Sunday, August 31, 2008

あと半分も / あと半分しか

9 時起床。曇り空、やや涼しい。 珈琲豆が切れているので、朝食は純水のみ。 いつものように少しチェスの問題を考えて、 洗濯などの家事。 御飯を炊いて、またカレーライス(第7回)の昼食を早めに済ませ、 午後は大阪のチェスクラブに行く。 ついでに、またチェス関係の本を十冊ほど寄付した。 今日はレイティング 1900 前後の常連二人と両方黒番で対局。 第一局、ペトロフ・ディフェンス。 序盤から中盤にかけて中央でのピース群のねじりあいでかなり難しかったが、 何とかやや優勢なエンドゲームにしたところで、 うまく誤魔化されてしまって、負け。うーん……。 第二局、レティ・オープニング。中盤に入るところで優位にたち、 優勢な Q+B vs. Q+N エンドゲームになり、最後は相手の見逃しでメイト勝ち。 格上相手に一勝一敗で、今日はまあまあ。 夕方帰宅して、夕食はまたカレーライス(第8回)と、 トマトと胡瓜と茹で卵のサラダ、ニュージーランドの赤を一杯。 これでようやくカレーを全部食べ終えた。8 食分も作っていたとは。

8 月も終わり、夏も終わったようである。 私には、 8月末は一年の丁度半分が過ぎる時に思われる。 実際は 9 月末が年度の丁度真ん中なのだが、 9 月下旬に後期が始まることや、 3 月が春休みで仕事があまりないせいだろう。 使い古された比喩だが、 グラスに水なりワインなりが半分入っているときに、 もう半分しかないと思う人と、 まだ半分もあると思う人の二種類がいると言う。 おそらく、まだ半分あると思いなさい、ポジティヴに考えなさい、 と言うメッセージがこめられた比喩だろう。 しかし私は前者、つまり、ああもう残りは半分しかない、と思うタイプだ。 そして、そう思う方が正しいと思う。 最初の半分と残りの半分は時間の価値が違う。 まだ半分も残っている、なんて考える人は、 正しく時間の価値を判断できていないと言う意味で、 ポジティヴと言うよりお調子者なんじゃないだろうか。

そう言えば村上春樹の短編に、 誰しも自分の人生の折り返し地点だと感じる時がある、 と言うテーマのものがあった。 それは人によって、35歳のある時だったり、20歳だったり、 50歳だったりするのだが、 ここが水泳やマラソンなら折り返し地点だな、 と感じる時点があると言うのである。 良いタイムなのか、これから残りが楽しいのか辛いのか、完走できるかどうかも、 分からない。 しかし兎に角、折り返し地点はあり、それが自分で分かる。 ところで問題はそのとき、もう残りは半分しかない、 と思うべきか、まだ残り半分もある、と思うべきか?

Saturday, August 30, 2008

雨の週末

一旦、7時に目覚めたのだが、 また寝台の冷たさが気持ち良くて、さらに二時間以上、二度寝。 明け方にかなり強い雨が降っていたような気がする。 主に曇り空で時々、雨が降る一日。 朝食代わりの珈琲。 チェスの問題を考えたり、ファイナンス仕事をしている内に昼。 昼食は再びチキンライス。昨夜、二食分作っておいたので。 ちょっと必要になって XHTML と CSS のリファレンスを買いに、 四条河原町の大型書店に行く。 ついでに雑誌類を少し処分。 すぐに帰宅して、午後は ``Code Reading" (D.Spinellis / (株)トップスタジオ訳 / 毎日コミュニケーションズ) でコード読みをしたり。expand とか bsearch とか。 夕食はカレーライス(第6回)と、胡瓜とトマトのサラダ。 ニュージーランドの赤を一杯。食後に珈琲。 夜はオーストラリアの研究会の講演タイトルと要旨を書いて送る。

Friday, August 29, 2008

海南鶏飯

9 時起床。いかんなあ、涼しくなると良く眠れて。 そろそろ 8 時起きで整えていきたいのだが。 ゴミ出しをして、朝食代わりの珈琲。 登録してある blog をリーダーで読んだあと、 昼食のお弁当用にドライカレーを作る。 出勤して研究室でお弁当を食べ(カレー第5回)、午後は学科会議。 定年退職者は最後の年度(特に後期)には、 学科会議には(特に議題が次年度関連のときは)出席しなくてよい、 という了解があるようなのだが、 私も会議に出なくていいのだろうか。それとも、 あれは何十年も働いてきてくれた方への一種の「恩赦」なので、 自主的定年の退職者には適用されないのだろうか。 会議を終えて、夕方キャンパスを後にする。 やはり久しぶりの学科会議で、しかも休憩を入れて三時間以上かかったので、 かなり疲労したようだ。会議中は気付かなかったが、 あとで急激な睡魔に襲われて、疲れているのだなと思った。

近所のスーパーで見切り品のトマトと曲がった胡瓜を買って、帰宅。 チキンライスに添えるためである。 そして、いよいよ夕食にチキンライスを作る。 鶏肉の処理にかなり時間がかかったものの、 その甲斐あってなかなか美味しかった。 少なくとも自分の好みの味に作るので、 今まで店で食べたものよりは良いように思う…… いや、既にそこいらのアジア飯屋は越えたね! くらいの景気の良いことを言いつつ、 自画自賛の満足の中に食すのが、素人料理の醍醐味だろう。 葱スープを一緒に作り、 ニュージーランドのシャルドネも一杯。 甘みが丁度いい。全く偶然だが、ぴったり決まった感じ。

Thursday, August 28, 2008

ハイナンジーファン

一旦、7時くらいに目覚めたが、 ベッドの冷たさが気持ち良くて二度寝してしまい、 次に気付いたら 10 時近くだった。今日は雨模様らしい。 朝食代わりの珈琲。 スケジュールを確認して、家計簿をつけ、 最近の習慣として Volokitin-Grabinsky の ``Perfect Your Chess" から一題解く。 など、している内に昼食の時間。 御飯を炊いて、またカレーライス(第3回)。 今回は南瓜のスライスをトッピングしてみた。

午後は少し数学など考えたが、状況は行き詰まりで、 新たな問題設定が必要と思われる。 お風呂でも入って考えよう、と無駄に昼風呂に入ってしまう。 でも、いいアイデアが浮かぶわけでもなし。 近所に買い出しに行く。 ポスト・カレーライス時代に向けて、鶏の胸肉などを買う。 シンガポール在住の知り合いの blog を読んでいたら、 チキンライスのことが書かれていて、 無性に食べたくなったので自分で作ることにした。 鶏肉入りケチャップライスではなくて、 海南鶏飯とか言うあれだ。 日本でもこのシンガポール式のチキンライスがあちこちで食べられるが、 この味つけはちょっと違う、こうすれば美味しいはずなのに、 と常々思い続けて、はや三年、ここで会ったが百年目、 鞍馬に籠って幾星霜、ついに私の実力を発揮するときが来た。 でもカレールーの減りからして、作るのは早くても明日の夕食かな。

