Thursday, January 31, 2008

命の薔薇

寝坊。9 時過ぎまで寝てしまった。 珈琲を飲んで、午前中は昨日の会議をうけての仕事の続き。 思ったよりは変更の波及が小さく済んだ。 昼食は御飯を炊いて、納豆と野菜炒めなど。 "ProblemParadise" の解答を清書。 一月は多忙にてヘルプの2手しか解けなかったため、 あっと言う間に終わり、食後の散歩がてら投函に行く。 すぐに帰宅して午後はレポート採点。 予定通りに今日で採点を終了した。 文系マスプロは何百人も登録しているので、 マークシートに成績を記入するだけで手が痛い。 夕食まで少し時間があったので、 "Inequalities"(Garling) を読む。

夕食の用意。野菜くずでスープを作りおきする。 ベーコンと大蒜を下地に、スパイス類でややカレー風味にしてみた。 冷や御飯の残りで炒飯を作って、野菜スープと。 炒飯はセロリの葉っぱのところを少しだけ使ってみた。 思ったより良い感じ。食後は練習室で一時間ほどチェロを弾く。

あっと言う間に一月も終わり。早いものだ。 もうかなりの年になってきたので、日々を大事に味わって生きよう、 と元旦あたりには真面目に思ったのであったが、 凡夫の悲しさ、なかなかそうはいかぬ。 生きなさい、私を信じるならば、明日を待たずに、 今日からすぐに、命の薔薇を摘みなさい、と古の詩人は歌ったのであるが、 哀しや悟り薄きものは、 過去の記憶を生き、未来の期待を生き、 けして現在を生きることはできない。 日々を enjoy することは、まこと人生の一大難事業である。

Wednesday, January 30, 2008

ビリヤード球の行方

8 時起床。空瓶のゴミ出し。 目覚しの珈琲。今日することを整理。 現在のバックログはゼロなので、する仕事がない。 最近サボっていた掃除機がけをして、 まだ半時間ほど余っていたので、 Garling の "Inequalities (A journey into Linear Analysis)" を読む。これを次の卒研のテキストの一つにしようかと思っている。 4 年生にはちょっと難しいかも知れないので、 解析学が好きな外部の大学院受験生向けくらいだろうか。 身支度をして出勤。 学生食堂で早めの昼食。 新たに仕事も入ってこないので、 学内のカフェで昨日プリントアウトした論文を読む。 面白いアイデアがひらめいたかな、 と思っていたのだが、ちょっと勘違いしていた模様。 大枠は悪くないが、すぐに何かできそうな感じではない。 15 時から学位論文の公聴会。 16 時半くらいから学科会議。 終了後、会議の結果を受けて、研究室でお仕事。 自宅の近所のバーに電話をして予約。 テリーヌの味の確認のため、 パテ・ド・カンパーニュを食べよう。

通勤の車中で読んでいる N.N.Taleb の "Black Swan" に、こんな話が出ていた。 ビリヤードの玉の一つをキューで突いて、 どうなるかを数学的に計算しよう。 ビリヤード台や玉は完全に理想化して考えるので、 台に摩擦の誤差やむらの類もなければ、 クッションとも他の玉とも完全弾性衝突する。 これはコンピュータでいくらでも正確に予測できる、 簡単なニュートン力学の問題だと思われる。 ところが実際は、 10 回も衝突、反射しない間に、 テーブルの傍に立っている人間からの万有引力の考慮すら必要なほど、 急速に誤差が拡大するのだそうだ。 それくらいだからもちろん、 宇宙の全ての天体の運行などまで考慮しないといけないことになる。

Tuesday, January 29, 2008

雨のキャンパス

8 時起床。寝室の出窓から外を見学するに雨。 積もったようでもない。雪にはならなかったらしい。 寝室の外で鳴く猫を放置して、 寝台でしばらく Bonfiglioli を読む。 8 時半くらいに階下に降りて、 猫に食事を与え、ゴミ出しをして、珈琲を飲む。 今日することを手帳と相談してから、雨の中を出勤。 学生食堂で早めの昼食。 珍しく雑用もないので、数学を考えたり。 その関連で調べものをしたり、 たまたま院生室を覗くと A 堀先生がいたので議論したり。 16 時半から試験監督応援。 丁度、教授会の時間と重なっていたので、 会議欠席届を出して正式に欠席した。 18 時前に終了。 研究室でメイルをチェックしてから帰る。 午後には雨がやむような予報だったが、 夜になってもまだ、しとしとと雨が降っている。 車中では、今日届いていた料理の本を読む。 料理本は癒されるな…と、テリーヌの作り方などを見つつ思う。

19:30 くらいに帰宅。 うっかり禁を破って大学アドレスからのメイルを見ると、 仕事が追いかけて来ている。しかも緊急の対応が必要だった。 18 時以降は仕事メイルは見ない、と言う決意を守らなかった罰だろうか。 やむを得ず、家でしばらく仕事の続き。 20:30 くらいになって夕食。 夕食はカルボナーラと、キャベツの温かいサラダ。

Monday, January 28, 2008

コイン投げ

8 時起床。良い天気だが、やはり寒い。 珈琲を飲みつつ、今日することを整理。 出張の後だけに今日のリストはかなり長い。 止まったり遅れたりの電車に乗って、 予定より一時間弱遅れてキャンパス着。 学生食堂は既に満員の大行列。 購買部で生協弁当を買って、研究室で昼食。 すぐに仕事にかかる。 リプトンの紅茶を飲みつつ、淡々と、黙々と。 お三時は、チョコレート・バームクーヘン。 リプトンの袋で読んだ「ひらめき体操」をしたりしているところに (私は包装紙とか袋の文章まで意味なく読んでしまうタイプだ)、 女子学生二人が質問に来た。 O 坂先生の確率論の講義の演習問題らしい。 [0, 1] 区間内の数の二進法展開と集合の長さの問題。 全部解いてあげては勉強にならないので、 これは無限回のコイン投げとその確率に他ならない、 と言うことをホワイトボードでかいつまんで説明した。 こういう面白い時間はすぐに終わって、 また淡々と雑務をこなす。 しばらくして予定していた作業は済んだので、 さらに今日入ってきた件も片付け、 夕方には全ての用件を終えて帰る。

電車の中で少し数学を考えた。 自宅の最寄り駅に着いたら冷たい雨が降っていた。 明日の朝にかけては雪になるらしい。 京都は一月の下旬になってようやく冬らしくなってきた。 夕食はクスクスの残り。 お風呂に入ってさっぱりしてから、夜はレポート採点。 月末までには片付けよう。

