Friday, May 30, 2008

風邪 / ナイト・ムーヴ

昨日の昼くらいから風邪気味かなと思っていたのだが、 やはり急激に悪化し、昨深夜あたりから風邪でダウン。 特に決まった予定のない金曜日で助かった。 だから気持ちが緩んだのかも。 首にタオルを巻いて厚着をし、汗をかくくらいの状態で、 寝台で安静にする。 途中、近所でポカリスエット 1 リットルとビタミン剤を買ってきて、 大量の水分とビタミンを確保。夕食は近所の生姜入りカレー。 眠ることもできないので、一日、本を読んだり、 「ランダム・ナイト・ムーヴ」のプログラミングをしたり。

丁度、「シミュレーション技法」の講義で、 ランダム・ナイト・ムーヴの話をしたところだったので、 自分でも C 言語でプログラムを書いて実験してみた。 チェス盤でナイトをでたらめに動かしていくと、 何回くらいで全てのマス目を訪れることが出来るか、と言う問題。 講義で参考にしている S 君のノートによると、 約 500 回くらいで訪れる、と書かれていた。 プログラム自体は朝のうちに出来たので、 1 セット 100 万回の実験を何回かしてみたところ、 ナイトが全てのマス目を訪れるのにかかる回数は、 平均で 555 回程度、標準偏差は 200 強程度だった。 もっと詳しい統計処理をしないと分からないが、 何となくもっと分散が小さいと予想をしていた。 風邪で朦朧とした頭で書いたので、 勿論、バグがなければ、の話だが。

そして夜には概ね、風邪の症状はひいた。 江戸っ子でも入るのをためらうような、熱湯風呂に入って消毒する。 明日の午後には治りそうだ。 しかし一人暮らしで病気になると、 苦境にこそ上唇を硬くしてその本領を発揮すると巷間の評判も高い、 原家の人間ですらも、少しは心弱くなるものだ。 ああ、こんなときにまだ執事がいてくれたらな、 と思いつつ寝台の中で、 北山ル・アンジェ教会の信者席最前列のかぶりつきで 「今や働く者の務めは終われり」を熱唱して、 結婚と独立を祝ってやった時のことを回想していると、 寝室の外で「にゃー」とクロの声がする。 そうだ、私にはお前がいたのだね…、 そういや、今日はまだ御飯をやってなかったっけ。

明日は私用で出張のため、更新はお休みします。

Thursday, May 29, 2008

スティルトン

寝坊。 学生さんが教育実習のため今朝のゼミはお休み、 となるとつい気持ちが緩んでしまった。 慌てて出勤。10 時過ぎにキャンパス着。 午前中は雑用のあと、 午後の講義の準備。 学食で昼食をとって、 12 時半から「シミュレーション技法」の講義。 マルコフ連鎖の基本的概念。 1 コマ分の空きのあと、15:50 から「情報理論」の講義。 エントロピィの性質、平均語長との関係など。 コミュニケーションペーパーなるもので、 学生とコミュニケーションしろ、というお達しだったので、 そのなんとかペーパーを配布して、 希望者には返却してもらった。 部屋に戻って、少し雑用をして帰る。

19:30 くらいに帰宅。 近所のバーに電話してから、 「ガストロノミ」(J.ヴィトー/佐原秋生訳/白水社、文庫クセジュ) を持って、バーまで歩いて行く。 キッシュと、鴨のソテー。 いつものようにキッシュから食べていると、 何だか味が違う。フルーティと言うか、 ヨーグルトのような、 もっとはっきり言うと、ブルーベリー・ヨーグルトのような風味があり、 画期的な味がする。 美味しくないわけではなかったのでそのまま食べて、 食べ終わったあとに、 「今日のキッシュは何か違うね」と F シェフに言ってみる。 どうやら、使ったチーズがフルーツ入りのスティルトンだそうだ。 スティルトンは女王陛下も愛されていると聞く、 イギリスを代表するブルーチーズだが、 フルーツ入りのものがあって、 その上品なケーキのような風情が特に女性に人気のあるチーズである。 それをキッシュに使うとはかなり大胆な発想だ。 「この食材にはあうんじゃないかな…と思いまして。 けして、余ってたからじゃないです」、 と F シェフは主張していた。 ずばり、余ってたんじゃないかな… でも美味しかったです。 次があるかどうかは不明だが、特に女性にはうけるかも。 その後、アルザスつながりのウォッシュタイプのチーズと、 デザートワインをいただき、 さらにこの店で初めて、ガトーショコラをいただいてから帰る。

Wednesday, May 28, 2008

激辛アラビアータ

8 時起床。9時半くらいにキャンパス着。 朝食にツナ胡瓜巻きを食べて、 10 時からM2ゼミ。 第一定理の証明、ラフパスの定義など。 昼食は学生食堂にて、 十五穀米カレーのセット。 午後は数学を考える。 今日は学科会議はお休みとのことだったので、 数学を続けて、早めにキャンパスを後にした。 夕食は最後のトマトソースを使って、 アラビアータ・スパゲティ。激辛。 赤ワインを一杯だけ。食後に珈琲。

夜は新古典不等式関係でちょっとプログラミング。 さすがにこんなところで反例は見つからないか… 一応、計算機は走らせたままにして、 このあとは読書か、チェスの勉強かな。

Tuesday, May 27, 2008

無駄遣い

8 時起床、すぐに出勤、9時半くらいにキャンパス着。 キャンパスが眩しい季節になってきた。 朝食のねぎとろ巻きを食べて一服してから、 午前中は数学を考える。 昼食は学生食堂にて、十五穀米あなご丼セット。 午後はゼミの予定だったが、 院生が体調不良のためキャンセル。朝の続きの数学を考えたり、 途中で学科長がやってきて、委員の仕事をしたり。 14:10 より「暗号理論」の講義。原始根、指数(離散対数)など。 講義のあとも、しばらく数学を考えて、18 時くらいに帰る。

車中の読書は、「市場リスク 暴落は必然か」(R.ブックステーバー/ 遠藤真美訳/日経BP)。 これは面白い。ただ、一般読者向けにしては、専門的過ぎる。 かなり金融工学の言葉に慣れていないと、 何を言っているのか分からない所だらけだろう。 それでもエキサイティングに書けているので、 細部は気にせず読めばいいのかも知れないが。 昨日読んだところでは、 かのLTCMが莫大な利益をあげていた理由は、 深遠で高度な取引手法ではなく、 まさに市場に奉仕していたからだ、と言う一文に目から鱗が落ちた。 LTCMは市場に流動性を提供し、 他の投資家が取り除きたがっている信用リスクを引き受けていた。 この流動性リスクと信用リスクの二つの巨大さを考えれば、 利益は正当な額だった可能性が高い、との見解である。 そして、実際、そのリスクが実現したわけだ。

