Monday, April 30, 2007

薔薇色の人生 / お風呂で読書する方法

起床は 9 時くらい。 午前中は朝食の珈琲を取りながら、昨日の棋譜の整理。 これは酷い敗勢だと思っていたときにも、 コンピュータの判断ではかなり優勢だったりする。 私が思うに主な原因は、 たった一つでも有力な筋があれば優勢、 とコンピュータが判断することじゃないだろうか。 しかし、実際にはそんな手を次々と間違いなく指せるはずがないので、 ほとんどの手の行く先が暗いときは、現実的には敗勢だろう。 人間が局面を判断するときは、全体の雰囲気、とでも言うか、 もう少し具体的に言えば、 未来のある種の期待値や平均を取っているんじゃないだろうか。 人生が薔薇色に見えるときと言うのは、 猛烈に素敵なことが一つある、のではなくて、 気がかりもないではないが、 あれこれ楽しみなことが未来に色々ありそうな状態のことだろう。 一方、不幸な状態と言うのは、 一つ激しく嫌なことがあると言うよりは、 未来の選択肢のどれもこれも呪われているように思われる状態のことだと思う。

昼食は御飯を炊いて、だしを引き、唐辛子鶏を作って、 味噌汁とで一汁一菜の粗食。 午後は少し買い物をしてきてから、お風呂の掃除。 バスマジックリンは偉大だなあ、と思いながら掃除をしていると、 掃除道具の中に歯ブラシがあるのに気付いた。 そこまでしていたのか、執事。豆な人間がいるものだなあ。 綺麗になったお風呂にお湯を張って、昼風呂。日差しの中、湯船で読書。 私は湯船でも本を読むが、あまり一般的でない愉しみらしい。 実際、やってみると、そんなに難しいことではないのだが。 コツは、タオルを二枚用意することで、 一つは手を拭くために使い、もう一つは色々に使う。 ところで、 休日とは言え最近はさすがに、 風呂場でお酒を飲んだり、 飲んでから入ったりしないようにしている。 統計によれば、 日常生活で最も危険で、死に近い場所は風呂場だそうだ。 一人暮らしの人はお互い気を付けましょう。 夕方、執事が来宅して、冷蔵庫を空にして電源を切り、 さらに食器類を引き取って帰った。 夕食は冷や御飯で卵と長葱の炒飯、回鍋肉、若芽スープを作る。

明日と明後日は暦通りに通常営業です… 今日は絶好の行楽日和だったらしいですが、 皆さんは楽しいことがありましたか?

Sunday, April 29, 2007

アルコールの引越し / 目標以上を目標にする(つづき)

8 時起床。慌てて支度をして、日本橋に向かう。 大阪のチェスクラブ「アンパサン」にて一日トーナメントに参加。 流石にゴールデンウィークの上に、 丁度今、東京で全日本選手権も開かれているので、参加者は少ない。 十人くらいで 3 ラウンドだけのトーナメント。 結果、1 + 1 + 0 = 2.0 ポイントで同率二位を数名と分けた。 家に帰り着いたのは 19 時過ぎ。 御飯を炊くには遅いので、トマトを使ってスパゲティ。 アーリオオーリオを作って、 湯むきしたトマトの乱切りをあわせただけだが、 とても美味しく出来た。 材料が良ければ、切っただけで美味しいものだね。 食後に、珈琲。

執事から、「明後日、冷蔵庫を処分するから、 中に入っているものを移動しておくように」とメイル。 執事の冷蔵庫は、事実上、私が飲み物用に使っていた。 シャンパーニュ(ヴィルマールのゼロ)、 もらいものの泡盛(「ひとときのちゅら」)、 ジン(ボンベイ・サファイア、マティーニ用)、 ベルモット(ノイリー・プラット、マティーニ用)、 ウォッカ(ストリチナヤ)、を移動させる。

では、昨日に続いて、Pandolfini "Every move must have a purpose" より、第 15 章の後半。 名将ラスカーは、チェスの申し子、天才キャパブランカに対して、 どう戦ったか? 以下のエピソードは、キャパブランカが特に神業的なエンドゲーム(終盤戦) の名手だったことを知っていると、より興味が増すと思います。

第 15 章 目標以上を目指すこと(つづき)

…(前半は昨日 を参照)

まさにこのことが起こったのが、有名な 1914 年サンクトペテルスブルク大会の 全十回の第七ラウンド、世界チャンピオン、エマヌエル・ラスカーがホセ・ラウル・ キャパブランカと対局したときだった。 キャパブランカは 1.5 ポイント先行していた。そして、大会で優勝するのに、 ドローの 0.5 ポイントも取れば十分と思われた。 本当のところ、彼はこのラスカーとの 1 ゲーム落としてもまだ、 大会を一位で終えることが可能だったのだ。 一方のラスカーは、優勝の可能性を残すには少なくとも一つ勝ちが必要だった。

驚くべきことに、 ラスカーはキャパブランカの仕事をむしろお手伝いしたかに見えた。 ラスカーは序盤で突然、強制的にクイーンを交換し、局面を大いに単純化してしまったのだ。 観戦していた誰もが衝撃を受けた。 キャパブランカの形勢は手堅く、ほとんどの観客の目には、単に余計なトラブルを 避けてさえいれば、たやすくドローにできそうに見えた。 ラスカーの戦略はまるで意味をなしていなかった。

しかし、ラスカーは知っていた。キャパブランカが複雑な中盤戦を予測していたことを。 ラスカーは敵が最も予想していなかったことをぶつけ、単純で乾き切ったエンドゲームに 見える局面に引きずり込むことで、このキューバ人を弱体化しようとしたのだった。 そしてラスカーは成功した。ラスカーの異常な戦術に混乱したキャパブランカは うろたえ、神経質になり、そして負けた。 彼はさらにその直後のラウンドも負けた。 ラスカーは頭一つを出て、優勝した。

勝つことが必要だったラスカーは、策略を用いてまで勝つために戦った。 一方、ドローしか必要でなかったキャパブランカは、勝利を得るには 優柔不断すぎた。彼は大会での自分の順位の自己満足に捉えられ、 それは高くついた。

ドローを得るために戦うにはどうすればよいのだろうか。 優れたプレイヤーが勝つためにするのと同じやり方で、だ。つまり、 全身全霊を打ち込み、局面から全ての可能性を引き出すこと。 ゲームが何であろうが、要点は同じである。 欲しいものを得るためには、必要な以上を目指さなければならない。 これは遊びではないのだ。

これはビジネスにおいても通用するアドバイスだろう。 貴方は今、勝ちつつあるところかも知れないが、 それは戦いが勝利に終わった、と言うこととは違う。 もし貴方が負けているところならば、貴方が逆襲しない限り 落ち続けることになる。 指をくわえて見ていることはできない。それでは駄目だ。 ベストを得るには、ベストを注ぎ込まねばならない。 貴方は目標にたどりつき、そしてそれを乗り越えなければならない。 しかも、そこはまだ出発点に過ぎない。

まとめ:自分で設定した目標以上のものが得られることは絶対にない

Saturday, April 28, 2007

目標以上を目標にする

ロストロポーヴィチが亡くなったそうだ。 「偉大」とか「マエストロ」、と言う感じがするのは、 チェリストではロストロポーヴィチくらいまでかなあ。 あまり好きな演奏家ではなかったが、ちょっと感慨深い。 例えば私はバッハの無伴奏の演奏の中では、 チェロを習う前はフルニエが好きだった。 習ってからは、先生が古楽趣味に偏向していたので、 ビルスマとか鈴木が好きになった。 いずれにせよ、無伴奏を聴こうかな、と思うときに、 ロストロポーヴィチと言う選択は全く無かったと思う。