Sunday, January 27, 2008

Couscous

9 時起床。寝室の前で鳴いているクロソフスカヤを放置して、 寝床でしばらく読書。「モンテーニュ私記」(刈穂瑞穂/筑摩書房)を読む。 10 時頃起き出して、猫に餌をやり、お茶を飲み、洗濯をする。 通信チェスの手を考えたりしているうちに昼。 昼食は王将の餃子二人前を焼く。 食後散歩を兼ねて、日差しのある暖い内に食材の買い出し。 今日も寒い。 日が差しているのに、雪がちらほらと降っている。 午後は、レポート採点。 珈琲をマグカップに入れて、練習室でひたすら採点に励む。 何故か私の名前を「原敬」先生と書いてくる学生が複数いた。 そこは採点範囲ではないので特に減点はしなかったが、 なぜに今頃、原敬。日本史でも一緒に習っているのだろうか。 夕方に切り上げて、夕食の準備。

クスクスを作る。本当は羊が良かったのだが、やむなく鶏で。 今一つはっきり味をイメージできなかったせいもあり、 スパイスの使い方がぼんやりしている。 多分、足りないのはシナモンかな… でも、初めてにしてはまあまあだった。 やはり羊肉の串焼きなんかを飾りたいところだ。 今回は使わなかったが、トマト風味も良さそう。

Saturday, January 26, 2008

かりんとう

9 時半起床。 またルームサーヴィスのアメリカ式朝食。 天気は良いが、雲がかかって富士山は見えない。 のんびりして 12 時頃チェックアウトする。 品川駅のスーパーでクスクスを買ったりして時間をつぶす。 ワイルドライスも買おうかとちょっと悩んだが、 かなりのお値段だったので、 自分で料理はせずにバーで食べるに留めておくのが無難かな… と思って、買うのはやめておいた。 14 時頃の新幹線で帰る。車中で駅弁の昼食。 往復の車中で J.D.マクドナルドの「金時計の秘密」(本間有訳/扶桑社ミステリー) 読了。実に馬鹿馬鹿しく愉快な話だった。 夕方に帰宅。東京も寒かったが、京都も寒い。 夕食まで少し寝室で休む。 出張前に冷蔵庫をほとんど空にしていったため、まともな食材がない。 しかしこの寒いのに外出するもの鬱陶しかったので、 夕食は納豆スパゲティとキャベツの炒めもの。

食後にお茶と、いただきものお菓子。 "HIGASHIYA" の黒かりんとう。 形と大きさは丁度、女性の靴の中じきくらい(失礼)。 これがかりんとう?でも、味は確かにかりんとう。 上品な甘さが大変結構です。ありがとうございました。

アメリカ式朝食

8 時起床。 ルームサーヴィスを頼んで部屋で富士山を見ながら朝食を食べる (確かにはっきりと大きく富士山が見えた)。 朝食はアメリカ式らしい。イギリス式でないのが残念。 朝食の豊かさと言う面ではやはりイギリス式だ。 でも、アメリカ式でもそんなに悪くはない。 イギリスに恨みはないが、美味しいものは本当に朝食とパブだけだったような気がする。 今からイギリスに長期滞在する方にアドバイスをすれば、 悪いことは言わないから、 朝食の他は、昼食はサンドウィッチ(テイラーズの)、 夕食は中華料理とインドカレー屋とパブをローテーションすることを勧める。

駒場に向かう。数理ファイナンスの研究会。 今日もバラエティ豊かで楽しかった。 実際、今回は忙しい時期であることもあり参加をためらっていたのだが、 いくつかアイデアも得られて大変に有意義だった。 数理ファイナンスって、 自分が思っていたよりもっと広い世界だったんだなあ、と思う。

夕食は渋谷の南仏料理屋(?)。 自腹でもう一泊して、明日京都に帰る予定。

Thursday, January 24, 2008

フルーツ盛り合わせ

8 時起床。身支度をして、新幹線で東京に移動。 あれ、新幹線の電光掲示板って前からカラーだったっけ。 車中の読書は、お気楽なものを、 と J.D.マクドナルドの「金時計の秘密」(本間有訳/扶桑社ミステリー)。 マクドナルドと言うとロスかフィリップで、 日本では意外と名前が知られていない。 かのケープ・フィアーの原作者でもあるのだが、人気はいまひとつだ。 品川から渋谷を経由して、駒場へ。 ここには 10 年近く通ったので、 やはりいつ来てもなつかしい。 午後から数理ファイナンスの研究会。 ファット・テイルを分布に持つ確率変数の和の極限定理とか、 amazon の売上ランキングのモデル化とか、 なかなか面白い話続きだった。 数理ファイナンスの業界もちょっと変わってきたような。

渋谷のホテルにチェックイン。 ホテル側が気をきかせてくれたのか(?)ツインで、広々。 しかも、テーブルには果物の盛り合わせが差し入れてくれてある。 そこまでしてもらうほどの上客かな… と思いつつ、マンゴーに手をつけようとして、 ウェルカム・レターの宛先に気付いた。 全くの他人、実際、外国人の名前である。 どうも何かの間違いらしい。 面倒だから無視して食べてやろうかとも思ったが、 マフィア関係者か何かで、毒でも盛られていたら大変だ。 不承不承、自己申告。やはり手違いだったらしく、果物は引き下げられた。 部屋はこのままで良いようだ。 富士山側です、とポーターが自慢していたが、 こんなところから富士山が見えるのかどうか、 明日の朝を楽しみにしていよう。

Wednesday, January 23, 2008

監督応援

8 時起床。 珈琲豆が切れていたので、目覚しのルイボス茶。 今日することを整理して、出勤。 外は冷たい雨が降っている。 学生食堂で早めの昼食を取り、 研究室でメイルベースのお仕事とか書類提出とか。 13 時過ぎから試験監督応援に行く。 一般教養の世界史のような科目。 答案を見て廻ったらなかなか楽しくて、飽きない科目だった。 試験問題の中に、 いくつかのキーワードを必ず使って○○について論じよ、 と言うタイプの論述問題があった。 そのキーワードの一つが「アトミック・ソルジャー」 だった。核実験で被爆した兵士のことである。 しかし答案を見ていると、 「そして開発されたのが最高で最悪の兵器である核兵器、 人呼んでアトミック・ソルジャーである」(秘密兵器か?) とか、 「イギリス、フランス、ロシアが結合して、 アトミック・ソルジャーとなった」(合体ロボ?) とか、笑いの壺を心得たものが多く見られ楽しかった。

