを残して、二時間くらいで今日はやめ。 夕食の支度の時間まで、プロブレムを考えたりして遊んだ。

夕食はオムライス。赤ワインを一杯だけ。 シャワーを浴びて、 湯上がりのルイボス・ティを飲みながら、小一時間ほどチェロを弾く。 そのあとは夏休みの秘密プロジェクト。

「光あるところに影がある」 ©HARA, Keisuke 2007

Sunday, August 05, 2007

焼き茄子

またしても良く寝た。9 時起床。 午前中はちょっと棋譜など並べてから、 御飯を炊いて早めの昼食。 青椒肉絲風の野菜炒め、若芽の味噌汁。 午後は「アンパサン」の例会に参加して二局。 一勝一敗。相手の激しいブランダーのおかげとは言え、 ようやく連敗を止めた。 この勝利の二局目が 15 手ほどで終わってしまったため、 17 時台に大宮まで帰ってきた。 日本橋も猛烈な暑さだったが、夕方の京都もまだ暑い。 今年はやっぱり猛暑かな。 スーパーで野菜中心に食材を買って帰宅。 初めてゴーヤを買った。 ゴーヤって今まで一度も自分で料理したことがない。 明日あたり、人生初のゴーヤチャンプルー作りかな。 あ、でも豆腐買ってない。油揚げじゃだめかな…

夕食は冷や御飯を使って、卵と長葱の炒飯、焼き茄子、葱のスープ。 鉄網で茄子を焼いて、箸で皮を剥く。鰹節と生姜と醤油。 食事の後、シャワーを浴びてから、 夜は少しチェロを弾く。

Saturday, August 04, 2007

フランス料理と科学

9 時起床。疲れていたのだろう、良く寝た。 目覚ましの珈琲。 午前中は最新号の "New in chess" から、 クラムニク vs. ゲルファンドの棋譜を並べたり。 昼食はリーゾ・パルマ、ポテトサラダ、白ワインを一杯。 前回はうまく出来たのだが、今回は失敗。 米を炒め過ぎた。 食後に珈琲とカステラ。

午後は寝室で「真珠の耳飾りの少女」(T.シュヴァリエ/木下哲夫訳/白水uブックス) を読んでいたら、 いつの間にか寝てしまっていた。 日射しで明るい浴室の湯船に湯を張って、昼風呂。 風呂上がりに一杯だけ白ワイン。つまり昼酒。 昼寝、昼酒、昼湯を制覇。 本当なら朝寝、朝酒、朝湯をクリアしたいのだが、 朝に弱くて午前中にはそこまでの元気がない。 おそらく小原庄助さんは、意外と勤勉だったのだろう。 夕方になって近所のバーに電話、 読書用に「フランス料理の『なぜ』に答える」(エルヴェ・ティス/須山泰秀訳/柴田書店) を持って、歩いて夕食に向かう。

ついに夏休み、を記念してテタンジェ。 いつものようにキッシュと煮込み料理を頼むと、 F シェフが側にやってきて、 「ムール貝もあるんですよね…」とつぶやくので、 キッシュをそれに入れ替えてセットにしてもらう。 二枚貝は夏が季節、とのことで、随分と良く太った立派なムール貝だった。 煮込みは子羊の脛肉、夏野菜のソテーのつけあわせ。 やっぱり夏は野菜が美味しい。 京都の夏は、唐辛子、茄子、トマトの黄金トリオ。 そして、やっぱりキッシュを食べないと寂しいので、追加注文。 帆立とトマトとチーズのキッシュ。 ほとんど卵を使っていないため、パイのようで見目麗しかった。 最後に、デザートワインを一杯とブルーチーズ。 週末の割に空いていたが、時間が早いのと、 既にヴァカンスのシーズンだからだろう。 きっと夜は忙しくなるだろうから、邪魔にならないよう 20 時頃に退散。

「フランス料理の『なぜ』に答える」によれば、 キッシュなどの卵液が高温でも固まらないのは、 小麦粉の澱粉成分によるものだそうだ。 澱粉の長い分子が水分に溶けて、 卵のタンパク質の凝集をブロックするのだとか。 サバイヨンやカスタードクリームを作るときにも、 この原理が働いているとのこと。 ただ、科学的な理由はまだ十分に分かっていないらしい。 なかなか面白い本だ。 原題の "Les secrets de la casserole"(「キャセロールの秘密」) の方がキャッチーだったとは思うけど。 著者はフランスの物理化学者で、 料理と科学をからめたラジオやテレビの番組で人気だそうだ。 イギリスで似たようなコンセプトのテレビ番組を観た記憶があるが、 ひょっとするとフランスからの輸入だったかも。

Friday, August 03, 2007

湯船 / J.Rowson について

台風は夜の内に日本海へ抜けて行ったので、 結局ほとんど影響を受けないで済んだ。 駅で「真珠の耳飾りの少女」(T.シュヴァリエ/木下哲夫訳/白水uブックス) を買って、車中で読みながら京都に帰ってくる。 原書 "Girl with a pearl earring" を読んだはずなのだが、 初めて読むように新鮮。あまり分かっていなかったらしい(笑) それはともかく、この版は字が小さくて辛いなあ。

夕食は車中で食べるつもりだったが、結局、家まで持って帰ってきた駅弁。 それだけでは侘しいので、卵の澄まし汁も作った。 食後は出張費用の計算をして家計簿をつけつつ、珈琲とカステラ。 最近、シャワーで済ませることが多かったが、 久しぶりにゆっくり湯船につかる。 「湯船」って良い言葉だなあ。 アヒルのコンラッド君も健在。

