フランス料理と科学
9 時起床。疲れていたのだろう、良く寝た。 目覚ましの珈琲。 午前中は最新号の "New in chess" から、 クラムニク vs. ゲルファンドの棋譜を並べたり。 昼食はリーゾ・パルマ、ポテトサラダ、白ワインを一杯。 前回はうまく出来たのだが、今回は失敗。 米を炒め過ぎた。 食後に珈琲とカステラ。
午後は寝室で「真珠の耳飾りの少女」(T.シュヴァリエ/木下哲夫訳/白水uブックス) を読んでいたら、 いつの間にか寝てしまっていた。 日射しで明るい浴室の湯船に湯を張って、昼風呂。 風呂上がりに一杯だけ白ワイン。つまり昼酒。 昼寝、昼酒、昼湯を制覇。 本当なら朝寝、朝酒、朝湯をクリアしたいのだが、 朝に弱くて午前中にはそこまでの元気がない。 おそらく小原庄助さんは、意外と勤勉だったのだろう。 夕方になって近所のバーに電話、 読書用に「フランス料理の『なぜ』に答える」(エルヴェ・ティス/須山泰秀訳/柴田書店) を持って、歩いて夕食に向かう。
ついに夏休み、を記念してテタンジェ。 いつものようにキッシュと煮込み料理を頼むと、 F シェフが側にやってきて、 「ムール貝もあるんですよね…」とつぶやくので、 キッシュをそれに入れ替えてセットにしてもらう。 二枚貝は夏が季節、とのことで、随分と良く太った立派なムール貝だった。 煮込みは子羊の脛肉、夏野菜のソテーのつけあわせ。 やっぱり夏は野菜が美味しい。 京都の夏は、唐辛子、茄子、トマトの黄金トリオ。 そして、やっぱりキッシュを食べないと寂しいので、追加注文。 帆立とトマトとチーズのキッシュ。 ほとんど卵を使っていないため、パイのようで見目麗しかった。 最後に、デザートワインを一杯とブルーチーズ。 週末の割に空いていたが、時間が早いのと、 既にヴァカンスのシーズンだからだろう。 きっと夜は忙しくなるだろうから、邪魔にならないよう 20 時頃に退散。
「フランス料理の『なぜ』に答える」によれば、 キッシュなどの卵液が高温でも固まらないのは、 小麦粉の澱粉成分によるものだそうだ。 澱粉の長い分子が水分に溶けて、 卵のタンパク質の凝集をブロックするのだとか。 サバイヨンやカスタードクリームを作るときにも、 この原理が働いているとのこと。 ただ、科学的な理由はまだ十分に分かっていないらしい。 なかなか面白い本だ。 原題の "Les secrets de la casserole"(「キャセロールの秘密」) の方がキャッチーだったとは思うけど。 著者はフランスの物理化学者で、 料理と科学をからめたラジオやテレビの番組で人気だそうだ。 イギリスで似たようなコンセプトのテレビ番組を観た記憶があるが、 ひょっとするとフランスからの輸入だったかも。
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