Friday, February 08, 2008

間奏曲

9 時起床。今日は入試採点の中休み。 その代わりに明日明後日の土日とも採点だけど… 寝床で「モンテーニュ エセー抄」(宮下志郎訳/みすず書房「大人の本棚」) から一つ読む。寝室の外で猫がやかましい。 まだ起きる気になれなかったので、例外的に猫を寝室に入れてやった。 大喜びでなついていた。さらに Bonfiglioli を読む。 主人公は難しい状況に陥ると昼寝をするようだ。 こんなときにツイードを着たイギリスの父親と言うものは、 一緒に一日中丘を歩いてぽつぽつと話を聞いたあげく、 「できるだけのことをするだけさ」とか「男らしくふるまわんとな」 とか言った後、鱒釣りを教えたりするものらしいのだが、 主人公には昼寝が同じ効果を与える、と書かれている。 まあ、主人公と同じく私の父もそんなタイプではなかったし、 私も昼寝が大好きではある。

10 時頃になって起き出して、珈琲。今日はいい天気だ。 洗濯、掃除機がけ。お風呂掃除をしてから、 寝室から風呂場の前に BOSE の CD プレイヤを運び、 湯船でマリア・カラスのアリア名曲集を聞きながら朝風呂。 さっぱりしてから、昼食。 昨晩作った散らし寿司と、卵の澄まし汁。 DVD で「ロシアより愛をこめて(007/危機一髪)」を観ながら食べる (Quiz: 昨日観た映画との関連は?)。 食後にお茶を飲んでから、 小麦粉とバターと卵でブリゼ生地を作り、ラップをして冷蔵庫で休ませる。 雑誌の記事の著者校正をまとめ、その投函のためと散歩がてら外出。 郵便局の前のポストに投函して、大宮から地下鉄で河原町へ。 LOFT でまた女の子たちの嬌声に混じり、 できるだけ職人オーラを発するよう努力しながら、 深刻な面持ちでタルト型を買う。 BAL ビルで本を見るついでに、紅茶葉を買って帰る。

帰宅して生地を型に入れて、またしばらく休ませてから、空焼き。 イメージしていたほどではなかったが、まあまあの台が完成。 次はベーコンと玉葱を調理して卵と生クリームと一緒に入れ、 焼き上げる。つまり、キッシュ・ロレーヌを作った。 近所のバーのキッシュを食べることを癒しにしている私だが、 バーに毎日行けるわけではない。毎週すら難しい。 それなら自分で作ってやろう、と思って久しかったが、ついに実現。 ついでにポトフも作りおきし、夕食はキッシュを二切れとポトフ。 キッシュの仕上がりは初めてなら許せるかな、と言う程度。 特に問題だったのは、生地を薄く作り過ぎたこと。 そのせいで具の脂や水分が浸みでてきて、底の部分のさくっとした食感が失われた。 でも、味については本当に大変、美味しかった。 とは言え、この材料とレシピではどう作っても、 不味くなりようがない気がする。 炒めたベーコンと玉葱と、卵と生クリームとチーズをパイ生地に入れて、 焼いてあるのだもの。恐るべし、ロレーヌ人。 いくつかこの料理のポイントが分かったので、 次はもっと上手に作れると思います。

酒の肴の高野豆腐も冷やしたし、白ワインも冷えてるし、 さ、今日二度目のお風呂に入ろう。 また明日は入試採点だ。

「生活の技法2」© HARA, Keisuke 2008