湯船では、今日到着したばかりの "New in chess" をぱらぱらと読む。 今回の目玉は何と言っても、クラムニク vs. ゲルファンド戦の クラムニクによる詳細な注釈だろうが、 私が毎回楽しみにしている連載記事がある。 J. Rowson によるブック・レヴュー、"Rowson's Review" だ。 この人の文章はチェスの話に限らず、とても面白い。 前回の Waitzkin(映画「ボビー・フィッシャーを探して」の主人公) の自己啓発本とカスパロフの同様の本の比較レヴューは本当に笑わせてもらった。 彼が書いた専門的なチェスの本だと "The seven deadly chess sins" (「チェスにおける七つの致命的な罪」) など、私の好きなチェス本のベスト5に入れてもいい。 残念ながら、タイトルが不真面目なのと、 七つの大罪に沿ってチェスの理論を説明すると言う、 おそらく若さゆえに飛びついてしまった凡庸なアイデアのため、 日本のチェスファンには全く読まれていないと思われる。 残念だ。内容は凄く面白いのに。 ちなみに私の個人的な感触では、 Rowson のチェスの理解は相当深いし、 時々はっとするような対局もしているが、 多分、スーパーGMのレヴェルには到達しないと思う。 そうなるにはちょっと、インテリ過ぎる。 将来的にはチェスが趣味でGMのタイトルも持っている弁護士とか、法律学者とか、 そのあたりに落ち着いて、シリアスな対局から身を引きそうな気がする。

さて、これでいよいよ夏休み。したいことが色々あるけれど、 明日、明後日はなーんにもしないで、ゆーっくりと、のーんびりと、休みますよ。

Thursday, August 02, 2007

台風と競争/前割り

8 時起床。目覚ましの珈琲。天気予報を見ると、 台風はスピードアップして、予想以上の速度で現地に近付いている。 肉玉饂飩を作って食べて、午前中に家を出る。 台風とどっちが先に現地に着くか競争。 ほとんどタッチの差くらいで私が勝った。 無事に現地到着。 夜は強い風の吹き荒れる熱帯と化した町で、現地の人と居酒屋に行く。 人気店らしいが、勿論こんな日だから、がらがらに空いている。 芋焼酎の「前割り」と言うもので、あれこれご馳走を食べる。

「前割り」とは簡単に言ってしまえばただの水割りなのだが、 その場で水を混ぜるのではなくて、数日前に混ぜておいたもののことだそうだ。 焼酎は出荷の段階で軟水で割って指定の度数に調整する (この工程を「和水」と言う)らしいが、 それをもう一度、店舗で行なうようなものだろうか。 こうすると、 単なる水割りよりも水分子とアルコール分子が緊密に混じりあって、 味がまろかやになるんだそうだ。 本当にそんな分子レベルの違いが舌で分かるのかと思うが、 ただの水でも、 振動を加えて水分子のクラスタ(かたまり)を小さくすると美味しく感じる、 と聞いたことがある。本当なのかも知れない。 (この水分子クラスタ云々の話はウソでした。 詳しい情報へのリンクなどは以下コメント欄を参照のこと。 30 Nov. 2007)
(ちなみに、水に優しい言葉を話しかけると美味しくなるとか、 結晶の形が綺麗になる、と言うのは、 当然ながら全くのでたらめで、オカルトである。 このオカルトが、 「道徳教育」になるからと言う理由で公立の小学校教育に広まっているのは、 大変心配なことだ。)

台風の速度が速まったおかげで、 今夜の間に日本海に抜けてしまいそうだ。 おかげで明日金曜の午後に無事に京都に帰れそう。

Wednesday, August 01, 2007

リーゾ!

8 時起床。今日も暑くなりそうだ。 今日も採点のために出勤。 昼食は生協食堂にて、鶏の山賊焼きと漬物、玄米御飯(S)、味噌汁。 午後は、海外出張中の先生の代理で試験監督。 今日で採点も監督も全て終わった。 採点終了を祝って早い帰宅。 少し仮眠をとってから、夕食。 リーゾ・パルマとワインを一杯、食後に珈琲。

リゾットがうまく作れない、 イタリア料理屋で食べるのと全然違う、と言っていたら、 「炒めた米に熱いスープ(ブロード)を入れて煮るのがコツ」 と教えてもらった。 さらに、また別のところで、 「最後に火を止めたところで、冷たいバターを加えるのがコツ」 とも教えてもらった。 つまり、どうもこれは難しい料理らしい、と気付き、 リゾット専門の本を買って勉強した。 「リーゾ」(ピエロ・ベルティノッティ/柴田書店)によれば、 やはりポイントには上の二点が含まれていた。 オリーヴ油で玉葱を炒め、その油を使う、 熱いブロードを加えて煮込む、 最後に火から降ろしてから、 冷たいバターを加えて空気を含ませるように混ぜる (この工程をマンカテーレと言う)、 などがリーゾの種類によらず共通するポイントのようだ。

明日は秘密出張。一泊予定なのだが、 台風がかなり西側に逸れて、現地を直撃しそう。 往きは明日の午後なので大丈夫そうだが、 帰りの金曜日に直撃の可能性が高い。 帰ってこられるだろうか… とりあえず、足止めされたときのために、 暇つぶし用のノートを持って行こう。