しかし、時間内に提出された答案には、 「それでたくさんのたい集がしんだ。 せいじか、たちはなにをやっているのか」 のような感じの文章が 4 行ほど書かれてるものとか、 学生に甘い私をすら、心胆寒からしむものが散見され、 英語の表現で言えば "spine" や "neck" の単語を使いそうな感情が 沸き起こってきた。 全部で 230 ほどの答案を集め、 学生証を忘れた学生を連れて事務に行くまでの間、 その君の答案を見ていると、穴埋め問題のところで、 「このとき爆撃されたスペインの都市を題材にしたピカソの大作」 に「ヴェロニカ」と書いていて、 「君、ヴェロニカは違うだろ。どこの女やねん」 と言うと、「でも雰囲気あってませんか、三角でしょうか」 とボケてくるので、「そりゃバツやろ」と答えたのだったが、 あとで良く良く考えてみると、 他の答案に比べて論述の文章もまあまあ日本語に近かったし、 ヴェロニカにしても半分近くもあってる。 三角どころかマルかも知れないよ…と思ってきた。 ちなみにこの試験はテキストの持ち込みが許可されていて、 実際、全員が同じ教科書を持ってきていた。

監督応援の次は続いて、学科会議。 今日は開始も早かったので、終わりも早かった。 17 時くらいに今日すべき仕事は全て終了。 帰宅して、鍋焼き饂飩を作って夕食。

明日、明後日と東京での数理ファイナンスの研究会に参加。 更新する予定ではありますが、更新時間も含め不確定です。

Tuesday, January 22, 2008

鶏雑炊の毎日

8 時起床。今日も寒い。 猫にえさをやって、ゴミ出しをして、珈琲。 洗濯機をしかけて、メイルと手帳と相談して今日することをまとめ、 やれやれと一服。小雪さんのドラマの再放送を観ながら、 妹の誕生日のプレゼントを見繕う。 予定のものが手配に時間がかかりそうだったので、 やむなく吉本ばななの短編集を送っておいた。 うーん小雪さんきれい。昼食まで数学を考える。 昼食は御飯を炊いて、餃子と納豆。 午後も、しばらく数学を考える。 手詰りになったところで止めると次に始めるのが大変なので、 「次はこれを試してみよう」と思ったところで止めるようにしている。 あとは夕食までレポート採点。マシーンのように処理して、 メイルで受け取った分は全て片付けた。 とは言え、半分以上は紙で受け取っているのであるが。 夕食は、手羽先と生姜と野菜くずでスープをとって、 昼間の冷や御飯の残りで鶏雑炊。

フィッシャー追悼の意味で、タイマノフとのマッチを並べてみたり。 二人ともぎりぎりのところに行っていて、 結果が 6-0 と極端になったのは、 それがマッチと言うものなのだろう。 有名なのは第4局の終盤で、 ビショップ vs. ナイト終盤の決定版とされているが、 例えば、第2局の終盤だって面白い。 30 手あたりから既に終盤に入り、難しい争いが延々と続く。 左図はその第2局、 ようやくルークが交換されてこれまたビショップ vs. ナイトになり、 80 手を越してついにタイマノフが 「ポカ」81. ... K(d5)e4?? を指したところである(これがポカ?)。 ポカと言う以上はとがめる手があるわけで、 思考機械フィッシャーはこの敗着を見逃さない。 図の局面で唯一の手 82. Bc8! だ。 これで黒はどうしてみてもツークツヴァンクに追いこまれて、 今 h3 にあるポーンが 8 段目まで行進してしまう。 スタディのような終盤である。

Monday, January 21, 2008

パジャマを買う

8 時に目が覚めたが、実際起きたのは 9 時。 今日も寒い。目覚しの珈琲を一服。 少しメイル対応の仕事をしてから出勤。 学生食堂で早めの昼食。 研究室で紅茶とバームクーヘンで一服してから、 試験監督の集合時間の 10 分前にアラームを仕掛けて、午後の雑務開始。

時間割問題が大体おさまってきて、 次は TA (院生のティーチングアシスト) 配置とその関係の仕事。 シラバスについても問題発生。 あれこれメイルしたり、電話したり、 直接事務室に行って直談判して、ほぼ解決する。 その合間のついでに平常点評価科目、 つまりゼミと演習科目の成績報告書も作って提出した。 成績づけ関連で残っているのは、文系マスプロ二科目の大量レポート採点と評価だが、 これも 2 月 4 日から始まる入試採点までには片付ける予定。 その後は試験監督応援。 今日から月末までが定期試験期間。 おかげでキャンパスがいつもの倍くらい賑やかだ。 試験監督その1は「ジェンダー論」だかの一般教養科目、 続けてその2は電気回路の科目のようだった。 夕方、研究室に戻って、もう少し事務仕事をする。 18 時半くらいに今日するべき仕事は全て終了。帰る。

帰りに駅前の無印良品でパジャマを買った。 私は無印良品のパジャマのファンで、時々買ってしまう。 安いし、売っている姿がいい。正方形に畳んでリボンがかけてあるのだ。 それに風呂上がりに新品のパジャマを着るのは、 なかなか気持ちの良いものだし。 20 時くらいに帰宅。 確定申告の書類が来ていた。そういや、それもあったっけ。 夕食はまた鍋をする。基本の水炊き鶏鍋。 食後にヴァンホーテンのチョコレートと珈琲を用意。 さて、「北の夕鶴 2/3」でも観ながら一服しよう。 夜は何をするかな…

Sunday, January 20, 2008

モンテーニュ

10 時起床。ああよく寝た。 珈琲を飲みながら、原稿の最終チェックをして出版社に送る。 豚トロとキャベツのスパゲティを作って、早めの昼食をとり、 午後は今年初めて大阪のチェスクラブへ。 午後からの二局に参加。 両方とも黒番でレイティングがずっと上の方と。一勝一敗。 一局目は二時間半かけての激闘だったが、 お互い一分を切ってのエンドゲームを勝ち切り、会心の勝利。 しかし、二局目は序盤で二手先も見えていない簡単なフォークにかかって負け。 そこで投了するか、最強の抵抗をするか決断すればよいものを、 漫然と指し続けてしまい、次々にタクティクスにかかって、 どこで投了すれば良いのか分からないような為体。 何かいいこと起こらないかなと、 だらしなく指していては駄目なのに決まっている。 こういう態度は絶対にやめよう、と思う。前もそう思った気がするけど… クラブにいるときから足元がぐんぐん冷えてきた。 氷雨の降る中を帰る。

帰りの車中では、「モンテーニュ私記」(刈穂瑞穂/筑摩書房)を読む。 モンテーニュの生きた時代のフランスは、 宗教改革による内戦とペストの嵐の吹き荒れる時代で、 モンテーニュ自身も大変な状況を生きていたことを知り、 今までの「エセー」の読み方は何と浅はかであったことか、と反省した。

夕食は手羽先と生姜と葱を煮込んでスープをとり、 そのあと野菜と茸などで鶏鍋にする。 最後は卵を落として饂飩にした。 今日はもう何かする予定はないので、オレゴンのシャルドネを数杯。 鍋の後の雑炊や饂飩を作ったとき、 半熟の卵のねっとりとした黄身を湯気の中に見るたびに、 世の中で一番美味しいものは鶏卵なんじゃないかと思う。

