Friday, November 30, 2007

「才能」

8 時起床。今日はいい天気だ。気温も上がりそう。 珈琲だけの朝食。 昨夜、お風呂に入りそこねたので、朝風呂。 日差しで明るい浴室で、 さてはて 11 月も終わりか、早い一年だったなあ、と少し悲しく思う。 湯船で J.H.Donner "The King" 収録の記事を一つだけ読んだ。 1957 年に書かれたボトヴィニク vs. スミスロフのマッチのレポートで、 "Talent" (「才能」)と言うタイトルがつけられている。

スミスロフは偉大な魔術師であり、巻き込まれた問題を完璧に、 しかもエレガントな獣の作法で操ってみせる。しかし彼のスタイルには、 説明のできない、表面的で底の浅い楽観的な何かがある。 これは「才能」に特徴的だ。「才能」は物事の表面にしか興味を持たない。 なぜなら、より深い問題は全て人間に起因するのに対し、 才能は「人外」のものだからだ。 それゆえに我々はスミスロフのような人を賞賛するが、 それは常に何か妬みのようなものが混じった賞賛である。 それは我々が自分達では持たない、持つことのできない、 ものへの賞賛なのだ。 しかし、ボトヴィニクを賞賛するとき、我々は人類を称える。 そして同じように自分自身のことも称える…
by J.H.Donner, from "Talent" (in "De Tijd" 12 April 1957)

午前はメイルで提出してもらっているレポートの整理と、受取の返事書き。 昼食はしめじのアーリオ・オーリオとポテトサラダ。 午後も同じ調子で仕事。 夕方になって一段落ついたので食材の買い出し。 近所のワイン屋で注文していたものを受け取って、 帰り道にあれこれ買って帰宅。 夕食は御飯を炊いて、だしをひき、一汁一菜の粗食。 夜は講演の準備など。

水に振動を加えると、水分子のクラスタが小さくなって、 (あるいはサイズが揃って)美味しく感じる、 と言う話は嘘だそうだ。 そもそも「水分子のクラスタ」と言う考え方自体が怪しいらしい。 詳しいサイトを教えていただいたので、 興味のある方はどうぞ。

Thursday, November 29, 2007

All I want for Xmas is ...

8 時起床。珈琲だけの朝食。 出勤して、学生食堂で早めの昼食をとり、 12 時半より卒研ゼミF。 離散ブラック=ショールズ公式から連続版への極限移行。 続いて、14:10 より卒研ゼミS。 連続マルコフ過程のコルモゴロフの後ろ向き(前向き)不等式。 続いて、15:50 より「プログラミング演習」。 夜は、明日フランスに帰る M さんのお別れ会。 草津駅近くの料亭で鴨すき。 帰宅は 22 時半くらい。

学生食堂で食事をしていると、 学生たちの会話が耳に入ってくることがある。 あの先生はどうだとか言う、ちょっとここには書けない話もあるが、 罪のない楽しい会話で笑わせてもらうこともある。 昨年の今と同じくらいの時期のこと、 私の後ろの席で二人の女子学生が会話をしていた。
「クリスマスは彼氏と一緒なんやけどなー、ちょっと困ってんねん」
「ラブラブやん、何が困んのん?」
「それがなー、うちの彼氏、クリスマスにサンタの格好してくれって言わはんねん
「うわあ、ええやん。メルヘンやなあ
「ちゃうで、サンタゆうても、まらいや・きゃりぃみたいねんで
クリスマスゆうたら、まらいややもんな
もうどこも面白すぎて、当時も笑いを堪えるのに必死だったし、 今でも思い出し笑いできる。

Wednesday, November 28, 2007

猫の愛

8 時起床。今日も寝室の前の階段の踊り場で、 早く御飯をくれ、と猫がうるさい。 クロに御飯をやって、 珈琲を飲みながら朝の blog 読み。 かなり冷えてきたので、猫用のホットマットを出してやった。 実際は人間が椅子用に使うものだが、サイズが丁度良いので猫専用に使っている。 最近は膝に乗せろとせがんでうるさかったのに、 ホットマットを出したとたんに見向きもしなくなった。 つまり、寒いだけだったのだろう。 これが愛と言うものなのかも知れない…つまり、 単に一人でいるとちょっと寒いだけなのだ。 ただのひがみですか、私よりちょっとだけあたたかい生活を送っている皆さん。 出勤。ToDo リストを眺める。 12 月頭の講演を乗り切ればあとは楽そうだ。 通常業務以外の大きめの仕事に限れば年内は、 専門科目の時間割作成と、文系科目の中間レポート 300 人分の採点と、 ルベーグ積分の本の翻訳の残りと初稿チェック、 それから雑誌「数○×学」の記事の執筆くらい。

早めの昼食を学生食堂でとり、午後は事務仕事。 来年度用の履修要項の訂正と校正の報告など、雑多。 一時間ほど空き時間が出来たので、 ちょっと赤面せずには口に出せない名前の 「ドリーム・クロス・カフェ」に行き、 カプチーノを飲みながら講演準備用の勉強をする。 16 時から学科会議。 18 時に終了。少しだけ仕事をして帰る。 帰宅は 19 時半くらい。 また白菜の鍋。鍋用に食材を買うと、 一人ではどうしても三回分くらいになってしまう。

明日の夜は会食があるので、更新はかなり遅くなります。

「猫の愛」© HARA, Keisuke 2007

Tuesday, November 27, 2007

"De Koning" / 誕生日パラドックス

8 時起床。ゴミ出しをして、珈琲を飲んで出勤。 今日はかなり寒い。 メイルをチェックしてすぐ対応できるものには返事を書いてから、 事務室へ。 健康診断の結果が来ていた。いつもながらオールAの健康優良児。 注文していた、J.H.Donner の "The King (chess pieces)" が届いていて、ほくほく。良いこともたまにはないとね。 午前中は Excel で事務仕事に励む。今度こそ最終版を提出した(、と思いたい)。 事務仕事の効率を決める、最も大事なファクターは「広い画面」だ、 と心底から思った。 昼食は学生食堂にて。秋刀魚の塩焼、石狩汁、茸のサラダ、御飯(S)。 午後は 13 時から修士ゼミ。アインシュタイン展開。 続いて、15:50 から卒研ゼミI。 誕生日パラドックス、負の二項分布など。 17:20 に終了して、研究室でもう少し事務仕事をして、 某 Word 書類を提出して帰る。帰宅は 19 時過ぎ。 夕食はまた鍋。鍋の後は米から雑炊風のものを炊いてみる。

