Friday, February 29, 2008

また菜の花散らし

10 時起床。またしても良く寝た。 あっと言う間に昼。 パテ・ド・カンパーニュの最後の二切れ、アラビアータ・スパゲティ、 赤ワインを一杯。 午後は雑用を少し、数学的興味と趣味を兼ねてプログラミングを少し。 ランダムウォークのクラスを整理。 エラー処理を除いて大体必要なものはできたので、 スコープを整理してカプセル化に念を入れ、詳しくコメント文を入れた。 これからランダムウォークのパスに対してあれこれしたいのだが、 どこまでパス自身のメソッドとして実装すべきなのか、切り分けが悩ましい。 丁度一週間分の食材を使い切って、冷蔵庫が空になったので、 夕方近所のスーパーに買い出しに行く。 今日の昼間は日射しもあたたかく、春を感じる一日だったが、 夕方にもなると流石に空気が冷たい。

夕食は御飯を炊いて、また散らし寿司にする。 高野豆腐、卵、ちりめん山椒、菜の花を具にして、 生姜、大葉、煎り胡麻。 赤ワインを一杯飲みつつ、寿司飯が冷めるのを待つ。 そりゃ白の方がいいのだろうが、 冷蔵庫の都合と言うものがあるので。 春の味はこういう緑色の苦いもの、 って感じがするなあ…まだまだ寒いけれども。

昨日の記述へのコメントで、YouTube で観ることのできる、 デュシャンが語る映像 "A Game of Chess with Marcel Duchamp" を教えていただいた。 こりゃすごい。良い世の中になったものだ。

Thursday, February 28, 2008

デュシャン、マン・レイ、ピカビア

10 時起床。ちょっと寝過ぎかな…ほんの 10 時間ほどとは言え。 しかも宅配業者に起こされなかったら、もっと寝ていたかも。 amazon からイタリア料理のテキストが 4 冊ほど。 珈琲を飲んでぼうっとしている内にもう昼食の支度の時間。 トマト煮込みを煮返して、卵炒飯と。 食事のあと、教務委員の仕事ですぐにキャンパスへ。 履修要項の最終校正など。 ちょっと分からないことがあって A 堀先生を数ファ研に探しに行くと、 K 大の若手確率論研究者たちがたむろしていた。 何故に、と尋ねると、うちの院生のゼミを見てもらうらしい。 ここの確率論教育は充実してるなあ… 彼等になら僕がゼミを見てもらいたいくらいだ。 他、いろいろ用事を済ませて夕方に帰る。 夕食は、パテ・ド・カンパーニュを食べたあとスパゲティを茹でて、 菜の花と茹でソーセージのスパゲティ。

Susan Polgar の blog で、 デュシャン関連の記事が紹介されていた。 その元の記事をたどって読んでみたらなかなか面白かったので、 通勤時間を利用して翻訳してみました。 以下が本文ですが、 注釈なども含めた完全な文書はこちら、 「全ての芸術家がチェスを指すわけではない」 でどうぞ。

「全ての芸術家がチェスを指すわけではない」(**1)
- デュシャン、マン・レイ、ピカビアについてアラン・サヴェイジが語る

マルセル・デュシャンにとって、チェスがほとんど全てだった。 彼の友人、アンリ=ピエール・ロシェはこう記している: 「彼は赤ん坊が哺乳瓶を欲しがるように、チェスの良いゲームを求めた」。 チェスは彼の初期の絵画作品 「チェスプレイヤーの肖像(Portrait of Chess Players)」(1911)から、 電子的に施されたチェスボードで 1968 年にジョン・ケージと出演した パフォーマンス/チェス対局「再会(Reunion)」まで、 彼の芸術のキャリアを通じてのテーマだった。 彼はチェスのコンセプチュアルな性格と完全な無目的性を愛し、 マン・レイとフランシス・ピカビアもこれらの側面に惹かれていた。 この三人は皆、子供時代にチェスを習い、生涯を通じてその情熱を分かちあったのだった。

デュシャンは 13歳だった 1900年に兄たち、 レイモンド・デュシャン-ヴィヨン(Raymond Duchamp-Villon) とジャック・ヴィヨン(Jacques Villon)にチェスを教わった。 1910 年からキュビズム芸術家のプトー(Puteaux)・グループたちとの 日曜日の対局定例会が始まった。 そこには彼の兄たちも参加していたし、一年後にはピカビアも加わった。 ニューヨークに移ってからは、 デュシャンはアレンスバーグの定例サロンでの深夜のチェスの中心的人物になった。 ここでの彼の対局相手には、 詩人のアルフレッド・クレインボルグ(Alfred Kreymborg, 元チェスのプロ(**2)) や精神分析医のアーネスト・ソウザード博士(Dr. Ernest Southard)、 批評家のウォルター・アレンスバーグ(Walter Arensberg)(**3)などの強豪が含まれていた。

ある人には、チェスは単なるゲーム以上のものらしい。 1917 年に、ピカビアとロシェはそれぞれの新参の芸術雑誌、 ピカビアの「391」とロシェの「盲人(The Blind Man)」 の存続の権利を賭けて対局した。 結果、ピカビアが勝ち、「盲人」は第二号までで廃刊になった。 デュシャンは、疑いもなく、 このグループの中で最もチェスに力を注いだプレイヤだった。 1916 年に彼はニューヨークのマーシャル・チェスクラブ(**4)に加わり、 しばしばマン・レイと一緒に参加した。 「この頃が人生の中で、最も楽しかった」と彼は言っている。 ブエノスアイレスで暮らした 1918 年の数ヶ月には、 彼はトッププレイヤからレッスンを受けていた。 その数年後、1921年にはピカビアに対し、 「私の野望はプロのチェスプレイヤになることです」 という宣言を書き送っている。 そして 1923 年、ブリュッセルでチェス対局に数ヶ月を費した間のこと、 彼は友人のエリー・ステットハイマ(Ellie Stettheimer) にこう決意を書いた: 「私は小国からスタートすることにしました… たぶんいつか、フランスのチャンピオンになろうと決断するでしょう」。

マン・レイは、デュシャンほど恵まれた才能を持ったプレイヤではなかったが (自分自身では三流だと言っていた)、 チェスの物理的な形式を芸術に織り込んだ。 彼は正方形の格子を、 「全ての芸術の基本であり、… 構造を理解し、 秩序のセンスをマスターするのを助けてくれる」ものと考えていた。 彼のたくさんのチェスセットのデザインとチェス盤の写真と同様に (世界チャンピオンのアレクサンダー・アレヒン(Alexander Alekhine) を撮った 1928 年の写真はとりわけ魅せられる)、 マン・レイは絵画や造形の中にこのゲームのイメージを盛り込んだ。 例えば、モビール作品「オブストラクション(Obstruction)」(**5) には数学的に順次配列してぶら下げられた 64 個のハンガーが含まれている。 64 はチェス盤の升目の数である。

ピカビアも時にチェスのテーマを取り上げた。 9 x 7 の格子(**6)を用いた彼の三つの作品 (特に「分子構成(Molecular Construction)」) は、チェスが彼の芸術に与えた影響を表している。 しかし、マン・レイと違って、彼は対局に不可欠な自己規律を持ちあわせず、 自身は理論家のアンチテーゼだった。 彼は「創造的精神」を「音楽家が音楽をするように絵画を即興する」 のに用いることについて語っている。 この言葉はチェスにおける創造性の表現と類似している: チェスプレイヤと音楽家はしばしば同じく、 主題、テンポ、調和(ハーモニー)、理論、作品(composition)、 モチーフ、問題(Problem)、そして直観について語る(**7)。

