経験則から科学へ
急にそんな気持ちになったので、 南草津からキャンパスまでの道を歩いてみた。 特に急ぐでなく普通に歩いて、40分くらいだった。 気候の良い時期で、天気も良ければ、 歩いてもいいかなあ。 午後はあれこれ雑用をして、 少しばかり仕事をし、 夕方は今期初の学科会議。 一回目から鬱陶しい話で、三時間くらい密室で過す。
今日の読書。 「統計学を拓いた異才たち」(D. サルツブルグ著/竹内惠行・熊谷悦生訳/ 日本経済新聞社)。 私の専門は一応確率論ということになっている。 分野の異なる人には、 確率論と統計学は同じとは言わずとも、 似たような学問だと思われているようだが、 実際は互いにほとんど交流のない異分野である。 最近でこそ、マリアヴァン解析を道具として使って統計的な問題を解く、 と言うようなこともあるようだが、例外的だろうと思う。 私も統計学についてほとんど何も知らない。 ただ周りが勘違いをしているせいで、 統計学の講義までさせられたことがあったりして、 基本的なことをほんの少々知っている程度。 しかし、不思議なもので、 年月が経つごとに段々、段々と統計学に興味が出てきた。 「腰を据えて統計学の基礎を勉強する」、 という "Maybe ToDo" のプライオリティは、 私の ToDo リストの中で徐々に上がりつつある。 それはさておき、今日読んだこの本は、 どんな風に統計学が二十世紀を発展してきたかのドラマを、 主に人間像に焦点を置きながら解説した本。 数式なんて一つも出てこないし、 本の帯に書いてある「おもしろ統計学史」 という宣伝の通りである。 実際、なかなか劇的で面白かった。 それにうまく翻訳されていると思う。 勿論、細かい欠点を言い出せばきりがないが、 真摯に翻訳作業をされていることが伝わってきた。
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