シンポジウム四日目 / 旧世界と新世界
8 時起床。身支度をして、すぐに出かける。 国際シンポジウム四日目。 今日の午後の部は、環境問題セッション。 環境問題に数理ファイナンス的手法でアプローチする、 というもので、これから流行するのかどうか、境界上にありそうな感じ。 例えば、温室効果に保険をかける、とか、 天候オプションを使って風力発電をサポートするとか、 CO2 デリバティヴで環境問題をコントロールするとか。 今日聴いた感じでは、可能性はあるものの、かなりまだ数学から遠いし、 多分、サイエンスからも遠い。 とは言え、 江戸はエコで素晴しいリサイクル社会だったんだよね、 モッタイナイをキーワードに江戸に見習おう、 とか唱えることで環境問題が解決すると思うよりは、 気温や CO2 排出量のデリバティブ商品の市場を作ることで、 強欲で冷酷なトレーダーたちが、 1 セントでも多く儲けて 500 万ドルのボーナスを受け取るために、 強欲で冷酷なトレードを繰り返すことで、 環境問題が解決するかも知れない、 と考える方がずっとリーズナブルだとは思う。 多分、環境問題を解決できるのは、 市場の力と科学の力の組み合わせだけだろう。 当たり前だが、お祈りや、根性や、精神論や、オーラの力では何も解決しない。
夕方に全セッション終了。 夜は京都駅近くのホテルに入っている日本料理屋で、関係者の会食。 ふと気付くと外国からのゲストは、 アメリカとオーストラリアのテーブルと、 フランスとイタリアのテーブルに分かれていた。 やはり旧大陸と新大陸の間には文化の壁があるのだろうか。 今回はイギリスからのゲストがいなかったのだが、 もしいたら、どっちのテーブルに入ったのだろうか。 ちなみに私は旧大陸テーブルにいたが、 フランス語やイタリア語が分からないので、ちょっと居心地悪かったかも。 確率論の業界の年配の方には、フランス語が話せる人が多い。 こういう機会には、ああ私もフランス語をもうちょっとやっておけば、 と後悔する。 21 時過ぎくらいに終了して、 二次会へ向かうのであろう A 堀先生(最近の通称はスーパー・ジロー) たちを後に帰ることにする。 いい電車がなくて、帰宅は 22 時丁度くらい。
さて、明日からは大阪の近畿大学で数学会の年会。 明日、明後日と無理をしない程度に日帰りでところどころ出席する予定。
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