Sunday, November 18, 2007

安静な一日

昨夜はかなり早く寝たのに、起床は 10 時。 ちょっと風邪気味なので、一日安静にしていることにする。 午前中はチェスの勉強などして、 昼食は豚バラ肉のコーラ煮込みの残り。 一日経ってかなりの量の脂が出ていた。 昨日は脂をできるだけ除いてソースを作ったのだが、 むしろこれを主体にして作ってみたらどうだろう、 と思い立ち、赤ワインと香辛料少々などで作成。 肉とじゃが芋と茹で卵に、健康診断の前日には口にしてはいけない感じの、 見るからに身体に悪そうなソース。 脂身たっぷりのジャンクな味わいに溢れた一品です。 午後は今週の出張の手配をして(木曜 TK 大、金曜 T 大、土日は東京の休暇)、 翻訳作業が抜けていた「補遺」の訳を仕上げ、後は読書など。 夕食はあっさりと麺類。

「至福の味」(M.バルベリ/高橋利絵子訳/早川書房)を読了。 最高の料理評論家として美食と贅沢の限りを尽した主人公が、 死を前にした病床で、 子供の頃に食べたはずの「あの味」を記憶の中に探る…、 と言うお話。その合間合間に主人公の周囲の人間たち、 妻、子供、孫、若手の評論家、医者、召使、などの独白と、 さらに猫や主人公の部屋のヴィーナス像など、 人間でないものの独白までが挟まれ、主人公の姿を浮き彫りにしていく。 美食を追求して生きた男が最期に本当に食べたいものは… と言う設定自体も、教訓めいた結論も紋切り型ではある。 しかしそれでも、確かに面白かった。 この本の末尾の宣伝ページに、同じ訳者が翻訳した 「趣味の問題」(P.バラン/高橋利絵子訳/早川書房)が出ていた。 こちらは、完璧な味覚を持つ大金持ちの会社経営者が、 自分と同じくらい鋭い味覚を持つ青年をパーソナルテイスター (味見役)として雇うことから始まる、 二人の心理劇らしい。 これは面白いに決まっている、と古書店に注文。 ちょっと調べたら、映画化もされていたので、DVD も注文してしまった。 実はノート PC 以外に DVD プレイヤを持っていないのだが…