Sunday, February 24, 2008

Comment se faire passer pour un critique gastronomique sans rien y connaître

9 時に目が覚めた。カーテンを開けたら日は差していないのに、 やけに白っぽく明るい。甍の波が一面、雪だ。 寝台で「レストランで最高のもてなしを受けるための 50 のレッスン」 (フランソワ・シモン/岡元麻理恵訳/河出書房新社) を読む。 タイトルがやや下品だし、 某スノッブ雑誌がこの料理評論家の特集をしたことも知っていたので、 ずっと手にとる気になれなかったのだが、たまたま買ってしまった。 読んでみるとなかなか面白い。 本文の他に、著者がフィガロスコープ誌に実際に連載した、 現地レストラン 32 軒の評価記事つき。 むしろ本文よりこちらが読みどころで、 ちょっとふざけたような文学的でシュールな文体に超辛口の批評。 料理やレストラン関係者ではない、 ただのお客にとって必要な情報が書かれている。 つまり、 本当の意味で役に立つレストラン批評はこういうスタイルになるのかも知れない、 と思わされる。 こういう記事が読めれば便利だろうなあ、 とは思うが、シェフ達を始めレストラン、飲食業関係者を全て敵にまわすような、 こんな評論は日本ではありえないだろう。 例えば、私がこんな京都レストラン案内をこの blog で展開しだしたら、 四、五軒目あたりで、 お腹に詰め物された上に刺身包丁でスライスされた私の死体が鴨川に浮かぶだろう。

午前中はまだ雪が少し降っていたが、昼前には青空が見えてきた。 大宮駅の近所のカレー屋で昼食をとって、 日本橋のチェスクラブに出かける。 雪が散らつくこの寒い日なのに結構の人が来ていた。 午後からの二局に参加。 両方黒番で、同じくらいのレイティングの人に勝ち、 ずっと上の強豪 M さんに負けて一勝一敗。 第二局は、負けはしたものの、 お互いに見逃したチャンスが沢山ある難しいゲームで、 終盤までかなり頑張ったため、二時間半くらいかかった。 かなり強い人にも時々勝てるようになってきたが、 M さんには勝ったことがない。 かなりタクティカルなスタイルで、苦手なタイプである。 次の目標は、M さんから一勝かドローをもぎとることだな、 と思いつつ、 ふとチェステーブルの横においてあった洋書を手に取ると、 その M さんがぼろぼろになるまで読んだ、 "The Magic of Chess Tactics"(Meyer-Muller/Russell Enterprises Inc.) だった。 私も一応持っているだけは持っているが、 あまりの難しさに 10 ページくらいで挫折した超マニアックなタクティクス本である。 遠い目標になりそうだなあ…

雪が降る中を帰宅。 昨日作っておいたパテ・ド・カンパーニュを一切れ味見してから、 菜の花のスパゲティを作って夕食にした。 パテが型からすとんと出てきて、 ゼリーに包まれたそのつややかなお姿を見ると、 「してやったり」と言う幸福感に包まれる。 味はもう一日くらいおいた方がいいかな、と言う感じ。