19 時過ぎに帰宅。シャワーを浴びてから、夕食の支度。 新じゃが芋のニョッキの半熟茹で卵のせに、 昨日作ったトマトソース。アルザスの赤ワインを一杯だけ。 夜は、今日考えたことを TeX でノートにしておくかな。

上の「市場リスク」もその例なのだが、 amazon に騙されてうっかり原書を買ってしまったのはよいが、 なかなか読了できず、 ちびちびと読み進めて半ばまで来たタイミングで翻訳が出る、 と言う切ない目に頻繁にあっている。 大抵こういう本は、原書で読まないと味わいに欠ける、 と言うタイプではないので、 時間の節約にために翻訳を買い直してしまう。 そして、何のために原書を買ったのか、と憂鬱になる。 ``Black Swan" (N.N.Taleb) も危なかったが、 前著の翻訳が出たのに危機感を持って、慌てて何とか読了した。 次あたり危ないのは ``Critical Mass" (P.Ball) だ。

Monday, May 26, 2008

麗しのマティルダ

8 時起床、9時半キャンパス着。朝食は納豆巻き。 10:40 から卒研ゼミI。可換事象、ド・フネッティの定理など。 昼食は学生食堂にて。午後は 14:10 から卒研ゼミF1。 二項モデルのマルチンゲールによる見直し。 続いて、15:50 から卒研ゼミF2。中心極限定理への準備として、 測度の弱収束、分布の法則収束との関係など。 17:20 に終了。部屋で雑用をして、18 時頃に撤収。 19 時過ぎに帰宅。マリナーラソースを作って、トマトスパゲティ。 アルザスの赤ワインを一杯だけ。食後に珈琲を一杯。

昨夜は、つい TV で映画「コンスタンティン」を観てしまった。 ティルダ・スウィントンの顔が好きなのでつい。 登場シーンでは、スーツ姿がびしっと決まっていて、 流石に格好良かった。 もし自分が女だったら、こんな感じに生まれたかったなあ… いや、男でも、こんな感じに生まれたかったかも(笑)。 デレク・ジャーマンの映画に出てた頃に、 いつか彼女もブレイク(?)しちゃったりして、 超大予算ハリウッド映画の「ナルニア国物語」に出ちゃったりして、 とか言われたら、腹を抱えて笑ってただろうなあ。

Sunday, May 25, 2008

自由を摘む

8 時起床。珈琲だけの朝食。 劇場版「相棒」を観たからと言うわけでもないのだが、 久しぶりに午後は大阪のチェスクラブに行くことに決めた。 手帳を見ると三月末以来。およそ二ヶ月ぶりだ。 最近は一切休日をとらない方針でもあり、 しばらくはせいぜい、一ヶ月に一回くらいのペースかな、と。 午前中は勘を取り戻すために、 と言うより、駒の動かし方と採譜の仕方の確認みたいな感じで、 ``Great Predecessors" からペトロシアンの棋譜を少し並べる。 近所のカレー屋で昼食をとって、チェスクラブに向かう。

日本橋のチェスクラブにて、午後からの二局に参加。 第一局は同じくらいのレイティングの方と白番。 おそらくクラブでは初めて、1. d4 を指してみる。 キングズ・インディアン。 やはり慣れていないこともあって序盤ではかなり不利だったが、 有利なマイナ・ピースのエンドゲームに持ち込み、何とか勝たせてもらった。 第二局は元日本チャンピオンの BS さんと白番。 このクラスの方と通常の持ち時間で対局するのは初めてだ。 シシリアン・ロッソリモ。 私の知らないサイドラインだったが、 ほとんどセオリー通りに指せていたらしい。 しかし中盤に入るところで盤面を閉じてしまったのが戦略的に誤りで、 途中から手がなくなって後はじわじわと負けて行った。 時間だけはフルに使ってもらったが、やはり手合いが違う。 弱点を複数作ったら、あとは急がず慌てず、 じっくり料理していきますよ、と言う感じで完敗。

負け試合では何故か自分から盤面のあちこちをキメてしまい、 自分で自分の手をなくしてしまうものだ。 思うに、色んな可能性を開いたままにしておくのが怖いのだろう。 ああもできるし、こうもできるし、 と言う自由と可能性の広さに耐えられなくなって、 自分から手を摘んで、心配が少なくなった、と安心する。 しかしこれは、自ら自分のエネルギィと自由を奪っているだけで、 特に敗勢のときには自殺行為に過ぎない。 実際、多くの場合、あとはずるずると状況に押し流されて行くだけで、 反撃しようにも、その反撃の芽は、自分で摘んでしまっているのだ。 自由と可能性の広さを怖れるな、 これはまさに人生における教訓だな…と阪急の車中で考えながら帰った。

Saturday, May 24, 2008

劇場版「相棒」 / ステイルメイト

8 時起床。やや、ゆっくりと出勤。 10 時くらいにキャンパス着。 今日は月曜日の振り替え授業日。 今日もキャンパスには大勢の学生がいて、確かに通常通りだった。 午前は事務仕事をして、午後は数学を考える。 希望があれば個別にゼミをする、と卒研生たちには言っておいたのだが、 課題自習が忙しいらしく、一人も来なかった。 ちょっと早めにキャンパスを後にして、 夜は二条駅隣りのシネマコンプレクスで、 映画「相棒」を観る。

思ったより深くストーリィにチェスをからめていて、なかなか面白かった。 「ステイルメイト」の意味をもっと生かし切って欲しかったな… とも思ったが、おそらくこれはシナリオのアイデアをどこまで、 公開版の最後の映像に仕上げられるか、という普遍的な問題だろう。 普通の人はステイルメイトとは何かをそもそも知らないので、 その意味をちゃんと説明し出すと、バランスがとれなくなってしまう。 ここらへんで手を打つのが賢明なのだろう。 「戎棋夷説」 (08/05/21)で maro さんが言及していた対局時計の問題は、 見終わった後で、ああそういうことを書かれていたのか、と意味が分かった。 確かに理由はつけられるが、やや不自然だろう。 エンドロールで、 T 大チェスサークルの S さんの名前がチェス監修として大きく出ているのと、 日本チェス協会の方はつつましく、 協力会社団体らリストの中に混じって小さく出ているだけなのを確認。

また、知り合いの市井の辛口 TV 評論家が (初期の「相棒」を高く評価していたのに)、 この劇場版には厳しい駄目出しをしていて、 唯一、木村佳乃の演技に救われたとまで言っていたので、 そのことにも注意しつつ観た。 美人秘書、じゃなかった、国会議員の役どころである。 うーむ、演技と言うか、反演技と言うか、 「能」が表現豊かだと言う意味で、非常に表現豊かだったかも知れない。 観る側の想像力に任せ切った、抑制の効いた演技である。 確かに木村佳乃が出ていなかったら、 TV ドラマとの差がつかなかったように思うので、 キーポイントではあったかも。