8 時起床。寝床で少し読書。 朝食は珈琲とチョコレート。 最近、体調がいまひとつなのは、この朝食がチョコレート、 って言うせいじゃないかなあ。 午前中は後回しにしていた手続を片付ける。 これまで全て執事任せだった公共料金などの支払いの切り替え。 電気、ガス、水道の公共料金を私の銀行口座からの自動振替にし、 家賃の支払いも設定した。自宅で全て簡単に設定完了。 インターネット・バンキング、万歳。ビバ、SSL。 昔、SSL の仕事をしていたときは、 こんな杜撰なプロトコルとシステムで世の中が納得するはずがない、 少なくとも銀行ではありえない、 と力説していたのだがなあ(反省)。

昼食には久しぶりに御飯を炊いて、だしも引き、 大根と若芽の味噌汁と、野菜の炒めものの一汁一菜。 朝は天気が良かったのに、 正午くらいから急に外が暗くなってきた。 時々、大粒の激しい雨が降る。 午後はトーナメント用のプレパレーションを少ししてから、 講義の予習もした。 夕方になって買い出し。 スーパーで食材を買い、タリーズで珈琲豆を買い、 ドラッグストアでシェイビング・フォームを買った。 夕食は、冷や御飯の残りを炒飯にして、 おかずはトマト卵炒め。 君はウー・ウェン先生のトマト卵炒めを知っているか。 (「大好きな炒めもの」(ウー・ウェン著/高橋書店)、参照)。 この前、天才プログラマ K さんとも話していたのだが、 このレシピが良く出来ている。 簡単に出来て、どう下手をしたところで美味しい。

ゴールデン・ウィーク企画。 Pandolfini "Every move must have a purpose" より、 もう一章だけ訳してみます。 二章くらいなら、翻訳権を持っている出版社も見逃してくれるだろう。 昨日のは結びの最終章だったので格調高い内容でしたが、 この本の他の章は大体、以下のような雰囲気だと言う例になると思います。

第15章 目標以上を目指すこと

ポイント: 努力からより多くを引き出し、後退を避けるには、全力で戦わなければならない

その頃のロサンジェルスはチェスではなくて、その酷い空気で有名だったのだが、 1963 年の夏の猛暑の中、世界最高のチェス・プレイヤーたちが国際グランドマスター のトーナメント、第一回ピアチゴルスキー杯のために西海岸に集まっていた。

第四ラウンド、前ソ連チャンピオンのパウル・ケレス(1916-1975)が、そこまで無敗の アイスランドのグランドマスター、フリデリク・オラフソン(1935-)とぶつかった。40 手ほどの 応手のあと、オラフソンはさらに一勝をあげつつあるかに見えた。その対局が指し掛け になった時点で、オラフソンの残りの仕事は複雑なものには見えなかった。 ゆっくり休んで、いくつか鍵になるラインを分析して、明日会場にやってきて勝つだけ。

しかし、チェスでは予期しなかったことが起こってしまうものだ。オラフソンが ぶらぶらと会場に戻ってくると、ケレスは全くのところ、こたえていなかった。 不屈のカウンターパンチを繰り出すことで有名だったこのロシア人は、 敵の足元に次から次へと障害物をしかけていった。ケレスは断固として、 執拗に、チェスで言うところの嫌な手を指し続け、ついにはオラフソンを完全に煙にまいてしまった。 混乱したアイスランド人は楽勝を逃がし、さらに悪いことに、既に局面は五分ですらなくなった。 そして、終盤戦の弩級の大格闘のあと、オラフソンは敗北した。これで流れは逆転し、 ケレスはその他の大事な対局に順調に勝って、当時の世界チャンピオン、 ティグラン・ペトロシアン(1929-1984)と同点で優勝を分けたのだった。

勝利の間際にいるプレイヤーは絶対に、その勝負が自然に勝てるものと 思ってはいけない。ドイツ人マスター、ジーグベルト・タラシュ(1862-1934)が説得力の ある言葉を残している。「最も難しいのは、勝ち試合を勝つことだ」、と。 真の勝負師は、優勢を勝利に変換するために、見つけられる限り最高の 正確さを目指す。英雄的な反抗を想定し、完全な支配が決して 失なわれないよう、最後まで戦い続けるのだ。強いプレイヤーは常に、 本当に欲しいものを得るために必要な以上を目指して戦う。

そしてチャンピオンは負けつつあるときでも、何かチャンスが残されている と感じる限りは、勝負を投げることはない。後塵を拝しているときでも、 すべてのチャンスで相手を引き止める。どんな機会でも、どんな可能性でも、 どんな小さな利益でも、相手が手にしたと思っている勝利をこちらのものに 逆転するために使える、ということを理解しているからだ。 ケレスは、負けることを拒否したから、勝ったのだ。

とは言え、それ以上を目指すことが純粋に無謀で、完全に不可能なときはどうするか? 確かに、合理的に考えて流石に勝利は期待できない、と言う時はある。 しかし、まだ全てが失なわれたわけではない。なぜなら、気持ちを切り替えて、 今度は「いかに負けないか」に集中することができるからだ。 つまり、チェスには「ドロー(引き分け)」と言うものがあり、いついかなる時でも、 ドローは完全な負けに打ち勝つ。 実際、ドローによって、優勢を全てそのまま保つことができるかも知れない。 ひょっとしたら、貴方を退けようとしている敵より前を走り続けられるかも知れない。 時にドローは敗北には決して出来ないことをやってのける。例えば、世界チャンピオンの 座を防衛することさえ。

まさにこのことが起こったのが、有名な 1914 年サンクトペテルスブルク大会の 全十回の第七ラウンド、世界チャンピオン、エマヌエル・ラスカーがホセ・ラウル・ キャパブランカと対局したときだった… (後半は明日に続く)。

Friday, April 27, 2007

人類の命運がかかっているが如く

9 時起床。 しばらく寝台で小説を読む。 朝食は珈琲とチョコレート。 昼食には納豆スパゲティを作った。 午後は三十分ほど仮眠を取ってから、百万遍へ。 京大での関西確率論セミナに参加。 R 大の、と言うことになるのだね、Y さんが昨日と同じタイトルで、 ランペルティ過程の滞在時間の極限定理について発表。 夕方終了してから三条に出て、 古本屋の 100 円均一コーナーで物色。 「偽のデュー警部」(P.ラヴゼイ/中村保男訳/ハヤカワ文庫)、 「悩み多き哲学者の災難」(G.ハラ/対馬妙訳/ハヤカワ文庫)、 「ジェイムズ・ジョイス殺人事件」(B.ギル/岡真知子訳/角川文庫) を購入。 丁度、開店時間となったので祇園のバーに行き、 シャンパーニュを一杯いただく。 その後、軽食を取って帰った。

ゴールデン・ウィーク企画。 昨日、バーで読んだ "Every move must have a purpose" (B. Pandolfini / Hyperion)から、最終章を翻訳してみました。 翻訳権は出版社が持っているのだろうけれど、 一章くらいなら怒られないだろう。 もし評判の翻訳書を持っている方ならば、 比較してみるのもまた一興かと。残念ながら私自身は持っていない。

結論: チェス、最後のフロンティア

私のレッスンはこれで終了。駒は全てチェス盤の初期位置に並んで、次の新たな戦いを待っている。 トーナメントを迎える私の生徒のことを考えていたら、最後の言葉の準備ができたように思う。 私はいつも生徒にこう言っている。君の対局に人類の命運がかかっていると思え、と。 そして、それは本当にそうなのだ。

ただのチェスのゲームに人類の運命が?誰かの暇つぶしの結果がどうして他の人々の 一大事なのか?ナイトをそう動かしたからと言って何が変わる?