この三人の芸術家の中では、 デュシャンがチェス界でのごく薄い成功を達成するだけの 最も高いモチベーションを持っていた。 彼は自分を律することができ、かつ自己耽溺的だった。 彼は何時間も何日も一人きりで働いて幸せだったが、 これが偉大なマスターたちの対局を研究することを可能にした。 彼はチェス理論を味わい、およそ十年間はセミプロであった。 しかし彼は反復練習することを好まなかった。 これは全てのチェスのプロがある程度までは訓練しなければならないことである。 おそらく、デュシャンは対局の精神的なプロセスを愛し過ぎたのだ ― 彼は厳しい競い合いに必要なフォーカスを持たなかった。 それでも、チェスの繊細さは彼の芸術すべてに見出されるし、 彼の「チェス駒(Chessmen)」(1918)、 「見合いと姉妹升目(**8)はよりを戻した (Opposition and Sister Squares are Reconsiled)」 (1932)と「携帯チェスセット(Pocket Chess Set)」(1943-1944) は、 チェスと言うゲームを称える彼の多くの仕事の中でも、抜きん出ている。

(Allan Savage はインターナショナル・チェス・マスター、 チェス・ジャーナリストであり、デュシャン研究家でもある。 アメリカのメリーランド在住。 デュシャンとチェスについての彼の著書が、 Moravian Chess から近く出版される予定である。)

注釈つき翻訳の完全な文書はこちら 「全ての芸術家がチェスを指すわけではない」

Wednesday, February 27, 2008

クラシターニク

8 時起床。ゴミ出しをして、猫にキャットフードを与え、 自分にはイングリッシュ・ブレクファースト(紅茶)。 朝は日差しもほがらかで良い天気。 紅茶の入ったマグカップを持って寝室に戻り、寝床で読書など。 昼食は御飯を炊いて、王将の餃子、菜の花の味噌汁、昆布の佃煮など。 午後は練習室で仕事をする。 曇り空になって、雪も降ってきた。 風が強く、雪も斜めに降っている。と思ったら、また晴れた。おかしな天気。

今週は久しぶりに特に用事もなく (たまに教務委員として質問メイルに答えているくらいで)、ゆったり過している。 しかし、それほど頭は働いていないので、 リハビリのためこの三日間で 「ラフパス理論入門 超特急コース(Saint-Flour 講義録序文訳と注釈)」 を書いてみた。 7 ページで分かるラフパス理論超入門。 興味のある方は、(全国に 5 人くらい?) この pdf ファイル(rp_intro.pdf)をどうぞ。 アーカイヴにも置いておきます。

この一日は少しは作したから、食べてもよかろう、と思い、 夕食はかなり久しぶりに近所のバー。 コートの懐に「料理長殿、ご用心」(ナン&アイヴァン・ライアンズ/中村能三訳/角川書店) を入れて、歩いて行く。一ヶ月ぶりくらいだろうか。 鯛と平目のキッシュ、子羊のソテー。 子羊を出すのと一緒に「クラシタニクです」と言うような感じのことを言われて、 "clasitanique?" と尋ね返すと、 「ええ、鞍下肉です」と二度言われてようやく意味が分かった。 ソーテルヌとブルーチーズを少しいただいて、帰る。 ソムリエによると近所のワイン屋のチーズ担当は、ブルーが苦手だそうだ。 でも最近、目覚めてきたとか。 店の外に出るとかなりの雪。しかも、ひとひらひとひらが大きな花のような牡丹雪だ。 コートの肩や襟に積もって、家についたときには、 まっしろになっていた。

Tuesday, February 26, 2008

毛布のカーペット

8 時起床。ゴミ出し。 寝室に戻って二度寝したら目が覚めたのは 10 時。 寝床でプログラミング。まだ 100 行も書いていないのに、 どうしてもバグが取れない。 ruby の配列オブジェクトについて何か根本的な勘違いをしているのかも知れない、 と煩悶している内に昼。 昨日作ったトマト煮込みに新たにソーセージを入れて温め直して、 バタ付きパンを二切れ。赤ワインを一杯。 食後の散歩に近所のワイン屋まで。 セールの最終日なので、何か安いワインでも残っていないかなと思って。 外は実際に降ってはいないが雨模様で、 足元がしくしくと冷たく、空はどんよりと雲がたれこめている。 平日の昼間で、しかもこんな天気なので、 実店舗は他にお客もなくひっそりとしていた (勿論、オンラインショップの対応などのバックオフィス業務で忙しそうではあった)。 結局、受け取りを忘れていた頒布会の二本の他、 何となく目についた割引値段のワイン赤白二本を買って帰る。

午後はまた練習室で仕事。 寒い。今日、明日の京都の最低気温はせいぜい1、2度のはずだが、 最近温かい日が続いたせいでそう感じるのか、足元の冷えっぷりが尋常でない。 剥き出しの床が寒いので、古くなった毛布を持ってきて、カーペット代わりに敷いた。 いくらきちんと暮らしてるつもりでも、 他の人の目がないものだから、ついこんなことをしてしまう。 例えば、冷蔵庫を靴箱にしているとか(私はしてません)、そういうのね。 だから男やもめに何とかがわく、なんて言われるんだろうなあ… しかも、少しでも暖かくなったのかどうかも、不明。 相変わらず足は痺れるほど冷たいような。 夕方に一段落ついたので、 さて、しょうがない、何かに負けたような気がするがデバッガを使おう、 と朝悩んでいたプログラムを見ると、丁度視線の先にある if 文に

if i = random_direction then

と書いてあった。 古典的と言うか、何と言うか…シロートだな。兎に角、カイケツ。 とりあえずランダムウォークのクラスが出来た。 ちょっと時間が出来たので、夕食の支度までしばらくチェロを弾く。 ロングトーンとスケールのあと、 無伴奏一番のプレリュードの丁度半分から 3/4 のあたりを練習する。 前半はボウイングの練習みたいなものだし、 最後の 1/4 は誰でも「凄く弾けてる感じ」になる名所なのだが、 残りの部分が音楽になり難い。と言うか、全然ならない。

夕食はパテ・ド・カンパーニュ二切れと、菜の花のサラダ、 オムレツ、パンを一切れ、赤ワインを一杯だけ。 食後に珈琲。

Monday, February 25, 2008

練習室で仕事

9 時起床。 また 10 時近くまで寝台で右を向いたり左を向いたりしていた。 目覚ましの珈琲と、昨日チェス対局用に買ったチョコレートの残り。 今日することを考えてから、 マリナーラソースを仕込み、昼食の準備もする。 昼食はパテ・ド・カンパーニュを二切れとピクルス、スパゲティ・アラビアータ。 ワインを一杯だけ。食後に紅茶を一杯。 (パテの写真を一瞬載せていたけど、 あまり美味しそうに撮れていないので却下)。

一階は暗くて寒いので、 光熱費節約のため午後は練習室に移動して仕事をあれこれ。 合間合間にチェロを弾く。 バッハの無伴奏一番プレリュードと G 線上のアリア、 ロンドンデリーの歌などを弾けているような気になって、騒音を奏でる。 ヨーヨー・マ先生もおっしゃっています。 音楽を演奏する理由は貴方を誰かと比べることではなく、 貴方の内側にあるものを生み出すことなのです。 とは言え、無伴奏はまた弾けなくなっていた。 夕食は、昼間にトマトソースを作ったときに少し分けておいたホールトマトで、 「トマト鍋」を作る。 味つけはベーコンを炒めた脂と、塩胡椒だけ。香りづけに丁子、ハーブ類。 豚肉と鶏団子とソーセージが入っているので、 十分に複雑な味になった。パンを二切れほど。

