大晦日
8 時起床。珈琲とカステラ。 午前中はまた大掃除の続き。 料理はお休みの方針なので、 昼食は近所の定食屋さんにて。 午後は近所のワイン屋さんで年始用のシャンパンを買った後、 一泊だけ実家に帰る予定。(これは予約更新です。)
今年のまとめと反省。 二十代の頃に立てた予定より二年早く、大学を辞めることにしたのが一大事か。 三月の上旬に最終的な決心をしたので、 四月からは一年後に照準を定めての準備。 飛ぶ前に身体を屈めることが主だったので、 とりわけ何をしたと言えるような一年ではなかった。 春の段階で、あらゆる事態を想定し、 リスクを出来る限り計算したつもりではあったのだが、 たった一年先でも未来のことを決めるのは難しいものだ。 ああ、そうと知っていたならば、とか、 そんなことが起こると分かっていれば、 などとまるで思わなかったと言い切れるほど、私は強くないが、 自分で決める価値を信じられないほど、弱くもない。 その程度にはまだ残っている意志と、 一部屋分の本と猫一匹以外に何も持ち物がないことだけが、 今の私の武器だろう。 私は賢そうなふりをするのは上手なのだが実際は相当無能で、 いつ化けの皮が剥がれるかと心配しながら、 日々を何とか綱渡りでハックしている。 だから数少ない強みをフルに活用するしかない。 たとえそれが「何もなくて軽い」、程度のことでもだ。
ほぼ何もしなかったとは言え、 それ以前にやっていたことがいくつか形にはなった。 まず、L 先生との論文がようやく出版された。 この内容は数年前のものである。 その仕事で、夏の大きな国際学会で話せたのも良かった。 来日した L 先生と数日間で研究もずいぶん進んで、 少し新しい結果も出来た。 いずれ論文にまとめたい。 (これから二週間以内に、プロシーディング論文も書くが、 それは今年夏の時点での内容にするつもり。) 12 月にオーストラリアでまたほとんど同じ講演をさせてもらった。 流石にこの話はもう打ち止めだろう。 また新しい問題を考えたいものだ。 これまた実際は数年前に初稿は出来ていたのだが、 ルベーグ積分の教科書の翻訳も今年出版された (「測度と積分」ツァピンスキ=コップ著/二宮・原共訳/培風館)。 けっこう好評で、嬉しい。 特に数学以外の専門家で、熱心に読んで下さっている方がいるようだ。 「数理科学」に短い記事を書かせてもらったのも、楽しい仕事だった。 数学関連はそんなところ。
数学以外の活動。短編小説の翻訳を引き受けた。
依頼されてすぐに第一稿をあげた割に、
校正段階でずっと停止されていたのだが、
また作業が始まったようで、年内ぎりぎりに再校を提出した。
今のところ来年二月に出版と言われている(が、この業界、予定は未定)。
この校正作業は大変に勉強になった。
監修者や編集者が原稿にチェックを入れてくれるのだが、
それを読むと、自分がいかに翻訳作業というものを軽んじていたか分かった。
チェスにはあまり時間が割けず、チェロもほとんど弾けず。
私に残り時間は少ない。どちらか、あるいは両方、
しばらく休止した方がいいのだが、気が多いもので、
どちらも下手の横好きを続けることになりそう。
来年の目標は、そうですね、 難問を解くことを楽しみたいです(笑)
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