確かにそうだ。しかし、そうではない。一つの真実の正反対は、また一つの真実でもある。 チェスプレイヤーが盤面に取り組むとき、彼等は単にチェスを指しているのではない。 一つの世界を使いながら、もう一つの世界を学んでいるのだ。

チェスは我々が必要としていることを教えてくれる。 生き残るためには機敏でなければならない。 分析し、前を見通し、計算し、再考し、戦略を立て、評価し、順序を立て、自分の頭で論理を組み上げ、 答に集中して思考すること。このようなチェスの考え方が、文明を推し進めるのだ。

複雑にからみあった関係を理解するには、段階を踏んで問題を解かねばならない。 問題を各層に分けて考え、様々な要因を同時に評価しなければならない。 そして、ものごとがどのように働くのか、直感的に感じとる力を磨く訓練と経験を 積まねばならない。どんな答を探しているときでも、答までの最短距離をまっすぐに結べ。 それが「対角線を行く」ということだ。

チェスは次から次へと新たな挑戦を与えてくれるし、 難しいパズルに戸惑うことなく解くことが要求される。 またこれから二度と見ることがないかも知れない、しかし 追い求めるべきユニークなパターンを見せてもくれる。 チェスは勇気と想像力のパートナーになってくれるのだ。 チェスはただのゲームでもなければ、我々はただの ポーンでもない。チェスは起業的冒険であり、我々の一人一人が、J.P.モルガンなのだ。

貴方はこのレッスンをどこでも試すことができる。チェス盤の盤上から 役員会議の席上まで、駒のやりとりから株式のやりとりまで。貴方の行動は 貴方の信念に基いている。貴方の信念が、引き受ける責任の基礎を形づくる。 貴方がしていることの価値を信じなさい。そうすれば成功は確かだ。

君の努力に人類の命運がかかっているのだと君が考えるのなら、 それは本当にそうなのだ。

Thursday, April 26, 2007

人生とチェス

今日も早起き。 珈琲だけの朝食をとって出勤。 早めの昼食を生協食堂で済ませて、 研究室で一服がてら講義の予習をし、 12 時半から「情報理論」の講義。 即時的コードの作り方、Kraft の不等式、 McMillan の不等式など。 続いて、14 時過ぎから 17 時少し前まで卒研ゼミS。 密度関数、独立、期待値などの復習。 18 時より、数理ファイナンス・セミナ。 発表者は紹介も兼ねて、 今年からポスドクで R 大に来ていただくことになった Y さん(夫人の方)。 ランペルティ過程の片側滞在時間の関数型収束についてなど。 少し雑務を研究室で片付けてから、すぐに帰宅。

そして今帰宅。 "Every move must have a purpose" (B.Pandolfini / Hyperion) を持って、近所のバーに夕食に行ってきます。 世界的に有名なチェス教師パンドルフィーニによる、 チェスを喩えにした人生とビジネスの指南書(?)と言う感じの本。 日本語訳も出版されているが、 びっくりするほどとんでもない翻訳で有名。

Wednesday, April 25, 2007

ホーカスポーカス

7 時半起床。珈琲とチョコレートの朝食をとってすぐに出勤。 午前は修士ゼミ。 分布と特性関数の復習など。 生協食堂で昼食をとって、 すぐに 12 時半から「シミュレーション技法」の講義。 モンテカルロ法の分散減少法について、その2。 この講義の準備中に、 二つの単調関数の積の積分について面白い不等式を知ったので、 講義とあまり関係はないのだが、長々と説明してしまった。 まあ、いいか。 講義のあとは、学科会議。 続いて夕方から、近くの料亭にて S 沢君の歓迎会。 9 時前にお開き。 そして、今、帰宅。

追悼の意味で、 カート・ヴォネガット Jr. の小説を一冊読み直した。 何故か、晩年の「ホーカスポーカス」(浅倉久志訳/ハワカワ SF 文庫)。

Tuesday, April 24, 2007

何という帝の御代のことでしたか…

8 時起床。珈琲とチョコレートの朝食をとってすぐに出勤。 午前は、卒研ゼミI。 コインを投げて、「表裏」と出るまで投げる回数の期待値と、 「表表」と出るまでの回数の期待値の計算など。 両方とも確率は 1/4 なのに、 この二つの期待値が違うと言うのはちょっと変な話だ。 計算すると確かにそうなるが、 どうして異なるのか、ハートにぐっとくる簡単な説明が思いつかない。 生協でサンドウィッチを買って、 外のベンチで食べ、そのまま講義へ。 「暗号理論」。ユークリッドの互除法の反復回数の評価など。 続いて、卒研ゼミF。 条件付期待値の復習。 続いて、教授会。 今日も例の学部のリストラクチャリングの話や、 ちょっとここには書けない(とは言え、マスコミには流れているそうだが)話など。 色々案件があって、来月も全体教授会を二回する予定だそうだ。 夕食も生協のお世話になって、生協食堂。 ぐったりしてバスで帰る。 帰宅は 9 時少し前。

注文していた「潤一郎訳源氏物語 (一)~(五)」(中公文庫)が届いた。 これは谷崎潤一郎の三度目の(つまり最後の)現代語訳だそうだ。 そんなに何度も改訳していたのだね。 後書き解説によれば、例えば、 冒頭の 「いづれの御時にか、女御、更衣、あまたさぶらひたまひける中に、 いとやんごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり」 (なつかしいなあ…)だけとっても、 旧訳、新訳、新新訳、でかなり表現が変わっている。

Monday, April 23, 2007

文学とチェス

8 時起床。家で雑用仕事をあれこれ。 頼まれていた論文の査読、締切まであと一ヶ月だが、 大丈夫かなあ… この論文を書いた人は、 きっと査読結果を一日千秋の思いで待っているのだろう、 と思ってしまうもので、私は査読の締切は絶対守る。 (滅多に頼まれないけど。) 査読は通常、三週間、とか一ヶ月、よほどの高級雑誌でも二ヶ月、とか、 かなり短い期間で提出することを要求されるのだが、 多分、数学者ではこの期日を守る人の方が珍しい。 昼食はポトフの最後の残りと、 冷や御飯が少しだけあったのでミニ・オムライスを作った。 午後は少し昼寝してから、また雑用。 あ、第一回教務委員会議の通知メイル。憂鬱だなあ… 夕食にはインスタント・ラーメンを作った。 と言うのも先日、ヌードルスープを作るために、 「サッポロ一番」の 5 個セットを買ってしまったので。

チェス関係のサイトで、私の大好きな、とても洒落たものがある。 "Literary Chess Agora" と言って、 チェスが出てくる小説などからの引用を紹介しているサイトである。 ページのデザインがとても綺麗だし(プロなのかも知れない)、 ちょっとだけある短い日記のようなものも面白いし、 珍しい(チェスが出てくる)短編小説の翻訳も読める。 チェスのことを良く知らない人でも楽しめると思います。お勧め。 ただ欠点は、 あまり更新されないことと、 その上、rss に対応していないのでいつ更新されたのか分からないこと。 管理人の方には是非、rss 対応を考慮して欲しい。 今、このサイトのあちこちを観ていたら、 一箇所に私の名前が挙げられていることに今頃気付いた。 かなり前のことのようだが、ちょっと嬉しい。

Sunday, April 22, 2007

ラスト・1マイル

9 時起床。大事をとって今日も自宅で安静にすることにした。 午前中は NTT の光ファイバ引き込み工事に立合い。 数日前に家のごく近所で工事が行なわれていて、 そのときから私の家のすぐ前の電話線にファイバらしきものをまとめた束が現れたことからして、 ラスト・1マイルの工事は、 「家のすぐ前まで」と「そこから家の中へ」、の二段階に分かれているようだ。 そしてついに、我が家にも光が! ADSL に比べて驚くほどでもないが、 お、速いな、と言う体感はある。 公称最大値 100 Mbps のところ、 実効で 40 M から 50 Mbps くらいの通信速度のようだ。 しばらく様子を見て問題がなければ、コスト削減のため、 予備に残しておいた電話回線も光に統一する予定。 執事の無線ルータの撤退も近いので、無線化が直近の課題。 昼食はポトフと冷や御飯。 午後は読書をしながら、 NTT の契約に付属している某トレンド・マイ○ロ社の セキュリティ対策ソフトでウィルス検索。 咳はほとんどおさまってきた。