Saturday, January 19, 2008

ミモファント

9 時起床。今日も寒いが、良い天気だ。 猫に餌を与えて、自分には珈琲。 フィッシャー追悼の意味で、"My 60 Memorable Games" から一局並べる。 60 局の内の珍しい敗北の中から、 スパスキーのキングズ・ギャンビットに負けた局(1960 Mar Del Plata)。 フィッシャーの若さ、勢い、自信、そして未熟さと敗局の苦さ。 マグカップの珈琲を持って、寝室に戻る。 寝室に猫は入れない方針だが、 今日は入れて出窓で日向ぼっこをさせてやる。 昼食まで、寝床で「モンテーニュ私記」(保苅瑞穂/筑摩書房)を読む。 昼食は御飯を炊いて、回鍋肉を作った。 食後にまた一局フィッシャーの棋譜を並べる。 今度はタイマノフとの対局(1971 Vancouver, Candi.-Q.-final, 4th) にしてみた。終盤の名局。

ワインが切れていたので、 昼間の温かい内に近所のワイン屋に買い物に行く。 棚仕事をしていた K 山さんに頼んで NZ の紅白を見立ててもらった。 レジに行ってから、頒布会のワインを受け取っていなかったことに気付き、 結局 4 本になってしまった。 私は自宅ではせいぜい週に一本強くらいしか飲まないので、三週間分くらいか。 帰宅して珈琲を入れ、午後の仕事。明日が締切の原稿の推敲。 一応完成原稿を作って、今日の仕事は終了。 明日の朝に最後のチェックをして提出する。 夕食は昨日の鍋に手羽先を入れてだしを取ってスープを強化し、 昼間の冷や御飯で雑炊を作る。手羽先の身と玉葱で和え物も。 雑炊が大変美味しくできたのは良かったが、 何と言うか…一鍋分食べたら痛風になりそうな味だった。 オレゴンの白を一杯だけ。このシャルドネは美味しいな。

フィッシャー追悼。 "Bobby Fischer goes to War" から、 フィッシャーの人となりの紹介になっている、 第三章「ミモファント」の抄訳を公開します。

Friday, January 18, 2008

だらしなくふんわりと

8 時起床。また 10 時間くらい寝てしまった。 出窓からしばらく外を眺めて、雲雀とか蝸牛を探す。 今日は良い天気。気温はかなり低い。 階下に降りて、珈琲を飲んで、就業開始。 訂正原稿の反映作業をした。 次は教務関係のメイルでの対応仕事などをして、出勤。 学生食堂で早めの昼食。 13 時から、今期で退職される同僚の最終講義。 学生や、同僚の他にも、同業の専門家の方々も外部から沢山来ていた。 研究室に戻って、また雑用三昧。 教務関係と、A 堀プロジェクトの申請書類書き。 時間が少し余ったので、小一時間ばかりレポート採点。 夕方終了してキャンパスを後にする。 今日中にまた入ってきた教務関係の仕事があったが、 それは次のビジネスデーにまわす方式。 来週は後半が東京出張なので、雑務は前半が勝負所。

今日もまた昨日に増して寒い。 身体の中から温めることにしよう、と、 かなりの量の唐辛子と山椒を使った鍋。 しかし、具材の甘みと脂のせいで、それほどの辛さでなかった。 NZ の赤ワイン。

今日、届いていた本。 モンテーニュの「エセー」の宮下志郎氏の新訳 2 冊の他、 「モンテーニュ私記」(保苅瑞穂/筑摩書房)、 「ぼくには数字が風景に見える」(D.タメット/古屋美登里訳/講談社)など。 心が少し疲れているときには、モンテーニュが効く。 パスカルは、「彼(モンテーニュ)は、その著書全体を通じて、 だらしなくふんわりと死ぬことばかり考えている」、 と非難したらしいが、 素敵じゃないか。だらしなく、ふんわりと。

速報:ボビー・フィッシャー、レイキャヴィクに死す。

Thursday, January 17, 2008

初雪

8 時起床。寝床でしばらく Bonfiglioli を読む。 外は雪が降っている。ひょっとして初雪かも知れないかなあ… パジャマにカーディガンを羽織って片手にペイパーバックを持ち、 出窓の前に立って雪を見つつ、人生っていったい何でしょう、としばし黙考。 猫にえさを与え、珈琲だけの朝食。 昨夜のうちにメイルで入っていた教務の仕事をしてから出勤。 学生食堂で早めの昼食。鶏の山賊焼き、冷奴、玄米御飯、味噌汁。 12:30 から今期最後の卒研F。伊藤の公式など。 続いて、14:10 から今期最後の卒研S。 再生過程の大数の法則など。 ゼミ室の外では山を背景に激しく雪が降っている。 幸せっていったい何でしょう… 続いて、15:50 から今期最後の「プログラミング演習」。 17:20 に今期の授業を全て終えて、研究室に戻る。 少し雑用仕事をして、今日する予定だったことは全て完了。 またいくつか新たに仕事が入っていたが、明日にまわす。

寒い。土鍋にキャベツと茸類を入れ、 上に豚バラ肉を並べ、酒少量を足して火にかける。 出来たものをポン酢で食べる。 食べたあとの少しのスープに饂飩玉を入れて火にかけ、 ポン酢の残りと唐辛子で味をつけて、 焼き饂飩風に鰹節をかけて食べた。 幸せって、やっぱりポン酢醤油のある家かなあ…

Wednesday, January 16, 2008

スケーラビリティ

8 時起床。寝床で読書などしてごろごろしていたら、 本当の起床が 9 時になってしまった。 猫に食事を与えて、 慌ててゴミ出しをしに行くが、既に遅かりし。 びんゴミの収集は時間が早いなあ。 目覚ましの珈琲。洗濯機をしかけて、今日の仕事を整理。 昨日の段階では、今日はレポート採点と原稿推敲に集中できるな、 と思っていたのだが、結局、昨日の夜にメイルが入っていて、 今日も教務仕事が中心になるようだった。 洗濯物を干してから、 「傷だらけの人生」 (リンク先はYouTube)を口遊みながら出勤。

学生食堂で早めの昼食。 今日する仕事を整理して、端から片付けていく。 事務仕事に集中したら意外と早く二時間ほどで終わったので、 あとは予定の仕事をすることにした。 次は場所を変えて、カプチーノを飲みながら原稿の推敲をする。 また研究室に戻って、今度はレポート採点の作業をする。 切りの良いところで業務終了して帰る。