誕生日パラドックスとは、初歩の確率論で必ず習う話で、 「クラスに同じ誕生日の二人がいる確率はどれくらいか?」と言う問題。 実際はパラドックスでも何でもないのだが、 計算してみると驚くほどこの確率が高いので、 パラドックスと呼ばれることが多い。 答を言ってしまうと、23 人以上集まると同じ誕生日の二人がいる確率は もう 50 パーセントを越える。 40 人のクラスだと約 90 パーセントの確率で、 同じ誕生日の二人がいる。 だから自分の知り合いの中に同じ誕生日の二人がいるのなんて、 ほとんど 100 パーセントの確率なのだ。

今日のところには、「では火星人が 23 人集まったらどうか」、 と言う練習問題が出ていた(火星の一年は 687 日)。 発表者が、関数電卓で計算しました、などとサボったことを言うので、 私が近似計算をやってみせた。 教育的指導とも言うが、ただのカッコつけである。 とは言え、「先生はふだんぼーっとしてるし、 ゼミの最中に居眠りしてるし、 最近、研究室ではエクセルの表ばっかり見てるけど、 まだまだやればできるんだよ」 と言うところも見せないと、学生に愛想づかしされる。 時にはこういうパフォーマンスも必要だ。 要は、(686/687) かける (685/687) かける (684/687) かける、…、 と 22 個かけ算して、その答を 1 から引けばいいのだが、 それを対数を取って、対数関数の近似をして、 和の計算をしてから、指数関数で戻し、 指数関数の近似をすることで答を出す。 全て暗算で出来る程度の計算である。 私の計算の結果は約 30 パーセントだったが、 真の答は 31 パーセント強なので、まあまあの近似。

Monday, November 26, 2007

シェーン事件

まだ喉が痛いし、鼻水も出ている。 舌が腫れているような感じ。 プラスティックごみを出し、 珈琲とトスカーナ産(?)のチョコレートの朝食。 衣笠に出勤。 学生食堂で早めの昼食を済ませ、 13 時から「数理の世界」。 一コマ分の空き時間は「ゆんげ」に行って、 カプチーノを飲みながら来週の講演の準備をようやく始める。 二、三週間前から準備する予定だったのに、 結局一週間前だ。しかも、もう済んでいたはずの巨大事務仕事も残っていて、 さらに風邪っぴき。 弱り目に祟り目。 安息の日々はやってくるのでしょうか、母上様…一休。 16:20 から「情報の数理」。 17:50 に終了。すぐにバスで帰る。 車中の読書は「論文捏造」(村松秀/中公新書ラクレ)。 物性物理の世界を揺るがした一大論文捏造事件、 シェーン事件についてのドキュメンタリ。 数学論文でも間違っているとか、 きちんと詰め切れていないとか言うことはあるだろうが、 捏造は原理的にありえない(多分)。とは言え、なかなか興味深かった。 近所のスーパーで食材を買い求めて帰宅。 夕食は豚肉と茸類メインの鍋、白ワイン少し。 鍋の後は饂飩。

Sunday, November 25, 2007

流石

ジャパン・オープンの最終日。相変わらず風邪。 午前は序盤のブランダーで瞬時に負けて、ブルーになる。 一時間以上も持ち時間があるのにどういうことだ。 しかも得意のはずの定跡ラインだったのだが。 昼御飯はトーナメントの参加者に誘われて、会場近所で中華の食べ放題。 午後の最終局は同じくらいのレイティングの人を相手の黒番。 初めて Grunfeld ディフェンスを試してみる。 序盤、中盤とうまく指し、ルークとナイトの交換の駒得をした。 あとは楽勝のエンドゲームだ、と思って漫然と指していたら、 うっかりフォークにかかり、逆転負け。 これも心理的ダメージの大きい負け方だった。 負けはしたが、グリュエンフェルドはなかなか面白そうだ。 ちなみに、優勝は日本チャンピオンの K 君。 最終ラウンドで、そこまでのトップと直接対決して逆転の優勝。 流石にチャンピオンは対局組みにまでツキがある。

夕食は新幹線車内で駅弁。 京都の家に帰宅したのは 21 時半くらい。 猫の世話を元執事に頼んであったのだが、 玄関もトイレも綺麗に掃除され、 なんとガスレンジ周りまで顔が映りそうなほどぴかぴか。 流石に気が効くと言うか、流石に名執事と言うか、 失なって分かる使用人の徳、と言うやつだ。 まったく惜しい人材を手放した。

Saturday, November 24, 2007

江戸前

体調はまだ、すっかり風邪っぴき。 三日間続くチェスのトーナメント、 ジャパン・オープンに日程の後半から参加。 咳と鼻づまりで全然集中できない。 こんなことなら日曜だけの一日コースにしておくのだった。 持ち時間が長いのは助かるが、 流石に一局に 2 時間を越すと、 もう戦意を喪失してくる。 今日の結果は、0 + 1/2 + 1 = 1.5 で、勝率半分。 やや有利だけど理論的にはドローか、 くらいのルークエンディングをポカで負けた一つ目の心理的ダメージが大きかった。 明日の 2 局は勝ち越しが目標だが、 今日の棋譜を見た感じでは激しいブランダーが出なければ御の字、 くらいの感じ。

夜は、久しぶりに連絡があったネットワーク・ハッカーの N 氏と、 五反田の鮨屋で会食。 魚が新鮮でなかなかの店だった。しかもけっこう安い。 こういう店に来ると、やっぱり鮨屋は東京だと思うのだが、 地方は地方でやはりそれらしい良さがあって、 どこであっても、 やっぱりここでなくてはこういうお鮨はねえ、などと言いながら食べるわけで、 鮨屋はそういう所が楽しい。 N 氏は昨年の夏あたりに、おそらく仕事のし過ぎであろう、 「世界中の人間が自分を馬鹿にしているようだ」、 と捨て台詞を残して京都の地で消息不明になり、 心配していたところだった。 少なくとも見る分には随分と元気そうだった。 東京の以前と同じところで働いているし、 随分と出世したようだし、 夜、寝に帰るところも複数あるようで、 ますます結構なことである。

Friday, November 23, 2007

栄光のGRAPE

渋谷のホテルで起床。風邪はあいかわらず。 井の頭線で駒場東大前へ。 休みなのにどうしてこんなに沢山の人が降りるのだろう、 と思ったら、この連休は駒場祭だった。 模擬店などの間を抜けて、「高木レクチャー」の会場へ。 パリ第六大学のマリアヴァン先生と、国立天文台の牧野先生が交互に、 午前午後と一つずつ合計二つの連続講義。 マリアヴァン先生は確率解析の大家なので聴講は当然のようなものだが、 牧野先生の手作りスーパーコンピュータ GRAPE の話にも大変興味があったので、丁度良かった。 GRAPE を作成した主開発者の一人の伊藤先生は、 私の出身学科の先輩にあたることもあって、以前から特別な興味を持っていた。 ちなみに院生時代の伊藤先生は、 週刊ヤングジャンプに連載されていた「栄光なき天才たち」 の原作者としても有名だった。 今日の牧野先生の話を聴いてみると、GRAPE はどんどんと進化し、 どんどんと大きなものになり、 今では国の次世代スーパーコンピュータ開発のプロジェクトから 多額の予算を取るかどうかと言うような話になっているのだった。 素晴しい話ではあるがその一方では、 「無名の素人たちがたった 20 万円で作った並列計算機で世界のスーパーコンピュータを負かした」、 と言う、昔のわくわくするような素朴な輝きを失なったようで、 ちょっと寂しくもあった。