ゴールデンウィーク中の 3, 4, 5 日に東京で行なわれるチェス・トーナメント に参加することを決め、JR とホテルの予約をした。 平行して行なわれる全日本大会に出場できなかったのは残念だが、 せめてクラス入賞を目指したい。 明日から序盤のプレパレーションかな…

Saturday, April 21, 2007

チョコレートと塩

9 時起床。天気はいま一つだが、気温は高い。 (結局、気温はぐんぐんと上がり、25 度近くまで上がったらしい。) 朝食はカフェオレと執事にもらったお土産の "Toblerone"。 そう言えばそんな名前だった。 午前中は Problem Paradise の問題を考えたり。 新学期の忙しさにかまけて、まだ全然解けていない。 通勤車内で解こうとするのだが、 二手ヘルプすら何故か全く解けなくて困っている。 二手問題も全部解けなかった、となると、 ついに今回は解答提出なしか… 昼食は昨夜作っておいたポトフ。 お家で美味しいポトフを作るコツは、 ソーセージを入れることだと思うのですが、いかがでしょう。 多分、おでんを作るときに、 練り物に良いものを使うといいのと同じ理由で。

相変わらず咳が取れず時々苦しいので、 完全休日にしようとパジャマのままくつろいでいると、執事が来宅。 新居との間をまた往復して荷物を移している。 引っ越す荷物は今日が最後で、後は捨てるものの処分だそうだ。 二階の部屋を見せてもらうと、確かにほとんど何もなくなっていた。 もうそこのクローゼットも空にしましたよ、 と言うので、二階の書庫の前のクローゼットを開けると確かに空。 しばらくじっと、その広さ 1 メートル四方、 床から天井まで空っぽの空間を見ていると、 「そこは電源がないので、セラーにはなりませんよ」 と忠告された。じゃあ、コート用のクローゼットか、本棚かなあ。 まるごと空いた一部屋は今のところ、そのまま放置する予定だが、 いずれは本に侵食されるかも。

その後は夕方まで、パジャマのまま寝床で猫と読書。 この猫もすっかりマダム風の貫禄が出てきたなあ、 と布団の上で横に寝そべって不敵にこちらを睨みつけているクロを見て思う。 もう 7 歳くらいのはずなので、人間に換算すれば、 僕と同じくらいなのだろうか。 夕食に御飯を炊く。前菜に手羽先を焼いて、ゲランの塩 (執事のお土産その2)で食べる。スペインのワイン。 御飯とポトフ。

Friday, April 20, 2007

人生のセラー

8 時起床。 朝食は珈琲のみ。せめてカフェオレにしようかな… 今日は良い天気で、気温も高い。すっかり初夏。 風邪の咳がまだ残っている。 午前中は一週間分の洗濯など家事をして、 昼食は手羽先のヌードルスープ。 スープは手羽先と葱の青いところと生姜を煮込んで取り、 麺は「サッポロ一番」の麺を割って使いました。 大体、「スープの本」(南風食堂/主婦と生活社)のレシピ。 風邪に良さそうかな、と思って。

百万遍へ向かう。京大での関西確率論セミナに参加のため。 先月まで使われていた部屋に行くも、 そもそも閉まっていて、誰の来る様子もない。 ひょっとして新学期から部屋が変わったのかも、 と思って建物を出たところで Y 君に会って、 正しい部屋に連れて行ってもらった。 私が間違った建物に向かって歩いて行くところを、 学生が目撃していたそうで、 それを聞いてわざわざ出向いてくれたようだ。 やはり、もとの数学の建物の改修工事が終了したため、 元来の場所に変更されたとのことだった。 今日は K 大の F 君が修論の話のさらなる進展を発表していた。

夕方、終了してバスで大宮に戻り、 ワイン屋さんで注文していたものを受け取って帰宅。 コンシェルジュに「そろそろセラーをお買いになっては」と誘惑されたが、 そもそも自分自身に引越しする可能性があるとなかなか考え難い。 そう言えば、この前、天才プログラマ K 氏が、 田舎の広島に建てた家にセラー用のスペースを作ったと言っていた。 毎年若い良いワインを買って定期的に実家に送りつければ、 飲みたくても飲めないので、 ちゃんと長いスパンでワインを寝かせておくことができ、 仕事を引退して田舎に戻ったころには、 素晴しいコレクションが出来ていて、 それを飲んで余生を過す、と言う遠大な計画らしい。 どこがどうとは言えないのだが、うまく行かないような気がする。 この計画がうまく行くくらいなら、同じ理屈で、大抵の資産運用もうまく行く。 何故かそう出来ないところが、人間ってものじゃないだろうか。

夕食は湯豆腐であっさり。 その後、明日以降のために、 鶏手羽先、ソーセージ、野菜色々でポトフを作り置きする。 味見といいつつ、皿一つ分は食べた。

Thursday, April 19, 2007

図解

8 時起床。 珈琲だけの朝食をとって出勤。 風邪の咳が残っていて、辛い。咳って体力を消耗する。 研究室で少し今日の講義の予習のおさらいをして、 生協弁当の昼食をとり、 12 時半から「情報理論」。 一意復号可能コード、即時的コード、prefix コードなど。 やはり二回目になって、聴講者が半分くらいに減っていた (多分、約 50人?)。 おかげで今日は通常の数学らしい講義ができた。 とは言え、油断してはいけない。 念には念を入れるため、 再度、出席点やレポートはないことを説明した上、 「定期試験では、本、ノート、コピーなど持ち込みを全て許可する」 と発表しておいた。 講義の後、続いて 14 時過ぎから卒研ゼミS。 デュレットの確率過程論の易しい教科書。 大学院進学者向けのゼミなので、 さすがに学生が熱心だし、良く出来るようだ。 聞いていると、もう少し程度の高いテキストでも良かったかな、 と思ったが、やはりそこは四年生で、ちょこちょこと甘いところがある。 しばらくはこれでよかろうと言う感じ。 二人それぞれが発表して、17 時半までやった。 今日は数理ファイナンスセミナはお休みらしい。

一週間の講義が終わった… 夕食に近所のバーに行こうかとよほど思ったが、 前の日曜、月曜の贅沢を反省して、やめておく。 近所の定食屋で夕食。

時々、amazon に変な本を勧められて、 理由は分かるものの、 そういうつもりじゃないんだけど…と思うことがありませんか。 「ゴスフォード・パーク」(R.アルトマン監督, 2001)の DVD を買ったから、 と言う理由で勧められた本が、 「図解 メイド」(池上良太/新紀元社)。 18 世紀から 19 世紀にかけてのイギリスを中心に、 細分化された職種、給料、食事、余暇など、 使用人の生活の様々な側面を図解した、真面目な資料本らしいです。

Wednesday, April 18, 2007

クッキング・タイマ

7 時半、起床。朝食は珈琲だけ。いかんなあ。すぐに出勤。 午前の部は、修士ゼミ。確率過程論の易しめの教科書。 卒研とは違って修士のゼミは、真似事とは言え、 二年で自分の研究をまとめて修士論文を書くところまで 持っていかなくてはならない。 何か修論用のいいネタないかなあ… またランチのための時間は 20 分しかない。 生協食堂で慌てて昼食をとって、そのまま講義室に向かう。 続けて、「シミュレーション技法」の講義。 大数の法則、モンテカルロ法の収束オーダ、など。 今日は学科会議はなし。 今年の学科長は二週間に一度くらいのペースを考えているようだ。 雑用をあれこれしてから帰る。

夕食には、しめじのスパゲティを作った。 食後に珈琲。 普段はタイマを使ってパスタ類の茹で時間を測っているのだが、 時々、うっかりタイマが動いていないときがある。 その時はやむを得ず、 かなり早い時間から小まめに味見してタイミングをとるので、 却って上手に茹で上がる。 いつもそうすればいいのだが、やはりタイマは便利なのでサボってしまう。 少し講義の予習。全く初めての講義があると予習が辛い。 夜はまた「ゴスフォード・パーク」の続きでも観て、癒されよう。