Sunday, February 24, 2008

Comment se faire passer pour un critique gastronomique sans rien y connaître

9 時に目が覚めた。カーテンを開けたら日は差していないのに、 やけに白っぽく明るい。甍の波が一面、雪だ。 寝台で「レストランで最高のもてなしを受けるための 50 のレッスン」 (フランソワ・シモン/岡元麻理恵訳/河出書房新社) を読む。 タイトルがやや下品だし、 某スノッブ雑誌がこの料理評論家の特集をしたことも知っていたので、 ずっと手にとる気になれなかったのだが、たまたま買ってしまった。 読んでみるとなかなか面白い。 本文の他に、著者がフィガロスコープ誌に実際に連載した、 現地レストラン 32 軒の評価記事つき。 むしろ本文よりこちらが読みどころで、 ちょっとふざけたような文学的でシュールな文体に超辛口の批評。 料理やレストラン関係者ではない、 ただのお客にとって必要な情報が書かれている。 つまり、 本当の意味で役に立つレストラン批評はこういうスタイルになるのかも知れない、 と思わされる。 こういう記事が読めれば便利だろうなあ、 とは思うが、シェフ達を始めレストラン、飲食業関係者を全て敵にまわすような、 こんな評論は日本ではありえないだろう。 例えば、私がこんな京都レストラン案内をこの blog で展開しだしたら、 四、五軒目あたりで、 お腹に詰め物された上に刺身包丁でスライスされた私の死体が鴨川に浮かぶだろう。

午前中はまだ雪が少し降っていたが、昼前には青空が見えてきた。 大宮駅の近所のカレー屋で昼食をとって、 日本橋のチェスクラブに出かける。 雪が散らつくこの寒い日なのに結構の人が来ていた。 午後からの二局に参加。 両方黒番で、同じくらいのレイティングの人に勝ち、 ずっと上の強豪 M さんに負けて一勝一敗。 第二局は、負けはしたものの、 お互いに見逃したチャンスが沢山ある難しいゲームで、 終盤までかなり頑張ったため、二時間半くらいかかった。 かなり強い人にも時々勝てるようになってきたが、 M さんには勝ったことがない。 かなりタクティカルなスタイルで、苦手なタイプである。 次の目標は、M さんから一勝かドローをもぎとることだな、 と思いつつ、 ふとチェステーブルの横においてあった洋書を手に取ると、 その M さんがぼろぼろになるまで読んだ、 "The Magic of Chess Tactics"(Meyer-Muller/Russell Enterprises Inc.) だった。 私も一応持っているだけは持っているが、 あまりの難しさに 10 ページくらいで挫折した超マニアックなタクティクス本である。 遠い目標になりそうだなあ…

雪が降る中を帰宅。 昨日作っておいたパテ・ド・カンパーニュを一切れ味見してから、 菜の花のスパゲティを作って夕食にした。 パテが型からすとんと出てきて、 ゼリーに包まれたそのつややかなお姿を見ると、 「してやったり」と言う幸福感に包まれる。 味はもう一日くらいおいた方がいいかな、と言う感じ。

Saturday, February 23, 2008

菜の花散らし

8 時に目が覚めたが、寝床で Bonfiglioli を読んだりとぐずぐずしていて、 10 時近くになってようやく起き出す。 あれこれ朝の用事をしてから、近所のスーパーに食材の買い出しに行く。 一週間分のつもりで買った。 日差しは明るいが昨日よりぐっと寒い。また冬が戻ってきたらしい。 確か暦では雨水だから、丁度こんなものか。

帰宅して、昼食に菜の花の散らし寿司を作る。 さましている間に、白ワインを一杯。ルイ・ジャドのマルサネ。 卵のおすましも作って、昼食。 午後は読書をしてから、少し昼寝をして、 夕食までは ruby でプログラミングをする。 今日は真面目にランダムウォークのクラスを作り始めた。 色々と数値実験に使えるかな、と思って。 クラスの構造とメソッドの簡単な設計計画をしたあと、 初期化メソッドを書いた。 気付かない内に外は真っ暗。 今夜から明日の午前中にかけては雪が降るかも知れないとのこと。

夕食は散らし寿司の残り。 その後は、またパテ・ド・カンパーニュを作る。 今回はできるだけ手間をはぶいてシンプルに作ってみた。 蒸し焼きにしている間に、 日々の仕事のシェル・スクリプトを二三書く。 キーボードが小さくてメインに使うにはやや辛いが、 Let'sNote with Ubuntu にどんどん移行中。 一時間ほどでパテが完成。 味見は二日くらい先までおあずけ。

Friday, February 22, 2008

白粥

朝方に一回目が覚めてしまったが、 二度寝して、次に気がついたのは 9 時。 寝台の中で一時間くらい ruby のマニュアルを読んでいた。 さらに寝台の中で、一つ教務委員の事務仕事を片付ける。 流石にもうないだろうと思っていた時間割変更。 寝床の近くに置いてあるのは Ubuntu の入った小型の Let'sNote だが、 これでいつもしているような事務仕事も問題なく出来た。移行しても大丈夫そうだ。 後は、今のところ MSMoney でつけている家計簿を、 簡単なテキストか表形式に記録するようにして、 適当なスクリプトをいくつか書けば… 昼近くになって起き出してきて珈琲を入れ、 所要のため近所に外出。今日はかなり温かい。 ついでに簡単な食事をして、すぐに帰ってくる。 午後は昼寝をしたり、お風呂に入ったり、 十年くらい前に書きためておいた「日々のお言葉」を整理したり (このページの右側フレームをご覧下さい)、 まあ、いつものように一人で遊んでいた。 夕食の時間までは、チェロを弾く。ロンドンデリーの歌とか。

もう買い出しに行く気にもならないし、 最近毎晩外食の贅沢で身体も疲れているだろうから、 と夕食はお粥。昆布も使わない水と米だけの白粥にした。 おかずは梅干し一つと、この前いただいた昆布の佃煮。まさに清貧。 私の田舎は茶粥文化だったので、 白いお粥は病気の時に食べるイメージしかないし、 あまり美味しいものだとも思っていなかった。 しかし、自分で作ってみると大変に結構なもので、 これからも時々は御飯でなくてお粥にしてみようかな…と思った。

夜は ruby の練習。 退職予定日までの日数を表示するスクリプトを書いた(ストレス?)。 勿論、シェル起動時に表示されるように設定。 時刻オブジェクトのメソッドが充実しているので一行で書けたが、 やはり全てがFになる日にはそれなりのお祝いメッセージを、 時々はランダムに「萌絵でーす」と挨拶をさせてみたり…と、 しょうもないものを作っていたら小一時間過ぎていた。 逃避エネルギーは凄いものだ。 皆さんもどうでしょう、ストレスを感じたときにこの遊び。 ちょこちょこと手を入れていけば、 それほど経たない内に、人工知能なみのプログラムになるかも知れない。

Thursday, February 21, 2008

オブジェクト指向と都市

9 時起床。 猫に食事を与え、自分は珈琲を飲んで、 今日することを整理してから出勤。 学生食堂で早めの昼食。 13 時から修士論文の発表会なので、 それまでの一時間であわてて雑用を片付ける。 自分のシラバスの訂正と、 各教員にシラバスのチェックと訂正のお願いメイル書き、 履修規定変更のチェック、あれこれ。 13 時から修士論文発表会。 主に確率論関係 6 名の発表を聴く。みんなちゃんとした立派な発表だった。 と日記には書いておこう。 16 時からその判定の他、学科会議。 夜は、学科の宴会。 入試採点打ち上げの他、今年定年で退職される先生と、 特任教授を定年で退職される先生のお疲れ様でしたの会。 21 時くらいに終了。 半数くらいはさらに二次会に行かれるようで、 草津駅から消えて行ったが、私は帰宅組。 22 時過ぎに帰宅。

