魯山人 / 花束に千両 / 帰京
昨日は夕方に実家に着いた。 夕食は両親と妹と一緒に蟹鍋。 妹も私も独身なので、家族の数は減る一方。 ちょっと前まで妹はヴェジタリアンだと主張していたわりに、 特に困難なく蟹は食べていた。甲殻類はいいのだろうか。 実家に帰っても特にすることもないので、 紅白歌合戦を観ていると、 妹が、「君は薔薇より美しい」が好きだ、 あれは歌詞が素晴しい、名曲だと絶賛していた。 良く分からないセンスだ。 深夜は、妹とテレビを観ながら、 持って帰ったシャンパン(ヴィルマール)を飲む。 実家では酒を飲む習慣がないので、 ワイングラスやシャンパングラスの類がない。 しょうがないので薄手のビールグラスで飲んだ。 妹はお笑いが大好きなのだが、今年はつまらないと言うので、 「美の壺」の再放送を観る。
魯山人ってどこがいいのか分かんないねえ。 いや、私もそう思とったんやけどね、 金沢で今年見たら、ごはん盛ったら美味しそうやなあ、って感じやねん。 でもさ、ほらほらこれとかね、どれもなっちゃいないね、 今時、居酒屋でもこんな素焼きの俎板皿ばっかりじゃん。 そやけどねえ…つまりこの人が最初なんやね。 パイオニアってわけ? そうそ、それまでは…ほらほらこんなんやったわけよ、どこの料亭でも。 でもさ、今だったらこっちの方が新鮮だよ、 むしろ今、料理屋でこんな古伊万里でおつくりでもでてきたら、 おおっ、って思うね、魯山人風はもういいっていうか、クサいよ。 そうかも(笑)、でも、いいからこれだけ広まったんやね。 そうかあ?こんなのニセモノだよ、 さっきのガレの蜻蛉の器とか 5 千万円でもそりゃそうだろ、って思うじゃん、 こんなのに数十万も出すなんてただのスノッブ、百円ショップで十分。 まあねえ…でもガレには盛れんやろ。 うーん、花を生けるのは無理だねえ…もう既に完璧だから。 鑑賞するだけやろ?そこが違うねんね。 ほらほら、もう書からしてなってないよね、 「いい味だしてる」とか言ってる段階でガレの爪の垢でも飲めっていうか、 ただの賞金稼ぎっていうか、心根が貧乏臭いよ。 そこまでゆうか、なんか魯山人に恨みでも(笑)。 なんていうかインチキなんだよねー。 そこがええねん、ほっとすんねん、偉そうやない、っていうかね、 誰でも、南瓜盛ったろか、っていう気になれんねん。 そうかあ?…
元日は朝がおせちと雑煮。 うちのおせちは大変につつましいものである。 蒲鉾とか、だし巻きとか、牛蒡とか、 普段より貧しいくらいのものが詰まっていて、 要は二三日は火を使った料理をしなくて済むように、 と言うだけのものだ。 さらに今年は天然の大きなものが手に入らなかったとかで、鯛もなし。 鯛は何故か二日目に食べるので、 今日帰ってしまう私にとってはどちらでもいいが、 おせちの脇にあるのとないのとでは見栄えが違う。
妹と父は初詣に行ったので、私は昼食まで寝直し(まだ寝るか)。 昼食は茶碗蒸しと巻き寿司とお稲荷さん。 正月に何故か巻き寿司とお稲荷さんなのだ。 しかも何故、茶碗蒸し。実家では正月にしか茶碗蒸しを食べない。 一服してから、母方の祖父母の墓参り。 花束がやや、つつまし過ぎるので、 母に庭で千両の枝を四つほど切ってもらって足しにする。 墓参りのあとはそのまま和歌山駅に送ってもらい、 オーシャンアローで京都駅まで戻ってくる。 車中の読書は往復ともに、"The Black Swan"(N.N.Taleb / Random House). 丁度、1 時間半で京都駅に着くので意外と近い。
夕食は実家でタッパウェア 5 つに詰めてもらってきた、 おせちと巻き寿司とお稲荷さん。 今、ミシェル・アルノー・エ・フィスの残りを飲み始めた。
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