Wednesday, January 07, 2009

マルコフ

7 時起床。 電話機と照明の大型ゴミを出して、 珈琲だけの朝食のあと出勤。 午前は卒研ゼミF。大偏差原理の一般論に入った。 20分間の昼休憩の間に昼食をとるため、 生協購買部に軽食を買いに行ったのだが、 不思議と学食が比較的空いているようだったので、 そちらで昼食。 おそらくまだ正月休み中の学生が多いのだろう。 12:30 から修士ゼミ。修論提出と発表会が来月なので、 かなり事態が切迫している。 続いて、14:10 から薬学部「数学4」。 仮説検定について。 続いて、16:00 から学科会議。 今日は軽く二時間半ほどだった。 もう帰ってから夕食を作る時間はなさそうだったので、 昼に続いて夕食も学生食堂にて。 帰宅は 21 時少し前。

A.A.マルコフが 1906 年、1907 年に発表したロシア語論文の翻訳が送られてきていた。 神戸大学の数学科が出している、 Rokko lectures in Mathematics の最新号として発表されたもののようだ。 訳者が送ってくれたものか、あるいは神戸大学の関係者が送ってくれたものか、 論文以外に何も同封されていなかったので分からない。 私自身は確率論を勉強する者として当然ながら、 マルコフ連鎖やマルコフ過程の概念を知っているが、 マルコフ自身がどんな研究をしていたのか、恥ずかしながら全く無知だった。 誰からか、マルコフ連鎖は文学研究に用いるために考えられた、 と聞いたことがあって(事実かどうか知らない)、 何となく、怪しげなイメージを持っていたくらいだ。 しかし、これをちょっと眺めてみると、 コルモゴルフよりも遥か以前に、 独立でない確率変数の列の大数の法則などについて、 興味深い考察をしている。確率論の先駆的研究と言えよう。 うーむ、大したものだな、と思いつつ、 一方では今こういう古典的な研究を発掘し、翻訳されて、 発表するというのも、地味ながら立派な仕事だなと感心した。 もちろんこういう仕事は研究業績とは見なされないのだが、 それでも大事な仕事であろう。