今日は合間合間に、「オブジェクト指向システム分析設計入門」 (青木淳/ソフトリサーチセンター/1993年発行)を読んでいた。 古い本なので今や、 森博嗣先生の「すべてがFになる」の冒頭引用で有名、かも知れない。 プログラミングの細かい話や数学をほとんど使わず、 オブジェクト指向の発想を説明した本で、なかなか面白い。

「ここで言及されている『自然さ』とは『脳に忠実に』 ということであり、人為の加わらぬ様ということではない。 自然な形で計算機内にモデル化をするのではなく、 極度に人工的な形で計算機内にモデル化し、自然を排除するのである。 オブジェクト指向には自然さなど欠片もない。 私たちが現実世界(対象領域)としてとらえるものは共同幻想と呼ぶものに等しい。 その最たる例が都市であり社会である。 私たちの周りは、人工物に満ち溢れている。 特に都市において顕著である。脳は、脳が作り出した産物(人工物) に囲まれることを好み、オトギの国に暮らす。 オブジェクト指向のクラスライブラリとネットワーク・コミュニケーションは 脳の投影であり、自然を押しのけ除くものである。 オブジェクト指向はオトギの国に暮らすための方法論であり、 コンピュータの中に都市を築く」
(同書 pp.207--208)

どうしてだか毎日会食の予定が続いていたが、 ようやくこれで終了。 雑務がいろいろ残っているものの、 明日からはちょっと春休み気分でゆっくりできそう。

Wednesday, February 20, 2008

St. Andrew's Knot

ホテルの部屋で 9 時起床。けっこう良く眠れた。 お風呂に入ったり、しばらくのんびりしてからチェックアウト。 神保町の「メーヤウ」で早めの昼食。 コートにマフラーをしていると少し汗ばむような陽気。 時間もあるので少し散歩。 神田川沿いを歩いていると、人間なんて単純なもので、 つい「神田川」を口遊んじゃったり。 あなたは私の身体を抱いて、冷たいね、って言ったのよー… 水道橋駅から東京へ。 東京駅の隣りの地下飲食店街にある「パテ屋」で、 おみやげにパテを二種類買う。 鶏肝とクランベリーのパテ、鴨肉と松の実のパテ。 新幹線で京都に帰る。 車内でちょっとプログラミングをしたり。 午後の半ばに自宅に到着。

夕方になって今日二度目のお風呂に入り、 身支度をしてから、会食へ。 なんだかおっかなそうな会食場所だったので、 ちょっとはちゃんとした格好をして行かないと失礼かなと思ったが、 そんな柄でもないので、 いつもと違うのはネクタイをセント・アンドリュー式に締めた程度。 まあ気持ちの問題。 丸山公園の近く、東山の真葛ヶ原の料亭にて。 私は平たい所に座るのが苦手なので、ちょっと嫌だなあと思っていたのだが、 座敷に低い椅子のようなものが用意されていて助かった。 勿論、お料理は絵画的で大変美味しかったし、 器も店の格からしてこれくらいを出さざるを得ないだろうな、 と言う立派なものだった。 しかし特筆したいのは料理よりワインより店の様子より何より、女将だ。 貴重なものを拝見させていただいた、 と言う気がして、本当に参加した甲斐があった。

22 時過ぎくらいに終了して、 阪急の駅まで暗い道を歩いて行く。 少しだけ小雨が降ってきた。今日は暖いので、雪にはなるまい。 八坂神社の賑やかなあたりに出て、あとは大橋までまっすぐ。
あなたは私の身体を抱いて、冷たいね、って言ったのよ。 若かったあのころ何も、怖くなかった。 ただ、あなたの優しさが怖かった…

明日の夜もまた会食。 明日の午後が修士論文の発表会で、まあ色々と一段落ついた、と言うところで、 学科の打ち上げのようなもの。 帰宅がかなり遅くなると思いますので、更新は不確定です。

Tuesday, February 19, 2008

珍獣

あれこれ支度をして東京に向かう。 午後は某A社にて、 副社長の K 博士と天才プログラマたちのミーティングに参加して、 技術の近未来をちょっと覗かせてもらう。 iPhone の未来形のような、かっこいい携帯端末のデモを見て、 「おおっ」とちょっと感動。 でも手に持つとかなり熱かったので、 計算量をどうサボるかが問題かも。 続いて、逆に私が最近興味を持っている数学の話などをさせていただく。 そのあと、研究開発室でくつろいでいると、 「息子のために」とか「妻のために」とか、 良く分からない理由で携帯電話のカメラで写真を撮られたり。 某A社での私の位置は、 限られた人しか見ることのできない珍獣、 と言うところなのではないか、 とちょっと心配だ。

夜は副社長 K 博士と友人でもある天才プログラマ K 氏と、 近所の日本料理屋で会食。10時くらいにお開き。

明日の午後に京都に帰る予定。 夜はまた会食の予定なので、更新は不確定です。

Monday, February 18, 2008

寝室と雪と猫と私

またしても良く眠った。 9 時に目が覚めたが、11 時くらいまでうとうとしながら、 寝台で姿勢を変えたりしていた。 寝室の外でうるさく猫が鳴くので、中に入れてやる。 猫を緑色のカーディガンの懐に抱いて外を眺めれば、昨夜の雪の残り。 クロや、クロソフスカヤ、雪が綺麗だね、 人生って一体なんなのかにゃ、 神様には人間や猫の一生があの雪ひらのように見えているのかもね、 だとすれば誰の人生もあんなに綺麗なのかにゃ、 綺麗なものは遠くにあるから綺麗なのさ、 それとも雪のように顕微鏡で見る人にだけ明かす綺麗もあるのかにゃー、 と小一時間、猫と語りあう。

朝食の珈琲のあと、王将の餃子を焼いて昼食。 白ワインを少し。 午後は洗濯をし、昼風呂に入って、 昼寝をしたり読書をしたり。 「ロジャー・マーガトロイドのしわざ」 (ギルバート・アデア/松本依子訳/ハヤカワ・ミステリ)読了。 佳作ではあると思うし、十分に楽しめたが、期待が大き過ぎた。 もっとも、「ポストモダニストは二度ベルを鳴らす」 の評論家ギルバート・アデアが著者で、 しかもタイトルからしてどう考えてもクリスティのパロディ、 かつ後書きが若島正さんとくれば、 期待しない方が無理と言うものだが。

夕食は、大蒜が切れているのに何とかカルボナーラ風のスパゲティを作ってみた。 食後は明日の準備。 明日、明後日は某A社にて天才プログラマたちと会うために東京出張。 ミーティングのあと、今興味を持っている数学の話を何かしてくれ、 と言われていたので、 ラフパス理論をデータ圧縮の立場から見る簡単なイントロを用意した。
夜は関係者と会食のため、明日の夜の更新も不確定です。

Sunday, February 17, 2008

帰京

9 時起床。11時くらいまではゆっくりできるものと思っていたら、 ビジネスホテルらしくチェックアウト時間は 10 時。 フロントに電話したら11時までならチャージしないと言ってくれたので、 もう一眠り。 ホテルを出て駅で昼食を取り、新幹線で京都に帰る。 車中では、「ロジャー・マーガトロイドのしわざ」」 (ギルバート・アデア/松本依子訳/ハヤカワ・ミステリ)を読む。 帰宅して、猫に食事を与え、 お風呂に入って少し昼寝をしてから、会食へ。

