Saturday, June 17, 2006

スイス・ギャンビット

持ち時間 30 分の快速戦トーナメント、初日。 私のレイティングのデータが紛失されたようで、 参加者リストの最下位からスタート。 今回のトーナメントはかなり参加人数が少ない。 持ち時間の短い対局では、 うっかり格下に負けてしまう可能性が高いので、 レイティングの高い人は敬遠しがちだと言うことだ。 初日の私の戦績は 4 ゲームで、2.5 ポイント(2 勝 1 敗 1 ドロー)。 午前で B クラスの相手二人に連勝した後、 午後 は A クラス、オープンクラスの格上の相手と対戦し、 A クラスの小学生に負け、オープンの相手とは引き分けた。 この小学生は筋が荒っぽいながら、なかなか強かった。 時間があれば勝てた相手だと思うのだが…、と悔しがってみる。 明日もがんばろう。

ところで、トーナメントで総当たりほどの試合回数を行えないとき、 「スイス式」と言う方法が取られることが多い。 思想としては、トーナメント進行中の結果を基にして作為的に対戦を組み合わせ、 少ない試合数でも強さの順位をできるだけ正確に導こうとするものである。 ちょっと想像する以上には有効なヴァリエーションがいくつかあって、 特に最上位者近辺のランキングは信頼性が高いそうだ。 しかし、言うは易し行うは難し、 実際の対戦組みルールは非常に複雑になってしまう。 私が思うにスイス式のもう一つの難点は、 その方法に対して一種の捨て駒作戦がありうるところだ。 つまり、ルールに合わせたタイミングで負けることで有利な対戦組みを期待し、 トーナメント成績を上げようとする (チェスプレイヤーはこれを「スイス・ギャンビット」と呼ぶらしいが、本当かどうか知らない)。 この二つを解決するには、もっと積極的にランダムネスを利用すべきだと思う。 全くランダムな対戦組みによるトーナメントは多分、 普通の人が想像している以上に有効なはずで、 それに「スイス式」的な作為を僅かに添加する程度がベストだと思う。 これは、なかなかいい確率論の応用問題なんじゃないだろうか。 適正な選挙方式のデザインはなかなか難しい数学的問題として有名だが、 トーナメントはそれよりも数段難しいはずだ。