Sunday, February 18, 2007

三条大橋の対決

9 時起床。まだ少し雨が残っている。今日は猫が起こしに来ない。 階下に降りて行くと目を合わせた途端に、ソファの下に隠れてしまった。 夜の内に何か悪いことをしたらしいのだが、 部屋のどこを見ても昨夜と変わったところはない。 分からないな…しばらくすると警戒しつつ姿を現して、朝御飯を食べていた。 人間の朝食は珈琲。昼食はまた鴨の生ハムのスパゲティ。 数日前に思いつきで作ってみたら美味しかったので。 午後は、 クリスチャンセンの "Storming the Barricades" をぺらぺらと少し眺めて攻撃的な気分を盛り上げてから、 三条大橋に向かう。外は時々日が差す曇り空。

研究会のため京都に来ている S さんと SBUX 三条大橋店で会う。 S さんは代数幾何学を専門にする若き数学者で、 難曲を好んで弾くアマチュアのピアニストである。 お父様はフランス文学者。お母様は教育学者、 おば様はイタリアの大学の日本語科で教えているとか。 うーん、言わゆるサラブレッドだね。 ずっと前にお借りしてそのままになっていた CD をようやく返却。 この CD をお借りしたときにゴドフスキー( レオポルド・ゴドフスキー Wikipedia 項目) と言う作曲家を教えてもらったのだった。 長々と借りていたお詫びに、 間違ってダブりで買ってしまったチェスの本を一冊進呈。

第一回スターバックス・マッチ(in 広島。結果 1.0-1.0)に続き、 第二回スターバックス・マッチ in 京都。 持ち時間は 20 分プラス、一手毎に 10 秒追加のフィッシャー式。 第一ラウンド、黒番、ペトロフ・ディフェンス(8.Re1)。 中盤でこちらのミスを咎められたものの、 何とかフェアな白ビショプ vs. 黒ナイトのエンドゲームに持ち込み、 エンドゲームは思い通りに勝つ。 やはり流石に詰めものの作家でタクティクスの読みが深いし、 序盤にもそつがない。 しかし、中盤から終盤への構想と、 エンドゲームではこちらにエッジがあると見た。 第二ラウンド、白番。シシリアン・タイマノフ。 タイマノフは良く知らない。我ながら危なっかしい序盤、中盤。 嘘っぽいサクリファイスで何とかエンドゲームに転換して、 同色ビショップと 2 ルークのエンドゲームを勝つ。 第三ラウンド、黒番。シシリアン・ドラゴン。 S さんが見るからに疲れてきているところに、 シャープな定跡でぽんぽん攻撃的な手を続けて優位に立った。 メイトを狙っても良さそうだったが、 この相手には危険だと判断して、 2 ポーン・アップのルーク・エンディングに転換。勝ち。 内容にはそんなに差があったとは思えないが、 S さんが対局を続けるに連れて見る見る疲れて行くようなのと、 エンドゲームでのエッジを利用して、結局三連勝できた。

夕食も近所の居酒屋でご一緒する。ビールと燗酒。寒鰤、鰤大根など。 主に数学、チェス、詰将棋、プロブレムの話などして、 次は春の数学会年会ででも会いましょう、と三条河原町で別れる。