Saturday, December 30, 2006

第五日(前)、「繻子の靴」

9 時起床。晴天。 朝食は珈琲とシュトーレン。 Fritz のスパーリングモードと一局。今日は勝った。 午前中は少し読書。 次は「繻子の靴(上)」(P.クローデル/渡辺守章訳/岩波文庫)。 ポール・クローデルはマラルメに師事した詩人であり、 日本駐在大使を務めたこともある外交官でもあり、 20 世紀で最も重要な劇作家…のはずだが、 実際に一番良く知られているのは、 カミーユ・クローデル の弟としてだろう。 「繻子の靴」は岩波文庫で訳が出て以来いつか読まねば、 と思っていてついにその機会を得たのだが、 戯曲は気持ちが入って行き難くて、なかなか進まない。 確かメインプロットは、美しき人妻の運命の恋の、 世界を股にかけた壮大なすれ違いのメロドラマ… と言うような話のはず。 今、まさにヒロインが恋人のもとに走ろうという時、 一方では自らでそれがうまく行かないように、 と片方の靴を捧げて祈る場面まで読んだ。 このせいか、主人公の逢瀬はすれ違い続きになるのだが、 「神は曲がりくねった線で真っ直ぐに書く」と言う、 ポルトガルの諺が冒頭に挙げられているように、 最後にはその回り道が直線だった、と言うことになるのだろうか。 昼食は青椒肉絲と、豆腐と若布の味噌汁で冷や御飯。 午後は大掃除をしよう。