Monday, January 30, 2006

宇宙をかき乱す

小雨。 一汁一菜の粗食を作って食し、午後は衣笠に採点報告に行く。 郵送で済ませることもできたが、 数日家に引き籠っていたので、 バスで衣笠まで行ってみるのも良かろう、と思って。 定期試験も終わったのでキャンパスは閑散としている。 人影疎らなキャンパスはいつもいいものだ。 ブロイラー的にならざるを得ない現代の大学においては、 このような快適な人口密度は休暇のときだけだ。 もし大学がブロイラー的でなく、 学問と教育にふさわしい環境だったならば…、 しかし、もし本当にそうなら、 私が大学に職を得る可能性はゼロだったことは勿論、 そもそもどこの大学にも入学できなかっただろう。 それで何が悪いのか、、、 いや、問いの立て方がおかしいな。 この if 文には意味がない。 「大学」のあり方や変化のせいではない。 正しくは、「もし、私が」もっと才能豊かで…、 いや、それはただのないものねだりだな、 やり直し。もし私がもっと私に厳しく、 私にもっと多くを求めていたならば… これも過去形が駄目だな、やり直し。 高貴さは自らに課す要求と義務の多寡によって計られるものであって、 権利によって計られるものではない、 恣意ニツキテ生クルハ平俗ナリ、 高貴ナル者ハ秩序ト法ヲ求ム、か…そうは言ってもねえ。

そんなことを考えながら芝生を横断して、 法学部の事務に採点報告を提出。 ついでに、 通称「ぞんち」の生協書籍部で本を買う。 フリーマン・ダイソンの自伝、 「宇宙をかき乱すべきか (上、下)」(F.ダイソン著/鎮目恭夫訳/ちくま学芸文庫)。 家に帰って、夕食も一汁一菜の粗食。