ディフェンス
昨夜、遅くまで寝台で初歩のルーク・エンドゲームを考えていたせいで、 随分と寝坊してしまった。駒数の少ないエンドゲームなら、 時間をかければ頭の中だけで考えられるようになってきた。 とは言え、この駒は e5 にいてこっちは c4 だから桂馬飛びの関係にあって…、 などと座標を頼りに考えていて、 けしてはっきりとチェス盤と駒の映像が頭に浮かんでいるわけではない。 いつかブラインドフォールド(目隠しチェス)が出来るようになる、 と言う夢を持っているのだが、いつになることやら。 紅茶だけの朝食のあと、 事務から成績評価への疑義申し立ての連絡があって、 午前中はその対応。
成績評価は慎重に行なってはいるが、当然間違いが入り込む可能性がある。 何百人も学生がいるマスプロ講義ではなおさらである。 また、単なる間違いではなくて、 本当に評価能力への疑義と言うこともありうる。 教員はこの私に「C(可)」の成績をつけたが、 それは私の天才を理解できない教員の凡庸さの証しであり、 本来なら A+ をつけるべきだ、とか。実際、そういうこともあるだろう。 天才は忘れた頃にやってくるものだ。 そういうわけで、成績発表が終わったあとで、 学生から異議申し立てのチャンスがある。 私なんかはまだ古い大学のイメージが残っているから、 本音では、成績なんてどうでもいいじゃないか、と思っているのだが、 国際標準化と言う名のアメリカナイズが進む今の大学ではそうも行かない。 シラバスは教員と学生との間の契約書なのであって、 その契約に基いて、商品である講義を厳密に契約通りに提供し、 厳正に得点評価をせねばならず、 学生はその得点を持って社会に出ていくのである、うんぬん。 と言うわけで(?)、午前中は保存しておいたレポートの山を引っくり返して、 該当の学生のものを探し、確かに正しく採点したかをチェックして、 この評価で間違っていない、と言う、 こちらからのディフェンスの文章を作成して、事務に送り返す。
昼食は近所の町屋インドカレー屋。チャイを飲みつつ、少し読書。 帰りに店の主人が、マレーシアのお土産だと言って、 「清糖餅」と言うお菓子を一つくれた。 銀行で所用を片付け、珈琲豆を買って帰宅。 午後は勉強。何の勉強かは秘密。 夕食は御飯を炊いて、根菜の味噌汁と納豆で一汁一菜。
<< Home