講義が終わって、夕方からはコモンルームでワインパーティ。 最初はパーティには出るつもりがなったので参加費を支払っていなかったのだが、 成り行きで参加してしまって、ただ酒を飲む。 その後は二次会に行く人たちを見送って、一人で帰る。 夜は論文校正の他、あれこれ仕事だ。

Thursday, November 22, 2007

式神

東工大での研究会に参加。 昼食は電車の乗り換え地点の自由が丘駅の構内の「スープストック」にて。 風邪に良さそうだと思って參鶏湯と、オマール海老と渡り蟹のスープ、 白胡麻御飯。

うっかり携帯電話でメイルをチェックしたら情報理工学部から、 既に OK 確認をくれていたのにも関わらず、 各学部に対しても時間割が確定した今になって、 前期は3、4時限全部、後期は5、6時限全部を空けてくれ、 と言っておくのを忘れていました、などと言う連絡が(学期が逆かも知れないけど)。 もう少し私が若かったら、関西に向けて呪詛の式神を打つところだった。 大人の私は研究会の休憩時間に、 インタネットに接続できるコンピュータを親切な参加者に借りて、 「善処します」との連絡と、 他学部に「もうしわけありませんがもう少し待って下さい」 と言うおわびのメイルを書く。

夕食は渋谷の「ライアー」にて。 カウンタで、鶏砂肝のサラダとか、羊のローストとかで赤ワイン。 さらに、ちょっと挨拶をしに「黒い月」へ。 シモン・ビーズの 83 年もののマールを一杯だけいただいて、 ホテルに帰る。

Wednesday, November 21, 2007

リスクは分散しよう

8 時起床。目覚しの珈琲。 南草津でバスに乗ってから、手持ちの現金が 200 円弱しかないことに気付く。 キャンパスまでは 220 円である。 やむなく、170 円のところで降りて、キャンパスまで歩く。 そして、もし研究室に財布がなくて、 どこかで落としでもしてたら本当に笑い事じゃないなあ…(くすっ)、 とか笑いながら研究室に入ったら、ない。 顔面が蒼白になった。 銀行からお金を引き出すこともできなれば、 クレジットカードもなく、身分証もなく、 生協カードもない。手持ちの現金は 37 円。 明日からの東京出張はどうなるのだ。 と言うより前に、そもそも自宅へも帰れない。 よろめきながら学科事務室に行く。 幸運にもドアが開いていた。もし事務の方が留守にしていると、 カードキーでもある身分証でドアを開けなければならないので、 事務室にすら入れない。 そして、遺失物がキャンパス管理室に届いてでもいないか、 問いあわせてもらおうと思ったら、 ポストに財布が入っていた。 昨日、事務室のテーブルに置き忘れてあったそうだ。 いやあ、本当に肝を冷やした。 早速これを教訓にして、 いつの間にやら便利さ故に大事なものを一箇所に集めてしまっていた間違いを正し、 リスクを分散した。

冷や汗をかいた後は、学生食堂で昼食。 ほっけの開き、豚汁、冷奴、御飯(S)。 午後は時間割パズルの修正に励み、完成。 事務にメイルで送る。 16 時から学科会議。 今日はやけにメンバが少ない。しかし議題は重い。 3 時間近くかかったので、また学生食堂で夕食をとってから帰る。 ジンギスカン、アスパラガスとコーンのサラダ、御飯(S)、味噌汁。 帰りのバスで I 先生、電車ではさらに F 先生と一緒になって、京都まで。

昼の提出物に対して事務から「これで OK」の連絡。 私は不可能なパズルを解いたらしい。ひとまずほっとした。 そして昨夜のこと、もう諦めかけていた論文の校正通知のメイルが、 某ジャーナルから届き、これもちょっとほっとした。 とは言え、この著者校正がまた共著者 L 先生の手元で一年や二年放置、 と言うことになりかねないので、糠喜びは禁物だが。 出張中の内職で校正をあげて、L 先生に送る予定。

明日から東京滞在。 更新時間は不明ですが、できれば毎日更新します。

予定がぎっしりの一日

8 時起床。ゴミ出しをして、珈琲の朝食。 出勤。 午前中は付属高校の数学天才少年の研究を見てやってくれ、 と言う高校大学連携関係のお仕事。 昼食は学生食堂。唐揚げの卵閉じ、豚汁、ひじき御飯。 13 時から修士ゼミ。 続いて 15:50 から卒研ゼミI。 続いて 17:30 より解析セミナ。 パリ第六大学からのゲスト M さんの講演。 続いて、夜は M さんを迎えての食事会。 TK 大の N 先生、デンマークからの飛び入りのゲストを迎えて、 近所の和食屋で会食。 ふと気付いたら財布を研究室に忘れてきた模様。 200 円ほどが入った小銭入れしか持っていない。 どうもこういう失敗が多いな。 明日、研究室に財布がなかったら大変なことだ。 23 時近くまで宴会は続いた。その後も続いたのかも知れないが、 お先に失礼する。 23 時過ぎの電車で、京都まで TK 大の N さんとデンマーク人の若手数学者と話しながら、 帰ってくる。 24 時過ぎに帰宅。

さて、明日は事務デーだ。

Monday, November 19, 2007

高次元ルービックキューブ

8 時起床。土日とゆっくり休んだので、風邪はおおむね治った。 猫に食事を与えて、自分には珈琲を与える。 一週間のレヴュー。 余った時間で少しだけ翻訳作業をしてから、衣笠へ出勤。 学生食堂で昼食。日替わり (ホキの天麩羅、鶏のハーブ焼き、揚げ餃子、ポテトサラダ少しずつ) と玄米御飯(S)と味噌汁。 日替わりって本当に、メニューで余ったもの感満点の統一感のなさだな… 13 時より「数理の世界」。Dedekind 切断による実数の定義。 1 コマ分空いた時間は「ゆんげ」でカプチーノを飲みながら、計算。 16:20 より「情報の数理」。 Huffman コードが最適コードであることの証明。 17:50 終了。バスで四条堀川まで帰り、 切れかけている珈琲豆、醤油、胡麻油を購入して帰宅。

家に到着したら、各学部の事務から提出物について連絡。 実は密かに完璧か、と思っていたら、 シリアスなミスが一つ、変更が望ましい箇所が一つ指摘されていた。 返事だけしておく。 うーん、明日は朝から晩まで予定が一杯なので、 作業は明後日水曜の事務デーか… しかし、ルービックキューブと同じで、 一箇所いじると全部崩れるんだよなあ。