明日は一日自主休暇。

Saturday, February 16, 2008

初老 / sam

9時起床。珈琲だけの朝食。 出張の準備などをしてから、 近所のワイン屋にワインを買いに行く。 セール中なので、 赤、白、スパークリングと一本ずつちょっと良いものを買った。 自宅でまた適当なスパゲティを作って食べてから、出発。 午後の内に現場に到着してあれこれの後、 夕食に連れて行ってもらう。 特に土地柄とは何の関係もないのだが、 何となく辛くて身体の温まるものがいいと言ったことから、 韓国料理屋へ。 なかなか本格的で良い店だった。 特に激辛のトッポギが美味しい。 「初老」と言う言葉が指す年代はどうやら 40 代、 しかも早い時期らしい、と言う憂鬱な話をしながら生ビール。 ふと気付くと、この店は女性に大変な人気があるらしく、 我々一行以外は広い店内のほとんど全員が女性客だった。 圧倒的な人数比で、なんだか居心地が悪い。 そのせいと言うわけでもないのだが、 8 時くらいにもうお開き。 アイスクリームを買ってホテルに帰る。 今回の出張は、 OS を ubuntu に入れ替えた Let's Note を持ってきたが、 何の問題もストレスもなく使える。

行きの車中の読書は 「ソクラテスの弁明/クリトン」(プラトン/久保勉訳/岩波文庫)と、 PC 上にダウンロードしておいた R.Pike の論文 "The Text Editor sam"。 "sam" と言うエディタをご存知だろうか? 簡単に言えば古典的ラインエディタにマウスのカットアンドペースト機能をつけただけのもので、 編集のプロセスと表示のプロセスがほぼ直交分離している。 vi よりもっと ed 寄りで、さらに単純な、原始的エディタである。 と言うか、ed にビットマップディスプレイ表示機能をくっつけただけだ。 "The Art of UNIX Programming" を読んでいてふと興味を引かれたので、 ubuntu にインストールして試してみている。

明日の午後には京都に戻りますが、 夜はまた会食の約束があるので、更新時間は不確定です。

Friday, February 15, 2008

授業料

8 時起床。イングリッシュ・ブレクファースト(ただし紅茶の方) だけの朝食の後、出勤。 パンタグラフにビニールがひっかかったとかで、 電車が遅れに遅れて、 予定の学科会議にぎりぎり間にあう時間に着。 ビニール袋さえあれば簡単にテロ活動が出来るなあ。 おかげで、「ギリシア哲学者列伝(上)」(ディオゲネス・ラエルティオス/加来彰俊訳/ 岩波文庫)を随分読み進められた。 アリスティッポスはソクラテスの弟子でありながら、 初めて授業料をとった人だそうだ。 ある人が自分の息子をアリスティッポスの弟子にしてもらおうとしたところ、 500 ドラクマの授業料を請求された。 「それだけ出すなら奴隷が一人買えるじゃないか」 と言ったところアリスティッポスは、 「じゃあ、そうしなさい。 そうすれば奴隷を二人持てる」 と言い返したそうだ。

午前の会議のあと、学生食堂で昼食。日替わり(ポークシチュー定食)。 午後は大学院入試の面接など。 さらにその後、本日は二度目の学科会議。 簡単に終わるものかと思っていたが、 予想外に長引いて、もう夕方。 シラバス記述のチェックを整理して、 各先生方のポストに配布したりの雑用。 さらに、来年度履修要項の校正作業の依頼も届いていた。 教務委員の戦いの日々はまだ続く。

そんな会議や、面接や、事務の合間合間に、 ちょこちょこと作業して、 研究室の古いノート PC に Ubuntu をインストールすべく努力。 メモリが少な過ぎて普通の Live CD がまともに起動しないのが問題。 あれこれやってみて結局、ネズミのデザインも可愛い Xubuntu を試すことにする。 Xubuntu Live CD の iso イメージを CD-R に焼き付け、 起動することを確認したところで、今日はもう撤収。 帰宅は 20 時少し前くらい。 まともなものを作るのが面倒で、 また貧乏スパゲティみたいなもので夕食。 今日もまた寒い一日だったが、夜になってさらに寒い。 明日は午後から秘密出張なので、夜の更新は不確定です。

Thursday, February 14, 2008

世知辛

出張疲れのせいか少し寝坊。 あれこれ自宅で雑用をして出勤。 次の新学期から私の卒研に配属される学生が、 三月からプレ卒研ゼミをしたいと言うので、 テキストを渡して日程を決める。 私は学期を厳密に守る派だが、 勉強したいと言う学生の相手を断わるわけにはいかない。 夕方から、教務委員会。 一難去ってまた一難、今日はシラバス記述のチェック。 数理科学科が担当している講義は 80 以上あるが、 その担当者たちが書いたシラバスそれぞれが適切かどうか、 教務委員が全部チェックするのだ。 どっさりプリントアウトを渡され、その場で入試採点ばりにチェック。

本当にこの数年くらいで、 大学環境は急速に世知辛く、厳密に、平準に、なっている。 R 大学では講義について、二つのキーワードが目立つ。 一つは、「シラバスは学生との契約書」。 どんな講義をするのかを契約したものがシラバスであって、 それを提供する教員はその契約書を厳密に守る義務がある、 と言うものである。 もう一つは、「15週授業の徹底」。 一学期に15回の授業を確実に提供しなければならない。 15個納入するはずなのに1個足りない、とか、 代わりにダミーが1個入っていた、なんてことがあってはならない。 ちなみに、テストは授業ではない。授業を15回だ。 大学の外の人は、そんなのあたりまえなんじゃないの、 と思うかも知れないが、全然そうではなかった。 私が学生の頃なんて、シラバスなんてなかったか、 あっても「線形代数:線形代数の講義をする。」とか、 そんな程度だったし、 毎回きちんとスケジュール通りに講義をする先生なんて、 「研究をしていないから暇なんだろう」、「サラリーマンじゃあるまいし」 と、学生にむしろ馬鹿にされていたと思う。

19 時前までに切り上げて帰ることにする。 帰宅は 20 時過ぎ。 キャベツとベーコンでスパゲティを作った。 これは簡単に出来て美味しい。 食後に珈琲。

Wednesday, February 13, 2008

雪と青空

今日も午前、午後と金沢大でのセミナに参加。 外は吹雪のような激しい雪が降ったかと思うと、 すぱっと青空が広がり、 またしばらくすると激しい雪、すぱっと青空、また雪の繰り返しのおかしな天気。 天気予報で言うところの「日本海側に筋状の雲が…」 がこれらしい。その筋状の雲が通り過ぎるたびに雪なのだとか。

通常の講演スタイルのセミナのあと、 某F通社を交えての討論会のようなものがあり、 17 時くらいに終了。 もう一泊してゆっくり温泉にでも入りたいところだが、 明日も委員会があるとのメイルが来ていたし、 予定通りにおとなしく帰ることにする。 同じく今夜中に帰る A 堀先生、R 大の院生、 学生たちと近江町市場の回転寿司屋で夕食。 雷鳥で京都に帰る。 帰宅は 22 時半過ぎ。

