Tuesday, May 13, 2008

泥棒して食ったっていいんだぜ

8 時前に起床して、すぐに出勤。今日はいい天気。 キャンパスに到着して、納豆巻きの朝食を食べて、 午前中は来週の講演の準備。昼食は学生食堂にて。 午後は、M1の院ゼミ。大数の弱法則など。 続いて、「暗号理論」の講義。剰余系など。 午後の途中から急に天気が悪くなり、気温も下がってきた。 最近、暑かったり、冷えたり、の不順な天候。 体調もいまひとつなので、今日は早めに帰ることにする。 夕方から雨。 夕食は、冷奴、だし巻き卵、しめじと葱の味噌汁、 豆御飯のおむすび。豆御飯のおむすびも美味しい。

ふと思って大学の図書館で借りた、 吉本隆明のインタヴュー集みたいなものを、隙間時間に読んでいた。 吉本隆明は学生の頃は東工大で化学か何か、 理系の分野を専攻していたと思うのだが、卒業しても職がなく、 良く大学に来ては、卒論のときに世話になった助手の人と雑談していたそうだ。 もちろん、このままじゃ食べていけません、何か仕事はありませんか、 働き口はないですか、と言う話だ。 するとその時その助手の人は吉本隆明に、 「食べられないんだったら、君、人の物を盗って食ったっていいんだぜ」 と言ったそうだ。 うーん、すごい。そしてそれを聞いた吉本隆明は、 ハッとして色んなことに気付かされた、と言う。すごい。 勿論相当に堪えたのだろう、 大人になってからも、あの時あの人は自分にすごいことを言ってくれた、 と言う記憶として残っていて、 自分でも「本当に困ったんだったら、 泥棒して食ったっていいんだぜ」と人に言ったことがあるそうだ。 今ではそんなことを言える人も、言われて受け止められる人も、 ほとんどいないんじゃないか。 私や大学の就職課が、学生にそんなことを言ったら、全国ニュースになりそうだ。 それはそれで正しく良い時代になったわけだが、 そういう言葉で表現されていた深い導きは、 今どこでどういう形で表されているのかと、ちょっと思う。