そして今日の夕食はまたカレーライス(第4回)。 半熟茹で卵を追加。茹で卵を作るついでにオクラも茹でて、 適当にドレッシングを作り、オクラのサラダも。 お供は、たまたま今開けてあるからと言うだけの理由で、 アタランギを一杯。 夜は読書。 「Code Reading」 (by D.Spinellis / (株)トップスタジオ訳/毎日コミュニケーションズ)。
明日は会議で、また出勤です。

タリ・メモリアル終了。 モロゼヴィチが連敗して、結局、イヴァンチュクが単独優勝した。 モロゼヴィチ優勝かと思っていたが……。 流石に豪華メンバによるトーナメントだけに、 早指しとは言え大変面白かった。 戦績こそぱっとしなかったが、 クラムニクが調子を整えてきているように感じた。

Wednesday, August 27, 2008

医学探偵 / 幻の大ポカ

9 時起床。朝食代わりの珈琲。 午前中は家事をしている内に過ぎてしまった。 昼食は御飯を炊いて、カレーライス。 私はどんなカレーライスでも好きだが、 今日から少なくとも軽く三日は続きそう。 午後は amazon からの宅配を待ちながら、 タリ・メモリアルの棋譜を眺めたり。 amazon から ``The Medical Detectives" (by B. Roueche / Penguin) が届く。 プログラミングの専門書を読んでいたら、 優れたデバグ技術の実例集として 名前が挙がっていたので、興味を持ったのである。 内容はタイトルの「医学探偵」の通り、 毎回、突如として発生した原因不明の病気や中毒などの謎を科学者たちが追跡し、 思いがけない真相が明らかにされる、 と言うドキュメンタリのシリーズもの。 ``The New Yorker" の人気連載だったらしく、 その中から選り抜きの 25 編。 これは絶対に面白い、と言う予感がする。

午後は外出して、種々雑多な用事をまとめて片付ける。 河原町に出て古本を売り、古本を売ったお金で三条 SBUX でフラペチーノ。 今日は曇り空だが、なかなか蒸し暑い。 夕方に帰宅。 まずお風呂に入って、湯船で ``The Medical Detectives" の第一話 ``Eleven blue men" を読み始めた。 ある朝、突然老人が道に倒れる。酔っ払いかと思って近付いた警官が、 老人の唇と耳と指先が青空のような青色になっていることに気付くところから、 物語は始まる。 そのあと、同じように身体が青く変色した患者が次々と、 同じ病院に救急車で運ばれてくる。 「Xファイル」のようなオープニングだ。 初見の診断は、血液の酸素欠乏によるチアノーゼと思われることから、 一酸化炭素中毒。 しかし、被害者たちの当時の行動からしてガス中毒はありえない。 全員が同じレストランで共通にオートミールを食べていたことが分かる。 では食中毒か。しかし、チアノーゼは食中毒の症状ではないし、 発症が早過ぎる。では毒物の混入なのか、 そうだとしても何故、そして、どうやって……、 もう読みさすことが出来なくなくなって一編読んでしまった。 英文とは言え、一編 10 ページほどなので、 ちょっと無理すればすぐに読めるところもいい。 第一話はレムの名作SF「枯草熱」を思い出させる一方で、 良く出来た短編ミステリのような読後感だった。 夕食ももちろんカレーライス。 南瓜とじゃが芋の冷たいサラダも作る。 お供は、お向かいからもらった発泡酒。

タリ・メモリアルの第7ラウンドの注目対局イヴァンチュク対モロゼヴィチで、 中盤に大ポカと大ポカ返しがあったのではないか、と言う疑惑(?)。 34.Bf1 Qxc1(??) 35.Qxc5(???) が、 クイーンのただ取られの見逃しと、そのただ取りの見逃しである。 後に発表された棋譜では 34.Qxc5 Qxc1 35.Bf1 となっており、この順序なら問題ない。 とは言え、今のトップレベルの対局では、 チェス盤に仕込まれたデバイスで自動採譜されるので、 大ポカを含んだ最初の棋譜が正しいのではないか……、 と思われていたのだが、 どうやら現地の目撃談によれば、 訂正された後の方の手順で指されていた、とのことである。 幻のポカだったようだ。

Tuesday, August 26, 2008

我が家のカレー

8 時起床。すぐに出勤。 午前、午後とキャンパスでお仕事。 さらにまた一つ、高校大学連携関係で小さな仕事を請け負う。 夕方、キャンパスを後にして、17 時半くらいに帰宅。 カレーを仕込む。ふと思い立って、 市販のカレールーを使った家庭的かつ庶民的カレー。 「ジャワカレー辛口」にしてみました。 一日おくと美味しいという伝説に従って、 食べるのは明日以降にする。 大量に作ったので明日からしばらくは、毎日カレーライスかも知れない。

カレー鍋をおいて、久しぶりに近所のバーに夕食に行く。 女性のスタッフが増えていたりと、色々な変化が。 鶉が希望だったのだが、昨日でなくなりました、 とのことだったので代わりに鴨のロースト。 鴨のつけあわせはポテト、甘長唐辛子、茄子。 いつもの通りキッシュも。鱸、トマト、ベビーコーンなどのキッシュ。 けっこう混んできたので、 料理と一緒に白、赤と一杯ずつワインをいただいて、すぐに帰る。

タリ・メモリアルの第7ラウンド、 モロゼヴィチが白番のイヴァンチュクに敗北。 昨夜、リアルタイムで観戦しようとしたものの、 混雑のためかロシアのサーバにつながらず、 今日になって棋譜を見た。 グリュンフェルド。この黒側ポーン損は定跡なのだろうか…… しかし、最後までこれが祟って負けのポーンエンドゲーム。 グリュンフェルドは謎めいた定跡だ。 白も黒も時に気安く Q 側のポーンを捨てるが、 特にそこが良く分からない。 人気者のモロ様が負けたが、 トーナメントとしてはこれで俄然、面白くなってきた。

Monday, August 25, 2008

「知らぬ間に夏は過ぎ去っておりました」

8 時起床。すぐに出勤。 午前、午後とキャンパスでお仕事。 夏休み中なので学生こそ少ないが、 けっこう色んな人が仕事をしている。 事務はどうやら引越し作業なのか、 廊下に机や段ボール箱を積み出している。 夕方に仕事を終えて、帰路に就く。 すっかり涼しくなって、雨模様。やはりもう秋。 ふと、昔、英作文の暗唱で、 「知らぬ間に夏は過ぎ去っておりました」 と言うのがあったなあ、 と思い出した。 (「和文英訳の修業」だっただろうか、昔の受験勉強は深みがあったものだ、 例えば、小西の「古文研究法」とかね。) 私が気付いた(過去形)前に、 夏は行ってしまっていた(過去完了形)、のである。 何となく物悲しい時制だな、と子供心にも思ったものだ。 思えば人生も、知らぬ間に夏は過ぎ去っておりました、 と言う感じのものなのではないだろうか。