夕食は京都に滞在中の N さんと再び。 市役所前で待ち合わせて、近くのカジュアルなフレンチへ。 今回の滞在は仕事の出張で一泊とかかな、と思っていたのだが、 この前聞いてみたら、 京都に 4, 5 日泊まって人生を考え直してみたい、 とのことだった。 で、考え直した結果どうなったのか、をインタヴュしつつ食事。 私はオニオンスープと牛の赤ワイン煮込み。 N さんはどうも今月限りで今のお仕事を辞める決心をしたようだ。 何と先を越されるとは思ってもみなかった。 来月からはどうするのかと訊くと、 しばらくぶらぶらしてから商売をするかもと言うので、 じゃあ京都でバーをやってくれと頼んでみたが、 飲食業は「スケーラブルではない」 との理由でもう一つ慎重なようだった。 早めに始めたので、20 時くらいに終了してお別れする。 若者の未来に幸多かれ。

例えばソフトウェアは一度作ったらそれをコピーして配布するコストは、 相手が100人だろうが100万人だろうが大して変わらない。 こういう性質をスケーラブルと言う。 一方、飲食業のような仕事は客の数にほぼ比例してコストがかかる。 どんな天才シェフがいるレストランでも、一晩に100万人客をとることはできない。 普通の産業では努力でスケール性を変えることがほぼ出来ないので、 あまり気にしてもしょうがない概念だが、 情報産業では自分の仕事をどこまでスケーラブルにするかが最大のポイントになる。 だから常にスケーラビリティを気にしている。 しかしスケーラブルな仕事はその性質上、 常に Winner takes all であり、 トップがほぼ全ての利益を得てしまい、残りのほぼ全員が負けることになる。 しかもその勝敗には大いに運不運が関わる。 これは普通は好ましくない性質である。 一方、飲食業のようなスケール性のない仕事は、 信用の蓄積、トップでなくとも高い品質、などで努力が報われる可能性が高い。 だからスケール性があれば良いと言う単純なものでもない。

Tuesday, January 15, 2008

夫婦円卓問題

今日も寒い。 ゴミ出しをして、目覚しの珈琲。 メイルで今日する仕事のいくつかを片付け、出勤。 学生食堂で早めの昼食。 午後は研究室で今日することを次々に片付けてから、 今期最後の卒研ゼミI。 ポワソン分布での近似の続き。 このゼミでは「確率論へようこそ」と言うかなり易しい教科書を使っていたのだが、 なかなか面白かった。 特に 0-1 値確率変数を使うテクニックが勉強になった。 16 時半から教授会。人事の案件が沢山あったので覚悟はしていたのだが、 案外あっさりと終わった。研究室で最後の雑用をして帰る。 帰宅は 20 時少し前。 夕食は王将の餃子二人前を焼いて、ルイボス茶で食べる。

「n 組の夫婦を中華料理の食事会に招待した。 2n 席ある円卓に全員がでたらめに、 ただし男女が交代交代に座るとすると、 自分の配偶者と隣り同士に座っている夫婦の数の期待値(平均)は?」 組合せを真面目に考えると大変なことになりそうだが、 0-1 値確率変数のアイデアを使うと簡単にできる。 ある人の右隣りがその人の配偶者なら 1, そうでなければ 0 の値をとる確率変数を考えよ。 この確率変数は確率 1/n で 1, それ以外のときは 0 だから、その期待値は 1/n 。 夫婦で隣り同士に座っているペアの数はこの確率変数 2n 個の和に他ならない。 これらは独立ではないが、 和の期待値がそれぞれの期待値の和に等しいことは常に成り立つから、 求める期待値は 1/n の 2n 倍で答は 2 組。

Monday, January 14, 2008

ひもろぎ

寒い。今朝は氷点下らしい。寒さのあまり早朝に目覚めたが、 二度寝してしまい、起床は 10 時。またしても子供並に良く寝た。 猫に餌を与えて、マグカップに珈琲を入れて寝室に戻り、昼まで寝床で読書。 Bonfiglioli の "Don't point that thing at me" ("The Mortdecai Trilogy" 所収)を読む。 辞書を引き引き、悩みつつだが、 含蓄のあり過ぎるほどある文章なので、なかなか楽しい。 まだ物語が始まったばかりなのに、 ウッドハウスの若旦那バーティを気取る主人公は既に、 一回拷問され、一回殺されかけている。 冒頭の注意書きによれば、 各章のエピグラフは全てロバート・ブラウニングなのだが、 一つだけは容易にそれと分かる贋作だそうだ。 そんなことを言われても、 ブラウニングなんて「春の朝」くらいしか知らない。 つまり、雲雀がピーと来て、蝸牛がにょろーっと来るやつだ。 どれが偽物かなんて分かりそうにない。

今日はかなり寒いので、昼食は豆腐の卵とじ風の鍋焼き饂飩にしてみた。 予想通りの出来だったが、やはり別々に食べる方が良さそうだ。 食後に半時間ほどチェロを弾く。 明かりとりのために雨戸を開けたら、霙混じりの小雨が降っていた。 午後はレポート採点。 Gmail で展開してもらえない形式で書かれたファイルを (端的に言えば、.docx だが)、集中的に採点した。 DVD で「キル・ビル」などを流していたのだが、 やはりいつまでもジュリー・ドレフュスは綺麗だなあ、 と全然本筋と関係ないところで感心した。

夕方になって、 東京のネットワーク・ハッカー N さんと会食のため外出。 某ホテルに入っている某鉄板焼き屋さんにて。 一年にバスタブ 2 杯分ワインを飲む方の blog で目にして記憶しておいたところ、 N さんがこのホテルに泊まると言うのでお薦めしてみた。 私も初めての店。 流石に美味しいと言っていいだろう。しかし、正直に言って高い。 言わゆるホテル値段なので、社用以外にはお薦めし難い。 特に美味しいのは、 牛肉の脂が滲みたパンで作る、 メインの後のもやしとタルタルソースのサンドウィッチ。 そして最後のガーリックライス。 ガーリックライスは普通は大蒜と御飯だけで作ることが多いが、 この店ではマッシュルームの微塵切りと卵を混ぜて炒飯風に作る。 これが何とも美味しい。 次はホテルのバーに行って、飲み直す。 私はマティーニとカルバドスを一杯ずつ。 京都の飲食業界についてあれこれ議論をして遅くなった。 帰宅は 23:30 くらい。

