医学探偵 / 幻の大ポカ
9 時起床。朝食代わりの珈琲。 午前中は家事をしている内に過ぎてしまった。 昼食は御飯を炊いて、カレーライス。 私はどんなカレーライスでも好きだが、 今日から少なくとも軽く三日は続きそう。 午後は amazon からの宅配を待ちながら、 タリ・メモリアルの棋譜を眺めたり。 amazon から ``The Medical Detectives" (by B. Roueche / Penguin) が届く。 プログラミングの専門書を読んでいたら、 優れたデバグ技術の実例集として 名前が挙がっていたので、興味を持ったのである。 内容はタイトルの「医学探偵」の通り、 毎回、突如として発生した原因不明の病気や中毒などの謎を科学者たちが追跡し、 思いがけない真相が明らかにされる、 と言うドキュメンタリのシリーズもの。 ``The New Yorker" の人気連載だったらしく、 その中から選り抜きの 25 編。 これは絶対に面白い、と言う予感がする。
午後は外出して、種々雑多な用事をまとめて片付ける。 河原町に出て古本を売り、古本を売ったお金で三条 SBUX でフラペチーノ。 今日は曇り空だが、なかなか蒸し暑い。 夕方に帰宅。 まずお風呂に入って、湯船で ``The Medical Detectives" の第一話 ``Eleven blue men" を読み始めた。 ある朝、突然老人が道に倒れる。酔っ払いかと思って近付いた警官が、 老人の唇と耳と指先が青空のような青色になっていることに気付くところから、 物語は始まる。 そのあと、同じように身体が青く変色した患者が次々と、 同じ病院に救急車で運ばれてくる。 「Xファイル」のようなオープニングだ。 初見の診断は、血液の酸素欠乏によるチアノーゼと思われることから、 一酸化炭素中毒。 しかし、被害者たちの当時の行動からしてガス中毒はありえない。 全員が同じレストランで共通にオートミールを食べていたことが分かる。 では食中毒か。しかし、チアノーゼは食中毒の症状ではないし、 発症が早過ぎる。では毒物の混入なのか、 そうだとしても何故、そして、どうやって……、 もう読みさすことが出来なくなくなって一編読んでしまった。 英文とは言え、一編 10 ページほどなので、 ちょっと無理すればすぐに読めるところもいい。 第一話はレムの名作SF「枯草熱」を思い出させる一方で、 良く出来た短編ミステリのような読後感だった。 夕食ももちろんカレーライス。 南瓜とじゃが芋の冷たいサラダも作る。 お供は、お向かいからもらった発泡酒。
タリ・メモリアルの第7ラウンドの注目対局イヴァンチュク対モロゼヴィチで、 中盤に大ポカと大ポカ返しがあったのではないか、と言う疑惑(?)。 34.Bf1 Qxc1(??) 35.Qxc5(???) が、 クイーンのただ取られの見逃しと、そのただ取りの見逃しである。 後に発表された棋譜では 34.Qxc5 Qxc1 35.Bf1 となっており、この順序なら問題ない。 とは言え、今のトップレベルの対局では、 チェス盤に仕込まれたデバイスで自動採譜されるので、 大ポカを含んだ最初の棋譜が正しいのではないか……、 と思われていたのだが、 どうやら現地の目撃談によれば、 訂正された後の方の手順で指されていた、とのことである。 幻のポカだったようだ。
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