Sunday, November 18, 2007

安静な一日

昨夜はかなり早く寝たのに、起床は 10 時。 ちょっと風邪気味なので、一日安静にしていることにする。 午前中はチェスの勉強などして、 昼食は豚バラ肉のコーラ煮込みの残り。 一日経ってかなりの量の脂が出ていた。 昨日は脂をできるだけ除いてソースを作ったのだが、 むしろこれを主体にして作ってみたらどうだろう、 と思い立ち、赤ワインと香辛料少々などで作成。 肉とじゃが芋と茹で卵に、健康診断の前日には口にしてはいけない感じの、 見るからに身体に悪そうなソース。 脂身たっぷりのジャンクな味わいに溢れた一品です。 午後は今週の出張の手配をして(木曜 TK 大、金曜 T 大、土日は東京の休暇)、 翻訳作業が抜けていた「補遺」の訳を仕上げ、後は読書など。 夕食はあっさりと麺類。

「至福の味」(M.バルベリ/高橋利絵子訳/早川書房)を読了。 最高の料理評論家として美食と贅沢の限りを尽した主人公が、 死を前にした病床で、 子供の頃に食べたはずの「あの味」を記憶の中に探る…、 と言うお話。その合間合間に主人公の周囲の人間たち、 妻、子供、孫、若手の評論家、医者、召使、などの独白と、 さらに猫や主人公の部屋のヴィーナス像など、 人間でないものの独白までが挟まれ、主人公の姿を浮き彫りにしていく。 美食を追求して生きた男が最期に本当に食べたいものは… と言う設定自体も、教訓めいた結論も紋切り型ではある。 しかしそれでも、確かに面白かった。 この本の末尾の宣伝ページに、同じ訳者が翻訳した 「趣味の問題」(P.バラン/高橋利絵子訳/早川書房)が出ていた。 こちらは、完璧な味覚を持つ大金持ちの会社経営者が、 自分と同じくらい鋭い味覚を持つ青年をパーソナルテイスター (味見役)として雇うことから始まる、 二人の心理劇らしい。 これは面白いに決まっている、と古書店に注文。 ちょっと調べたら、映画化もされていたので、DVD も注文してしまった。 実はノート PC 以外に DVD プレイヤを持っていないのだが…

Saturday, November 17, 2007

豚バラ肉のコーラ煮

猫の鳴き声で 8 時に目覚める。 喉が痛い。やはり風邪をひいたようだ。 喉が痛いのと、微熱があるようなのと以外には、 特に自覚症状はない。 この週末はおとなしくしていよう。 明日は冷え込むそうだから、丁度いいかも。 クロにキャットフードを与え、 籠に一杯どころか山になった衣類を洗濯機にかけ、 珈琲をマグカップに入れてまた寝床に戻り、読書。 「至福の味」(M.バルベリ/高橋利絵子訳/早川書房)。 2000 年度フランス最優秀料理小説賞受賞作。と言っても、 いくらフランスとは言え、一年に料理小説が何冊出るのだろうか。 ようやく起き出して洗濯ものを干し、外出。 近所のワイン屋に注文していたものを受け取り、 帰り道沿いのスーパーで豚バラ肉とじゃが芋を買い、 さらにコンビニエンス・ストアでコカコーラを買って帰宅。 本当はコカコーラ・ライトが望ましかったのだが。 昼食は鍋焼き饂飩と、白ワインを一杯。 午後は翻訳仕事を少ししてから、小一時間ほど昼寝をして、 いよいよ「豚バラ肉のコカコーラ煮」を仕込む。

昨日、バーに持って行った本が「ミステリ亭の献立帖」(東理夫/晶文社)だった。 鴨の赤ワイン煮込みを食べながら、 そこに載っている豚バラ肉のコカコーラ煮込みのレシピの話をシェフにしたら、 黒ビールならまだしも、と言う感じの疑惑の眼差しだったので、 作ってみることにした。 この本によれば、 著者の友人である写真家の藤生睦人氏がこのコーラ煮の名人で、 二人が試行錯誤と艱難辛苦の果てにたどりついたレシピがこれだ、 と言うことである。 そのわりに極めてシンプルなレシピで、 鍋の中で豚バラ肉をサラダ油で少し焼いて、 コーラと水と醤油を注ぎ強火で沸騰させてから、 落とし蓋をして弱火で三時間煮る、と言うだけ。 水や醤油の割合が艱難辛苦のポイントだったのだろうか (ちなみに肉 600g に対し、コーラと水が 300cc ずつと、 醤油がお玉に一杯半)。 普通なら他に何かを一緒に煮たり、 少なくとも塩胡椒くらいはしたくなるところだが、 レシピを厳密に守って作ってみることにした。 「至福の味」を読みながら鍋の番をして、ぴったり三時間煮込む。 何か洒落たつけあわせをしたり、 緑を飾ったりするタイプの料理ではないと思い、 皿に盛ってじゃが芋だけをつけあわせにして夕食。 ソースは単に、煮汁を煮つめて塩胡椒で味を整えただけ。 近所のワイン屋キュヴェの今年のヌーヴォと。 このコーラ煮、正直に言って…びっくりするほど美味しかった。 さすが、艱難辛苦の果てのレシピだ。 99 パーセント以上は疑っていた己の不明を恥ぢた。 私にはやや甘かったが、普通のコカコーラを使ったからだろう。 レシピではコカコーラ・ライトが指定されていた。

ジャンクフードに理解があり、 食通のお友達たちからの冷たい視線も気にならない、むしろ快感だ、 と言う方は是非お試しあれ。

Friday, November 16, 2007

ドラマティックな数式

昨日、早寝したのに、ちょっと寝坊。 やはりちょっと喉が風邪っぽい。 サンドウィッチ用のパンが余ったのでトーストにして、珈琲との朝食。 すぐに出勤。 非常勤講師の嘱託書類を書いて提出し、 定期試験監督のアンケートを書いて提出し、 学生食堂が混雑する前に早めの昼食。 豚汁定食。 午後はいよいよ 4 学部分の基礎専門科目の時間割と担当者割り当ての作成の仕上げ。 ハチミツレモン、紅茶、チョコレートなどを時々摂取しつつ、不可能への挑戦を続ける。 途中で、頭を切りかえるために休憩。書籍部に散歩。 ハンドラーの新刊を発見して、購入。良いことも一つくらいはあるようだ。 残念ながらホーギー・シリーズではなくて新しいミッチ・シリーズだったが、 贅沢は言うまい。 またすぐに事務作業に戻る。夕方までノンストップで仕事。 何とか 17 時頃、提出物をメイルで送った。 複雑過ぎて、これでいいのかどうかも良く分からないが、 事務側のチェックに期待しよう。 近所のバーに予約の電話を入れて、 18 時頃キャンパスを後にする。19 時半くらいに帰宅。