Sunday, January 13, 2008

自宅でひっそり

9 時に目が覚めたけれども、起きたのは 10 時。 今日も子供並に良く寝た。 午前中はチェスプロブレムを考えたり。 昼食は御飯を炊いて、 昨夜作っておいた鶏肝の生姜煮、納豆、しめじの味噌汁の粗食。 午後はレポート採点。二時間ほど。 お三時にルイボス茶と、パンとカマンベールチーズの焼いたの。 次は原稿の推敲を一時間ほど。 またちょっと構成を変えたくなり、章立てを少し変えて一章つけ加えた。 夕方から一時間ほどチェロを弾く。練習室が寒い。 もちろん暖房を入れればいいのだが、身体が丁度いいくらいのときに、 手と足元だけが冷たくて困る。手は指切りの手袋をしているが、足元がどうにも。 正月に実家に帰ったら、妹が薄手のレッグウォーマをしていたが、 あれが欲しいな。 夕食はまた鶏鍋と雑炊。 一度食材を買うと数回分あるので、ついつい鍋続き。 今日は昼間けっこう仕事できたので、白ワインを一緒に飲んだ。 夜は DVD でゴダールの「探偵」でも観ようかな…

明日の月曜祝日は珍しく本当に休日。流石の R 大学も「成人の日」だけは休むらしい。 「成人の日」だからと言うわけでもないけれど、 明日の夜は会食が予定されていますので、 更新が遅れるかも知れません。

Saturday, January 12, 2008

一日不作一日不食

9 時起床。昨夜、読書でちょっと夜更ししてしまった。 目覚しの珈琲。テーブルの上に色んなものが積み上がってきたので整理。 午前中は、冷凍庫の霜取りと昼食の準備の一方で、 今日することのリストを片付ける。午後にキャンパスですべき件が一つ、 火曜日にまわさざるを得ない件が一つあったが、 それ以外は一気に片付いた。近所のワイン屋さんのお薦めに従って、 昼食には鯛の散らし寿司を作り、 ニュージーランドのソーヴィニョン・ブラン。 確かに、なかなか良い組み合わせ。 久しぶりに散らしを作ってみたら、何の拍子かとても美味しく出来た。 酢飯は二食分作ったので、 残りは菜の花の散らし寿司にでもしようかと思っていたのだが、 うっかり全部食べてしまった。

午後はキャンパスに休日出勤。外は寒い。昨日の夕方から急に冷えてきた。 わざわざ遠くから出勤したのだから、 リストしておいた雑務色々を一気にバッチ処理。 驚くべきことに、多くはすぐに返事が帰ってくる。 流石に、教務関係の事務と執行部は常に臨戦態勢らしい。 17:30 までに予定の仕事は全て済んだので、帰る。 これで次の火曜の朝までは、大学アドレスからのメイルは読まない予定。 これからは平日の 18 時以降も、大学からのメイルは読まない。 実際、読んですぐ反応しても良い対応が出来るわけではなく、 翌日に良く考えた方が良いと悟った。 往復の車中では "The Black Swan" (N. N. Taleb)を読んだ。 接続が良かったので、帰宅は 18:30 くらい。 夕食は鶏鍋。やっぱり鶏鍋のあとは雑炊。昼と同じ白ワイン。 今日の料理は昼も夜も絶好調だ。 ただ一日で二回も成功したのは良くない。 師は凡そ作務して労を執るに衆に先立ち、 一日作さざれば一日食わず、ぢゃ。

Friday, January 11, 2008

三つの期限

8 時起床。寝床でしばらく読書。 猫に餌を与えて、猫砂を入れ替えて、自分には珈琲。 blog などを読んで、一服。 昨日「明日にしよう」と思ったことのリストを見たら二つしかなかったので、 あっさり 30 分ほどで片付いた。 今日入ってくる仕事は全部、大胆不敵に明日まで放置してやるとも。 そんなわけで、午前中は数学を考える。 この前、院生に出した宿題。p > 2 の時は、やっと分かった。 やはり p 次変動の計算は勘違いしがちだ。少し理解も深まった。 ご褒美に今日はもうおしまい。p = 2 の時はもう少し工夫がいるらしい。

昼食は久しぶりに御飯を炊いて、 納豆とか、海苔とか、白菜の味噌汁で清貧の食卓。 午後はレポート採点。 マグカップに珈琲を用意し、 タイマを使って 15 分採点 5 分休憩のセットをどんどん処理。 今日は 100 通弱ほど採点できた。 夕方からお買い物に出る。冷たい小雨が降っている。 近所のワイン屋でワインを買い、 タリーズで珈琲豆を買い、 餃子の王将で特売をしていたので生餃子を買い、 ドラッグストアで洗剤を買って帰る。 再度、食材を買うために外出。 夕食には鶏肝のパスタを作った。 鶏肝のパスタは私の好きな料理の一つで、 今日はあれを作ろう、 と思った段階で既にちょっと嬉しくなるくらい。 味の強い料理なので、ちょっと違うかな、とは思ったが、 ニュージーランドのピノ・ノワールを一杯だけ。 お土産にもらったカマンベールチーズ。最後に珈琲。 さて夜は何をしようかな。

今日、新たに飛び込んで来た仕事メイルは、全て教務委員関係で 5 つ。 その内の一つはかなり緊急性が高かったが、 どちらか悩むくらいだったら明日にしよう、と言う方針なので、 全て、明日しようリストにまわした。 ある人によれば、この世には三つの期限しかないそうだ。 A「期限が今日で、今すぐしなければならない」、 B「期限が近付いている」、 C「それ以外」。 また別の人によると、期限にはやはり三つしかないそうだ。 A「今(すぐに)」、B「今日(中に)」、C「明日(以降)」。

Thursday, January 10, 2008

ワイルドライス

9 時起床。珈琲。 原稿の推敲作業をして、出勤。 学生食堂で早めの昼食。 秋刀魚の塩焼、菠薐草のおひたし、豚汁、玄米御飯(S)。 ちょっと雑用をして、 12:30 から卒研ゼミF。確率積分について。 続いて、14:10 から卒研ゼミS。再生理論について。 少し早く終わったので、隙間時間に雑用。 15:50 から「プログラミング演習」。 その後、研究室であれこれ雑用してから帰る。 19 時過ぎに帰宅。

夕食は予約を入れて近所のバーにて。新年の挨拶を兼ねて。 つきだしは鶏胸肉とワイルドライスのトマト煮込み、 白のグラスワインで挽肉、菜の花、ウォッシュタイプチーズのキッシュ。 赤に変えて、子牛の頬肉の煮込み料理。 店も混んで来たので、邪魔にならないようにすぐに帰る。 ワイルドライスって美味しいな、と思うのだが、 今日シェフにきいてみたら、煮るのがかなり面倒そうだった。 家でする料理じゃないかなあ。

Wednesday, January 09, 2008

閉じたリスト

8 時起床。今日は良い天気で、気温も高い。 珈琲を飲み、洗濯をしてから、出勤。 学生食堂で早めの昼食(鶏団子汁、だしまきの小鉢、炊きこみ御飯M) を取り、午後から事務仕事集中デー。 途中で院生が質問に来た以外は、ずっと仕事に集中していた。 今日出来る範囲は終わったので、その後はレポート採点。 レポートはメイルで約 250 通、紙でも同じくらいある。 16 時から学科会議。 会議の後は、研究室でもう少し雑誌記事の添削仕事をしてから帰る。 帰宅は 20 時くらい。

