Wednesday, January 16, 2008

スケーラビリティ

8 時起床。寝床で読書などしてごろごろしていたら、 本当の起床が 9 時になってしまった。 猫に食事を与えて、 慌ててゴミ出しをしに行くが、既に遅かりし。 びんゴミの収集は時間が早いなあ。 目覚ましの珈琲。洗濯機をしかけて、今日の仕事を整理。 昨日の段階では、今日はレポート採点と原稿推敲に集中できるな、 と思っていたのだが、結局、昨日の夜にメイルが入っていて、 今日も教務仕事が中心になるようだった。 洗濯物を干してから、 「傷だらけの人生」 (リンク先はYouTube)を口遊みながら出勤。

学生食堂で早めの昼食。 今日する仕事を整理して、端から片付けていく。 事務仕事に集中したら意外と早く二時間ほどで終わったので、 あとは予定の仕事をすることにした。 次は場所を変えて、カプチーノを飲みながら原稿の推敲をする。 また研究室に戻って、今度はレポート採点の作業をする。 切りの良いところで業務終了して帰る。

夕食は京都に滞在中の N さんと再び。 市役所前で待ち合わせて、近くのカジュアルなフレンチへ。 今回の滞在は仕事の出張で一泊とかかな、と思っていたのだが、 この前聞いてみたら、 京都に 4, 5 日泊まって人生を考え直してみたい、 とのことだった。 で、考え直した結果どうなったのか、をインタヴュしつつ食事。 私はオニオンスープと牛の赤ワイン煮込み。 N さんはどうも今月限りで今のお仕事を辞める決心をしたようだ。 何と先を越されるとは思ってもみなかった。 来月からはどうするのかと訊くと、 しばらくぶらぶらしてから商売をするかもと言うので、 じゃあ京都でバーをやってくれと頼んでみたが、 飲食業は「スケーラブルではない」 との理由でもう一つ慎重なようだった。 早めに始めたので、20 時くらいに終了してお別れする。 若者の未来に幸多かれ。

例えばソフトウェアは一度作ったらそれをコピーして配布するコストは、 相手が100人だろうが100万人だろうが大して変わらない。 こういう性質をスケーラブルと言う。 一方、飲食業のような仕事は客の数にほぼ比例してコストがかかる。 どんな天才シェフがいるレストランでも、一晩に100万人客をとることはできない。 普通の産業では努力でスケール性を変えることがほぼ出来ないので、 あまり気にしてもしょうがない概念だが、 情報産業では自分の仕事をどこまでスケーラブルにするかが最大のポイントになる。 だから常にスケーラビリティを気にしている。 しかしスケーラブルな仕事はその性質上、 常に Winner takes all であり、 トップがほぼ全ての利益を得てしまい、残りのほぼ全員が負けることになる。 しかもその勝敗には大いに運不運が関わる。 これは普通は好ましくない性質である。 一方、飲食業のようなスケール性のない仕事は、 信用の蓄積、トップでなくとも高い品質、などで努力が報われる可能性が高い。 だからスケール性があれば良いと言う単純なものでもない。