さ、王将の餃子でも焼こう。

Friday, May 23, 2008

∞の字

8 時起床。 快晴。気温も上がりそうだ。 いつものように、寝室の前で猫が朝の ∞ の字運動のためにスタンバイしていた。 私の足の間を∞ 記号型にからみつき歩きながら、私の左右の足首を交互に噛む運動である。 そんな猫をドリブルしながら階段を降りて、朝食代わりの珈琲。 この家は一人住まいには無駄に広いし、 いつかは猫に階段を突き落とされて人生を終えることになりかねない。 もうちょっとこじんまりした住居を探すべきかなあ。 午前中は、洗濯をして、掃除機がけをして、 午後の講演の準備。

外出して、近所で昼食。 古本屋で本を売り、 そのお金で三条大橋SBUXでフラペチーノを飲みながら、 講演の準備。 15:30 から京大にて、ちょっと他分野のセミナで講演。 ラフパス理論を滑らかな関数に応用して、 非線形フーリエ変換の定義に使うという話で、 3 年前からほとんど進展していない。 自分で解けないものだから、 機会を見つけて問題の宣伝に努めている。 講演時間が二時間もあったので、 多めにノートを用意しておいたら、 時間が足りなくなってしまった。ちょっと失敗。 講演後、コモンルームでお茶とお菓子(京銘菓、阿闍梨餅) をいただきながら、色々とお話をうかがって楽しかった。 今日いただいたものも美味しかったが、 本店で買える焼きたての阿闍梨餅は格別に美味しいらしい。 19 時くらいに京大を後にする。

丁度、よい時間だったので、かなり久しぶりに祇園のバーに行く。 シャンパーニュを一杯。 今週は大変に過酷な一週間で、 愛する姪にヨットと子馬をプレゼントするために一夏過酷に働いたと言う ステファヌ・マラルメなみに、過酷に働いた。 これくらいの贅沢は許されるだろう。 うすいえんどうと牛蒡、肉ミンチなどのキッシュで、 アルザスの白を一杯。 21 時少し前に帰宅。

Thursday, May 22, 2008

フルスロットル

8 時起床。すぐに出勤。 海老マヨ巻きを食べながら、午前は卒研ゼミS。 Jensen の不等式など。 30 分の昼休憩の間に、朝に生協で買っておいた弁当の昼食。 12:30 から「シミュレーション技法」の講義。 マルコフ連鎖について。 1 コマ分の空き時間に研究室の整理。 数理研講究録と Seminar on probability のシリーズから、 100 冊ほど数ファ研に寄付。 15:50 から「情報理論」の講義。 情報量とエントロピィ。 夜は、学生サークル「数学研究会」のコンパに、 財布の一人として参加する。 もっとささやかな会を予想していたのだが、 実際 50 名くらいいたんじゃないだろうか、 かなりの人数で驚いた。 21 時半くらいに一次会はお開き。 二次会も勿論あるようだった。 23 時少し前に帰宅。

宴会のときに学生に聞いてみたら私の午前ゼミは、 最初の一時間は「顔がまだ出来てない」ほどぐったりしていて、 11 時頃くらいからようやくエンジンがかかってくるんだそうだ。 自分としては、開始直後からフルスロットル、 くらいの気持ちでいたのだが…

Wednesday, May 21, 2008

ウッドハウスに癒される

8 時起床。身支度をしてすぐに出勤。 購買部で買ったツナ胡瓜巻きを朝食に食べてから、 午前はM2ゼミ。 ラフパスの第一定理、新古典不等式など。 昼食は学食にて。 午後はセミナ講演の準備。 続いて 16 時から学科会議。 熱い議論が繰り広げられて、 途中で何度も新鮮な空気を吸いに外に出たくらい。 19 時過ぎまで続いた。 また学食で夕食をとってから帰宅。 今日は三食とも生協のお世話になった。

車中の読書は、 「エッグ氏、ビーン氏、クランペット氏」(P.G.ウッドハウス/ 森村たまき訳/国書刊行会)。 ウッドハウスは癒される。 イヴリン・ウォー曰く、 「ウッドハウスはこの世界を、生きられる、 楽しめるところにしてくれる」のだ。 それが長い会議の後でもだ。

明日の夜は、学生のコンパにつきあう予定なので、 更新が遅くなります。 幹事らしきゼミ学生によればお誘いがかかったのは、 財布が足りないので、と言うことらしい。 まあ、そういうことならばしょうがないね。

Tuesday, May 20, 2008

初夏のカッペリーニ

8 時半に起床。寝坊してしまった。慌てて出勤。 午前中はあれこれ事務仕事。昼食は学生食堂にて。 午後最初のM1ゼミは、 院生が体調を崩したとのことで休み。 研究室の整理など。 タタ研究所レクチャー・シリーズのいくつかを、数ファ研に寄付した。 14 時過ぎから、「暗号理論」の講義。 中国剰余定理、既約剰余系、オイラーの定理、 フェルマーの小定理など。 続いて、16 時半から理工学部教員会議(元、学部教授会)。 一時間ほどで終了。帰宅。 車中の読書は「プログラミング作法」(Kernighan and Pike / 福崎俊博訳/ アスキー)。

夕食は適当パスタ。最近、カッペリーニを使うことが多い。 冷製にしているわけでもないのであまり意味がないと言うか、 むしろ間違った使い方なのかも知れない。 何となく、素麺の印象からだろうか、つい使ってしまって、 素麺チャンプルーなんだか、何料理なんだか分からないものを作ってしまう。 でも、意外と美味しい。

Monday, May 19, 2008

また虫のいい質問

8 時前に起床。すぐに出勤。 キャンパスに到着して、朝食にとろサーモン巻きを食べていると、 通りすがりの学生が質問に来た。 急に今日テストをすると言われて、 全然分からないので教えて下さいと言う。 最近は、朝から出勤してドアを開け放しているせいか、 飛び込みのこんな学生が多い。 虫のいい質問、パート2だ。 線形計画法なんてほとんど知らないけど、 まあやってみようか、と言うと、 この問題が解けないとまずいらしいです、とのこと。 「ふーん、でどうやって解くわけ?」 「それがノートを見ても、習ってないみたいなんですよね」 「そんなことないだろう、いかに A 堀先生でも」 「えーと、まずスラック変数を入れるんです」 「あ、そう。ところでスラック変数ってなに? ふーん、そう入れるわけね。で、これをどうやって解くわけ?」 「それがノートのどこにもないんです」 「じゃあ、解けない、ってことだ。 今日がそのテストでその状態だと確かにヤバイ」。 と、行き詰まってしまったのだが、 変数が三つしかない計画法だったので、 まあ無理矢理こうやって解けばいいんじゃないの、 と素朴な方法をアドバイスしておいた。