天才物理学者が探偵役の某ドラマで、 この主人公が事件の真相をひらめいた瞬間にその場に数式を書き殴るのだが、 それが妥当なものなのか、と言うお話。 その数式は実際、物理現象を記述する方程式のことが多く、 その時のドラマの内容とそうは外れていない。 でも、実際にその事件の真相に思いあたったら、 そんな方程式を書く意味はない。 なぜ、そんなところで、そんな式を書く…と、言う感じ。 本当だったら、謎の解決のアイデアに思いあたったら、 具体的なデータの数字でおおざっぱな計算をして、 実際にそんなことが起こる可能性があるかどうかチェックするだろう。 例えば、大気の屈折率のデータを研究室の学生に問い合わせて、 暗算で出来る程度の概算で光線が何メートルくらい下に曲がるか計算するとか。 つまり、実際に天才物理学者がそのような状況で空に書きそうな式は、 「3.52 × 2.91 ≒ 10」とか、 いっそ、「3×4≒10」とかだと思う。 そして、「うーむ、一次近似で 10 倍のオーダが出るとすると、 この距離でもかなり浮かんで見えるに違いない」とか満足げにうなづく。 とは言え、「そうか!」と叫んで福山雅治がテーブルの上のものを腕で薙ぎ払い、 卓上に大きく書き殴った数式が 「3×4=12」、 とかだとテレビの前でずっこける人が大半だと思うので、 やはりそこは、 ナヴィエ=ストークス方程式とか、ローレンツ収縮の式などの方がいいだろう。 いつか、伊藤の公式を書いてくれないものだろうか。

Thursday, November 15, 2007

翻訳

8 時起床。珈琲。 少し雑用をして、サンドウィッチを作り、出勤。 午前も事務仕事。研究室でサンドウィッチの昼食を取り、 12 時半より卒研F。 離散ブラック=ショールズ偏差分方程式など。 続いて 14:10 より卒研S。連続マルコフ過程。 続いて 15:50 より「プログラミング演習」。 今夜はもうちょっと仕事をしてから帰る予定だったが、 首筋のあたりがおかしな具合に涼しくて、風邪の予感がする。 ここで抑えこまないといけないな、と思い、 もう一仕事だけ事務用を片付けてから帰ることにする。 某先生の研究室にその用向きで出かけると、 数ファ研の前あたりに院生が集まっている。 フランスはパリから短期滞在中の若手数学者 M さんをむかえて寿司をとるので、 ご一緒にどうですか、と言うのだが、 A 堀先生の都合であろう、開始は 20 時になるそうなので、 今日は遠慮させていただく。 来週の火曜日の M さんのセミナのあとの歓迎会は、 万全を期して参加する、と言っておく。

帰宅は 20 時少し前。 鍋の残りで雑炊を作り、ビールと焼酎のお湯割りで身体を温める。 明日はいよいよ、事務仕事の大きな締切日。 提出後の調整が本番みたいなものなので、 けしてその後は楽になると言うわけでもないのだが、 まあ気持ちの問題だ。明日は朝から頑張ろう…

二年ほど前から共著者の(超)多忙のため中断していた、 ルベーグ積分と確率論の本の翻訳仕事が復帰した模様。 この忙しいときではあるが、 とても明快な良い本なので、できるだけ早く作業をしたい。 多分、この本が出ればルベーグ積分の教程は少し、 良い方向に、変わるだろう。 また訳者たちの多忙を理由に延期されないことを望むばかりです(笑)。 翻訳活動の復帰と言えば、 こちらは出版社の都合なのか、私の初稿が悪かったのか、 上の本と同じ頃から無期限中止中の某ドキュメンタリも、 スリープ状態から復帰してもらえないものだろうか… あれもなかなか良い本なのだが。

Wednesday, November 14, 2007

大きな表

8 時起床。瓶類のゴミ出し。 目覚ましの珈琲。 早めの出勤。 行きの車中では、q-解析が特集された号の「数学のたのしみ」を読む。 午前中に少し事務仕事。 昼食は学生食堂にて。 鮭の揚げだし(?)、豚肉と鳳蓮草、冷奴、玄米御飯(S)、味噌汁。 午後も事務仕事に集中。 ノート PC に A4 が二枚納まるサイズの大きなモニタをつなぎ、 二つの画面のあっちにもこっちにも Excel のシートを広げて、 困難な業務に励む。 続いて、高大連携関係で上の方から頼まれて、 高校の先生からの相談を受ける。 続いて、16 時から学科会議。 二時間ほどで終了。 さらに研究室で事務仕事を続ける。 20 時頃に力尽きて、撤収。 帰りの車中では「ジェイムズ・ジョイス殺人事件」(B.ギル/岡真知子訳/角川文庫) を読む。 21 時過ぎに帰宅。 鍋の支度をする。今日は塩鍋。 鍋の後には、鶏の砂肝ラーメンの予定。

Tuesday, November 13, 2007

記録更新

22 時前になってようやく教授会が終了。 新記録だそうです。 もし今日中に家に帰りつけたら、更新しなおします…(22時頃、研究室にて記)。

23 時半くらいに帰宅。
8 時起床。ゴミ出しをして、珈琲とカステラ。昼食用にサンドウィッチを作る。 午前中に少し事務をしようと思って早く家を出たものの、 今日も電車が遅れに遅れ、研究室に到着したのはもう昼時。 サンドウィッチを食べながら、修士ゼミを開始。 ヤング積分の存在証明の残りと、 ヤング積分で定義できる程度のラフな微分方程式の解の存在証明。 続いて、卒研ゼミI。 ランダム置換の中の超過の数が昇順の数と同じ確率を持つこと。 続いて、全体教授会。 もう見るからに紛糾しそうな大きな議題が二つもあって、 記録更新の可能性も囁かれていたが、 期待は裏切られなかった。 教授会終了は 22 時近く。 ふらふらになって帰る。帰りの電車も上下ともに遅れていて、 なおさらダメージ。 「ジョン・ゴールトは誰だろう…?」と思わずつぶやく。 夕食は鍋と、そのあとの饂飩(予定)。

Monday, November 12, 2007

カプチーノとパフェ

8 時起床。プラスチックのゴミ出し。 最近の趣味はゴミの分別です。 朝の珈琲とカステラ。 スケジュール帳と手帳と Gmail と Google Calendar を睨んで、 今週の予定と Todo を整理。 衣笠出講日。「ぞんち」(存心館の地下を略して、ぞんち)で日替わり定食。 講師控室で予習をして、13:00 から「数理の世界」。 今日も中間レポート課題の再発表をして、 前回までのおさらいをして、 可算無限と連続体無限について少し。 1 コマ分の休憩は、「ゆんげ」でカプチーノを飲みながら数学を考える。 今日もパフェにするかどうか随分悩んだが、 無難にカプチーノで済ませてしまったことを反省。 16:20 から「情報の数理」。 中間レポート課題の再度発表。 前回のおさらいの後、Huffman コードの平均語長と最適性。 17:50 に終了。 デジタル腕時計のおかげで今日の午後はばっちりだった。 タイマーもアラームも便利だなあ。 バスで家の近所に帰ってきて、スーパーで食材を買ってから帰宅。

