絶望のポジション
トーストと珈琲とヨーグルトの朝食のあと、出勤。 研究室でメイルを書き、生協食堂で昼食。 午後は卒研その2から。 ハンナーの不等式の証明はやはり一箇所詰められず。 どうも教科書の証明がおかしい気がする。 何か勘違いしてるのかな… 卒研の範囲は越えるが、 ハンナー自身のものとリーブらの関係論文二本の、 原論文にあたってみるように言っておく。 他は Lp ノルムの微分、Lp 空間の完備性など。 続いて 14 時 10 分から「数理計画法」。 一期間二項モデルによるデリバティブの価格付け。 リスク中立確率測度を使う方法と、 複製ポートフォリオによる方法の二通りで、 コールオプションの価格を計算してみせる。 続いて、15 時 50 分より「情報処理演習」。 講義の方では一通りの文法は終わったそうなので、自由課題。 サンプルとして、 入力された数までの素数表を表示するプログラムと、 入力された数までの完全数をその約数の和で表示するプログラムを その場で書いてみせた。 夕食は肉じゃがの残りと冷や御飯など。
ときどきチェス。 負け試合を闘うと言えば、左の局面をご覧いただきたい。 ちょっとチェスを知っている方ならすぐに分かるように、 黒のポジションは酷い。酷過ぎる。 一言で言えば "disaster"。 クイーン側はほとんどの駒が身動きが取れず、 キング側ではキングを守る駒がなく、 しかもキャスリングの権利を失なっている。 これはよほどの素人が、 まあまあ指せる白に遊ばれているところだろう、 と思われるかも知れない。 しかし、なんとこの局面は 1889 年世界タイトルマッチ第十五局、 白チゴリン vs. 黒シュタイニッツ、白の十五手目後である。 シュタイニッツはこのような絶望的な局面に、 望んでたどりつくことが少なくなかったと言う。 この絶望のボジションからの、 初代世界チャンピオンの華麗なディフェンスをご覧あれ。 15. ... f6 16. Nf3 Bc5 17. e5! b5 18. Bxb5 cxb5 19. Nxb5 Ne6! 20. exf6 gxf6 21. Qh4 Kf7 22. Qh5+ Kg8? 23. Qg4? Kf7 24. Qh5+ Kg7! 25. Nfd4 Bxd4 26. Nxd4 Rf8! 27. Rd3 Bb7 28. Nxe6+ dxe6 29. Rh3 Be4 30. Qg4+ Bg6. この6手後、白チゴリンは投了。
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