仕事上の問題の諸悪の根源は、反射的判断でもあろうが、 「リストが閉じていない」ことでもある。 仕事が増えてくると、誰しも "ToDo" リストを作る。 さらに、その優先順位をつけたりもする。 しかし大抵は、何の効果もないか、むしろ状況が悪化する。 いま、大きな籠に一杯のじゃが芋の皮を剥く、と言う仕事を考えよう。 大変な仕事だが、残りのじゃが芋は減っていくばかりだし、 気分が乗ってくればやりがいさえ感じられるだろう。 しかし、作業中に新たにじゃが芋が追加されるとしたらどうか。 しかも、ランダムな時間にランダムな個数がでたらめに追加される。 ようやく籠の中のじゃが芋を半分にしたと思ったら、 またどさっと追加される。ようやく底が見えてきたと思ったら、 また籠を一杯にされる。一つ剥いて籠を見ると、 一つ新たに追加される。また一つ剥くと、また一つ追加される。 ちょっと目を離すと、じゃが芋ではなくて、人参や玉葱が入っている。 こんなことが続いたら発狂してしまう。

しかしこれが通常の、「仕事が忙しい」状態に他ならない。 ストレスで一杯なのも、効率が悪いのも当然だ。 もちろん、じゃが芋をどう並べようが、どう優先順位をつけようが、 問題は解決しない。 問題の根源は籠が閉じていないこと、「リストが閉じていない」ことなのである。 そして、私が思うに、 有効なタイムマネジメントのアイデアは全て、 「リストが閉じた気にさせる」と言う共通点を持っている。 例えば、上のじゃが芋の例ならば、 新しい追加のじゃが芋は籠の中に入れさせず、床に放り出しておいて、 籠の中のじゃが芋を剥くことに集中する。 そして籠が空になったら、床のじゃが芋を好きなだけ籠の中に入れ、 その籠が空になるまでじゃが芋を剥く。 論理的に考えれば、これは単に見かけの違いだが、 人間は、そして特にその反射的判断は、論理的ではない。 昨日の「それは明日しよう」方式も、 このヴァリエーションに過ぎない。

Tuesday, January 08, 2008

それは明日しよう

8 時起床。 目覚めの珈琲。しばらく原稿の添削をファイルに反映したりの仕事をしてから、 出勤。学生食堂が空いている間に早めの昼食。13 時から修士ゼミ。 曲線の掃く面積が、二次変動ノルムの下で連続でないことの証明。 実際は、一様ノルムに対して連続でないことしか書かれていないので、 あとは春までの宿題にした。 院生が来週からどこかの私立高校の非常勤をするらしいので、 修士ゼミは今日が今期最後になった。 他の宿題として、京大の吉田さんのノート 「マニアック・カリキュラス」(pdf ファイル)を渡しておいた。 ちょっと早く終わったので、ToDo リストをバッチ処理。 15:50 から卒研ゼミI。分布の間の距離について。 ゼミが終わって研究室に帰ったら、 また教務関係の難しい仕事がメイルで入っていた。その場で解決。 最近は、「それは明日しよう」方式を採用しようとしているので、 本意ではなかったが、まあいいや。 帰宅は 19 時半くらい。夕食は 4 回目のキムチ鍋。 その後は雑炊と、実家からもらってきた大根の漬物。

「それは明日しよう」方式とは、 Mark Forster と言う人が提案している方法で、次のような仕事の仕方である。 今日、飛び込んできた仕事を極力、しない。 どの仕事もやって来たその場では処理せずに、 「それは明日しよう」と言って、目の届かないところにやってしまう。 そして翌日に、そのリストを眺めて一気にバッチ処理する。 単純な方式だが、調べてみると、なかなか良く考えられている。 人間の脳は、反射的判断をする原始的な部位に概ね支配されていて、 それが仕事上の問題の諸悪の根源だと言うのである。 つまり、「敵だ、逃げろ」とか、「餌だ、食べよう」 と言うようなレベルの判断が、 しなければならない仕事を遅らせ、仕事を山積みにし、 おかしな対応をし、ストレスを増やし、職場をカオスに導く。 なぜか。急に目の前に現れた仕事を「敵だ」「いやなやつだ」と、 脳が反射判断しているからである。 ついでに言えば、あなたのダイエットが必ず失敗するのもそのせいだ。 それを「意思の力」とか「根性」で何とかしようとしても駄目だ。 反射判断は強力なのである。

しかし反射判断は強力で支配的であっても、おろかでもあるので、 簡単に騙せる。 例えば、「この仕事をするのは本当に本当に嫌なんだけど、 ちょっと鞄からファイルだけ出してみようか」といったん机の上に出してみると、 意外とすらすらとその仕事が出来るものだ。 反射判断がだまされて、ああこれは敵ではなかったのだな、と気付くのである。 このアイデアをスキーム化したのが「それは明日しよう方式」で、 どんな仕事も書き留めてだけおいて、極力、明日にまわす。 そして翌日、そのリストをよく眺めて、理性的に考えた上で、一気に処理する。 その後は、自分のしたい仕事をし、 入ってきた仕事は全部また明日にまわす。 職種によってはそうできないこともあるだろうが、 一考に値する見解ではある。

Monday, January 07, 2008

最終講義日

9 時起床。ああ良く寝た。 レポート採点の仕事を少ししてから、衣笠に出勤。 冷たい小雨が降り、手足が冷たい。 バスが遅れたために、混雑した学生食堂で昼食。 13 時から「数理の世界」。確率の定義など。 レポートの提出日だからだろう、普段の倍くらいの聴講者がいた。 一コマ分の休憩は「ゆんげ」のスペースで、雑誌原稿の添削作業。 16:20 から「情報の数理」。 こちらもレポートを出すために、いつもより人が多かった。 今日は時間を一杯に使って、 やや無理気味にではあったが、シャノンの第一定理まで証明した。 バスで18 時半くらいに帰宅。

メイルで届いた分のレポート採点を少ししてから、夕食。 またキムチ鍋。三回連続。 これで文系講義がようやく終わった、とシャンパンの残りを飲む。 久しぶりに講義を二つしたら、かなり疲れてしまった。 昼間に添削もしたし、 今夜はもう仕事はよそう。