電車の待ち時間の間に、 プロジェクト ``Kibitzer" のゲラを駅のコンビニエンスストアから送る。 私はクロネコが好きなのだが、やむを得ずペリカン。 近所のスーパーで食材を買って、18 時くらいに帰宅。 夕食には鮭炒飯を作った。アルザスのリースリング。 もう最後だったので、一杯半ほど。 夜になってさらに強い雨。 知らぬ間に夏は過ぎ去っておりました……。

タリ・メモリアルは第6ラウンドを終えて、 モロゼヴィチの独走。イヴァンチュクが 0.5 差で続いている。 第7ラウンドでこの二人が対決。今回の目玉の対局だろう。 クラムニクは得点こそぱっとしないものの、 まあまあのフォームに思える。 第6ラウンドの対カムスキー戦はこのトーナメント随一の、 (リアルタイムで観ていたら)手に汗握る対局だった。 いくらでも激しいタクティクスがありそうな、 綱渡りの闘いだったが、結局ドロー。

Sunday, August 24, 2008

発泡酒

10 時起床。ああ良く寝た。 洗濯など、たまった家事をする。 昼食は近所まで買い物のついでに、 カレーライスのチェーン店で。 午後はしばらく昼寝をしてから、 昼風呂に入り、湯船で読書など。夕方から数学を考えて、 やはりどうやら間違いらしいことを確認し、 共同研究者にメイルを書いておく。 お向かいが工事のため軽トラックを駐車させて欲しい、 とのことだったので勿論了解すると、 御礼にと発泡酒(第二か第三のビール)の6缶パックをいただいた。 夕食は御飯を炊いてだしを引き、 南瓜の味噌汁、鮭の切り身、沢庵など。 またお風呂に入って、湯上がりに発泡酒でも飲むかな……。

明日と明後日はまたキャンパス出勤。

Saturday, August 23, 2008

Proteus

「良いチェスプレイヤは、 思うように一つの心理学的な「姿」 から他へと移行できると言う意味で、変幻自在(protean)である。 あるときには手筋を正確に読み、 またあるときは複雑な終盤を評価する。 一時的に自分の陣形を崩して、次には相手の陣形を崩す。 ある対局ではダブルビショップの威力を見せつけ、 次の対局ではあえてダブルビショップを相手に戦う。 自分自身のアイデアについて考え、 相手のアイデアについて考える。 飛び込み、もぐり、身をよじり、探索する。 遠く先を見晴し、容易には捕まらない。 もしチェスの難しさの中で勝ち抜きたいなら、 自分の姿を変えられなければならない。 だから、次にチェスの難しさに立ちすくんでしまったときには、 プロテウス(Proteus)のことを考えて、 自分の「姿」を変え、新しい視点から盤面を見よう」

``Chess for Zebras" (by J. Rowson)より

Thursday, August 21, 2008

秋来たる

9 時起床。 なんと久しぶりに涼しい朝だ。朝食代わりの珈琲。 タリ・メモリアルの第三ラウンド結果をチェック。 モロゼヴィチがクラムニクに快勝して、単独首位。 西側へのルークの転回とポーンストームで、面白いようにあっさり勝った。 クラムニクのキャスリングが自滅的だったように思うのだが、 かと言って、そうしないわけにも行かず、話を前に辿って行くと、 ひょっとして 7. g4 のギャンビットが白やや良し、なんだろうか。 と言うのも、15 手後にルークが g3 経由で西に回れるから! 一方、わりと好きなプレイヤーなのだが、シロフが不調で三連敗。 攻撃的な姿勢と計算屋の個性が空回りしている感じ。 第三ラウンドではマイナ・エクスチェンジを 「そりゃ駄目でしょ、君。」とレコにたしなめられる感じで、 さらさらと B vs. R のエンドゲームにされ、切ない投了図だった。

昼食に韮玉蕎麦を作る。 韮玉丼の要領でかけ蕎麦に韮玉を乗せたのだが、 予想通りのものだった。時々、冷蔵庫の事情で変なものを作ってしまうが、 ハム饂飩を越えるのは難しい。 食後に散歩を兼ねて外出。陽射しも厳しいとは言え、既に勢いがない。 秋来ぬと目にはさやかに見えねども、風の音にぞ驚かれぬる。 郵便局に所要を片付けに行き、 ついでにワイン屋さんで注文したものを受け取って帰ってくる。 午後は数学など。 鍵になる補題の証明がどうもおかしい気がする。 いやこの補題自体は正しいのだが、一見自然そうな仮定によって、 問題が起こる危険領域をこっそり避けてしまっているようだ。 もしそうだと、実際の目的には使えない。 間違いを見つけてしまったかなあ……。 でも取り敢えず、問題の本質は分かった、と言うことで、 今日は大収穫があったと思うことにしよう。

夕方になって随分と涼しくなった。秋来たる。 空も随分、高いような気がする。 出窓から猫と一緒に空を見上げて、 ああ人は(猫も)むかしむかし、鳥だったのかも知れないにゃー、と話す。 こんなにもこんなにも空が恋しい。 夕食は茄子とベーコンのアーリオオーリオ、 リースリングを一杯。

明日からちょっと旅に出てきます。 次回の定時更新は 24日(日曜日)の夜を予定していますが、 それまでにチャンスがあれば何かポストするかも知れません。

Wednesday, August 20, 2008

安全側 / 胡瓜のサンドウィッチとフェリーニ

8 時起床。ゴミ出し。朝食代わりの珈琲。 久しぶりにキャンパスに出勤する。 追試レポートを受け取って採点して採点報告書を提出するため。 事務が夏休みに入る前日の窓口が閉まる時間が学生の提出期限で、 夏休み明けの今日が採点報告の締切なのだ。 学生食堂で昼食のあと、レポートを受け取って採点する。 ずばり、キーワードで検索してそのまま書き写しました、的レポート。 流石に四年生だけあって、 どれも丁寧に文献として url を挙げてあるので、 一応そこをインタネットで見てみると、 確かにほとんどそのまま引き写してあった。 それを不合格にしだすとみんな不合格になってしまうので、 何とか各レポートの「良い面」を探し、拡大解釈して採点した。 最近、四年生の信じ難い割合が留年してしまう非常事態が続いているので、 気を使う。 まあ今年で最後だし、と思って、安全側に振っておいた。 この安全側と言うのは私にとっての安全側で、 学生にとっての安全側ではないのだが。 いや、学生にとっての安全側で、 私にとっては安全側ではないのかも知れない。 かように採点は難しい。

採点報告を済ませたあと、数ファ研でプリントアウトなど。 部屋に戻って、他に何かすることはなかったかな、 とあれこれ細かい雑用をしていると、 空が不穏な感じに曇ってきた。慌てて帰ることにする。 丁度、自宅の最寄り駅についたところで、夕立が降り始めた。 駅前の「モスバーガー」で雨宿り。 J. Rowson の ``Chess for Zebras" を読んでいる内に、 雨があがり、また急に明るくなった。 夜にはこの雨のおかげで涼しくなるだろう。