Sunday, November 11, 2007

懐中時計とデジタル腕時計

8 時起床。珈琲。ちょっと寒い。スリッパを冬用に替えて、 今季はじめて暖房をいれてみたが、すぐに必要のないことが分かった。 午前中は通信チェスの手を考えたり、チェスの勉強。 昼食はアーリオ・オーリオ、胡瓜と茹で卵。 午後は昼寝から。 寝床に横になって「ぶち猫」(C.ブランド/深町・吉野・白須訳/論創社) から短編「最後の短編」を読みだしたら、読み終えない内にうとうと。 小一時間くらい寝てしまった。

午睡から心地良く目覚めて、 デジタル腕時計を買いに河原町に出る。 衣笠の文系講義で、毎回の講義の最後の10分を質疑応答用に確保する、 と宣言してあるのに、 つい忘れて最後まで講義を続けてしまうことが続いたので、 アラームとタイマーつきの腕時計を買うことにした。 最近、次の予定までの間に集中したいことが多いので、 アラームがあるといいかな、とも思って。 時計なんかなしで、または、 懐中時計だけでのんびり暮らしたいのだけどなあ…。 久しぶりに河原町に降りると、 ずっと工事中だった四条河原町の交差点の角の姿が一変していた。 東京も京都もどんどん街の姿が変わっていて、景気が良いのだな、と思う。 LOFT の時計売り場に行き、Timex の適当なものを選んで購入。 大宮に帰ってきて、タリーズで珈琲豆を買って帰宅。 夕食は出来合いのカレーライス。 今、「溺愛」のカレーライスと変換されてちょっと笑った。 出来合い夫婦の方が溺愛の度が激しいのかも知れないが。 食後に珈琲と、いただきもののカステラ。

お風呂に入ってから、少しチェロを弾く。 ロングトーンとスケールのあと、「G 線上のアリア」とか。

Saturday, November 10, 2007

最後の晩餐

昨夜は夕食が鍋で、雑炊までしっかり食べてしまったため、 食べ過ぎで動けなくなって 11 時くらいに寝てしまった。 気付いたら、今朝の 9 時。よく寝た。

完全に休暇日。 「ハートの4」(E.クイーン/大庭忠男訳/ハヤカワ文庫)を読了。 さらに休暇を満喫するため、 次はブランドの「ぶち猫」(C.ブランド/深町・吉野・白須訳/論創社)を読む。 未訳の短編、エッセイ、戯曲などの作品集。 今年がクリスチアナ・ブランドの生誕百周年なんだそうで、その記念出版。 私はミステリ作家ではブランドが一番好きだ。 ブランドはその「巧緻」さを讃えられることが多いが、 私が彼女を好きなのは誠実だからだ。 良い作り手は多いが、本当に誠実な作り手はあまりいない。

時々、会食のときなどに、 人生の最後に食べるものは何がいいか、と言う議論をすることがある。 答のない議論であることは分かっているが、 その議論自体を楽しむためのお題である。 そして、私の周囲のアンケートによれば、 今のところ二通りの回答が圧倒的多数だ。 おむすび、である。 両方ともシンプルな米料理と言う共通点があり、 一方は贅沢派、一方は清貧派、と言う感じか。 この二派があまりに多いので、 かつてニュース番組で放映されていた、 各界著名人と「最後の晩餐」を食べると言うコーナーは、 やらせだったのではないかと思うくらいだ。 絶対に、「すみません、それはもう出ましたから、他のに出来ませんか。 鮟肝と熱燗とかどうでしょう」とか、ずるをしていたに違いない。 私自身は(あまり共感は得られていないが)、 第三の選択肢として「(鍋のあとの)雑炊」を提案することが多い。 冬だったら、丸鍋のあとの雑炊とか衝撃的に美味しいものだと思うので、 シンプルさに欠けるかも知れないが、一考には値すると思う。 ところで、アメリカ帰りの S 君によれば、 このような問題に対する平均的アメリカ人の回答は 「パンケーキ」だそうだ。 それを聞いたときには、 アメリカと言う国を最底辺の側から見たような寒々とした心持ちがしたものだが、 考え直してみると、これはアメリカ版「おむすび」派なのかも知れない。

Thursday, November 08, 2007

水責め

8 時起床。珈琲。 少し家事をして、茹で卵と胡瓜のサンドウィッチを作り、出勤。 今日も電車が遅れていて、到着したのは予定よりかなり遅くなってしまった。 少し事務仕事をして、昼食はサンドウィッチとダージリン。 12:30 から卒研ゼミF。 離散伊藤公式によるデリバティヴの価格計算と複製ポートフォリオ構築。 続いて、14:10 から卒研ゼミI。 一様でないポワソン過程あれこれ。 続いて、15:50 から「プログラミング演習」。 演習室に行ってみたら、またしてもダブル・ブッキング。 既に他の演習科目をやっている部屋に無理矢理お邪魔して事務に電話すると、 他の部屋を手配するから部屋の外で学生と待っていろと言う。 10 分ほど廊下で待っていると、 ようやく事務員が来て、教室変更のお報せを部屋のドアに貼り出し、 空いている部屋を教えてくれた。 正味で 1 時間ほどになった演習が終わったあと、 TA の一人が、 「H先生は、おこったりー、しないんですか?」 と訊く。確かに私は、温厚で知られている。 とは言え、この常におとぼけスマイルの院生は、 こう見えて二度目のダブルブッキングに怒り心頭だったりするのだろうか、 と思いつつも、「うーん、あんまり」と答えると、 「でもー、猫が先生の大事なものを壊したりしたらどうするんですか?」 とさらに訊くので、 「水責めかな」と答えておく。

研究室に戻って、事務仕事をさらに少し。 お腹が減ったので切り上げることにして、学生食堂で夕食を取って帰る。 20 時過ぎくらいに帰宅。 さて、近所のバーに慰労に行くかな。