Tuesday, April 17, 2007

お茶は 4 時、ディナは 8 時、殺人は真夜中

8 時起床。珈琲だけの朝食をとって、 ゴミを出して、すぐに出勤。 午前中は卒研ゼミI。 テキストは「確率論へようこそ」(旧「確率問題ゼミ」)。 初めてのわりに、発表の上手な学生だった。 昼休憩は時間割上 20 分しか用意されていないので、 研究室でサンドウィッチを口に押し込んで、次の講義へ向かう。 12 時半から「暗号理論」。初等整数論の初めのところ。 ユークリッドの互除法とか。 四年生は静かに聴いてくれるし、何より人数が少ないのがいい。 続いて、14 時 10 分より、卒研ゼミF。 テキストは「ファイナンスの確率解析入門」(藤田岳彦)。 その後は研究室で講義の予習をして、夕方帰路につく。

夕食はまた鍋料理。後で雑炊。 流石にもう仕事をする気になれなくて、 DVD で「ゴスフォード・パーク」(R.アルトマン監督、2001年) を観ながら、ゆっくり過す。 執事のプレイステーション2を DVD プレイヤとして使っていたので、 やむをえず、ノートブック PC で。 他のことも(ネット・サーフィンとか?)しながら観られるのはいいけど、 やっぱり趣きに欠けるなあ…

Monday, April 16, 2007

タイタン

8 時起床。今週から午前中のゼミも始まるので、 やや早寝早起きにシフトするように努力。 朝食は紅茶のみ。珈琲豆が切れている。買いに行かねば。 昼食は御飯を炊いて、豚汁と納豆。 講義の予習など、お仕事に励む。 夕方になって待合せのため、四条に出る。 少し時間があったので、 追悼の意味でカート・ヴォネガットJr. の文庫本を買う。 書店のポップ広告で初めて知ったのだが、 今、ヴォネガットの「タイタンの妖女」(浅倉久志訳/ハヤカワ SF 文庫)は、 爆笑問題の太田光さんが「人生を変えた一冊」として絶賛したために、 若者に売れているんだそうだ。 どんなきっかけでも名作が広く読まれるのは結構なことではある。

19 時少し前に南座の前で天才プログラマ K さんと待ち合わせて、 近くの焼き鳥屋へ行く。 焼き鳥屋と言う割に、野菜の焼き物がとても美味しい。 でも、焼き鳥自体はちょっと上品過ぎるような気がした。 最初にビールを一杯ずつ、その後、イタリアの白ワインを一本開けた他、 赤ワインをグラスで一杯ずつ。 22 時くらいまで飲んでいて、私は先に帰る。 K 氏はさらに二次会で奥さんと合流するようだった。

Sunday, April 15, 2007

径山寺味噌

やや早めの時間から、松ヶ崎のお鮓屋さんで会食。 某 A 社の誇る天才プログラマ K さんと、その奥様と。 現在、国際会舘で行なわれている産婦人科学会に奥様が参加されていて、 K さんはそれにあわせて休暇を取ったらしい。 最初にグラスでシャンパーニュを一杯ずついただいてから、 ワインは K さんが決めたので良く分からないが多分、 シモン・ビーズの 1990 年と、シャンボール・ミュジニィの何かの 1989 年。 89 年や 90 年なんてつい最近、と思ってしまうのだが、 良く考えたら二十年近く前のヴィンテージだね。 最初の三種盛りに、烏賊の径山寺味噌和えが出て、懐しかった。 K さんのお祖母さんも径山寺味噌が好きだったそうで、 和歌山だけのカルチャーと言うわけでもないのだなあ、と (K さんは広島出身)。 また、K さんのお祖母さんも着物を作っていたそうで、 意外な共通点がまた発見された。 お鮓はいつもの如く大変結構で、 K さん評では、今日は特に酢飯が良かった、とのことである。 結局、また10 時半くらいまで長居してしまって、 最後に手作りのロールケーキと紅茶までいただいてしまった。 こういうものは「いかがですか」と言われたら、 即、丁寧に御遠慮させていただいてお勘定を頼むものなのだが、 お行儀を知らない東京人たちで申し訳なし。 また個人的に来店して、よくよくご挨拶しよう。

明日の夜は、奥様の方はお医者さまらしく料亭に行ったりされるらしいので、 残された K さんと二人で南座近くの某焼き鳥屋さんに行く予定。 またしても、更新がかなり遅くなります。

Saturday, April 14, 2007

桐壺返し

思い立ったが吉日、と思って、 谷崎訳の源氏物語「潤一郎訳源氏物語」(中公文庫)、全五巻を注文した。 ゴールデンウィークにでも読むかな… 桐壺返しになりませんように。

9 時起床。今日は良い天気。 まだ風邪が残っているようだ。喉が乾いていて、声が出し難い。 今日は猫以外に誰とも話す予定がないから、まあ良いのだが。 午前中は洗濯や、プロバイダのプラン変更申し込みなど、 家事をあれこれ。昼食には拉麺を作った。 身体が本調子でないと料理も手を抜きがち。 午後は講義の予習など。 新学期が始まったばかりで、 まだ研究時間の取り方が良く分からない。 それどころか、毎週の講義とゼミに追いついて行けるのだろうかが、 まず第一の不安。そんなわけで、暇をみつけては、 講義の予習の貯金をしている。 もう春だけど風邪気味なので、 体があたたまりそうなものをと思って夕食は鶏鍋。 鍋の後は雑炊。

明日の夜は、 某 A 社の誇る天才プログラマ K さんとその奥方を迎えて、 お鮓屋さんで会食の予定。 多分、更新がかなり遅くなります。

速報: カスパロフ、逮捕(BBC)追加(BBC)

Friday, April 13, 2007

The Tale of Genji

今日の丸一日を自宅静養にあてる。 朝食は珈琲のみ、昼食は近所のベンガルカレー屋さんで。 食後、寝台で「ハンニバル・ライジング (下)」(T.ハリス/高見浩訳/新潮文庫) を読み終える。 なかなか面白かった。レクター博士は画家のバルテュスと親戚、 と言う設定だったはずだが、この小説では、 バルテュスと節子夫人を枠組みとして借りたらしい叔父夫婦に 戦争孤児として引き取られて育ったことになっている。 そこで日本人女性「ムラサキ」に日本文化の薫陶を受けて成長し、 かつて妹を殺した戦争犯罪者たちに復讐する、と言うお話。 ハリスは流石にかなり勉強しているようで、日本文化について大きな誤解はない。 実際、ハリスは源氏物語の大ファンなのだそうだ。 外国ではかなり源氏物語("The Tale of Genji") が読まれているように思う。 そうだとするとちょっと恥ずかしいのだが、 私は源氏物語を現代語抄訳版でしか読んだことがない。 やはり少なくとも谷崎の全訳か、 出来ることなら原文で読むべきだろうなあ… 高校の「古典」の授業以来だけど。

その後、 少し眠るつもりだったのだが、二時間以上寝てしまった。 早めの夕食はスパゲティ。 スープストックをとったときの鶏肉にカレー風味をつけて味を整え、 スパゲティと和える。

Thursday, April 12, 2007

たこ焼きパーティ

9 時起床。熱はほとんど退いた模様。 珈琲だけの朝食をとって出勤。 生協食堂で昼食。 すぐに 12 時半から、「情報理論」の講義。 部屋に行くと、後ろの席までびっしりと 100 人くらいの学生が座っていて、 部屋を間違えたのかと思った。 講義を始めてもいつまでも騒がしくて、まるで数学の講義にならない。 文系の産業社会部でのマスプロ授業みたいな印象。 今の高回生くらいから 100 人規模の入学者を取るようにしたのだが、 どうしてそんなことになったんだったかなあ… 「数は力だ」の論理だろうか。 このあたりの回生から学生の雰囲気も今までとは全然違う。 100 人規模の学生をねじ伏せるようにしての講義で、 風邪気味の身体にかなり堪えた。 最初の講義だから様子を見にほぼ全員がやって来ただけで、 来週からは少なくなってくれるだろうと信じたい。