商店街でパンを買って帰宅、 夕食に胡瓜とベーコンのサンドウィッチを作る。 アルザスのリースリングと一緒に食べながら、 DVD でフェリーニの「8 1/2」を観る。 マストロヤンニ、かっこいいなあ。 中年男たるもの、(外見は)このグイドの如くありたいものだ。 この妄想っぷりはかなり恥ずかしいが……。 「女達よ、幸福とは誰も傷つけずに真実を言うことだ」、か。

Tuesday, August 19, 2008

生胡瓜

9 時起床。ゴミ出し。 今日は曇り空。しかし猛烈に蒸し暑い。外に出るのは控えよう。 朝食代わりのアイス・コーヒー。ファイナンス仕事を少し。 昼食は鮭の炒飯、アルザスのリースリングを一杯。 食後に珈琲。 少し昼寝をしてから、午後はまた数学。 1 ページ分後戻りして、1 ページ半ほどプレプリントにしたので、 合計半歩ほど前進。 とは言え、鍵になる補題一つの証明さえまだ終わらない。 まあ毎日やってれば少しは何か出来るだろう。まさに牛歩戦術だ。 夕食は茄子とベーコンのアーリオオーリオ、生胡瓜。リースリングを一杯。 胡瓜が無闇に美味しいのは、 季節だからなのか、 私自身がミネラル不足とかそんな理由なんだろうか。 シャワーを浴びて、 夜は「カリブ諸島の手がかり」(T.S.ストリブリング/倉阪鬼一郎訳/河出文庫) の第四話「クリケット」から続きを読み、 最終話「ベナレスへの道」まで読了。 うーむ、噂には聞いていたが、すごい話だ。 クイーンが絶賛したと言うのもむべなるかな。 この「名探偵」ポジオリ教授シリーズの他の短編も是非、 出版していただきたい。

タリ・メモリアルが始まった。相変わらず豪華メンバだ。 第一ラウンドは順当に、クラムニク、モロゼヴィチ、イヴァンチュクが白番を勝ち、 他はドロー。クラムニク vs. シロフが面白かった。 シロフがキャスリングもしない内に、 アマチュアの対局でも良く見る筋で Bxh2 からビショップをキング前のポーン群と交換。 さっぱり分からない。でもそれがシロフ、何かが見えていたのだろう。 しかし、結局クラムニクにダブル・ビショップを残しては勝てなかった。

明日は久しぶりにキャンパスに出勤予定。あまり暑くならなければいいけど……。

Monday, August 18, 2008

bright side

9 時起床。大阪ガスの検査に立ち会う。 今日は曇り空で少し涼しいようだ。 フリーセルをし始めたらなかなか出来なくて、 意地になって小一時間、フリーセルで過してしまった。 もう昼食まであまり時間がなくなってしまったので、読書。 「カリブ諸島の手がかり」(T.S.ストリブリング/倉阪鬼一郎訳/河出文庫)。 昼食は盛蕎麦、甘長唐辛子の焼きびたし、いただきものの胡麻豆腐。 胡麻豆腐と一緒にもらった山葵をすったので、 蕎麦も美味しい。普段は偽もののチューブ製品を使っているので(笑)。 そう言や昔知り合いに、居酒屋に「マイ山葵」を持参する人がいたなあ。 午後はよっこらしょ、と言う感じで数学をする。 アイデアは良さそうだが、 自分なりにまとめようとしてみると、あやしげなところが沢山。 でも少し考えると、またメイルをチェックしてみたり、 無駄に blog を読んでみたりで、 結局、プレプリントを 2 ページほど書いただけだった。

一体、世の中の人はどうしてそんなに多くの仕事が出来るのか、教えて欲しい。 超多忙だと言う L 先生にせよ、たった二日ほどで、 これだけのアイデアを計算して、ノートにまとめて、送ってくるのだ。 私の周りに天才がごろごろしているのだろうか。それとも、 この方がもっとありそうだが、私が駄目人間なのだろうか。 友がみな我より偉く見ゆる日よ花を買い来て…… あっ、私には妻もいなかったのだ。 世間の人は仕事の合間に、奥さんまで見つけているのだ。何と言うことだ。 いや、むしろ明るい面を考えよう。 レッツ・ルックオン・ザ・ブライトサイド。 今日だって、2 ページ分の数学をする代わりに、 昼寝をして、テトリスとか、上海とか、マインスィーパとか、 さめがめをしている内に午後が終わってしまった、 と言うことだって(十分に)ありえたのだ。 それに比べれば、∞倍もましと言えよう。

夕食は御飯を炊いてだしを引き、 鮭の塩焼き、甘長唐辛子の味噌汁、沢庵、胡瓜など。 胡瓜を切るとき味見にへたを食べたら、 大変美味しかったので、塩だけで食べることにした。 これはサンドウィッチにするといいかもな…… パンも買っておけばよかった。 食後にアルザスのリースリングを一杯だけ。 うーん、多分もうひとつかな。 でもリースリング好きだからOK。

Sunday, August 17, 2008

procrastination

9 時過ぎに起床。今日は若干の曇り空。 階下に降りて純水だけの朝食。発声練習のため猫と会話。 洗濯をしたり、家事をあれこれ。 寝相が悪かったのだろうか、何だか腰が痛い。 やれやれ、年は取りたくないものじゃ。 昼食は素麺。具は卵と海苔だけ。

午後は昼寝のあと、数学など。 L 先生のノートを一通り理解した。 このアイデアの細部を詰めた preprint を書くつもりだが、 そこまで元気がなくて今日は作業ファイルを作っただけ。 きっと有能な人なら、今日中にもう数ページは書き始めているか、 それどころか数日前に始めてもう出来ているのだろうな、 と思う。 しかし、私が十五年をかけて、ようやく身につけたライフハックの奥義は、 「作業する気が起きなくても、作業ファイルだけは作れ」である。 最悪の場合、空のフォルダだけでもいい。これなら 10 秒あれば出来る。 今、仕事する気がなくても、机の上に資料だけは出しておくとか、 または、ノートを開いてその上にペンを置いておくとか。 そのお陰で超怠け者を脱却して、並の怠け者程度にはなれたと思う。 と、偉そうなことを書いたが、 作業ファイルを作ったあと、 何回もフリーセルをしてしまった私である。 食材が尽きたので夕方、気温が下がってから買い物に出る。 夕食は、茄子や甘長唐辛子など夏野菜とベーコンのアーリオ・オーリオ、 とでも言うのだろうか、まあ適当パスタ。胡瓜のサラダ。 ピノ・ブランを一杯だけ。夜は読書など。