明日金曜日の夜は会食があるので、更新をお休みします。

Wednesday, November 07, 2007

一杯の教訓

8 時起床。ガラス瓶類のゴミ出し。 珈琲を飲みながら、購読しているブログを一通り読む。 通信チェスの手を少し考えて、 昨夜からそのままにしてあったシンクの洗い物を片付け、 サンドウィッチを作り、出勤。 水曜日は事務デー。 確認書類を送り返し、履修要項の原稿案に目を通し、 来年度の専門科目時間割の希望時間アンケート用紙を作る。 昼食は研究室で、 イングリッシュ・ブレックファーストでサンドウィッチを食べながら、 少し自分が考えている問題の計算をする。午後も事務。 新学部あてに時間割作成用データの催促メイルを書き、 新学部の教科書関係でメイルを書き、 各学部の基礎専門科目の時間割作成と担当講師の配置を出来る限り進める。 16 時から学科会議。意外と早く一時間ほどで終わった。 学生食堂で夕食をとって帰る。 車中の読書は、「ハートの4」(E.クイーン/大庭忠男訳/ハヤカワ文庫)。

今日も電車が遅れていた。いかにも一杯一杯な感じがする。 電車の中で、R 大学の広告を見た。さらに何箇所か入試会場を増設したことと、 日程が違えば、学部が同じでも方式が何でも、何回でも受験できます、 と言う宣伝が赤字で書いてある。もっと、もっと、もっと、 と言う声が聞こえるようだ。 こんな話を思い出した。あるビジネススクールでの、 タイムマネジメント講座の最終講義にて。

講師は、透明なバケツを教壇においた。 そして、教壇の下から大きな石の入った箱を取り出し、 その石ころでバケツを一杯にして、こう訊いた。 「もう一杯でしょうか?」。 前の学生が、一杯です、と言うと、 今度は教壇の下から小さな石の入った箱を取り出し、 その石をさらにバケツに全部入れて一杯にした。 「もう一杯ですか?」とまた訊くと、 今度は学生たちも、まだ入ります、と答えた。 講師は微笑むと、バケツにさらに砂利を一杯に入れ、 その上からさらに砂を一杯に入れた。 「もう入りませんか?」。学生が、流石にもう入らないでしょう、 と言うと、 講師は最後に教壇の水さしから水を全部そのバケツに入れて、 こう尋ねた。「さて、この教訓は何でしょう?」。 一番前に座っていた、野心に溢れる将来の MBA がすぐに答えた。 「これで精一杯だと思っても、 工夫と努力次第で本当はまだまだ出来る、と言うことですね!」 「違います」。 今度はやや後ろに座っていた女子学生がおずおずと答えた。 「これはスケジューリングの重要性の教訓です。 融通の効くものを後で配置すれば、同じ時間でより多くの仕事ができます」 「近いですが、少し違います」。

この教訓は、貴方にとって大きなものから入れなさい、です。 そうしなければ、気付いたときには、 あなたのバケツはつまらない小さなものだけで、 例えば、泥水で、一杯になっているでしょう。 もう大きいものは入りません。

Tuesday, November 06, 2007

寺田寅彦、猫を愛す

8 時起床。ゴミ出しをして、珈琲。 今日は曇り空。胡瓜とパストラミのサンドウィッチを作って出勤。 昼食前に研究室で一仕事。 昼食はサンドウィッチとイングリッシュ・ブレックファースト。 13 時から修士ゼミ。 15:40 終了。10 分間の休憩にダージリンで一服。 と言っても、これもティーバッグだけれど。 今日確認したら、リプトンではなくてやっぱりトワイニングでした。 続いて、15:50 から卒研ゼミI。 ランダム置換の中の昇順の数について。 途中、30 分ほど中断して所用。 17時半くらいに終了。 2008 年度から出来る薬学部から確率・統計の教科書について相談されていたので、 次は図書館に行って調査。 私の結論は、 薬学部や医学部一回生向けの良い確率・統計の入門書は日本に存在しない。 18 時過ぎに、撤収。 外に出るともう寒い。もうコートが必要かも。 19 時半頃帰宅。カルボナーラを作って夕食。 事務の方々はまだ働いているようで、 2 件ほどまた仕事メイルが来ていた。 某提出書類の確認、と言うより訂正の催促と、 来年度からの新カリキュラムの履修要項の執筆について。 今日はもう店仕舞いなので、明日の事務デーにまわす。

「私は猫に対して感ずるような純粋なあたたかい愛情を 人間に対していだくことのできないのを残念に思う。 そういう事が可能になるためには 私は人間よりも一段高い存在になる必要があるかもしれない」と、 漱石門下の物理学者、寺田寅彦は書いた。 寺田寅彦は冷たい人だったのだな、とも思えるし、 寂しい人だったのだな、と言う気もする。 ふと、この言葉を思い出すときがあるのだが、 その時々で、 恐しいほど覚め切った冷酷さを感じることもあるし、 泣き出しそうな哀れな寂しさのように思うときもあるし、 あるいは、飄々としたユーモアのような気がするときもある。 実際のところ、寺田寅彦は中年に至るまで猫を嫌っていたそうだ。 そのあたりから急に愛猫家になったわけで、 そこがまた味わい深い。

Monday, November 05, 2007

パフェ / 夏への扉

8 時に起きる予定だったが、9 時過ぎまで寝てしまった。 珈琲を飲んで登録してある blog を読む。 身支度して、今日は衣笠出勤。 到着してすぐに早めの昼食。 日替わり(コロッケ、鶏てんぷらのさやえんどう餡掛け、南瓜サラダ、 キャベツ千切り、を少しずつ)、玄米御飯(S)、味噌汁で 380 円くらい。 法学部の講師控室で予習をしていると、事務の人がやってきた。 「12 月 24 日(月・祝)は休まれますか?」と訊くので、 「えっ、世間は休日ですけど、勿論普通の講義日ですよね?」 と訊き返した。 「そうなんですけど、休む先生も多いですから…」と言うので、一瞬驚いたが、 考えてみれば語学の先生方は外国人の方も多い。 休日返上で働くのは、日本人とアメリカ人くらいだろうし、 ましてやクリスマスイヴだ。

12 時半から「数理の世界」。整数を定義し、整数の上に加法乗法を定義し、 さらに有理数を定義し、加減乗除を定義した。 1 コマ分の休み時間は、「ゆんげ」に行ってカプチーノを飲みながら勉強、 のつもりだったが、運悪くエスプレッソマシンが故障中。 「ゆんげ」名物のパフェにするか随分と迷ったが、 結局、普通の珈琲にした。 16:20 から「情報の数理」。ハフマン・コードの構成法。 講義を終えると、外は雨が降り始めていた。 バスに乗って、帰宅したのは 19 時少し前くらい。 いつものように猫が玄関に出てきて扉のところまで駆け寄ってくる。 これは主人の帰りを迎えに出てきているのだ、 畜生とは言え殊勝な心がけであるなあ、と今まで思っていたのだが、 今日ふと観察すると、 単に開いた扉の隙間から外の世界を覗くために来ているらしい。 完全に家猫なので、家の外も入ってみたい空間の一つなのだ。 クロソフスカヤなりに、夏への扉を探しているのだろう。