そうこうしている内に朝のゼミの時間で、 卒研I。条件付き確率とか、可換な事象とか。 途中で卒業アルバム用の写真撮影。 学生食堂で昼食のあと、 午後は卒研ゼミF1。 多期間の二項モデルについて。 続いて、卒研ゼミF2。 大数の法則の応用として、ワイエルシュトラスの多項式近似定理と、 正規数がほとんど至るところ存在すること。 続いて、17:30 より解析セミナ。 今回は物理学科との共同開催の形だったこともあり、 聴講者で部屋が一杯。 19 時過ぎに終了。講演者の歓迎会は遠慮させていただく。 夕食も学生食堂で済ませて、キャンパスを後にする。 帰宅は 21 時過ぎ。

Sunday, May 18, 2008

半休

昨夜飲んだせいで、少し寝坊。9 時起床。 今日はキャンパスに出るのはよして、 自宅でゆっくりすることにした。 少しは生産的なことと言ったら、 新古典不等式についての最近の計算を TeX にまとめたのと、 ゴミ捨ての準備など家事をした程度。 手帳を見たら、 特に何もせず自宅にいると言う意味での休みは、 この 5 週間ほど一日もなかったようなので、 久しぶりの休日、なのかも知れない。 昼食は炊き込み御飯の残り、卵の澄まし汁。 夕食は餃子。 明日からのために筑前煮風の煮物を作りおきする。

夜は「コード・リーディング」(D.Spinellis / (株)トップスタジオ訳) を読んだり。

美人秘書

8 時起床。身支度をして出勤。 10 時から仕事を始めて、午前中は数学を少し考えたり。 昼食は、持参の炊き込み御飯のお弁当。 午後は来週の講演の準備。 最初は OHP シートを書こうかと思っていたのだが、 久しぶりに黒板でクラシックにやってみよう、 と思い直した。 会食の予定のため、夕方にキャンパスを後にする。 市役所近くの「ブション」にて会食。 A 堀先生と元 R 大、現在 D 大の事務をされている方と、 数年前、国際シンポジウム準備の秘書として大変にお世話になった方を 囲んで、会食。 それは口実で、A 堀先生が「俺の野望を聞いてくれ」 と言うので、「また?」と思いつつ、お付き合いする。 それにこんなことでもないと、ブションで食べられないし。 そして聞いてみたら、 A 堀先生の野望とは「美人秘書を雇いたい」と言うだけだったようだ。 近所で二次会をして、23 時半くらいに帰宅。

Friday, May 16, 2008

また幻の証明 / 五目飯とリースリング

9 時起床。かなり寝坊。今日も良い天気だ。絶好の洗濯日和。 珈琲だけの朝食を取り、洗濯機で洗濯しつつ、掃除機がけ。 洗濯物を干して、本の整理など。 昼食にしめじのスパゲティを食べて外出。 古本屋で本を売り、 三条大橋 SBUX でジャバチップ・フラペチーノ(S)を飲みつつ、 数学を考える。講演の準備のせいでまた気が向いて、新古典不等式。 バスで百万遍に向かう。その車中、ふとこの方法は試していなかったな、 と思いつき、K 大の生協食堂でもう少し計算。 15 時半からの関西確率論セミナに参加。

今日は Bismut の講演なので、立ち見が出るほどの混雑。 確率論だけでなくて、幾何の人も来ているせいもある。 (とは言え、小さなセミナ室なので、せいぜい 40人くらいか。) 内容は指数定理の話。 代数、幾何、解析の交点に立つ大きな定理である指数定理の確率論的証明は、 確率解析の勝利の一つなので、私も学生の頃に勉強はした。 しかし、もうすっかり忘れていて、今日はさっぱり分からなかった。 それで半分聞き流しながら新古典不等式の計算を続けていたら、 証明ができてしまった。 ざっと見ても、正しそうだ。 以前の私ならここでノートを閉じて三日間ほど、 幸福の幻想を味わい尽すところだが、 最近は忙しいので、すぐに一行ずつチェックして行く。 最後のあたりで、実際は負の数で割っていることに気付いていなくて、 不等号が逆だった。 がっくり。まあ、そんなものだろう。 そうこうしている内に講演も終わって、 夜は近所の店で Bismut の歓迎会があるようだったが、遠慮して帰る。

セミナ終了後、近所までバスで戻ってきて、 ワイン屋さんで注文していたものを受け取り、 スーパーで買い物をして帰宅。 お風呂に入って、湯上りにビール。茹でソーセージに粒マスタード。 一服してから、だしを引いて、炊き込み御飯を作る。 大根、人参、しめじ、油揚げ、蒟蒻、鶏肉少し。 炊き込み御飯をお茶碗に一杯と、リースリングの白を一杯。 てきとうに作ったわりに、上出来。強いて言えば、 もうちょっとお焦げがあっても良かったのと、 冷えたときにはもう少し味が濃い方がいいかも知れない。 残りは明日と明後日の昼御飯のお弁当になる予定。

明日の夜は会食の予定がありますので、 更新は遅くなると思います。

Thursday, May 15, 2008

日本の夏

8 時起床。すぐに出勤。今日は良い天気。気温も上がりそうだ。 10 時から葱とろ巻きを食べながら、 卒研ゼミS。凸性と Jensen の不等式など。 12 時から部屋で、朝買っておいたお弁当の昼食。 12 時半から「シミュレーション技法」。 多次元での discrepancy 列など。 1 コマ分の空き時間のあと、 15:50 から「情報理論」。 Huffman コードが最適コードであることの証明、 情報源の拡大など。 部屋でしばらく雑用をして、18 時過ぎに撤収。 帰宅して、夕食は手抜きボロネーゼ。一緒にワインを一杯。 お風呂に入ってから、ビール。

今年の夏はアロハを着ようかな、と突然思った。 アロハで講義、アロハでゼミ、アロハで会議。 ハッピーな気持ちでおつとめが出来そうだ。 大学の先生なんてろくな格好をしていないものだが、 最近は、きちんとした服装をしなさい、と言うお達しがあったりする。 でもアロハは正装だし、 総理大臣だって「クールビズ」として沖縄アロハを勧めていた。 そう妄想したものの、 ハワイ以外のどこで売っているものやら分からないので、 インタネットの通販を調べていたら、 思っていたよりずっと高価なものだった。 1 万 5 千円から 2 万円弱くらいで、普通のシャツと変わらない。 楽園的イメージのせいか、「うーんと… 2800 円くらい?」とか思っていた。 それどころか 100円ショップで売ってるかも、とすら思っていたのだ。 安上がりでいいかな、と言うのも動機の一つだったので、 かなり気持ちがつまづいた。