``Creators on Creating" (Ed. by F. Barron, A. Montuori, A. Barron/ Tarcher-Penguin). フランク・ザッパからリチャード・ファインマンまで、 ダ・ヴィンチからアーシュラ・K・ル=グウィンまで、 ミシェル・フーコーからフェデリコ・フェリーニまで、 古今のさまざまな分野のクリエイターたち 39 人が、 創造の秘密について語ったエッセイ集。 やる気が出ないときに私が読む栄養剤本の一冊だが、 「ああ、偉い人は、そのなんと言うか、つまり、偉いのだな……」 と言う結論になって、余計やる気が出なくなる、 という悪循環に陥ることもある。 フェリーニ曰く、 「旅に出るにはいつでも言い訳が必要だ。 同じく、映画を撮り始めるにも言い訳が必要だ。 クリエイターには常に言い訳が必要なのだ。 クリエイターにはほとんど強制的に仕事をさせるべきだね。 芸術家を休みなしに朝から夜まで働かせる国の機関があるといいかも知れない」

Saturday, August 16, 2008

だましだましモード

9 時起床。今日もぎらぎらと太陽の燃える猛暑日である。 自宅から出るつもりもないし、一階は日が入らないので、気にはならないが。 朝食代わりの珈琲を飲みながら少し雑用。スケジュール帳とあれこれ相談。 和歌山への往復でかなり疲れているはずなので、 今日は比較的ゆっくりすることにした。 もういい年なので、自分の体力を過信せず、 常に予防の意味で身体を休めるように気をつけている。 言わゆる、だましだましモードだ。 午前中は読書など。 「恐怖の研究」(エラリイ・クイーン/大庭忠男訳/ハヤカワ・ミステリ)。 コナン・ドイルのパスティーシュで、 シャーロック・ホームズ vs. 切り裂きジャックもの。 これは誰もが書きたくなって、しかも失敗する類のテーマなのだが、 この作品の程度に気負いなく、さらっと書くのが一番かも。

昼食はまた巻き寿司と稲荷鮨。 少し昼寝をしてから午後一杯は、ゲラ読みの仕事。 夕方から急に空が暗くなり、ぽつぽつと雨粒が落ち始めたが、 結局、雨にはならなかった。 しかし、おかげでやや涼しくなったかも。 夕食はバジルのスパゲティ、玉葱と茹で卵の冷たいサラダ、 アルザスのピノ・ブランを一杯だけ。爽やか系の夕食だ。 お風呂上がりに、 サラダの残りと冷奴とビールに、 冷やしたグラスを用意したところで更新。

Friday, August 15, 2008

local culture

昨日の夕方に実家に到着して、夕食をいただく。 海老と野菜の天ぷら、 ポテトサラダ、トマトと青野菜のサラダ、南瓜の煮つけなど。 変に野菜が多いし、妙な組み合わせだな、 と思っていると、「畑で穫れたから」ということだった。 家の近所に十坪ほどのちっちゃな畑があって、 祖母が趣味の野良仕事をしていたのだが、 その後、両親が(おそらく主に母が)野菜をあれこれ作っているらしい。 田舎の人は農家でなくても、単なる習慣だったり、生活の張りのためだったり、 生活防衛のためだったりで、畑仕事をするものだ。 うちの猫の額のような畑でも、 春まではじゃが芋、夏は南瓜、トマト、胡瓜、 冬は大根などを育ててているとのこと。 どうやらキタアカリ(じゃが芋)の出来が自慢らしく、 確かにポテトサラダが大変美味しかった。

野菜の天ぷらとサラダ類をあれこれ食べながら畑の話を聞いて、 「へー、そりゃいいね。この不況の昨今、自給は大事大事」と感心していると、 「はぶ」も作っていると聞いて、ちょっと懐しかった。 はぶと言うのは、細長い莢に入った小さな豆のようなもので、 この実を煎じてお茶にする。 この「はぶ茶」は私の田舎のローカルカルチャーで、 子供の頃はお茶と言ったら 100 パーセント自家製のはぶ茶だった。 小学校で他の子が麦茶などと言う洒落たものを飲んでいるのを見て、 子供心にうちは貧しいのかしらん、と思ったものだ。 このはぶ茶でさらに茶粥を作り「おかいさん」と言う。 これまたカルチャーである。私の祖母などは一年中、 一日のうちの一食はおかいさんと径山寺味噌か何かで済ませていた。 夏は冷たくして食べたりなんかして、 ご馳走ではないが、まあそんなに悪くないものである。 食後に桃を食べる。近所からいただいたもので、 この地方の「荒川の桃」。 和歌山と言うと蜜柑と思っている人が多いが、 桃もなかなか美味しい。白桃だが黄色みの強い、むっちりした感じで、 甘く濃い味がする。 田舎は田舎で、貧しいなりに、その中での豊かさがあるものだな。

翌日、つまり 15 日の今日、10時くらいに起きて、 裏庭を見たりして時間をつぶす。ちょっと事情があって、 高校生の頃は私一人だけがこの家で寝起きしていたのだが、 当時はこの庭もただの空き地のような感じで、 土もかちかちに乾いていて何も育ちそうになかった。 しかし、私が出て行ってからは、あれこれ色んなものが植えられて、 もうジャングルのようになっている。 構成に脈略もセンスもない上に、 隅の方では紫蘇やら茗荷やらの薬味まで育ててしまっている。 それぞれの手水の中に目高がいた。 赤い目高と、黒い目高に分けているようだ。 近所の川でとってきたのか、わざわざ買ってきて育てているのか。 そうこうしている内に昼食。 秋刀魚の塩焼、卵焼き、冷奴、ポテトサラダ、大根の漬物など。 午後、銀行に行って手続き。 書類を書いたり、判子を押したり、結構あれこれと時間がかかった。 一旦、実家に戻り、母から巻き寿司と稲荷鮨のお土産を受け取り、 和歌山駅からオーシャンアローで京都に戻ってくる。 夕食はお土産のお寿司。

裏庭、左右から

Wednesday, August 13, 2008

Great Expectations

8 時起床、ゴミ出しをして、朝食代わりの珈琲。 午前中は、 後期のスケジュールのチェックなど。 昼食は炒飯とゴーヤのおひたし、昨日の残りの味噌汁。 食後に胡桃を少しと、アルザスのピノ・ブランを少し。 小一時間ほど昼寝をしてから、午後は数学。 L 先生のノートを読む。全体のストーリィは良さそうだが、 ちゃんと詰んでいるのか怪しげな解析的評価が二、三箇所ある。 夕食はカルボナーラと、冷たいアスパラガス。ワインを一杯。 食後に珈琲と、いただきもののタルト。

明日の午後に実家に移動して一泊してきますので、 明日木曜の夜の更新はお休みします。次回更新は明後日金曜日の夜。 あまりに田舎で IP リーチャブルでないどころか、 携帯電話の接続もあやしいため。 いつもなら年末年始に一泊帰るくらいなのだが、 今回は祖母の遺産を受け取る手続きのため、帰省することにした。 もちろん実際は、遺産と言えないくらいのささやかな額で、 往復の交通費が無視できないほどである。 とは言え、最近はマネーロンダリング防止のため認証がうるさく、 本人が見参するしかないと父が言うので、 親孝行のつもりで騙されてあげることにした。 代理人手続で簡単に済むに決まっているのだが。