Sunday, November 04, 2007

意気消沈

7 時前に起き出して、目覚ましの珈琲を飲み、 身支度をして名古屋に向けて出発。 予定通り、開始時刻の少し前に到着。 午前 2 局、午後 4 局で計 6 局の快速戦トーナメント。 今日の優勝候補の一人 S さんとの対局から出発して負け続け、 結局 1 ポイントしか得られなかった。 確かに強い人ばかりと組みあわされたが、 2.5 ポイントは取れても良さそうなものだ。 しかも一番効いたのは、 もう楽勝と思っていた女の子に、 ルーク 2 つをただ取られして負けたことだ。 ルークをただ取られした手がバックランクのチェックで、 メイトを防ぐにはもう一つルークを捨てるしかなかったのだ。 勿論、500 点レイティング差があっても即、投了だ。 それが第五ラウンドで、がっくり、と来ているところに、 最終ラウンドの相手がボビー・フィッシャーみたいな外国人の青年(UR)で、 ルークエンディングを延々と戦い、しかも負けた。 疲労困憊の上に悄然として帰る。 このほとんど一番ボードから出発してほとんどビリで終わる雰囲気は、 ちょっと前の東京のトーナメントで、 帰りに広島の S さんと反省会をしたときに似てるな… 確かあれも快速戦だったような。 ちなみに、ほとんど予想通りに優勝、準優勝は S さん、B さんでした。 帰宅は 20 時半くらい。

Saturday, November 03, 2007

老婦人の夏 / 猫との攻防

8 時前に目が覚めた。今日は良い天気。 「バジル氏の優雅な生活」と言うマンガで得た知識によれば、 ドイツ語で言うところの老婦人の夏、つまり小春日和だ。 爽やかな青空が広がり、熱くない程度に温かい。 この連休に京都観光などに来ている人々には絶好だろう。 しばらく寝台で読書。 クロが寝室の前で鳴くので、御飯を与えるために起きる。 いつものように寝室のドアの前で攻防。 私は寝室には猫を入れないようにしているが、 猫はどうしても入りたいらしい。 私の観察によれば、猫は好奇心が強いと言うより、 単に何にでも入ってみたがるのだ。 そう言うわけで、 毎朝、ドアを開けるときに隙あらば入ろうとする猫と、 そうはさせまいとする私の間で数秒間の攻防がある。 大抵は人間様が勝つが、時に猫様が勝つ。 まあ朝は好奇心より食い気なので、 寝室に入り込んでも一通りあちこちを眺めると満足して、 すぐに一緒に階段を降りてくれる。

階下のキッチンでキャットフードを与えて、自分には珈琲。 寝台でノート PC を開き、 昨夜の内に入っていた仕事メイルに返事を書き、 昨日が締切だった演習科目の課題メイル提出者の全員に返事を書く。 まだ 10 時くらいだったので、 久しぶりにチェロを弾く。ロングトーン、スケール、リーの短い練習曲など。 昼食はまた白菜、豆腐、茸類、鶏肉少しの鍋と饂飩。 一服してから昼風呂に入って、さらに一時間ほど昼寝する。 夕方、近所のワイン屋に注文していたものを取りに行く。 ついでに、 昨夜旦那さんの方に会ったマダムOに白ワインを一本選んでもらった。 帰宅して、夜は湯豆腐と、昼の鍋の残りのだしを使った雑炊。 こんな秋晴れの日でも、暗くなると涼しい、と言うより、もう寒い。

その後は、自分の序盤レパートリを一通りおさらい。 全く泥縄だが、 明日名古屋で開催されるチェスのトーナメントに出場するため。 25 分プラス一手毎に 15 秒追加のラピッドを、 朝から夕方まで続けて 6 局対局するという、 かなり過酷な大会。

「寝室の朝、猫、その他」© HARA, Keisuke 2007

Friday, November 02, 2007

ナップザック問題

8 時起床。珈琲の朝食。 洗濯物が限界までたまっていたので、 朝から洗濯をして、出勤。今日も事務デー。 午前中にも研究室で少し仕事をし、 久しぶりに学生食堂で昼食。 秋刀魚の南蛮、蒸し鶏ともやしのサラダ、 冷奴、御飯(S)、味噌汁で 400 円くらい。 生協書籍部で、 「哲学、女、歌、そして… (ファイヤアーベント自伝)」 (ファイヤアーベント/村上陽一郎訳/産業図書)を受け取って、研究室に戻る。 午後も事務仕事。 途中、二度ほど紅茶とチョコレートで休憩した他はずっと、 多次元ルービックキューブか多次元ナップザック問題のような、 困難な事務仕事に励んでいた。 どう考えても、条件を全て充たす解があるとは思えない。 しかも、私が思うにこれは NP 完全問題に違いない。 その作業の間にも二つほど新たなトラブルがメイルでやってきたが、 その場で片付けた。 18 時頃、一応のけりをつけ、 自宅の近所のバーに予約の電話をしてから帰る。 電話に出たシェフが何故か、くすっ、と笑っていた。 私の口調に、何かほろ苦いものを感じたのかも知れない。 19 時半くらいに帰宅。 じゃ、今から食事に行ってきます…

Thursday, November 01, 2007

コンパクト集合

9 時起床。珈琲と、いただきものの杏仁プリン。 今日もまたサンドウィッチを作って、出勤。 研究室で少し事務仕事をして、 サンドウィッチとイングリッシュ・ブレックファースの昼食。 12:30 から卒研ゼミF。 二項多期間モデルによる複製ポートフォリオ構築の練習問題。 少し早く終わったので、紅茶で一服。 プリンス・オブ・ウェールズ。急にスノッブな雰囲気だが、 ただのリプトンのティーバッグです。 続いて、14:10 から卒研ゼミS。 ポワソン配置について。 続いて、15:50 から「プログラミング演習」。 続いて 17:30 から、H 大の T 先生を講演者に迎えて解析セミナ、 の予定だったが、 ちょっと教務関係のトラブルがあって対処のため少し遅刻した。 でも一通り聴くことができて良かった。 インプライド・ボラティリティのスマイル現象を解決するために、 ブラック=ショールズ・モデルを拡張する話。 19:00 過ぎに終了。夜の宴会は御遠慮して、帰る。

帰宅は 20 時過ぎ。 鶏モツ鍋を作って食べる。鍋のあとは味噌煮込み風の饂飩にしよう。

卒研の学生に、「コンパクト集合は銀色でつるつるしてる、って本当ですか?」 と尋ねられた。 それは学生時代の私の発言で、当時も失笑をかったものだった。 生物専攻の同級生にコンパクトの概念について質問を受けて、 最初はちゃんと説明していたのだが理解してくれないので、 どんどん比喩、暗喩、イメージ、 とあやふやになって行ってついに最後には、銀色でつるつる、 と言うところまで落ちてしまった、と言う話である。