Wednesday, May 14, 2008

世間様

8 時起床。すぐに出勤。 午前中はツナ胡瓜巻きを食べながら、M2ゼミ。 代数的な準備が終わって、ようやくラフパスの章に入った。 学生食堂で昼食をとって、 午後は来週の講演の準備。 夕方から学科会議。 18 時過ぎに撤収。 19 時半くらいに帰宅。 夕食は納豆スパゲティなど。

バスの中で後の席に座った学生が、 「世間様に説明するときには礼ってもんが必要やろ」 と怒っていた。ずいぶんと世間ずれのした学生だな、 と思って耳をそばだてていると、 どうやら、C 言語の授業で先生がちゃんと説明してくれない、 と言う話。 つまり、「礼」ではなくて「例」で、 「世間様」と言うのは自分たち学生のことだった。 世間様に説明するときには例ってもんが必要、か… なかなか良い言葉だ。

Tuesday, May 13, 2008

泥棒して食ったっていいんだぜ

8 時前に起床して、すぐに出勤。今日はいい天気。 キャンパスに到着して、納豆巻きの朝食を食べて、 午前中は来週の講演の準備。昼食は学生食堂にて。 午後は、M1の院ゼミ。大数の弱法則など。 続いて、「暗号理論」の講義。剰余系など。 午後の途中から急に天気が悪くなり、気温も下がってきた。 最近、暑かったり、冷えたり、の不順な天候。 体調もいまひとつなので、今日は早めに帰ることにする。 夕方から雨。 夕食は、冷奴、だし巻き卵、しめじと葱の味噌汁、 豆御飯のおむすび。豆御飯のおむすびも美味しい。

ふと思って大学の図書館で借りた、 吉本隆明のインタヴュー集みたいなものを、隙間時間に読んでいた。 吉本隆明は学生の頃は東工大で化学か何か、 理系の分野を専攻していたと思うのだが、卒業しても職がなく、 良く大学に来ては、卒論のときに世話になった助手の人と雑談していたそうだ。 もちろん、このままじゃ食べていけません、何か仕事はありませんか、 働き口はないですか、と言う話だ。 するとその時その助手の人は吉本隆明に、 「食べられないんだったら、君、人の物を盗って食ったっていいんだぜ」 と言ったそうだ。 うーん、すごい。そしてそれを聞いた吉本隆明は、 ハッとして色んなことに気付かされた、と言う。すごい。 勿論相当に堪えたのだろう、 大人になってからも、あの時あの人は自分にすごいことを言ってくれた、 と言う記憶として残っていて、 自分でも「本当に困ったんだったら、 泥棒して食ったっていいんだぜ」と人に言ったことがあるそうだ。 今ではそんなことを言える人も、言われて受け止められる人も、 ほとんどいないんじゃないか。 私や大学の就職課が、学生にそんなことを言ったら、全国ニュースになりそうだ。 それはそれで正しく良い時代になったわけだが、 そういう言葉で表現されていた深い導きは、 今どこでどういう形で表されているのかと、ちょっと思う。

Monday, May 12, 2008

月曜はゼミが三つ

8 時起床。すぐに出勤。午前中は卒研ゼミI。 5/5の子供の日の月曜日は珍しく本当に休日だったので、 その授業振替日が来週の土曜日にある。 つまり、土曜日だけどヴァーチャルに月曜日だ。 講義などは勿論開講されているが、 ゼミなので学生たちにどうしたいか尋いてみる。 おおむね土曜日は既に予定が入っているようで、 土曜日まで来たくない、ということだった。 だからと言って、じゃあ休み、と言うわけにもいかない。 「15 週授業」は絶対命題なのだ。 自習課題にして、私は土曜日でも出勤しているから、 質問があったらいつでも来なさい、個別にゼミをする、 と伝えておく。学生食堂で昼食。 午後は卒研ゼミF1、続いてF2。 F1は Baxter-Rennie の "Financial Calculus" を読むことに落ち着いたようだ。 F2は確率論の基本的な教科書を読んでいる。 どちらもやはり土曜日は来たくない、とのことだったので、 「でも僕は土曜日でも来てるから!」 と心の中では(「どうだ!?」)くらいの気持ちで決め台詞を言ったのだが、 「そーすか。」とか「はい。」だけでスルーされてしまって、 いまひとつ気分はすっきりしなかった。 ゼミ三つをこなして、やれやれと部屋に戻る。 少しその他の用事を片付けて、18 時過ぎに撤収。

19 時半くらいに帰宅して、 夕食の支度。軟骨と大蒜の唐辛子揚げにギネスビール、 昨日の冷たい豆御飯、卵の澄まし汁、白ワインをテイスティンググラスに一杯ほど。 食後に珈琲(SBUX のスマトラ)。

Sunday, May 11, 2008

うすいえんどうの豆御飯

9 時起床。また寝坊。毎日同じ調子で過すには、 ちゃんと同じ時間に起きないとなあ。 駅前でハンバーガーを買って、キャンパスへ。 ハンバーガーを食べながら、少し雑用を片付けて、 午後は数学を考える。 ちょっと身体が疲れているように感じたので、 17 時くらいに切り上げて撤収。 京都で途中下車して SBUX で珈琲豆を買って、 近所ではスーパーで食材を買い、帰宅。 季節柄、うすいえんどうとか、新じゃがとか。

帰宅して、お風呂に入った後、 揚げた鶏軟骨を肴にギネスビールを飲みながら、 うすいえんどうの莢をむく。 子供の頃にはうすいえんどうの豆御飯が季節に出ても、 特に美味しいものとも思っていなかったのだが、 今となってみると懐しいものである。 特に外食で豆御飯を食べると、「全然、味がしないじゃん…」 と思って、なおさらあの青々しくも柔らかい味が懐しくなる。 本当の(と言わせてくれたまえ)の豆御飯は、 味つけは塩だけなのにとても甘くて、 それが昔は嫌だったものなのだが。 やっぱり最近は野菜の味が薄いのかも知れなくて、 私が豆御飯を作るときは莢を茹でてだしをとり、 そのだしで御飯を炊くようにしている。 ビールを飲みながらとは言え、 豆のさやをひとつひとつむいていると、 けっこう面倒臭いものだ。 昔の人はこんな面倒なことをして作る御飯のことを、 毎年楽しみにしていたのだろうか。 今度は白ワインを用意して、 モンテーニュのエセーを読みながら炊きあがりを待った。 夕食は冷奴と豆御飯。 白ワインは豆御飯にあうと思う。

