Monday, August 06, 2007

夏休み

7 時に目が覚めた。 朝の霧でしっとりとした緑の丘に雲雀は鳴き、 蝸牛がゆっくりと朝露に濡れた葉を這い、 神は静かに天よりしろしめす、世はこともなし。 ああ、平和とはこういうことであったのであろう、 ああ、我が愛しの忠実なる秘書セレストよ、いつものように、 スプーンが立つほど濃い珈琲と、 手に取るとぱりぱりと音が鳴るようなクロワサンを寝台まで持ってきてくれないか。 以上、心象風景。終了。

寝床で「緑は危険」(クリスチアナ・ブランド/中村保男訳/ハヤカワ文庫) の続きと、 「ジーヴスと朝のよろこび」(P.G.ウッドハウス/森村たまき訳/国書刊行会) の続きを読み、8 時に起床。 既に朝の日差しの叩きつけるカーテンを開けると、 朝の霧でしっとりと濡れた緑の丘が広がっている代わりに、 コンクリートやらアンテナやら煙突やら電信柱やら電線やらに、 真夏の太陽が照りつけていた。雲雀も蝸牛もいそうにない。 階下のキッチンで珈琲をいれる。 しばらくインタネットを巡回し、 コンピュータ相手にチェスを一局。 Ellen(1400)はチェス歴 3 年、攻撃型で、まあまあの序盤の知識を持ち、 シャープなラインを好むそうだ。 持ち時間 10 分、白番。25 手でメイト、勝ち。 9 時から数学を考える。 少し調子が出てきた頃にうっかりメイルを見たら、 また新学部の数学教育関連。電話をかけて打ち合わせをしたり。 電話で仕事をするのは好きじゃないが、しようがない。 また数学に戻って、11 時半まで。 御飯を炊いて昼食の準備。 ゴーヤと油揚げの炒め物(ウー・ウェン先生レシピ)、 長葱と油揚げの味噌汁で一汁一菜。 食後は半時間ほど昼寝。 14 時からまた数学。だんだんと何をしていたか思い出してきた。 ずいぶんと下げた目標に向けてやや進んだような気がしたので、 少しやることを残して、二時間くらいで今日はやめ。 夕食の支度の時間まで、プロブレムを考えたりして遊んだ。

夕食はオムライス。赤ワインを一杯だけ。 シャワーを浴びて、 湯上がりのルイボス・ティを飲みながら、小一時間ほどチェロを弾く。 そのあとは夏休みの秘密プロジェクト。

「光あるところに影がある」 ©HARA, Keisuke 2007