Tuesday, December 02, 2008

デュプレクス / 物件談(その二)

昨夜早寝したので 6 時半くらいに起床できた。 シリアルと珈琲の朝食。身支度をして出勤。 満員電車と満員バスで BKC 着。 9 時から卒研I。ポワソン二項分布のポワソン分布による近似など。 学生食堂で早めの昼食をとって、 12:30 から卒研S。Young の不等式など。 続いて、14:10 から「プログラミング演習」。 今日は夕方の会議がなかったので、 少し雑用をしてすぐに帰る。 夕食はまた水炊き鍋。あれこれあるけどやはり、 ミツカンの「味ぽん」が好きだ。これこそ庶民の味。 夜は定期試験の問題作り。 私は後期に 4 つ授業を持っているが、一つは演習科目なので、 問題作成は 3 科目かける 2 (追試分があるので)。

東京物件談、その二。「デュプレックスってどうですか? 最近けっこうあるんですが、好き嫌いが分かれるみたいで」 と不動産屋さんが言うので、 「別に抵抗ないですよ。今も二階建一軒家ですし」と見に行くことにした。 私の唯一のデュプレクス体験は、ずっと前、私がまだお金持ちだった頃、 ラベイ・ド・サンジェルマンのデュプレクスに一週間ほど泊まったことだけだったので、 その言葉から受ける印象はすこぶる良かった。 「これが図面です。ビルの最上階ですね。 総面積はご希望よりかなり狭いんですけど…」 「おや、でも、かなり安いですね。しかも、駅からとても近い」 「ええ、意外といいかも知れませんよ!」 「この『多目的ルーム』って何ですか?」 「そこがちょっと面白いんじゃないかと」。 現地の細長いビルの最上階に到着。部屋に入ると、一階部分はかなり狭い。 東京に初めて出てきた学生が、ちょっと無理をして借りた 1K と言う雰囲気。 キッチンとバスルームもビジネスホテル並みに狭い。 不動産屋さんも、思ったのとちょっと違うな、と言う表情をしている。 「二階を見てみましょうか」、と二人で部屋の中にある階段を上がった。

問題の二階に上がってみると、まずは普通の洋間があり、 ガラスのサッシを境にその隣りが、日の光が燦々とあふれる明るい謎の空間。 一見、やけに広いベランダがあるなと思ったが、 それが多目的ルームだった。床は石造りで、こちらの部屋とのしきりと、 向こう側のベランダへの出口が全面サッシ窓、そして天井がガラス張り。 ビルの最上階なので、日光が降り注いでいる。 天井は天幕とでも言うのか、帯状の白い布で覆われて日除けされているが、 カーテンのように片側にまとめられるようだ。冷暖房もついている。 「ここが……多目的ルームです!開放的ですね。面白いですね。 いかがですか?猫ちゃんと遊んだりできますね!」。 猫と遊ぶどころか、ライオンでも洗えそうだ。 隣の洋間との関係も込めて見れば、動物園のパンダ飼育室のようでもあり、 独房のレクター博士にスターリング捜査官がインタヴュするシーンのようでもあり。 「なるほど……たしかにユニークな物件ですね……犬とか飼う人にはいいのかも… むにゃむにゃ(「羊たちの沈黙」ごっこにも)…」。 「いやー、面白い部屋ですねえ。あ、ベランダにも出られます。 広いですよー。あ、周りにつながってます。ちょっとした散歩ができますね」。 ビルの最上階と言う特徴を存分に生かしていることは確かだ。 一瞬、この多目的ルームを寝室にするのは面白いかも知れない、 夜空を見ながら眠れるし、 朝起きるときに気持ちがいいだろうな、ベッドで朝食もとったりして、 と夢が膨らんだが、 衆人環視されているようで落ち着かないし、日焼けしそうだ。 「いや、面白い部屋ではあるんですけどね、ま、そろそろ行きましょうか」 「そうですよね(笑)」と言う感じで退室。

後で思いついたのだが、 おそらくピアノを弾く人にはいいかも知れない(実際、ピアノ可、だった)。 下の階も自分だし、最上階なので誰にも迷惑がかからない。 非日常的な演奏ルームとしてお薦めできる。 隣りの部屋にお客を入れて、演奏会も可能かも。