Saturday, May 10, 2008

雨の土曜日

少し寝坊して、9時頃起床。 雨の中、キャンパスへ向かう。 午前中は仕事関係のメイルなどやりとり。 昼食は学生食堂にて。今日はけっこう人がいる。 附属校の生徒なのだろうか、高校生が沢山来ているようだ。 午後は数学を考える。 17 時くらいに撤収。 電車の中で、そうだ諦めていたあの不等式の反例探しも腰を据えてやってみよう、 と思って、夕食は近所の定食屋さんでサボることにする。 帰宅して一時間ばかりプログラミング。 まず標準ライブラリの関数だけを使って簡単に書いてみた。 これでもうまく使えばかなりのところまで調べられるだろう。 今日はもうこれでいいかな、と思って、 さてお風呂。きっと湯上がりにギネス。

Friday, May 09, 2008

幸せそうなひと / 吉田神社

8 時起床。寝床でモンテーニュのエセーを一つ読んでから、 珈琲だけの朝食。 洗濯機で洗濯しつつ、同時に掃除機がけをし、 手帳を見ていろいろ考える。 近所で米を買い、懐中時計の電池交換。 昼食に焼き鮭カルボナーラを作って食べ、すぐに外出。 古本屋で本を売り、そのお金で SBUX でフラペチーノを飲みながら、 しばらく数学を考える。 店内で、とても美味しそうにケーキ(多分、シナモンロール) を食べている女性を見かけた。 それはそれは、とても美味しそうに、幸せそうに食べている。 しかも、マイ・フォークとマイ・ナイフ持参だ。 曇り空で折角の三条大橋SBUX名物の川床(ゆか)もしめっぽいところに、 誇張でなく、その一人だけのテーブルが金色の日溜まりに見えるほど、 幸せそうな表情たっぷりに微笑みながら食べている。 もうちょっとでも大げさなら、 パフォーマンス芸術なのではないか、と疑ったくらい。 そう思うと、中島みゆきの一人舞台のような迫力さえ感じた。 実際、雰囲気に近しいところがあったような…

関西確率論セミナのため百万遍へ。 ついでに、ディスカバリー・キョート企画として、 吉田神社を参拝する。 他に人もおらず、ひっそりと静まりかえった境内を散策。 本宮の他に沢山の社がある。 京都のお菓子屋さんたちが祭ったものや、 飲食店屋さんたちが祭ったものがあって面白い。 それらの周囲は有名なお菓子屋さんや料理屋さんの奉納した柱ばかり。 やはり関係者はここに参って商売繁盛を祈願するのだろうか。 また、大元宮という全国の神様を祭ってある宮があって、 ここにお参りするだけで全国の神社をお参りしたのと同じなのである。 そりゃあ便利だ、などと不敬なことを言うのはよろしからず。 吉田は大変に由緒のある神社なのである。 勾配の激しい神社なので、かなり疲れたところに、 15:30 よりセミナ。今日は完全に幾何の話だった。 セミナが終わってバスで帰宅。 夕食は近所でカレーライス。

Thursday, May 08, 2008

飛び込みの質問

8 時起床。9時半、キャンパス着。 朝食の海老マヨ巻きを食べながら、卒研ゼミS。 算術幾何平均不等式の章の演習問題を全部。 30分弱の休憩時間の間に部屋でお弁当を食べて、 12 時半から「シミュレーション技法」の講義。 低 discrepancy 列について。特に一次元の場合。

1 コマ分の空き時間、 次の講義の予習をしながら部屋で休んでいると、 他学科の学生が質問にやってきた。 私は部屋のドアを開け放しにしていることが多いので、 たまに通りがかりのこんな学生がやってくる。 微分方程式の数値的解法の講義らしく、 最近まで講義に出ていなかったのだが、 急に中間テストをすると言われて慌てているのだそうだ。 とりあえずこの「中点法」と言うのが分からないから教えてくれ、 と言う随分、虫のいい質問である。 私も全く知らない話だったが、 アルゴリズムだけ見せてもらって、 多分こういうことだろう、という感じで説明する。 実際、自分も良く分かっていなかった証拠に、 説明しながらも、 単にメッシュを二倍細かくするのとどう違うのかなあ、 と思っていた。 続いて、15:50 から「情報理論」の講義。 Huffman コードが最適コードであることを証明するための準備。 部屋に戻ったところに、朝の卒研生が質問に来て、その対応をする。 こちらにはちゃんと答えられた。 18 時くらいに撤収。

電車内で昼間の学生の質問について考えていて、 そうか二次近似になっているのか、とようやくポイントが分かった。 あの学生には中途半端な説明をして悪かったなあ… 段々と頭が悪くなっているのは仕方がないとは言え、 もうちょっとスパっとした説明をすべきだった。 19 時半くらいに帰宅。

Wednesday, May 07, 2008

湯船の公式集

8 時起床。身支度をしてすぐに出勤。 キャンパスには 9 時半くらいに着いた。 納豆巻きを食べながら、午前は M2 ゼミ。 形式的テンソル級数の空間の構造の続き。 この空間の指数関数と対数関数、 シャッフル積の良い性質を保つ部分空間が、 これらの関数で丁度表現できることなど。 昼食は学生食堂にて。今日は学科会議がなかったので、 午後はスケジュールなし。 とは言え、連休の最中にまた教務関係の問題が持ち上がり、 私も旅先から少し対応していたのだが、その余波が続いていた。 結局私のミスではなく、また事務側の思い違いだったようで、一安心。 とは言え、 年々ルールが厳しくなって、どんどん余裕のなくなっていく感じが不穏。

その他は、セミナ発表の準備のため自分の論文をプリントアウトしたり、 送ってもらったノートをプリントアウトしたり。 (プリントアウトするだけで満足して何もしない傾向があるのは、 何故なんだろう?) そのノートを読んでいたら、 正規分布に従う確率変数の対数の入った関数の積分をしてる箇所があって、 「えっ、そんな値が求まるんだっけ」 と思って、検算してみるが出来ない。 帰りの車中でも出来ず、 ますますこんな値が求まるはずがないと思って帰宅し、 お風呂に入って湯船で「岩波公式集」の第一巻を見て、 ようやく納得がいった。 計算できると言っても、特殊関数の値で書けるということね。

夕食はまたカレー風味の鶏肉と法蓮草のスパゲティ。 昨日の出来が今ひとつだったので再チャレンジ。 あれこれあわせたスパイスで鶏肉の下準備をし、 法蓮草も別に作り、 最後にあわせるかなり手のこんだ手法をとってみた。 そして出来上がりは、確かに昨日よりずっと美味しかった。 努力の甲斐があると言うのは良いことだ。 ただかなり強烈な味だったので、 開けてから日の経った赤ワインにしてみました。 食後に珈琲。

