フィリップ・マーロウの趣味
10 時起床。段々と寝る時間が遅くなってきて、 連れて朝も起きられなくなってきた。 東京では桜が咲いたそうだ。全国一早い。 京都は冬が逆襲しているところで、 まだ桜の花が見られるような気が全くしない。 予報によれば、来週らしいのだが。 朝食は珈琲のみ。 昼食は御飯を炊いて、だしを引き、 豆腐と長葱の味噌汁、納豆と生卵などで済ませる。 やっぱり一番好きな味噌汁は、豆腐と長葱だけのシンプルな組み合わせかな。 午後はまた肝心の講演の準備ではなくて、その周辺の些事をあれこれ。 どうも私は何につけ、すぐに核心に取りかかれず、 まず外堀を埋め、次に内堀を埋めて…と、遠回りしてしまう傾向にある。 いつまでたっても本丸に辿りつかない。 夕食は冷や御飯を使って、また炒飯。 冷や御飯があるとつい、これで済ませてしまう。 最近、料理がちょっと手抜き気味。
探偵フィリップ・マーロウの趣味はチェス。 ただし、対局相手がいないらしく、 常に深夜、一人でウィスキーを飲みながら名人の棋譜を並べたり、 序盤定跡の研究をしたりしている。 例えば、 「ロング・グッドバイ」(チャンドラー/村上春樹訳/早川書房)ではこんなシーン。 「ひっそりとした夜で、うちの中は普段以上に空虚に感じられた。 私はチェスの駒を盤に並べ、スタイニッツを相手にフレンチ・ディフェンスの 陣を張った。彼は四十四手で私を打ち負かした。 しかしこちらだって二度ばかり、相手の手に汗をにぎらせてやった」。 この対局が何だったか chessgames.com で調べてみたところ、 シュタイニッツが白番、フレンチ・ディフェンス、44 手で終了、 の三つの条件を満たすのは、 W. Steinitz vs. Leon Labatt (1883, New Orleans)(棋譜再現) だけだった。 Labatt は聞いたことのないプレイヤーで、かなり意外。 なんとなく、対ブラックバーンあたりだろうと思っていた。 対局自体は 20 手ほどで既に終盤に入る、かなり渋いゲーム。 マーロウはこの棋譜で、 同色ビショップのエンドゲームの勉強をしていたのかも知れない。 テリー・レノックスがチェスを知っていれば、 興味深い対局になったろうに。
明日の夜は、昼間の卒業式に続いて謝恩会なので、 更新はやや遅くなると思われます。
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