Tuesday, February 12, 2008

金沢は冷たい雨

9時起床。身支度をして出発。 金沢大学でのセミナに参加のため。 二条駅でサンダーバードの指定席を予約しようとしたら、 喫煙席しか残っておらず、 やむを得ず京都駅で自由席車両に並んで禁煙自由席で金沢へ。 ふと、情報を交換すると言うことは、 実はリスクを交換することに他ならないのではないか、 と思う。情報理論の立場から言えば、 情報とは不確実性の度合であり、 言葉を換えれば未来についてのリスクが情報の正体ではないか。 車内で数学を考えたりしている内に金沢着。 金沢では雪になりそうな冷たい雨が降っていた。 午後から、某F通の協力による、 ペタスケール計算と数理ファイナンス理論の関係についてのセミナに参加。 夜は香林坊の近所(かな?)の料亭みたいなところで、懇親会。 明日の夜も泊まる人は温泉(美味なる魚つき)に連れて行ってくれるらしい。 そう言うことはもっと早く言っておいてほしいものだ! 明日も朝から夕方までセミナに参加して、 夜に京都に帰る予定。

Monday, February 11, 2008

Ubuntu

9 時に目が覚めた。 カーテンをあけて、寝床で Bonfiglioli を読書。 今日は良い天気だ。目覚ましの珈琲。 ubuntu の仮想マシンが配布されていたので、 ダウンロードしてちょっと様子を見てみる。悪くない感じ。 インストールし易さや他の OS からの乗り換え易さが評判だが、 ファンシィな魅力もあるようで、 全く普通の Windows ユーザから 「Ubuntu たん はどうやったら使えるんですか?」 と訊かれたことがある。たん?その「たん」って何。

昼食は王将の餃子を焼く。 そこまで暇なのかと言われそうだが、 思い立ったが吉日。午後は ubuntu インストール。 出張用などサブに使っているノート PC ("Let's Note" CF-R5)に、 ubuntu 7.10 を導入することにした。 二三、インストーラの簡単な質問に答えるだけで、何もすることがない。 他 OS と共存させるときに問題になるハードディスクの領域設定も、 同じインストーラがやってくれる。 ハードディスクへのコピーが始まったので、 その間に河原町の本屋に行く。 ちょっと前に駅の真上のビルと一緒に出来た本屋で、今日が初めて。 レジで清算してもらうと、 5 千円以上買ったので珈琲のチケットをくれると言う。 それはラッキーと思っていると、 なかなか洒落た文庫本用のブックカヴァもくれるそうだ。 2 千円ごとに一つらしく、色違いで 4 つももらってしまった。 早速そのチケットを使い、 本屋の中にあるカフェでしばらく休んでから帰る。

帰宅するとインストールはとっくに済んでいた。 問題が起こるとすれば内蔵の無線デバイスだろうと思っていたが、 これも自動的に認識され何の問題もなかった。時代は変わったな… もう一つ勇気がなかったため、 パーティションを切って Windows の領域を残したのが痛恨。 環境設定したりしていると本当にあっと言う間に時間が過ぎて、夜。 コンピュータは本当に時間を吸い取るね。 夕食はまたキッシュとポトフ。これが最後。

明日と明後日は金沢大学に出張。 ペタ・スケール計算と数理ファイナンスについてのクローズドなセミナに参加。 スーパー・クランチング(超大規模計算?)は現実世界に強力な応用があると思うし、 特に商売には大変役に立つだろうが、 数理ファイナンス理論で扱うような市場ではどうかなあ。 と、私自身は非常に懐疑的なのだが、 その方面の人がどんなことを考えているのか興味があるので。
明日と明後日の更新は不確実です。

Sunday, February 10, 2008

入試採点最終日

7 時半起床。ちょっと寝不足。 昨晩遅くに、 VMware Player のゲスト OS として Linux をインストールしたり、 の作業で夜なべしたため。 ずばり、逃避だ。 珈琲を飲む暇もなく身支度をして、出勤。 午前、午後と入試採点。 今日が最終日で、午後も早い時間に全て終了。 やれやれ、やっと終わった。 さっさと帰る。帰宅は 17 時くらい。 夕食はまたキッシュとポトフ。 ポトフは新たに人参とキャベツを投入。 両方とももう一食分くらいある。

"The Art of UNIX Programming" のような洗脳文書を読み返しているのと、 唯一長年に渡って愛用していた MS 社製ソフトウェア (告白すると、MS Moneyだけど) を最近アップグレードしたら、 あらゆる動作が遅くなって大変なストレスになっているのと、 この冬の事務仕事で Excel & Word の連携攻撃に心が荒んだせいで、 逃避にも気合が入る。 本当に MS 製品のアップグレードには気をつけろ、 と言いたい。ろくなことはない。逆にダウングレードは一考に値する。 また UNIX の理想主義の桃源郷へ向かうべく、 ハードディスクの全領域をフォーマットしてやろうかと思ったが、 流石に仮想マシンだけにとどまった。 しばらく環境をチェックして、 移行可能となれば順次 MS 製品を駆逐していく予定。

Saturday, February 09, 2008

雪の日にはポトフを

7 時起床。今日はことさら寒い。 降るとしたら雪だな…と思いつつ、出勤。 キャンパスに到着した頃から雪が降り始めた。 午前は入試採点。 昼食のために採点会場を出たら、そこは雪国だった。 積もった雪を踏みしめながら、食堂に行く。 午後も入試採点。 雪は止むことなく、さらに激しくどんどん降り積もる。 帰れるのかどうか不安に思う人も出て来たようだ。 少し採点業務を抜けさせてもらって、 三月の国際シンポジウムの打合せミーティング。 また会場に戻って、もう少し採点。 夕方終了。 すぐにバスでキャンパスを出たのだが、 バスはチェーンを巻いているし、 道路は混雑しているし、 電車は遅れているし、で帰宅まで二時間かかった。

電車の中で受験生らしき女子高生たちが、がやがやと議論していた。 テーマは「中部地方」と「北陸地方」が日本のどこにあるか、 と言うものらしかった。 山梨県は中部か北陸か、など難しい問題が議論されていたが、 ついにその中の最も優秀らしき生徒が一刀両断にけりをつけた。 「寒いのが北陸でな、中部は山やねん!」。 なるほど。

帰宅して、夕食。 昨日作ったキッシュを見ると、むむ、底が縁まで綺麗に乾いている… やはりキッシュも日を置く方が良いのだろうか。 オーブントースターで二切れ温める。 今日は表面を焼き過ぎないようにアルミホイルでカバーしたので、 上出来。 食べてみると、やはり底がさくさくになっている。 美味しい…天才かな私。 休みにテリーヌとかキッシュを作っておくと、 疲れて帰ってきたところに美味しい前菜が待っている。 これは良い習慣だろうな…習慣に出来れば、だが。 前菜の後は昨日作ったポトフ。

Friday, February 08, 2008

間奏曲

9 時起床。今日は入試採点の中休み。 その代わりに明日明後日の土日とも採点だけど… 寝床で「モンテーニュ エセー抄」(宮下志郎訳/みすず書房「大人の本棚」) から一つ読む。寝室の外で猫がやかましい。 まだ起きる気になれなかったので、例外的に猫を寝室に入れてやった。 大喜びでなついていた。さらに Bonfiglioli を読む。 主人公は難しい状況に陥ると昼寝をするようだ。 こんなときにツイードを着たイギリスの父親と言うものは、 一緒に一日中丘を歩いてぽつぽつと話を聞いたあげく、 「できるだけのことをするだけさ」とか「男らしくふるまわんとな」 とか言った後、鱒釣りを教えたりするものらしいのだが、 主人公には昼寝が同じ効果を与える、と書かれている。 まあ、主人公と同じく私の父もそんなタイプではなかったし、 私も昼寝が大好きではある。