Tuesday, May 06, 2008

カレー風味

最近早起き続きだったので、今日も7時くらいに目が覚めた。 でも二度寝。9時くらいに起床。 洗面所で顔を洗っているときに、 洗面台がぴかぴかになっているのに気付く。 ふと見ると、玄関も綺麗に掃除されている。 留守中の猫の世話を頼んでいた元執事が、 掃除もしておいてくれたようだ。 持つべきものは有能な執事だな…惜しい人をなくしたものだ。

朝食の珈琲を飲み、 洗濯と掃除をしてから出勤。 午後の早い時間にキャンパスに着いて、 テイクアウトしてきたハンバーガーを食べながら、 校正作業。 少しやって少し休憩、を繰り返して、 ようやく 19 時くらいに終了した。 駅のコンビニから宅急便で共著者に校正原稿を送って、帰る。 帰宅は 20 時過ぎ。 鶏肉と法蓮草のスパゲティを作って夕食。 カレー風味にしてみた。 カレーには赤なんだろうか白なんだろうか泡なんだろうか。 素直にビール、が正着なのだろうか。 今度、近所のバーで訊いてみよう。

Monday, May 05, 2008

トーナメント最終日 (3.0) + 1 + 0 = 4.0 / 反省会

昨日早く寝たので、目が覚めたのも早かった。 トーナメント三日目。会場に行ってみると物凄い混雑。 今日一日だけの一日コースのトーナメントにも、 40 名近い参加者が集まり、 全国大会、三日コース、一日コースで計 120 人ほどにもなった。 一日コースですらレイティング 2000 あたりの選手もいて、 レヴェルもいつになく高い。ついにチェスのブーム到来なのか?(まさかね)。

午前、第7ラウンド。 ややレイティングが下のヴェテランと黒番。 この局が今回一番満足行く対局だったかも知れない。 簡単にポーン得して優勢になったものの、 敵に駒損交換のポジショナルサクリファイスを放たれ、 難しいエンドゲームに変換されてしまった。 ぎりぎりのところで R を敵陣に侵入させることができて、 二時間半ほどの激闘の末に勝利。 これでスコアは五分。 ゆっくり昼御飯を食べている時間はなく、 近所のコンビニでおむすびを買って昼食。 午後の最終第 8 ラウンド。 最後にふさわしい華やかさで、 名門 T 大チェスサークルの女の子を相手に白番。 同じく 4.0 ポイントで、勝ち越しを賭けての対局。 序盤はうまく指せて、勝ち越し確定か、くらいのつもりでいたところに、 勘違いでおかしくなって、慌てたところでフォークにかかった。 とは言え、まだマイナエクスチェンジ程度だし、 「人生は負け試合」がモットーの私としては、 のんびり最後まで敗局を楽しむことにした。 あれこれとチャンスを狙ってみたが、 流石に普段、日本代表クラスの強豪たちに指導されているだけのことはあって、 油断なく最後まで押し切られてしまったのではあるが。 結局、三日間で (3.0) + 1 + 0 = 4.0 で丁度五分の結果。

一日コースが終わるのを待って、表彰式など。 全国大会は中程まで混戦していたが、やはり最後になってみれば、 日本チャンピオンが単独首位だった。 三日コースも大方の予想通り、と言う感じだったが、 個人的には、 B クラスの入賞者三人全員が広島の S さんの対局相手だったのには、 ちょっと笑った。 表彰式の前のアナウンスによれば、 映画「相棒」の中でのチェスの暗号は T 大チェスサークルの S さんによるもので、 協会もステイルメイトの棋譜と、駒などを提供したそうだ。 表彰式のあとの抽選会では、相変わらず籤運なく何も当たらず。 前回、ガンダムの食玩をあげたら近所のバーのソムリエがわりと喜んでくれたので、 今回は奥さんの分も含めて映画「相棒」のペアチケットを狙っていたのだが、 かすりもしなかった。申しわけない。 表彰式のあとは、アルゼンチン大使館の差し入れで、ワインなど。

夜は広島の S さんと品川で反省会。 私は一応、スコアを五分で終えたし、 S さんも対局組みの運悪さにしてはかなりの善戦だったので、 前回ほどしめっぽく意気消沈の反省会、というほどでもなく、 なごやかにコンプレックス系オリガミの話などでビールと焼酎を飲む。 私の新幹線の時間のせいで、早めに切り上げて帰らせていただく。 京都の自宅についたのは 23 時半少し過ぎ。

Sunday, May 04, 2008

トーナメント二日目 (2.0) + 0 + 1 + 0 = 3.0

今日も朝からトーナメント二日目。 ややレイティングが下の方と白番で第4ラウンド。 序盤で手順を間違えてずいぶんと戦い難い感じ。 うっかり相手側のファイルを開いてしまい、 R を積み重ねられて簡単に負ける。 昼食の時間は30分ほどしかなくて、 またコンビニエンスストアで軽食を買って済ませる。

午後の第 5 ラウンド。 またレイティングの少し下の方と黒番。 半時間も経たない内に相手の方が K 周りをがたがたにしてしまい、 あっさりと投了された。 まだマイナ・エクスチェンジした程度の駒損だったので、 意外とやってみるとそう簡単には勝てなかっただろうと思うのだが。 次のラウンドまで二時間以上も時間が出来てしまった。 駅の方まで散歩して喫茶店でワーク。 あとを考えれば、 ホテルで仮眠をとった方が絶対に良かったのだが… 時間に戻ってきて、第 6 ラウンド。 またレイティングの下の方と白番。 これを勝っておかねば、 と安全策に継ぐ安全策でこれは楽勝とさえ思っていたのだが、 気付いてみると、もう必敗。 えっ、ルークって二個あるんだっけ、とか、 あっ、ポーンって最初は二歩進めるんだっけ、 みたいな勘違いを連発したためである。 ついには取れるポーンを何故か取らず、 勿論直後にあっさり守られ、結局そのポーンが成って投了。 久しぶりのひどいゲームだった。 「会心の」という形容詞があるが、 その正反対のことを何と表現するのか、教えてもらいたい。 気の滅入る感想戦のあと、 うなだれながら帰り支度をしていると、 S さんも丁度対局を終えたところで、悄然とした雰囲気だった。 私の見るところ、S さんはずっと対戦組みに呪われているようだ。 一人でホテルに帰る。 今日は 0 + 1 + 0 = 1.0 だったものの、合計では 3.0 で丁度五分。 何とか明日の最後2局で勝ち越したい。