研究室に戻って、自動販売機で買ったコーラを飲みながらぐったり。 でも大声で講義したのが良い運動にはなったらしく、 かなり体調が戻った。おそらく明日には完治しそう。 しばらく、「ハンニバル・ライジング」(T・ハリス/高見浩訳/新潮文庫) を読んで、子供時代のレクター博士に共感しつつ、休憩。 家の没落ってのは辛いものだね。 そのあとはセミナまで講義の予習など。

18 時から今期から新しく企画された数理ファイナンス・セミナに参加。 リサーチレヴェルと言うよりは、院生中心のややソフトなセミナになるらしい。 全国の数理ファイナンス業界人にファンの多いクォータ、 院生の I 井さんが世話人として第一回の発表者。 業界用語で言うところの「クレディリ」、 クレジット・リスク(債務不履行リスク)の数学的モデルの話。 企業が借金を払えなくなって破綻するリスクをモデル化して、 社債の値段を計算する分野だが、 素人目には現実の判断に使える精度が出そうにないような。 次回以降は、新任の S 君、Y さんなどに入門的な話をしてもらう予定。 続いて、19 時から研究室にて、 新任の S 君、Y さん、I さんの歓迎会として、たこ焼パーティ。 さすが関西人はどこにでもたこ焼プレートを持っている。 国際シンポジウムから仕切り屋として頭角を現してきた I 村さんが今回も仕切り屋。 野望と戦略の男 A 堀先生がいつまで飲むのか測り知れないので、 一応は体調を慮って、早めに帰ることにする。 たこ焼き作りにいつにない厳しい態度で臨む Y 富先生の姿と、 某院生が教育実習に行ったときのこと、 生徒に「昭和臭い」と言われた、と言う話が印象的でした。

今、私の研究室。これから帰ります。

Wednesday, April 11, 2007

シミュレーション

9 時起床。珈琲だけの朝食をとって出勤。 食欲がなくて、 昼食は生協購買部で買った小さなサンドウィッチ一つ。 12 時半から講義。「シミュレーション技法」。 前半は、シミュレーションとは何か、 の一般論と言うよりも単に、私はこう思う、と言う意見。 後半はモンテカルロ法の原理。 講義の後、次の会議までの時間を使って、来週の講義の予習。 16 時から学科会議。二時間ほどで終了。 すぐに帰る。 手早く作れるもの、と言うことで、 鶏ガラのスープを使って煮麺と、肉じゃがの最後の残り。

月曜あたりから体調がおかしかったのだが、やはり風邪らしい。 食後、発熱でダウン。 元来、身体だけは丈夫な田舎者なので、 今夜おじやでも作って食べてすぐに寝れば、 明日の講義中くらいに治るはず。

教授会

9 時起床。珈琲だけの朝食。 郵便局で用事を片付けてから、一旦家に戻り、 お弁当を持って出勤。 お弁当と言っても、冷や御飯とおかずの残りを詰めただけ。 研究室で昼食をとってから、 12 時半から「暗号理論」の講義。 今日は暗号とセキュリティ問題の一般論。来週から数学らしいことをする予定。 夕方からの会議までの時間を論文コピーなど雑用で過す。 夕方から今期初の教授会。 学部どころか大学全体の行方を左右する超弩級の議題で、 紛糾の上に盛り上がりに盛り上がった教授会は 22 時過ぎまで、 およそ 6 時間弱、続いた。 夕食のための休憩すらなしでぶっ続け。 帰る電車がなくなるので、あわてて帰り支度をしてバスに飛び乗り、 キャンパスを後にする。 南草津駅近くのカレーライスのチェーン店で遅い夕食をとって、 電車を乗り継いで帰宅したのは、今。つまり、24 時過ぎ。

お風呂入って、シャンパーニュ飲んで寝ます。

Monday, April 09, 2007

三角柱の箱

9 時起床。NTT からの電話で工事日を設定。 今日は良い天気だ。気温もまずまず高い。 出勤して午前中にキャンパスに到着。 正午頃から、新卒研ゼミの学生を集めて内容の相談。 卒業見込単位を揃えられなかった一人が減ったものの、 十人の卒研生を抱えることになった。 相談の結果、学生を三つに分けて、卒研ゼミI:易しい(離散的)確率論、 卒研ゼミF:数理ファイナンス、卒研ゼミS:確率過程論入門、で組織。 発表者はこの内のどれかに属するが、他のゼミにも参加可能。 その後、院生もやってきて、修士ゼミも設定。 結局、今期は講義が三つとゼミが四つ。大丈夫かなあ…私。 後はあれこれ細かい仕事をする。 TA の方々に教科書の件でメイルを書いたり。 面倒そうな論文の査読を一つ引き受けたので、その書類を編集部に送ったり。 勉強になっていいかな、と自分を追い込んでみたが、吉とでるか。 この方面に詳しい O 先生と偶然会ったので、 その分野の状況をざっと聞いて、資料を少しもらう。 夕方に一段落ついてキャンパスを後にする。

夕食は御飯を炊いて、また肉じゃがで夕食。 でも具が少なくなった上に古くなった豆腐を追加したので、 肉じゃがと言うより、肉豆腐。 その傍らで、鶏ガラと葱と生姜を二時間ほど煮込み、 スープ・ストックを取った。 夜に執事がやってきて、荷物の整理などをしていた。 移すものは移したが、捨てるものがまだあれこれ残っているらしい。 明後日から新婚旅行と従姉妹の結婚式への参列を兼ねてパリに行くらしいので、 おみやげを頼む。 「マカデミアン・ナッツでいいですか?」 と言うので、 「名前は知らないけど空港に山ほど売っている三角柱の箱に入ったチョコレート」 にしてくれ、と答えておく。 モンサンミシェルのサブレでもいいけどさ。

Sunday, April 08, 2007

テンポ

9 時起床。 珈琲だけの朝食をとって少し家事をしてから、 近所の小学校に選挙投票に行く。 物凄い老人率に驚いた。 見かけた人々の 90 パーセント以上が 60 歳以上と思われた。 選挙運動はこの層に向けて集中するべきだろう。 昼食に肉じゃがの残りと冷や御飯を食べてから、 日本橋のチェスクラブに向かう。 午後から二局の参加。 白番で格下に勝ち、黒番で格上に負けた。一勝一敗 1.0/2.0。 その後、クローズまで時間があったので、 遊びでブリッツ(電撃戦)を二局。10分ずつのギロチン。 一勝一ドロー 1.0 + 0.5 = 1.5/2.0。 帰宅したのは 19 時過ぎくらい。 納豆スパゲティを作って、白ワイン。 セバスチャーニのシャルドネ。お、意外にいける。 わかりやすくも親しみやすい美味しさ。

昨日の解答。 味噌は、もし白が先手でなくて黒が先なら簡単に勝っていることに気付くこと。 例えば、Kh6 ならば Qf8 でルークが取れるし、 Rg8 ならば Qh5 でメイト、Rg6 も Qxg6 の次で簡単にメイト。 ルークを大きく動かす手(例えば、Rg1 など)は、 クイーンでチェックを繰り返して、キングとルークの両取りができる。 よって、手番を入れ代えるような、いわゆるテンポ・ムーヴが正解。 つまり、 1. Qe4+ と後ろに引いて王手してから、 2. Qa8+ と左上隅で王手! さらに、3. Qe8 と三角形を描いて元の位置に戻る!! すると、問題図のままで黒の手番になっているので、上の通り勝ち。 (正解:1. Qe4+ Kg8(Kh8) 2. Qa8+! Kh7 3. Qe8!! White wins. 他はもっと早くメイト。 1. ... Kh6 2. Qh4#, 1. ... Kh8 2. Qa8+ Rg8 3. Qh1#.)

