Friday, November 23, 2007

栄光のGRAPE

渋谷のホテルで起床。風邪はあいかわらず。 井の頭線で駒場東大前へ。 休みなのにどうしてこんなに沢山の人が降りるのだろう、 と思ったら、この連休は駒場祭だった。 模擬店などの間を抜けて、「高木レクチャー」の会場へ。 パリ第六大学のマリアヴァン先生と、国立天文台の牧野先生が交互に、 午前午後と一つずつ合計二つの連続講義。 マリアヴァン先生は確率解析の大家なので聴講は当然のようなものだが、 牧野先生の手作りスーパーコンピュータ GRAPE の話にも大変興味があったので、丁度良かった。 GRAPE を作成した主開発者の一人の伊藤先生は、 私の出身学科の先輩にあたることもあって、以前から特別な興味を持っていた。 ちなみに院生時代の伊藤先生は、 週刊ヤングジャンプに連載されていた「栄光なき天才たち」 の原作者としても有名だった。 今日の牧野先生の話を聴いてみると、GRAPE はどんどんと進化し、 どんどんと大きなものになり、 今では国の次世代スーパーコンピュータ開発のプロジェクトから 多額の予算を取るかどうかと言うような話になっているのだった。 素晴しい話ではあるがその一方では、 「無名の素人たちがたった 20 万円で作った並列計算機で世界のスーパーコンピュータを負かした」、 と言う、昔のわくわくするような素朴な輝きを失なったようで、 ちょっと寂しくもあった。

講義が終わって、夕方からはコモンルームでワインパーティ。 最初はパーティには出るつもりがなったので参加費を支払っていなかったのだが、 成り行きで参加してしまって、ただ酒を飲む。 その後は二次会に行く人たちを見送って、一人で帰る。 夜は論文校正の他、あれこれ仕事だ。