両親からは子供時代に十分に良くしてもらったので、 もう何も受け取るつもりはないし、 そもそも貧しいサラリーマン家庭だったので、 残したり、継いだり、そんな面倒なものは何もない。 少なくとも私の頭の中にあるもの以外には。 しかし祖母の残してくれたものは別だ。 亡くなったあとに、いくつか分散してあったものが、 時を空けて少しずつ渡されて、今回がその最後。 おそらく私に、その度に自分のことを思い出して欲しかったのだろう。 そう思って、受け取ることにしている。

Tuesday, August 12, 2008

プロジェクトKとプロジェクトMD

8 時起床。ゴミ出しをして、猫の世話をしてから、 また寝床でしばらく読書。 クリスチアナ・ブランドって、どうしてこう、いつまでも新鮮なのかなあ。 10 時頃起き出して、朝食代わりの珈琲を飲みながら、 ファイナンス仕事中心にあれこれ雑用。 少しチェスを並べて遊ぶ。 豊か、と言うより、ほとんど迷宮だな……ニムゾ・インディアン。 掃除機がけをしてから、昼食の用意。 バジルと半熟茹で卵のスパゲティ、南瓜とポテトのサラダ、 アルザスの白ワインを一杯だけ。

昼寝をしてから、午後はプロジェクト ``Kibitzer" のゲラ修正。 ある時はぱっとしない数学者、ある時はヘボなチェスプレイヤー、 そしてまたある時はひよっこ翻訳家。 初稿を提出したときは、表現の不味いところがいくらかあっても、 あからさまな誤訳はほとんどないだろう、と思っていた。 しかし実際はあちこち誤訳だらけだった。非常に雑な読み方になっていて、 冷や汗三斗物語。 どうやら、ここは難しいぞと思っていたところは大体OKで、 自然に読み飛ばしていたところが「勝手読み」、と言う傾向がある。 これはチェスの対局に似ているかも。 取り敢えず、修正箇所の検討から始める。 通常の意味でのゲラ読みチェックはその後。

夕食は御飯を炊いてだしを引き、 ゴーヤ・チャンプルーと、豆腐の味噌汁。 食後もゲラ読み作業を続けて、一応、修正箇所を全部見直して訂正した。 先週末日本を去った L 先生からメイルで、 会期中に議論したノートが(既に TeX 原稿の形で)送られてきた。 明日は数学をするかなあ。 この問題は自分にはあまりに難しくて大き過ぎるので、 かつて ``Moby Dick" というプロジェクト名をつけたのだが、 L 船長は再びやる気のようだ。

Monday, August 11, 2008

採点デイ

今日はキャンパスに出勤。 MSJ-SI で全て後回しにしていた定期試験の採点にかかる。 三科目でおよそ 200 枚ほど。 15 分採点、5分休憩のサイクルで午後全部をノンストップ採点。 採点、採点、また採点、断罪、断罪、また断罪。ほとんど涅槃の境地に入り、 最後の方ではハフマン・コードを一瞬見ただけで、 学生がどこで間違えたのか分かるようになった。 ところで、 人に読ませるつもりの全くない答案が多いのには閉口する。 と言うより、ほとんどがそんな「オレ流メモ」とか、 判じ物のような答案なので、 普通に読めるものがたまにあると、つい高評価になる。 それはさておき、 事務が閉まる 17:30 ぎりぎりに完了して提出。 我ながら素晴しいエフィシェンシィだった。

19 時前に帰宅して、近所のワイン屋に買い物に行く。 アルザスの白ワイン二種類とシャンパーニュを一本。 家に帰って、夕食はゴーヤのソーミン・チャンプルー。 そして緑のヱビスビール。 すみません、やはり夏はつい。

Sunday, August 10, 2008

メインラインの理由

一旦 8 時に目覚めたが、二度寝して 10 時起床。 今日もまた暑そうだ。最高気温の予想は 36 度。 梅炒飯の昼食のあと、久しぶりに大阪のチェスクラブに行く。 およそ二ヶ月ぶり。午後からの二局に参加。両方とも白番で、 また 1.d4 を試してみる。 一局目は KID(キングズ・インディアン)、 二局目はニムゾ・インディアン。 結果は惨憺たるもので、両方とも 20 手以内に終わってしまった。 一手詰めを見逃して負けたり、 フォークを見逃して 1 ピース取られて負けたり。 まるで対局を始めたころのようなヘボぶりで、 大変みじめな気持ちになり、しかも相手にも申し訳ないしで、 落ち込んで帰ってきた。 対局自体が相当久しぶりだったこともあるが、 やはりまだ全然 1.d4 に慣れていないことが大きい。 慣れていないシーンでは、ポカも起こり易い。 対局があまりに短時間で終わってしまったので、 練習試合を数局してもらう。 おかげで少しは 1.d4 に慣れてきた。 白番では対グリュンフェルド、対セミ・スラブなど。 黒番では初めて KID をやってみた。 KID はなかなか面白い。最近はちょっと下火だが、 流行するのも分かるなあ、と。 夕方、クラブを出て、地下鉄で帰ってくる。 スーパーで食材を買い、 タリーズで珈琲豆を買って、19 時半くらいに帰宅。 夕食はアスパラガスとベーコンのアーリオオーリオ、 水を一杯。食後に珈琲。

今日のチェスで思ったのだが、 やはり「メインライン」は実際、豊かなのだ。 敢てメインラインを指さない人は結構いて、 それには色々ともっともな理由がある。 メインラインは大抵、複雑で、枝分かれも多く、難しい。 流行しているので誰もが良く準備している。 そしてそれだけに、自分も良く勉強していないと、簡単に序盤で不利になる。 いっそ、他の人があまり指さないマイナな定跡で、 しかも変化の少ないもので序盤は片付けて、 中盤や終盤のチェスらしい所を楽しみたい、と思うのも当然だ。 しかし、メインラインがメインラインなのは、 それが複雑で、変化が多く、難しいからであり、 つまり言い換えれば、豊かだからだ。 やはり本気でチェス対局の一番面白いところを楽しみたいなら、 メインラインを指すしかないのかも知れない。 これはチェスに限らないような気もする。

Saturday, August 09, 2008

のんびりの土曜日

やはり 8 時に目覚めてしまったが、 寝台で本を読んだりで、起き出したのは 10 時頃。 一週間分の洗濯をし、家の雑用をあれこれ。 昼食は近所の町屋インドカレー屋に歩いて行く。暑い。 ギネスビールと、ランチのセット。 庭の横の小さなテーブルで、 冷たいギネスを飲みながら庭など見つつ、のんびり。 二種類のカレーはデフォルトの豆と魚、 二種類の野菜のつけあわせはゴーヤとじゃが芋、莢隠元のような豆類。 食後に温かいチャイ。 予定ではこの帰りに大宮の方に歩いて買い物をして帰るつもりだったが、 外に出たらあまりの暑さにそそくさと帰宅。