また夜は本の校正作業。 とは言え、今日は早く寝よう…

Saturday, May 03, 2008

トーナメント初日 0 + 1 + 1 = 2.0

蒲田のホテルで 8 時頃起床。 歩いて10分程度のところにある会場で、チェスのトーナメントの初日。 三日間のコース。 並行して一週間続く全国大会も開かれていて、こちらは今日が既に5日目。 全国大会の方では大阪のチェスクラブのメンバの I さんが絶好調で、 日本チャンピオンを含むトッププレイヤたちと互角の活躍のようだ。 このまま最終日まで行ってもらいたい。 三日の方もけっこう盛況。 映画「相棒」のポスターが貼ってあるのは、 映画の中に何かチェスがらみのシーンでもあるのだろうか。 とりあえず、トーナメントの後の抽選でペア招待券が当たるそうだ。

午前、第一ラウンド。強敵相手にしかも黒番。 でもかえって屈託なく指せたかも。 序盤はうまく行ってやや優勢だったのだが、 大事なところで一歩踏み込めなくて、言わゆる「ぬるい手」 を指してしまい、そこからは一気に敵側のゲームになった。 あっさりと負け。 近所のコンビニエンスストアで買ったお弁当を食べて、 午後の第二ラウンド。 さっき負けたせいで今度は随分とレイティングが下の相手に、白番。 数手もしない内に相手のブランダーでピースを取り、 勝つには勝ったが、けっこう危なかったし、内容は良くなかった。 時間の上では短い対局に終わったので、 次のラウンドまで蒲田駅あたりまで散歩する。 夕方から第三ラウンド。 少しレイティングの下の方を相手に黒番。 今度は有利なビショップ vs. ナイトのエンドゲームに持ち込んで、 気分良く勝った。 私はどちらを持つにせよ、B vs. N のエンドゲームが好きなので、楽しく戦えた。 でも局後の検討によれば、 有利と思っていた局面はどうやら本当はドローぽい感じだったが。 結局、初日は 0 + 1 + 1 = 2.0 で勝ち越した。 その後は、 今回実家帰りのついでに参加されている S さんと近所の中華料理屋へ。 S さんも今日は 2.0 だったので、お互い明るい気持で夕食。 最終日には悄然として反省会、なんてことにならないように頑張りたい。

夜はこれから翻訳の校正をする予定。

Friday, May 02, 2008

蒲田に移動

いつもより少し遅起き。 ゴミ出しをして、マグカップに珈琲を入れ、 寝床でルベーグ積分の本の翻訳の校正をする。 昼食はアラビアータ。 午後も校正など。 明日から始まるチェスのトーナメントのため、 夕方、東京に移動。 初めて新幹線のチケットレスのシステムを使ったので、 ちょっとどきどきしたり。 専用のICカードは新幹線自動改札だけでしか読みとってもらえないので、 新幹線駅発着区間しかカヴァしないのが難点。 乗り継ぐときは別に切符を買ったり、 ICOCA や SUICA の類のカードが必要なので、 便利さがもう一つ。 私の場合は最寄り駅から京都までは ICOCA 定期、 東京では SUICA を持っているので、 どこでも切符を買わないで全部自動で済む。 しかし新幹線改札で、IC カードと ICOCA を重ねてタッチしたり、 えーっと今度は SUICA を重ねるんだっけ、どれだっけ、 とか思っていると、何で一枚で済まないんだろうと思う。 いずれ改良されていくだろうけど。 夜に蒲田着。

東京でのトーナメント参加は久しぶりかも。 こういう遠征のときは、無駄な泥縄式努力をするために、 チェス本を持って行ったりする。 以前は序盤の準備をしていたのだが、 私のレヴェルでは全く無駄だと思うようになり、 "Improve your chess now" (J.Tisdall) と、そのとき気になっている薄い本を一冊持っていく程度になった。 前者はどこを開いても面白いことが載っているので、 新幹線の中での読み物として。 後者は、今回はコルチノイの "Practical Rook Endings" にしてみた。 最近、年のせいで三日間も座っているのが辛いくらいなので、 年寄のヒーロー、コルチノイにあやかろうと思ってのこと。 今回はコルチノイのようにしぶとく老獪に戦いたいです。

Thursday, May 01, 2008

5/1 分追加: 食のエステティーク

帰宅して食関係本棚から 「現代思想」1988年9月号を選び、歩いて近所のバーに夕食に行く。 緑豆とプチトマトと牛ミンチと山芋とチーズのキッシュ、 メインは子牛の胸腺の料理。 つけあわせに新牛蒡と白アスパラガスが敷かれていた。 今日はキッシュもメインも大当たりしたなあ、 と思いつつ、「現代思想」の特集「料理(食のエステティーク)」 を読む。 私が学生の頃に買って、当時はつまらない特集だな、 と思ったものだが、今読むと大変面白い。 玉村vs.四方田対談なんて、また与太話ばっかり、 と昔は思っていたものだが、 今日読んだところで、 フランスの料理書は基本的に芝居の演出の書き方だが、 日本にはそれがない、 日本の料理評論は吉田健一(思い出話と同義反復)か 北大路魯山人(独断型)のどっちかだ、と言うようなことが書いてあって、 妙に感心した。私が馬鹿になったのかも知れない。 吉田健一が食べ物のことを書き出したのは、 病気で食べられなくなってからなんだって、 と言う話にまで、うっかり感動するところだった。 最後にシェーブルとウォッシュのチーズを少しずつと、 デザートワインをもらってから、帰る。

証明がいっぱい

今日もまた良い天気だ。気温も高い。 9 時半にキャンパスに到着して、購買部で朝食と昼食を買う。 とろサーモン巻き一つを食べながら、卒研ゼミS。 算術幾何平均不等式の三通りの証明。 このうちの一つ(コーシーによるもの)しか知らなかったので、 なかなか興味深かった。 紹介されていた文献によると 50 通りを越える証明が知られているそうだ。 不等式界でのピタゴラスの定理みたいなものだろうか。 30 分間の隙間の昼休憩に、部屋で朝に買ったお弁当の昼食。 12:30 から「シミュレーション技法」の講義。 準モンテカルロ法のアイデア、discrepancy の定義、 簡単な例など。 1コマ分の空き時間を挟んで、 次は「情報理論」の講義。 最適コードの定義、Huffman コードの構成方法。 講義の後に三つほど質問に答えて、部屋に戻る。 事務のポストを見に行くと、 今日までに届くかちょっと心配していた、 本の校正が来ていたので一安心。 もう来週くらいには返さなくてはならないのだが、 全体で 250 ページくらいなので、 チェスのトーナメントの合間に一日50ページずつくらい校正すれば、 間にあうだろう。18 時過ぎに撤収。

明日の夜から東京に移動して、 明後日土曜日から三日間続くチェスのトーナメント。 時間は不確定ですが、出来れば毎日、更新するつもりです。