Saturday, April 07, 2007

Q vs. R

今日も選挙カーで目を覚ます。 最後のお願い、だそうだ。本当に最後にして下さい。 寝床で姿勢を変えている内に、NTT から電話。 光ファイバの敷設工事の順番がようやく回ってきた。 ついに我が家にも光が。 朝食には随分遅い時間になってしまい、 珈琲、パンを一切れ、クリームチーズの朝昼兼食。 今日の京都は曇りときどき雨。気温もやや低い。 午後、寝間着のまま暮らすには寒いので、 寝台に入って本を読みかけたら、 布団の冷たさが気持ち良くてそのまま眠ってしまい、 気付いたら夕方になっていた。 まだぼうっとしたまま、買い出しに出る。 本屋で本、ワイン屋でロゼのシャンパーニュ、 スーパーで食材を買って帰る。 夕食には肉じゃがを作った。 自動的にあと二食は肉じゃが。

就眠儀式として考えているエンドゲームが、 クイーン vs. ルークのセクションに入った。 盤上に 4 つしか駒がないのに、とても難しい。 ポーンのないエンドゲームでは、 ビショップとナイトだけで詰めることが良く話題になるのだが、 実際これはそんなに難しくないし、 実戦で現れる可能性はほぼゼロである。 本当に難しいのは、このクイーン対ルークの終盤。 どれくらい難しいかと言うと、グランドマスターどころか、 世界チャンピオン級でも間違うくらい難しい。 カルポフのコーチ、ザイチェフの逸話によれば、 1980 年代半ばにアムテルダムであったトーナメントでのこと、 あるコンピュータセンタをカルポフが訪ねた。 そこにクイーン対ルークの終盤を指すコンピュータ・プログラムがあり、 当然、一つやってみないか、と言うことになった。 第 12 代世界チャンピオン、 カルポフがクイーン側を持ってチャレンジしたが、 画面に詰みまでの手数が表示されてさえいたにも関わらず、 50 手以内に詰められなかったそうだ(ポーンがなくなってから、 50手以内で詰められないとドロー)。 まだ話はここで終わらない。 丁度、そこに居合わせたのがカスパロフである。 「おい、俺にやらせてくれよ」と始めたのだが、 カスパロフも詰めることに失敗したと言う。

その悪魔的な難しさをちょっぴりでも味わっていただくために、 左の局面はいかが。Q vs. R 問題の基本とされている形。 将棋を知っている方なら誰でも考えられます。 白が先手で黒を詰めて下さい。 クイーンは飛車と角を合わせた駒、ルークは飛車。 チェス独特の「ステイルメイト」のルールを説明するために、 誤答を一つ挙げておく。 1. Qf8? は、1. ... Rg6+ 2. Kf7 のあと、2. ...Rf6+! と王手するのが妙手で、白は R を取らざるを得ないが、 取ったところで、次に黒が王様を動かす手がない。 これはステイルメイトと言うドロー。 今、王手をかけられていなくて、 どの駒も動かせないとき、チェスでは引き分けになる。 これを回避して詰めるにはどうすれば良いか。

Friday, April 06, 2007

夜はやさし

ちょっと夜更かししたら寝坊。10 時起床。 珈琲とパンとクリームチーズの朝食。 メイルで二つほど仕事の連絡をしてから、 洗濯、掃除機がけなど家事に励む。 昼食は昨日買っておいた鯵のおつくりをちらし寿司にして食べる。 食後すぐにキャンパスへ。 キャンパスは、 新人を獲得するためのサークルや同好会の露天で大賑わい。 コンサートもあちこちで行なわれていて、 その猛烈な騒音にも負けず、あれこれ雑用。 教務委員としての初仕事は TA (ティーチング・アシスト)をしてくれる学生・院生たちの教科書手配。 TA はまだ全員揃っていないようだが、 暫定のデータをもらって、先に教科書を注文。 それでも二週間くらいは講義スタートに遅れそうだが、 色々な事情から今のところこれで最善。 各学科の TA のデータなど必要なリスト作成にも手をつけておく。 そうこうしている内に新しく R 大に赴任したプロバビリスト S 君が 挨拶にやって来てくれた。 今期から S 君の他、ポスドクで Y さん(奥さんの方)も赴任。 二人ともテンポラリなポストではあるが、 これでますます確率論陣営が大きくなった。総勢 7 名かな… 戦略と野望の男、A 堀先生の「数は力だ」理論の成果だろう。 来週の卒研ゼミの打合せのための準備をしてから、キャンパスを後にする。

帰宅は 19 時半くらい。 御飯を作るにも遅くなったので、 文庫本の「優雅な生活が最高の復讐である」 (C.トムキンズ/青山南訳/新潮文庫)を持って、近所のバーまで歩く。 海老とトマトとあさつきのキッシュ、子牛の頬肉のポトフ。 ポトフには牛蒡、芥子菜、じゃが芋のつけあわせ。 今日はどれも苦みが効いた大人の味つけだった。 ちょっとスノッブ過ぎるような気もしたが。 家まで帰る途中で小学校の門からあふれるような満開の桜を見た。 私くらいの年になると、「あと何回くらいかな」と思うようになるとは言え、 いつ見ても桜はいいものですね。

Thursday, April 05, 2007

珈琲 / 茶粥 / 珈琲

今日も選挙カーに起こされて早起き。 早く目が覚めると、寝台からなかなか起きられない。 姿勢をあれこれ変えている内に、 寝台横の本棚のウッドハウス「サンキュー、ジーヴス」 (森村たまき訳/国書刊行会)が目に入った。 しばらく寝台の上の日差しの中、 本を片手にくすくすと笑っている内に半時間くらい経っていた。 ようやく起床して、階下のキッチンで珈琲のみの朝食。 悪魔のように黒く地獄のように熱く天使のように潔く恋のように甘い。 いさぎよい、と言う言葉を「清らかで純粋」の意味で使うのって、 ちょっと新鮮だな。 珈琲でようやく正気になってきた。 午前中は家事をいろいろ。 光熱費等の切り替え問題はうまく行っていない。 一人で暮らすのって大変だ。

昼食には炒飯を作る。 私は電気炊飯器を持っていないので(土鍋で炊いてます)、 冷や御飯が常にできて、冬なら雑炊、 それ以外の季節は炒飯の類が定番になってしまう。 もうちょっとヴァリエーションを考えたい。 そう言えば、祖母が元気だった頃の実家では毎日必ず茶粥にしていた。 茶粥は私の田舎のカルチャーらしくて、 「はぶ」と言う植物の種を炒ったものを袋に入れ、 冷や御飯と一緒に煮て粥にする。具は何もない。 これが毎日の朝食で、 寒いときは温かいまま、暑い季節には冷やしたものを食べる。 祖母は径山寺(きんざんじ)味噌だけをおかずに、この茶粥を食べていた。 径山寺味噌も私の田舎のカルチャーで、 野菜の味噌漬けのような発酵食品である。 祖母は昔の人らしくなく漬物全般を嫌ったが、 径山寺味噌だけは例外だった。 そう言えば祖母はちょっと味覚が変なひとで、 好物は砂糖とクリープをたっぷり入れたインスタントコーヒーだったっけ。 私の実家ではもう茶粥を作っていないし、 おそらくもう、地域全体でも失なわれた文化かも知れない。

午後はまた講義の準備。 お三時に黒パンとクリームチーズと珈琲。 夕方、運動のために少しチェロを弾いてから、夕食の買い出し。 夕食は御飯を炊いて、麻婆豆腐と葱のスープを作った。

