無神論者の「嵐ヶ丘」
7 時半、起床。 寝台に糊付けされた体を引き剥すようにして起きる。 ゴミ出しして、朝食は珈琲のみ。 昼食用のサンドウィッチを作って(胡瓜とロースハム)、出勤。 キャンパスに到着するとバスの窓から、 案内所の中の机で勉強をしている講師の先生が目に入ったので、 ちょっと挨拶。 そろそろ大学辞めてデイトレーダーになるって噂だけど? いえ、おでん屋台です、などと歓談。 研究室でメイル仕事を一つやっつけてから、 卒研ゼミI。ベルヌーイ確率変数など。 30 分間の昼食時間を、 学科横断的にやっているランチセミナに、 サンドウィッチを携えて行ってみる。 どんなものかと思って。 発表時間 5 分とチラシに書いてあったが、 何かの間違いだろうな、と思っていたら本当だった。 基本的には特許手続関係の宣伝が主旨らしい。 折角出席したので、発表者だった情報学部のサラブレッド教授 N 嬢に、 分子コンピューティングの現状について質問だけして、 次の講義に向かう。 12 時半から「暗号理論」の講義。平方剰余など。 続いて、14 時過ぎから、卒研ゼミF。 単純ランダムウォークのマルチンゲール表現定理についてなど。 16 時前に終了して、次は 17 時からの会議までを、 研究室で読書。 「神は妄想である」(R.ドーキンス/垂水雄二訳/早川書房)。名著だ。 無神論者の一人として、ドーキンスの勇気を尊敬。 オカルト流行下の日本でも広く読まれるといいが。 17 時から教務委員会。 初めて委員になってみたら、 今年はたまたまカリキュラム改訂の年で大変なことになりそう。 こういうのを何と言うのだっけ。牛に引かれて善光寺参り…違うな。 議長が次の会議があるそうで、予定のたった 15 分押しで終わった。 帰宅して、蕎麦を茹でて食べる。そして、今。 お風呂でも入ろう。 その後、まだ元気があったらアイヨリでも作って晩酌しよう。
私はかつて、《デザート・アイランド・ディスク》というラジオ番組に 「今週のゲスト」として出演したことがあった。もし砂漠の島に置き去りにされるとして、 そのときもっていく八枚のレコードを選ばなくてはならないのである。 私が選んだうちの一枚は、バッハの「マタイ受難曲」からの「わが心よ、おのれを浄めよ」だった。 司会者は、宗教心のない人間がどうして宗教的な曲を選べるのか理解できなかったようだ。 キャサリンとヒースクリフが実際には存在しなかったことを完璧によく理解していながら、 どうして『嵐ヶ丘』を楽しむことができるのかと言っているようなものだろうに。「神は妄想である」(リチャード・ドーキンス著/垂水雄二訳/早川書房)より
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