午後は昼寝のあと、書庫を整理したり、本を読んだりで、 休日を静かに過す。 まだ日の高い夕方にお風呂に入り、 湯船で読書。 クリスチアナ・ブランドの「自宅にて急逝」(恩地三保子訳/ハヤカワ・ミステリ) を読み始める。 ブランドのいい所は、プロットが巧緻過ぎて、 しばらくすると内容を忘れてしまい、何度でも読めることだ。 夕方、空はほとんど晴れたままに激しい雨が降った。 すぐに止んだので、丁度水を打った格好になって、やや気温が下がったかも。 夕食は御飯を炊いてだしを引き、 トマトのオムレツ、南瓜の味噌汁など。 食後に紅茶。珈琲豆も切れている。 読書の続きとか、チェスを並べたりとか。 夜、また強い雨が降り出した。

Friday, August 08, 2008

会期終了

8 時起床。R 大で学位をとって卒業した T 君から近況報告メイル。 外資系に就職したはずだったのだが、 数ヶ月ですぐに辞めて、ウィーンで PD をすることになったそうだ。 辛抱のないことだ、と年寄たちは言うのだろうが、 まったくそれでよろしい。自分の好きな場所で好きなように生きれば良い。 そうできる意思と能力と、 結果を引き受ける強さを身にをつけるために勉強するんだから。 朝から強烈な日差しの中、すぐに外出。 さきほどのメイルのせいだろう、 中島みゆきの「永遠の嘘をついてくれ」を口遊みながら最寄り駅へ。

いよいよ今日が第一回 MSJ-SI(日本数学会季期研究所)の最終日。 京大正門前で降りて、芝蘭会館へ。 朝からまた L 先生につかまって少し数学の議論など。 午前中は京大の S 先生によるリーマン多様体上の非対称拡散過程について、 オックスフォードの L 先生のラフパスについての最終回(第三回)。 昼食は正門前の近所の和食屋。午後はオートマタ群の話のあと、 最後の講演はウォーリックの E 先生。確率フローと経路空間の幾何について。 いやあ、ようやく終わった。 オーガナイザと手伝いをしてくれた院生たち、 特に東北大の院生さんたちは大変だっただろう。 家のすぐ近所まで連れて行ってくれるバスを百万遍でつかまえて、 17 時頃帰宅。 夕食は作りおきのマリナーラソースで、 ポモドーロを作る。 ワインが切れているので、水を一杯と。

Thursday, August 07, 2008

若者の終盤

8 時起床。流石にかなりバテてきたな… 今日も暑くなりそうな強烈な日差しの中、 京大正門前へ。MSJ-SI 第二週の四日目。 午前は熱核評価の連続講義の最終回、 離散曲率とマルコフ連鎖などの連続講義の最終回。 昼食は百万遍近くの定食屋にて。 午後は熱方程式のグラジェント評価についての招待講演のあと、 三回目の ``contributed talks" のセッション。 一回目(東北大)、二回目(京大)は所属がまとまっていたが、 今日は筑波、東大、ボン大の院生の発表。 一回目からの三回分を聞くに、今の院生は皆、発表が上手だなと思う。 やはり若い頃から経験を積んでいるからだろうか。 セッションがかなり早く終わったのでお茶の時間が一時間ほどあった。 少し計算などをする。 お茶の時間のあと今日の最後の招待講演は、 無限グラフのコンパクト化について。 終了後、まっすぐ家に帰る。 二週間続いた第一回 MSJ-SI もようやく明日が最終日。

昼食休みに ``New in Chess" の最新号を読んでいた。 ティマンが連載記事で、 カールセンの終盤技術がいかに洗練されているか、 実例を挙げて解説していた。 カルポフに匹敵するのではないかという老練のテクニックだそうで、 そういう視点からカールセンを見たことがなかった私としては、 大変面白い記事だった。 何となく若き天才は、若者らしい中盤の剛腕とか、 コンピュータ世代特有の序盤の徹底した知識などに注目されがちなものだ。

Wednesday, August 06, 2008

contributed talks

8 時起床。今日も MSJ-SI に参加。 午前は熱核評価の連続講義の第三回、 離散曲率の第三回。午後は、 熱方程式の解のリー=ヤウ型不等式、 ランダム群、フラクタル幾何などの話のあと、 お茶の時間。 今日は変則的に最後のセッションが ``contributed talks", つまりショートコミュニケーションで、京大の院生二人が短い講演をした。 私が司会だったので一番前で真面目に聞いていたし、 しかもどちらも以前に聞いたことのある話だったこともあり、 とても良く分かった。 流石に京大の院生はブリリアントだ。 内容のレヴェルはもちろん十分に高いし、 学生のうちから特に問題のない英語講演で、妬ましいほどであった。 質疑応答で詰まったら適当に助けてあげてね、 とオーガナイザに言われていたのだが、 むしろ私の講演のときに彼等に助けてもらいたかった。 確率論の未来は明るい。このセッションのあたりから激しい雷雨になり、 しばらく芝蘭会館内で雨宿りしてから、 タクシーで会場へ。 夜はバンケットの第二回。

大体こういう機会は、 外国からのゲストを各テーブルに散らして、 交流を促進するようにしているものである。 私のテーブルには、 コーネル大で学位をとって母国の台湾の大学に就職した方がいて、 色々と情報交換もできて楽しく会話が弾んだ。 21 時半くらいにお開きになって、22 時過ぎに帰宅。

Tuesday, August 05, 2008

プログラムの工夫

8 時起床。京大正門前で降りて、芝蘭会館へ。 午前は熱核評価の連続講義の第二回、 昨日ランダム群について話していた連続講演の第二回として、 離散曲率と測度集中現象についての話。 百万遍の近くのインド料理屋で昼食を取り、 午後の一つめは L 先生のラフパスの連続講演第二回、 応用編として数値計算の話。 最終日に予定されている第三回は負曲率幾何との関係の新しい話をするらしい。 そのあと、東北大学の院生たちの短い講演が続いて、 お茶の時間のあと、最後の講演は離散群の固定点と同値写像のエネルギーとか。

MSJ-SI 第二週に入って、 少し聴衆が入れ代わったような気がするが、 なかなかサボり難いプログラムなので、 一定数の参加者がキープされている。 目玉になっている連続講演が上手にちらばっていて、 他の講演も分野に偏らず二週間に広がっているので、 一部の期間だけ参加しようとか、 この日はサボろうとか言うことが難しい。 さらに午後のお茶の時間が遅く、 お茶のあと最後の招待講演が一つだけあるのが、 なかなか渋い方針で、 お茶の時間のあと帰ってしまう手を封じているのに違いない。 オーガナイザもなかなかやるな、と感心。

夜は、ウォーウィックの E 先生、オックスフォードの L 先生夫妻、 を囲んで某料亭で会食。 私はこの両者ともに大変にお世話になったので、 参加しないわけには行かない。 鱧と松茸を堪能し、L 夫妻をタクシーでホテルに送り届けたあと、 22 時半くらいに帰ってくる。

