撤退戦
8 時起床。シリアルと珈琲の朝食。 講義の予習などしてから、バスで衣笠出講。 学生食堂で早めの昼食をとり、法学部の講師控室で予習。 13:00 から「数理の世界」。三次方程式と複素数の関係など。 続いて 14:40 から「情報の数理」。 エントロピィ関数の性質など。講義終了後、すぐに帰る。 近所のスーパーで食材を買って、帰宅。 夕食はキムチ饂飩すき。ちょっとひねってみても鍋は鍋。 白ワインを一杯だけ。 明日からは、また一気に冷え込むそうだ。冬本番。
最近の就眠儀式本は、「アナバシス」(クセノポン/松平千秋訳/岩波文庫)。 何度読み返しても得るところのある軍記だ。 私の古典の一つと言ってもいい。 キュロスが兄の王位を奪うため、その動機を隠したまま、 ギリシャ兵一万数千人を連れてはるばるバビロンまで行くのが短い前半の「上り」 (つまり「アナバシス」)で、そこであっさり負けて死んでしまい、 敵中深々に取り残されたギリシャ兵たちが、 またはるばると逃げ帰る撤退戦の「下り」が長い後半になっている。 小キュロスみたいな馬鹿なリーダー(多くの場合それは自分自身なのだが)に騙されて、 おかしいと思いながらもとんでもないところに連れて行かれ、 気付いたらにっちもさっちもいかなくなっていて、 あとは死ぬまではるばると長い撤退戦をする中で、 駄目は駄目なりに規律とスタイルを持って、 時には閃きを見せつつ、効率的に、かつ淡々と、しかも雄々しく、 何とかやっていきましょう、と言うのが人生じゃないだろうか。
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