Friday, March 02, 2007

Que sais-Je?

また朝方に一度目を覚ましてしまったが、 二度寝。寝室の前の廊下で激しく鳴く猫の声で、十時起床。 今日はいい天気。完全休日。珈琲だけの朝食。 洗濯機で洗濯。 ちょっと棋譜並べなどをして、昼食は近所の担々麺専門店。 担々麺を食べて、昼間からビールを飲んでやる。ああ飲むとも。 家に帰って、次は昼風呂に入る。ああ昼に飲んだら、昼に風呂だって入るさ。 うちは大した借家ではないが、風呂だけは広くて綺麗なのがいい。 日の差す湯船で長々と一時間ほど「死のチェックメイト」(E.C.R.ロラック/ 中島なすか訳/長崎出版)を読んだ。 風呂上がりにしばらく猫とあやとりをして遊んでから、外出。 烏丸の巨大書店で本棚の間を散歩。 ちょっと話題になっていた、「チェスへの招待」 (J.モフラ著/成相恭二・小倉尚子訳/文庫クセジュ)を買う。 スターバックスでしばらく、 「北原白秋歌集」(高野公彦編/岩波文庫)を読む。 夕方、大宮に帰って、近所のワイン屋さんで林檎酒などを買って帰宅。

夕食は近所のバーにて。 新婚生活満喫中のソムリエがパリに新婚旅行に行くと言う話をしていて、 大聖堂などに興味があると言っていたので、 お薦めスポットとしてサン・シャペルと言う教会を挙げておく。 シテ島にある裁判所の敷地の中の小さな教会で、 そこのステンドグラスが大陸一、素晴しいらしい。 私が行ったことがあるわけではないので詳しくは知らないが、 ソムリエの奥様はパリ通だから良くご存知だろう。 赤ワイン二杯で、 キッシュ(海老と法蓮草、上にじゃこがかかっていた)と鴨のローストを食べた後、 シェフが熱心に薦める熟成モンドールで古いボルドーワインを少し味見して、 9 時前に帰宅。

文庫クセジュは、 フランスの「コレクシオン・ク・セ・ジュ?」と言う、 日本で言えば新書に対応するシリーズを、白水社が翻訳出版しているもの。 やはりどれを読んでも、日本の新書とは一味違うな、と思う。 平凡な言い方になってしまうが、やはりエスプリが効いている。 チェス関係では、 フランソワ・ル・リヨネの「チェスの本」と言う名著がこの文庫に入っていて、 私も子供の頃に手にとって、そのカッコ良さに衝撃を受けたものだった。 そして今回、新たにもう一つのチェス入門書が加わったと知って、 一体どんなものだろうと期待していたのが、この「チェスへの招待」。 やはり独特。けっしてチェスのルールの解説本ではない。 歴史、文化、芸術とチェスの関係を縦横に語りながら、 チェスの魅力を紹介し、しかも、チェス入門にもなっている。 例えば、駒の動かし方などのルール説明は、 1970 年のラーセン対スパスキーの一局を鑑賞しながら行われる。 このゲームを選んだ趣味もいい。 わずか 17 手で勝負が決まったミニゲームで、 このスパスキーの煌めきには、洒落た戯曲短編のような味わいがある。 (興味のある方は、 こちら で棋譜再現できます。chessgames.com より。) 本全体の印象では、 ル・リヨネの「チェスの本」がややマニアック過ぎる感があるのに対し、 モフラの「チェスへの招待」は、 文化としてのチェスの側面が強調されている分、 より多くの読者を得られるだろうと思う。