明日の夜は第二回のバンケットなので、また更新が遅くなると思います。

Monday, August 04, 2008

京都地図

8 時起床。MSJ-SI の第二週。 今日から会場が変わって、時計台ホールから芝蘭会館へ。 まだ目が覚めていなくてぼーっとしていると、 L 先生がやってきて、「どうだ?」と言うので、 これこれこういうことが証明できた、と答えると、 いやもっと強い主張が証明できた、 とその場で私のノートを奪って答えられた。 週末に結果を出したらしい。 やはり数学も勤勉が第一である。 午前中の講演は熱核評価の連続レクチャー第一回、 ランダム群のレクチャー第一回。 昼食はみんなで学生食堂「ルネ」にて。 午前中でもう今日はお腹一杯の気持ちだったのだが、 用事を一つ頼まれていたので L 先生に再び接触。

「アノ、〇〇教授ガぜひゴイッショーニでぃな、オクサマもイッショニ、 といってます」。 「明日は私の講演だったか?じゃあ、丁度いいから是非にとお伝えしてくれ。 単位円板内で我々の条件を満たすパスをフーリエ級数展開するとその境界円周上の一様測 度についてほとんどいたるところでエフイコール総和することのフーリエ係数 z の n 乗…」 「アノ、デキレバ、ナニカ紙ニ…」 「おっと、すまない。えーっと、あそこで紙がもらえるようだぞ」 と L 先生は受付に歩いていくと、 何やら緑色の細かい絵が書かれた紙を一枚持って帰ってきた。 先程の説明を続けながら、 その絵の上にボールペンで数式を書いていく。 良く見えないのだが石垣の上に書かれるよりはましなので、 もう私としては、 「てりー、ソレ京都市街地図デスね」 とリマークするタイミングも逃し、そのまま議論を続けた。

午後は最適輸送問題とペレルマン体積の関係、 ランダム群などの講演が続き、 講演を一つサボって L 先生と数学の議論。 お茶の時間のあと、 最後の招待講演はランダムグラフについて。

夜は KS 大の U さんに誘われて、 若い人たちと百万遍近辺で飲むことになる。 その後、もう一軒梯子して、帰宅は 23 時前。

明日の夜も会食を予定していますので、更新が少し遅くなると思います。

Sunday, August 03, 2008

おすそわけのある生活

やはり 8 時に起床。もう習慣化されたらしい。 今日もまた暑くなりそうだ。もちろん最高気温の予報は今日も体温レベル。 午前中はファイナンス仕事をあれこれ。 昼食は御飯を炊いて、だしを引き、南瓜のお味噌汁。 ちりめん山椒、梅干し、卵ご飯などの粗食。食後に葡萄を少し。 ちなみにこの中で、南京、梅干し、葡萄がいただきものだ。 持つべきものは田舎のある友人。 午後は少し仮眠をとってから、数学をちょっとは考えたり。 夕方、日の高い内にお風呂に入る。 湯船でチェスの問題集を解いたり。 そうしていたらふと、 先程考えていたことはこれで出来るのではないかな、 と思いつき、夕食まで少し計算。 ほとんど自明だが、ちょっと面白い系が出来た。 もう少しふくらませられたら、 今回の Proceedings に書かせてもらおう。

夕食は炒飯など。全然あわないかも知れないけど、 赤ワインを少し。 夜は、これまたお裾分けにいただいたイタリアントマトで、 マリナーラソースを作りおきした。 一回では使い切れないので、熟れたものを選んで、 半分だけ消費。 「戦う操縦士」(サン=テグジュペリ/堀口大學訳/新潮文庫) を最後まで読む。

©HARA, Keisuke 2008

Saturday, August 02, 2008

ダークナイト

つい 8 時に起きてしまった。でもようやく起き出したのは 9 時。 たまった洗濯物の洗濯と、掃除機がけ、その他いろいろ。 昼食にはカルボナーラを作った。 今日も京都は 36 度予想。7 月は 31 日間全日が真夏日だったと言う。 そろそろ「真夏日」や「猛暑日」の定義を二三度上に変えた方がいいと思うなあ。 気付いたらもう 8 月、京都はどこまで暑くなるのか、 既にちょっと楽しみでさえある。 そんな猛暑の中、大学に定期試験の採点に行こうかな、 と思って二条駅まで歩いたものの、既にそこでギヴアップ。 涼を求めてシネマコンプレクスに入ってしまった。 どうやら今のメインは「ぽにょ」らしい。 実は、私は宮崎アニメを劇場でも TV でも一度も観たことがない。 元執事にも「さすが、日本人じゃないですね」と感心されていたものだった。 いつまでもそんなことを言わせておくわけにも行かないので、 折角だし一つ観ておくか、と思った。 その唯一の作品が「ぽにょ」と言うのも良い感じだ。 そんなわけで急遽、休日の午後は映画鑑賞。

しかし建物に入ってみると、 「ぽにょ」と「ポケモン」のせいでお子様たちが一杯。 ちょっとうんざりしかけたところに偶然、 「ダークナイト」 の先行上映がかかっているのを見つけた。 アメリカで記録的な大ヒットを飛ばしたそうで、 私が信用している評者が現地で絶賛に近い文章を書いていたのを思い出し、 やはりポニョよりはこちらを観ることにした。 とは言え、なにせバットマンだし、あまり期待していなかったのだが、 それが良かったのか予想を遥かに越える面白さ。二時間半があっと言う間だった。 「ジョーカー」役のヒース・レジャーの演技が大変な迫力。 まさに鬼気迫る表現力で、 それほど過激なシーンがないにも関わらず、 未成年に見せてはいけないのではないかと思うくらいだ。 看護婦姿のヒース・レジャーが、 独房のレクター博士と同じくらい怖い。 こんなタイプの映画がハリウッド超大作として作られ、 しかも大ヒットすると言うことは、 私が思っているよりずっとアメリカのエンタテイメント文化が成熟しているか、 あるいは、私が思っているよりずっと退廃しているかのどちらかだと思った。 しかし、先行上映なのにがらがらに空いていたことだし、 大作の割にあまり宣伝も見かけないし、 日本でのヒットは難しいかなあと予想。

夕食は盛り蕎麦と、蕎麦湯。 一日ゆっくり。

Friday, August 01, 2008

夕寝

8 時起床。今日も朝 10 時から京大時計台にて、MSJ-SI。 午前中は幾何学における最適輸送問題のレクチャーの第四回(最終回)、 ウリゾーンの定理の関係の講演。 昼食は百万遍の方のインド料理屋にて。 午後は、最適輸送問題関係の講演のあと、 短い講演が二つ(一次元拡散過程と確率解析)、 お茶の時間を挟んで最後の招待講演は、 アレクサンドロフ空間のランダムネット近似と一粒子理想気体とか。 大変面白そうではあったが、良く分からず。 今日の日程が終了して、すぐにバスで帰宅。 ちょっと寝台に横になったら、 今まで寝てしまった。疲れていたのだろう。

明日はエクスカーションの京都観光だが、私は不参加。 ディスカバー・キョート企画の一環として参加する手もあったかも。 しかし、自宅での雑用もたまっているし、 途中で二日くらい休まないとバテそうなので。