第四、第五冊
第四冊目、「天の声・枯草熱」(スタニスワフ・レム著/沼野・深見・吉上訳/国書刊行会)。 第五冊目、「哲学ファンタジー」(レイモンド・スマリヤン著/高橋昌一郎訳/丸善)。 以上、二冊を読書。 特に事もなしの年の瀬。 夕方、近所のワイン屋に年末年始用の買出しに行く。
「…それに、このさき残っている時間は、今までより少ないかもしれない。そんな状態で、
これまでの積み重ねをすべて捨ててしまうことは、なかなかできるものじゃない」
「すべてを捨てるわけではないわ。自分はここにいる。叔父様が三十六年間で築き上げたほとんど
すべてのものが、今、この車に乗っているのよ。しがらみというのは全部、叔父様以外のものです」
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