Wednesday, April 04, 2007

紙の家

選挙カーに起こされて早起き。大通りに近いので、うるさくてかなわない。 日本の家屋は騒音に弱過ぎると思う。 木と紙で出来ているのでしようがないけれど。 そう言えば、昔読んだ日本が舞台の翻訳ミステリ小説に、 主人公の探偵がカミソリで家屋に侵入する場面があったなあ。 日本の家は折り紙のテントじゃないんだから。とは言え、 それもまあ、そんなに本質を外していないようには思う。 今日もかなり寒い。朝食は珈琲のみ。 昼食にはカルボナーラを作った。 本の整理と、講義の準備など。 今期は「暗号理論」、「シミュレーション技法」、 「情報理論」の三つを講義する。 どれも私の本来の専門ではない。何でも屋の面目躍如というところか。 今日、講義の準備をしていた「シミュレーション技法」は、 やや自分の専門に近付けるために、 主に確率的なアイデアによる問題解決法を扱う予定。 モンテカルロ法とか、焼き鈍し法(アニーリング)とか、待ち行列とか。 夕食は御飯を炊いて、一汁一菜の粗食。

執事の引越しは、仕事の昼休憩や夜に私の家にやって来て、 自分で近所の新居まで歩いて荷物を運ぶ、 と言う素朴かつ低コストの方法でゆっくりと暫定的に行なわれているようだ。 二つある本箱を処分する予定だと言うので、 私が両方とも引き取ることにした。本棚の類はいくらあっても構わない。 書庫の壁は既に全て使っているので寝室の壁側に置いた。 これで寝室の壁側には本箱が 4 つ。

フォローアップその1: 昨日の 「姉妹店?」について、すぐに情報をいただきました。 やはり二条駅前の新しい店は、 「クチーナ・イル・ヴィアーレ」の姉妹店だそうです。
フォローアップその2: 一昨日の 「チョッコレイト」 について。京都でもこの CM を放映しているとのことです。 「8人の女たち」でエマニュエル・ベアール演じるメイドさんにも ちょっと似てません?

Tuesday, April 03, 2007

姉妹店?

急に気温が低くなった。まだコートを片付けなくて良かった。 長葱と卵の炒飯の昼食をとってから、出勤。 あれこれ雑務をして、夕方から今学期初の学科会議。 二時間強で終わったが、どうして会議はこんなにぐったりと疲れるのだろうか。 ただ座っているだけなのだが。 会議が終わったあとに、 昨年度に教務委員を勤められた先生から一年間の資料をいただく。 大変に几帳面な先生で、資料や議事録と一緒に、 一年間の仕事の流れをまとめたメモまでついていて、大助かり。 こういう方を有能な人と言うのだろう。 そして、そう、今年の教務委員は私なのだ。 それは御愁傷様です、と思った方は、大学事情に詳しい。 今年を無事に健康で終えられますように(合掌)。 遅くなったので、 南草津駅前のカレーライスのチェーン店で夕食を済ませてから帰る。 帰宅は 20 時半くらい。

ローカル情報。 二条駅前の大通り角の蕎麦屋がなくなって工事中の場所、 後は何になるのだろうと思っていたら、 なんと「タヴェルナ・イル・ヴィアーレ」の看板が上がった。 名前の出だしがちょっと違うが、 近所の「クチーナ・イル・ヴィアーレ」の関連店なのだろうか。 二号店なのか、より良い場所に(数百メートルほど)引越して来たのか、 それとも似た名前を近所にぶつけてきたライバル店なのか。 まだ工事中なので詳細は不明。 いずれ関係者か飲み食い道楽の方々から情報が入るだろうが、 ちょっと気になる。

Monday, April 02, 2007

チョッコレイト

9 時起床。曇り空ながら、時々晴れ間がある。 気温はやや低めか。今週の半ばに寒の戻りがあるそうだ。 珈琲とパンを一かけとクリームチーズの朝食。 講義やゼミが始まるのは来週からだが、 いよいよ明日が新学期の初会議で、 ああまた始まっちゃうなあ、とブルゥな気分。 今日くらいはのんびりしよう、と(いつもそう言っているような気もするが)、 自主休日を満喫。 昼食は長葱とベーコンのスパゲティ。 午後は読書と昼寝。 夕方になって買い出しに外出。 近所のワイン屋で白とロゼを一本ずつ買い、 タリーズで珈琲豆(スマトラ・リントン)を買って帰る。 夕食のため御飯を炊いて、だしをひく。 炊き立て御飯に生卵は何故こんなに美味しいのだらう… 御飯に生卵、とか、御飯に明太子のせ、とか、 外国人から見れば相当にグロテスクなんだろうな、とは思う。

戎棋夷説 で知った明治製菓の 「ショコライフ」(CM ギャラリーの 60 秒版がおすすめ)の CM、 少なくとも私は観たことがないので、京都では放送していないのかも。 チェスが指せるメイドがいれば、雇いたい。 ところでこのメイドさん、 面影がオックスフォードの某カフェのサブリナに似てるな… (ちょっと遠い目)。

Sunday, April 01, 2007

シルクハットから兎 / 大中小の中

8 時半くらいに起床。良い天気。 珈琲だけの朝食をとって、大阪のチェスクラブに向かう。 予定通りに着。今日はけっこう人が多い。多分、 今日は元全日本チャンピオンの W さんが参加されるからだろう。 私が対局することはないにせよ、強い人と当たれる可能性も高くなるし、 賑やかなのは結構なことだ。

第一ラウンド、クラブ・チャンピオン O さんと対局。 白番、シシリアン・ナイドルフ。 序盤を思った以上にうまく指せて良い気分でいたら、 激しいブランダーでクイーンを取られてしまう。 よっぽど投了しようかと思ったが、 こんな序盤のうっかりで投了も申し分けない。 それに、良く良く見るとこちらのピースは中央に集まっているし、 黒はキングも初期位置のままだ。 1 ピース取り返すくらいの手は出来そうな気配がする。 私は女王様を獲られたのではない、こちらから棄てたのだ、 リガの魔法使いタリばりの華麗なサクリファイスを決めたところなのだ、 と自己暗示にかけ、 実際のところは、 二本の指を左右に振ってほら三本あるでしょ、 と言うようなレヴェルの手品を開始。 そして、シルクハットから兎を無理矢理取り出すことに成功。 クイーンを取り返した。 何でもやってみるものだね。 ほぼフェアなエンドゲームに持ち込み、 ついには黒のブランダーで 1 ルークを取って、勝ち、

第一ラウンドを終えて、昼食。 クラブの近所のカレー屋さんに入ってみる。 メニュは、「大」「中」「小」の三つしかない。 お客を見ると、皆、見たこともないほどの大皿で山盛りのカレーライスを食べている。 きっと常連用の特別メニュに「特大」ってのがあるんだなあ…、 と思いつつ「中」を注文すると、 出てきたのはその同じサイズの大皿に山盛りカレーだった。 意地になって全部食べた。さすがに食後、気持ち悪くなった。

そのまますぐに第二ラウンド。 クラブのマスターと対局。同じくらいのレイティング。 黒番、ダッチ・レニングラード。 実は指したことのない定跡で、序盤でやっぱり間違えた。 ついには 1 ピース取られ、 ポーン vs. ナイトとポーンのエンドゲーム。 結局は負けたが、丸ごとピース落ちしている所から、 エンドゲームでかなりの所まで追い付き、 我ながらうまく指せたと言う手応えを感じた。 ちょっとはエンドゲームが分かってきたかも。 続いて、第三ラウンド。 まだレイティングのない中学生と。白番、スコッチ。 中学生は大抵タクティクスに長けているので、 どんどんピースを交換して、ポーンと大駒だけのエンドゲームにする。 やはり、そこまではかなり指せていたのに、 エンドゲームの感覚には慣れていないらしい。 簡単にポーンをむしり取って、最後はメイトで勝つ。 今日のポイントは 2.0 でした。