米粒を数える
9 時起床。今日もまたいい天気だ。 やや、夜には涼しい風を感じるようになってはきたが、 まだまだ暑い。亜熱帯だ。 私は緑の丘にしっとりと小雨がそぼ降る、 と言った感じの風情が好きなのだがなあ。 昼食は、エリンギとオクラのサラダ、 炒飯を作って食べた。 食後は少し昼寝をして、午後は数学を考える。 外は今日の午後も激しい夕立。 夕食は御飯を炊いて、一汁一菜。
昨夜、突然携帯電話が鳴った。 私の携帯電話の番号を知る人間は非常に限られていて、 しかも、その人たちは私が携帯電話を携帯していないことも知っているので、 とても珍しいことだ。電話に出ると、この前の 6 月に結婚した、 某 A 社の誇る天才プログラマ K 氏だ。 何事かと思えば、米一合には米粒が幾つ含まれているか、と尋く。
かつて私が某 A 社に勤めていて K 氏とは同室の同僚だった頃、 K 氏が閑なときには、 一緒に飲みに行っては清談を交すのが習慣だった(私は常に閑だったし)。 そんなある夜、色々な量を暗算で出来るだけ正確に評価する、 と言う遊びをしていて、米一合に米粒がいくつあるか、という問題を私が出した。 その時の答は忘れてしまったが、その数年後、K 氏はたまたま、 その正確な実験がテレビで実演されるのを観たそうで、 メイルで正解を送ってくれたことがあった。 そして、今、夜中にわざわざ私の携帯電話を鳴らして、 「そのときのメイル検索できない?」と言っているわけだ。 何でも今、バーだかにいて、そのクイズに答えられると賞品がもらえるのだ、 とか「事情」を説明していた。呑気なものだ。 生憎、急には無理だ、と答えると、 「じゃ、またー」と電話を切ってしまった。 実に簡潔な電話ではあったが、 アルコールの血中濃度や、新婚特有のユーフォリアのせいだろう、 発声の全体にいつどこで「ヤッホー」とか、 かけ声が入っても不思議のない陽気さだった。 幸せそうで結構なことだ。
そう言えばその K 氏と、 いかにもありそうだけど実際はない化学物質の名前を考える、 と言う遊びを考えたこともあった。 これが金賞だろう、と二人で大笑いしたのが「パラペン」だったのだが、 これは後で、実在することが判明して、また大笑いしたことであった。 思えば、いい時代であったよなあ。
<< Home