10 時頃になって起き出して、珈琲。今日はいい天気だ。 洗濯、掃除機がけ。お風呂掃除をしてから、 寝室から風呂場の前に BOSE の CD プレイヤを運び、 湯船でマリア・カラスのアリア名曲集を聞きながら朝風呂。 さっぱりしてから、昼食。 昨晩作った散らし寿司と、卵の澄まし汁。 DVD で「ロシアより愛をこめて(007/危機一髪)」を観ながら食べる (Quiz: 昨日観た映画との関連は?)。 食後にお茶を飲んでから、 小麦粉とバターと卵でブリゼ生地を作り、ラップをして冷蔵庫で休ませる。 雑誌の記事の著者校正をまとめ、その投函のためと散歩がてら外出。 郵便局の前のポストに投函して、大宮から地下鉄で河原町へ。 LOFT でまた女の子たちの嬌声に混じり、 できるだけ職人オーラを発するよう努力しながら、 深刻な面持ちでタルト型を買う。 BAL ビルで本を見るついでに、紅茶葉を買って帰る。

帰宅して生地を型に入れて、またしばらく休ませてから、空焼き。 イメージしていたほどではなかったが、まあまあの台が完成。 次はベーコンと玉葱を調理して卵と生クリームと一緒に入れ、 焼き上げる。つまり、キッシュ・ロレーヌを作った。 近所のバーのキッシュを食べることを癒しにしている私だが、 バーに毎日行けるわけではない。毎週すら難しい。 それなら自分で作ってやろう、と思って久しかったが、ついに実現。 ついでにポトフも作りおきし、夕食はキッシュを二切れとポトフ。 キッシュの仕上がりは初めてなら許せるかな、と言う程度。 特に問題だったのは、生地を薄く作り過ぎたこと。 そのせいで具の脂や水分が浸みでてきて、底の部分のさくっとした食感が失われた。 でも、味については本当に大変、美味しかった。 とは言え、この材料とレシピではどう作っても、 不味くなりようがない気がする。 炒めたベーコンと玉葱と、卵と生クリームとチーズをパイ生地に入れて、 焼いてあるのだもの。恐るべし、ロレーヌ人。 いくつかこの料理のポイントが分かったので、 次はもっと上手に作れると思います。

酒の肴の高野豆腐も冷やしたし、白ワインも冷えてるし、 さ、今日二度目のお風呂に入ろう。 また明日は入試採点だ。

「生活の技法2」© HARA, Keisuke 2008

Thursday, February 07, 2008

盲目の主婦

今日も早起き。身支度をして出勤。 午前、午後と入試採点業務。 今日はかなり楽に終わったので、 昼休憩と終了後の夕方にかなり事務仕事を片付けることができて、 バックログを再びゼロに戻した。 夕方の早い時間に帰る。

帰宅して、近所のワイン屋に赤、白ワインを買いに行き、 タリーズで珈琲豆を買い、 スーパーで食材を買い、 歩いている途中でうちの元執事に偶然会った。 出張中の猫の世話など、日頃の礼を言っておく。 この前、近所のバーでソムリエから聞いたところによると、 そのバーにも出現しているらしいので、 偶然店で顔をあわせることもあるかもなあと思っていたら、路上だった。 帰宅して御飯を炊き、酢飯を作って、 散らし寿司を作る。卵、三葉、高野豆腐の貧乏三色散らし。 この前、巻き寿司の具材の残りを使うために、 この組み合わせの散らし寿司を作ってみたら大変美味しかったので。 薬味は紫蘇葉、生姜、煎り胡麻。

さきほどワイン屋の K 嬢のお勧めで買った NZ の白ワイン(ペンカロウ)で、 ソファで行儀悪く散らし寿司を食べながら、 DVD で「暗くなるまで待って」を観る。 テレンス・ヤング監督、フレデリック・ノット脚本、 オードリー・ヘップバーン主演。ついでに音楽はマンシーニ。 もちろん今まで何度も TV 放映で観たけど、 やはり何度観ても、 最初のあたりの盲目の主人公と夫の会話では、 彼女の健気さ、キュートさに心を鷲掴みにされるし、 悪漢たちにあの手この手で追い詰められて行くストーリィに手に汗握るし、 ついには一人で悪者たちと対決する彼女の聡明さと勇気に喝采する。 特にその賢さだ。(冷静に考えると、 この主人公は天才か、それに準ずるレヴェルの頭脳の持ち主だと思う。) そして、あの例のシーンでは「あっ」と思う。 もともと舞台劇だったとこともあるのかも知れないが、 ストーリィにも会話にも全く無駄がない。 意味のない言葉やシーンは一つもない。 正確で、論理的で、エレガントだ。 少なくともサスペンス映画と言うジャンルでは、 世の中はどんどん退歩しているんじゃないだろうか。

Wednesday, February 06, 2008

日々のテリーヌ

7 時起床。珈琲を飲んで一服してから身支度をして出勤。 今日も午前、午後と入試採点。 昼食の休憩の間に、研究室で事務仕事に励む。 指が霞むほどの高速タイプ。 今日の採点はかなり滑らかに進み、 夕方も早い時間に一段落ついた。 入試採点は大変だけど、 朝もそんなに早いわけでもないし、 夕方には終わるし、やった分だけ結果が横に積み上がるし、 仕事をしたなあと言う感じもして、精神衛生上好ましい。 研究室でもう少し事務仕事をしてから帰る。 時間割と科目担当について理工事務と文社系事務と私の間で、 どうも話が噛み合っていない謎があったのだが、 前年の関係科目担当者に教えを乞うて、あっけなく解決(多分)。 19 時頃帰宅。

夕食はいつものようにテリーヌで空腹をなだめてから、 昨日から仕込んでおいた鶏肉でコック・オ・ヴァンを作る。 せっかく手をかけて作ったのに、 しまった、パンを買い忘れた…。 しかもワインもほんの少ししか残っていなかった。 詰めが甘いな。

Tuesday, February 05, 2008

入試採点二日目

7 時半起床。出勤。 昼食休みを挟んで、午前午後と入試採点。 今日は最後まで居残りで、 びっしり隙なく 18 時過ぎまで採点三昧。 流石にふらふらになった。 予定していた事務仕事も出来ず、 自分のオフィスに立ち寄ることもなく、そのまま帰る。

今日はずっとメイルをチェックしていなかったので、 流石に一日に一度は、と思って帰宅してからメイルを見ると、 また別の学部からの時間割変更のお願いとか、シラバス関係だとか、 じゃんじゃん委員の仕事が入っていた。 一度はバックログが空になっていたのに、 この採点業務の二日間に一気に ToDo スタックが積み上がった。 そう言えば昨日、 A 堀先生に 3 月の国際学会の事務雑用をまわすかも、 と言われて、「ええっ、でも TA 募集とか、教務がいろいろ…」と言いかけたのだが、 「そんなのたいしたことないぢゃん」 と切って捨てられ、 確かに学科で一番忙しい A 堀先生にそう言われては言い返すこともできず、 「ま、そだよね…じゃ、どうしてもってことになったら、手伝うから」 と小声で答えて、入試採点を続けたことであったよ。

由紀さおりの「夜明けのスキャット」 を口遊みながら、夕食の用意をする。 テリーヌを切って、 オリーブオイルとバルサミコ酢でドレッシングを作り、 冷蔵庫の野菜類でサラダを作り、 自炊でそこまでしなくていいだろう、 と言うくらいに芸術的に飾った前菜プレートを作り、 テリーヌを赤ワインで食べながらパスタを茹でて、 あっさりと三葉のスパゲティを作り、 スパゲティを食べたあとは、 明日の準備のために鶏腿肉を野菜と赤ワインでマリネしてやった。 食後に珈琲と採点会場でもらったチーズケーキ。

