Dicing with death
卒研ゼミのパート2の日だが、学生が風邪でダウン。 キャンセルされた。 でも一応キャンパスに行って、あれこれ雑用。 明日の夜の院生ゼミも、 (こちらは A 堀先生多忙のためらしいが)キャンセルされた。 皆さんもお忙しいところ、 急な気候の変化で体調を崩したりしないよう、お気をつけ下さい。 京都は今日、明日でぐっと冷えて秋らしくなるようだ。 今日はコートを着て外出したが、 BKC は風も強くて、何か首に巻いてくれば良かったと思ったくらい。 生協書籍部でデュレットの確率論の教科書とか、 C++ の教科書とかを買って、キャンパスを後にする。 夕食は自宅で御飯を炊いて粗食。
今日の読書。「確率と統計のパラドックス ― 生と死のサイコロ」 (S.セン著/松浦俊輔訳/青土社)。 統計学に興味を持とう、と言う最近の方針に沿って読んでみた。 統計学は目立たず、しかも評判の悪い学問だ。 例えば、 私の専門である確率論は統計学の親戚のような分野だと思われがちだが、 実際には全く異なるもので、 確率論プロパーはこの違いを強調する傾向がある。 多くの確率論研究者は、「そもそも統計学は数学ですらない。 そんなのと一緒にしないでくれ」、と思っているんじゃないだろうか。 この著者も、「統計学者は、数学者としては二流、科学者としては三流、 思想家としては四流とされる」と書いている(同書、序文より)。 しかし著者はこういう誤解に挑戦して、 統計学は数学でも科学でも哲学でもないかも知れないが、 それらを全て含むエキサイティングな分野であり、 とても深く、素晴しい学問だと訴える。 著者は医学統計学と言う分野の人らしく、医学や薬学からの例も豊富だし、 また大変に教養あふれる人物と見えて、 様々な逸話や、文学作品からの引用を散りばめて飽きさせない。 統計学を勉強しよう、と言う最近の気持ちが補強された。
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