Sunday, March 01, 2009

復旧

予定通りにネットワークも最短の三日間で復旧しました。 気のせいか、やや通信速度が上がったような。 特にトラブルらしいトラブルもなく他のインフラも全て整い、 無事に引っ越し完了。 ただ、どの部屋もダンボール箱の山、 しかもそのほとんどに本がぎっしり詰まっているので、 頂上から中身を出して行くしかない。 多分、ダンボール箱を全部片付けるのに今月一杯かかりそう。 ダンボール箱のジャングルジム状態で、猫だけは大喜びです。 キッチンはまだとても料理が出来そうにないので、 今のところほとんど外食。 水道橋や神保町あたりまで歩いて、 蕎麦とか、カレーライスとか、海南鶏飯を食べ、 帰りに神保町の古書店や大型新刊書店をひやかしたり、 後楽園のあたりを散歩したり、そんな感じ。

引越し日の前日に出版社から、 「モーフィー時計の午前零時」(若島正編/国書刊行会)の見本が送られてきた。 エッシャーの絵をデザインしたなかなかお洒落な装丁。 やはり自分が訳した「マスター・ヤコブソン」にまず目を通してしまう。 ここはこうすべきだったなあ、ああすべきだったなあ、と思うところが多い。 そのあとは最初から読んだが、 序文で小川洋子さんが「ヤコブソン」の中の「美しいなあ!」 と言う登場人物の台詞に言及してくださっていて嬉しかった。 校正の過程で、この beautiful は「見事だね」だろう、 とか、他の候補を色々とあげられたのだが、 私はここはどうしても「美しいなあ」でなければならないと思った。 それで、ここだけは提案に従わなかったのだ。 その代わり他の箇所はほとんど、「それいただきです」と言う感じで、 校正者の意見を受け入れたのだけど。 翻訳に正解は多分ないので、本当にいいかは分からないが、 この台詞のあたりがこの小説の焦点だ、と感じたことは、 間違っていなかった、と思う。