夜は「モンテーニュ エセー抄」(宮下志郎訳/みすず書房「おとなの本棚」)か、 セネカの書簡集でも読んでから、寝よう…

Monday, February 04, 2008

レバ三昧

7 時半起床。目は覚めていてもなかなか寝台から出られず。 しかし、えいやと起き出して、身支度をし、すぐに出勤。 寒い、と言っても仕方がないが、寒い。 今日から次の日曜日まで、入試採点週間。 午前、午後と入試採点。 夕方からは委員の仕事をしたり、出張届を書いたりの事務仕事。 18 時前に業務終了して帰る。 帰りの車中では、"The Art of UNIX Programming" を読む。 (原文はこちら からフリーで読める。) 再読だが、 今月下旬に某A社の天才プログラマたちと会わなければならないので、 ちょっとは波長を合わせておくため。

帰宅。 玉葱の薄切りと大蒜、唐辛子などを鍋にかけて鍋の番をしながら、 前菜に田舎風パテと、ベビーリーフなどで適当サラダ。 またしても鶏肝のスパゲティ。 つまりレバを買い過ぎたわけだ。赤ワインを一杯。 最後に残ったレバは生姜煮にした。

Sunday, February 03, 2008

パテ・ド・カンパーニュ

9 時起床。寝床でしばらく 「僕には数字が風景に見える」(D.タメット/古屋美登里訳/講談社) を読む。目覚しの珈琲。 昨日作ったテリーヌの切り口を見たくて、少し味見。 完璧。天才だ、私。進む道を誤ったんじゃないかなあ… と、しばらく健康的な勘違いに浸る。 本当を言うと、火が少し入り過ぎているようだし、 ハーブ類はもっと効いていてもいいか。 豚の背脂のダイスの代わりに、 別に調理した鶏レバを使ったのは良いアイデアだった。 テリーヌはさておき、 これまた昨日作った太巻きを吉方を向いて黙々と食べてから、 大阪のチェスクラブへ向かう。 外は寒い。雪でも降りそうだ。

午後からの二局に参加…と思ったら、 今日は名古屋と神戸で全国大会の予選が開催されているせいか、 誰も来ておらず。マスターと二人だけで対局。 白番で勝ち。 途中で、初めてと言う外国人青年がやってきたので、 私が相手をした。大阪でプログラマをしているらしい。 雑談をしながら対局。 1. e4 e5 2.Nf3 Nf6 と来て、 子供の時以来だと言うわりになかなかやるじゃないか… と思ったら、3. Nxe5 Nxe4 で、やっぱり本当に子供の時以来らしい。 すぐに終わって時間が余ったので、 マスターと手番を変えてもう一局。 今度は中盤で変なことになってしまい、 さらにはポカで不面目な負け方をした。おとなしく帰っておくのだった。 帰りの車中では、タキトゥスの「年代記」(国原吉之助訳/岩波文庫)を読む。 どうやら人間と言うものは、ローマ時代から変わっていないようだ。

夕食も自宅にて。 昨日料理したときの残りの卵液とベーコンを使って、 カルボナーラを少し作る。 次は、また余りものの鶏もも肉にハーブを載せ、 大蒜と一緒に焼いて、 ベビーリーフなど適当につけあわせてメインにする。 オレゴン "Eyrie" のピノ・ノワールを一杯だけ。 91 年だがもっと古いような良い色あい、 香りも味もなかなか。 頒布会だったので正確な料金は分からないが、おとくなのかも。

「生活の技法」 © HARA, Keisuke 2008

Saturday, February 02, 2008

太巻き、散らし、テリーヌ、鶏肝のスパゲティ

9 時起床。寒い。今日の京都は曇り空。 寝床で「モンテーニュ私記」(刈穂瑞穂/筑摩書房)を読む。 10 時頃になって寝床から抜け出し、 猫に食事を与えて、自分には珈琲。 買い物リストを作って、近所のスーパーに食材の買い出しに行く。 午前中は御飯を炊く一方で、高野豆腐を煮て、厚焼き卵を作る。 御飯が出来たら酢飯にして、巻き寿司を作る。具は高野豆腐、卵、三葉。 別に昼食を用意するのが面倒で、 余りの酢飯と具に薬味の生姜と炒り胡麻を混ぜて、 サボり散らし寿司を作った。 一緒に NZ の "Neudorf" のシャルドネを一杯半ほど。 巻き寿司のついでにやむなく作ったわりに美味しくて、 追加分まで作り、少し気持ち悪くなるくらいまで食べてしまった。

食後に番茶で一服してから、いよいよメインイベント。 鶏レバ、玉葱、大蒜を炒めて酒で香りをつけ、 生の肉類は包丁で叩いて手で練る。 このパテはこれでもいいかなあ、と言う感じだが、 パテの種類によってはなめらかな食感が好ましいときもある。 やっぱりフードプロセッサ買おうかな、と思いつつ、 ボウルにあれこれ入れて混ぜあわせ、冷蔵庫へ。 近所のバーのシェフによれば一日マリネするものだそうだが、 素人がそこまでするのもみっともないかと思い、 火を入れるのを夜にしてそれまで寝かしておく程度にする。 朝から料理のし過ぎで疲れたので、昼寝。 ちょっと横になるくらいのつもりが、二時間くらい熟睡。 ほんとうにいくらでも眠れる。

夕方起き出して、夕餉の支度。 パテ作りに余った鶏レバーを使って、スパゲティ。 一緒に NZ の "Trinity Hill" のシラーを一杯。 食後に珈琲を飲んで一服してから、湯煎作業に入る。 昼間に準備しておいたものを組み合わせて、 ベーコンを敷いたパウンドケーキ型に詰め、 ハーブ類を載せてベーコンで包み、湯煎にかける。 火の番をしながら、「モンテーニュ私記」を読む。 読了。しみじみとした本当に良い本だった。 ルネサンスを頂点にその後、 人間の精神は単調に退歩しているんじゃないかなあ… 湯煎に一時間半ほどかかる予定で、まだもう少しかかりそう。 出来てから少なくとも一日は置くので、 食べるのは明日の夜以降。

Friday, February 01, 2008

清貧のモロッコ人

今日も 9 時まで寝てしまった。 と言っても睡眠は 9 時間くらいなので、私にとっては平均的。 寝室のカーテンを開けると今日はなかなか良い天気。 神は天にしろしめし、なべて世はこともなし… もちろん、 来年度の時間割の調整が今だに終わっていないことや、 どうせ学生も院生も春休みでコモ湖畔だかバーデンバーデンだかに 消えてしまっている時期に TA 募集をしなければいけないことや、 その他もろもろに目をつぶれば、の話ではある。

ドアの外の猫の鳴き声を聞きながら、 しばらく寝台で Bonfiglioli を読む。 階下に降りて猫に食事を与え、 洗濯機のスイッチを入れ、自分には珈琲を一杯。 バックアップ作業をしながら、委員の宿題仕事。 何とか解決策を見つけた。これでうまく行けば良いが。 昼食は紫蘇葉のスパゲティと野菜くずのスープ。 単に薬味用の紫蘇葉が余ってしなびていたので使ってみただけだったが、 意外に美味しかった。 しばらく休憩してから身支度をして外出。 郵便局で用事を片付けて、バスで京大へ。 確率論セミナに参加。 終了後、河原町に寄り道して買い物。 製菓用品売り場できゃあきゃあ言っている女の子たちに混じり、 職人を気取って仏頂面でパウンドケーキ型を選ぶ。 練習用に丁度手に乗るくらいのミニサイズと、 通常の小型サイズの二つを買った。

18 時過ぎに帰宅。 委員の仕事の宿題の続きを少し。 夕食は野菜くずのスープを使って、クスクスを作る。 隠居したモロッコ人になった気持ちで清貧を堪能。 食後に珈琲を一杯。