Tuesday, November 28, 2006

3 の上に 4π

9 時起床。 午前中はレポート採点。やってもやっても減っているように見えない。 疲れてきたので、出勤。昼食は生協食堂でわびしく済ませる。 午後はペイパーワークで始まり、夕方から卒研ゼミのパート2。 Lieb-Loss で、前回の証明の続き。 中で n 次元球の表面積が出てきて、おかしなことを言うのでツッコミを入れると、 「n 次元球の体積は円周率かける半径の n 乗です」 と確信を持って言う。既に 3 次元で合ってない。 小学校で「3 (み)の上に 4π(しんぱい)あーる 3 乗(参上)」 って習わなかったのか、君は。 じゃあ、計算してごらん、と言うと二次元でしか出来ない、と言う。 「この不心得者めが、そこになおれ!」と叱りつけ、 多重積分を極座標に変換して球の体積と表面積の関係を出す計算を手とり足とり教える。 さらに、大サーヴィスとして、 ガウス分布の回転対称性を使って n 次元球の表面積を簡単に計算する方法を伝授してあげた。 この計算法は伊藤清先生もお気に入りだとかで、 確率論の人は誰でも知っている。 ゼミを終了して、7 時半くらいに帰宅。 御飯を炊いている時間がなく、 ウー・ウェン先生レシピで豚肉と葱の焼き蕎麦を作った。 お漬物と、白ワイン(Ch. Grand Jean)。

健康診断の結果が来ていた。いつもの通り、健康優良児。 強いて言えば、γGTP が初めて 20 を越えたくらい (注:200 の間違いではありません)。 執事に「博士は何をお食べになっても大丈夫ですよね」とか、 田舎者は丈夫だから、との言外の皮肉をよく言われたものだが、 田舎育ちだから丈夫なのではない。失敬な。 個体として、性能が良いのだ。燃費もいいし。

Kramnik vs. DeepFritz マッチ第二局で、チェス史上に残るであろう、 とんでもないことが起こってしまった。 何と世界チャンピオン、クラムニクが一手詰めを見逃して頓死。 文字通り、目から火花が散るような大ポカである。 以下、世紀の大ブランダー炸裂の場面。34. ... Qe3??? 相手がコンピュータで良かった。人間なら椅子から転げ落ちただろう。 さすがコンピュータは少しもあわてず、 おそらく 1 フェムト秒以下の考慮時間で、35. Qh7 チェックメイト。