昨夜、"The Mortdecai Trilogy" (K. Bonfiglioli / Penguin) を読み始めてみて、どうして勧められたのかが分かった。 「ジーヴスもの」のパロディ風味のミステリ(?)なのだ。 しかも、ダークなパロディ。 主人公はどこまで本当か分からないが貴族風で、 アート・ディーラーか何か芸術関係の仕事をしていて、 うさん臭くて、悪党らしい。 そして一緒に暮らしている従僕が、 主人公のダークサイドの仕事には欠かせぬ用心棒みたいな奴で、 下品で、暴力的で、おっかない。 この二人の会話が不気味におかしいのだが、 ユーモアが基本的にお下劣で、おおむねブラック。 しかし、読者に要求されている教養のレベルはかなり高い。 英語で読むのはかなり辛いが、翻訳される可能性も低そうだ。 そこは国書刊行会あたりに頑張っていただいて、 こちらも森村たまきさんでどうだろう。 そして昔のサンリオ文庫はまともに訳せていたのだろうか。 さらに言えば原作も、Penguin に入っているとは言え、 本当に売れているのか、かなり疑問だ。

Sunday, January 06, 2008

ボンフィリオリ

9 時起床。今日もいい天気だ。目覚しの珈琲。 今日の予定を立て、 卵のサンドウィッチを作って、早めの昼食を取り、 休日のキャンパスに出勤。

amazon から、昨年注文した "The Mortdecai Trilogy" (K. Bonfiglioli / Penguin) が届いていた。 ウッドハウスが大好きだと言っていると、「それなら絶対にこれを読め」 とスノッブな知り合いが勧めてくれたもの。 三部作が一冊にまとまったものを買ったのだが、 ちょっと眺めてみたら、文章がかなり読み難そう。 翻訳が出るのを待つ方がいいんじゃないかなあ… とも思ったが、調べてみたら、 三部作の内の一つが 30 年くらい前にかのサンリオ文庫から翻訳されていた (「深き森は悪魔のにおい」(ボンフィリオリ/藤真沙訳/サンリオSF文庫/1981)、 原書 "Something Nasty in the Woodshed" 1976)。 と言うことは、辞書を引き引きでも読まざるを得ないか。 昔、サンリオ SF 文庫と言う、 選書センスの鋭さと翻訳の質の低さでは追随を許さない文庫があり、 意外と広く読まれていたのである。 当時から長持ちするはずがないと誰もが思っていたが、 もちろん、文庫ごと消え失せた。

論文の最終著者校正。昨日に続き、さらに二時間くらいかけて再チェックしたが、 コンマがピリオドになっていると言うようなレベルの、 トリヴィアルな間違いを 6 つほど見つけただけだった。 イギリスにファックスで送る。 ついでの make sure にリストをメイルでも送ったら、 すぐに共著者から返事があった。これで一段落か。 投稿日が 2006 年の 4 月になっているのを見て、 出版までほとんど二年かかったことになるのか、 とちょっと感慨。 ついでに、夕方まで雑誌の記事の原稿の添削をして、 17 時半くらいに帰る。 休日のキャンパスはほとんど誰もいない、 いつもこんなに静かならよいのだが。

帰宅は 19 時くらい。またキムチ鍋。 論文の出版祝いに、シャンパンを開ける。 これが年末年始用に買った最後の一本(ギィ・シャルルマーニュのゼロ)。 ん、これはいつもと違う感じ。

Saturday, January 05, 2008

ドリアン

9 時起床。寝室の外で鳴く猫を放置して、 10 時まで寝床で読書。 階下に降りてキッチンで珈琲を飲み、猫に餌をやる。 午前中は一時間ほど原稿に手を入れた。 あと二週間かけて、添削する予定。 昼食には、おせちの残りのハムの類と、 梅干し作家の知人から年末に送ってもらった deRien のパンで、温かいサンドウィッチを作った。 deRien のパンは流石にうまいが、焼き立てを食べられないのが残念。

午後は論文の最終著者校正。 もう印刷所にまわってしまっているので、 ミスプリントを直すくらいのことしか出来ない。 私はこういう仕事は苦手で、いくら見ても間違いが見つからない。 いよいよおせちも尽きてきたので、夕方、食材の買い出しに行く。 今日は寒い。身体を内側から暖めようとキムチ鍋。 あとに饂飩。

Friday, January 04, 2008

タッチタイプ / 未読の書庫

昨夜遅くまで読書していたので、 寝坊してしまった。起床は 10 時近く。 珈琲とパンを一切れ。 blog を読んでいたら、タッチタイプ練習サイトが紹介されていた。 シンプルでなかなかいい。タッチタイプの方法などの解説はないので、 既に基本を知っている人の練習向けではあるが、 新年にタイプの腕を磨いてみようかな、と思う方はどうぞ (こちら、keybr.com より。 日本語入力をオフにして使って下さい)。 平均的な(素人の)タッチタイプは、一分間で 50 から 70 語くらいらしい。 1 語は 5 文字で平均化されているので、大体、300 字/分。 ちなみに私が普通にタイプすると、一分間 45 語くらいだった。

昼食はさすがにおせちに飽きてきたので、 簡単スパゲティを適当に作る。シャンパンを一杯だけ(ロベール・モンキュイ)。 午後は原稿書き。 構想を練り直したけどやっぱり今一つだなあと思いながら、 だらだらと書き始めたのだが、 あるところでスパークが起こり、 一気に最後まで書いた(と言っても、ほんの A4 で6ページくらいだが)。 昨日まで考えていたどの案とも全然違うが、まあいいだろう。 夕食は久しぶりに御飯を炊こうと思っていたのだが、 気付いたらもう 19 時だったので、おせちの残りだけ。 午後に思った以上に進展したので、 夜に予定していた論文の最終著者校正は明日にまわして、 今日はもう作業をしないことにした。

"The Creative Habit" (T.Tharp) は夜更かしのおかげで読了。 "The Black Swan" (N.N.Taleb) はかなり残っている。 冬休み中に読み終えるのは無理そう。 それなのに amazon が関連書として "A Demon of Our Own Design"(R.M.Bookstaber) を勧めるのでつい買ってしまった。 読んでいない本がどんどん増えていく。 勿論、専門書は大量に持っていても読んでいないものがほとんどで、 それは当たり前のことなのだが 最近は自分の楽しみで読んでいる本まで読み切れない。 読んでいない本が本棚を占めていることは、 未知の情報を物質の形で蓄えていることなので、 むしろ望ましい。 その意味では、自分の書庫が全部未読なのが理想的で、 最も知的にアクティヴで、プロダクティヴな環境と言える。

Thursday, January 03, 2008

humility

9 時起床。今日もいい天気。 目覚しの珈琲。午前中は洗濯と掃除。 合間に、Gmail のショートカットキーを覚えたり、 Firefox のスキンを入れ替えたり、 壁紙をダ・ヴィンチのスケッチにしたり、 まあつまりは、新年を新しいデスクトップ環境で迎えよう、 と言う口実の下に、PC 周りのしょうもないことをする。 昼食はまたおせちの残りと、助六(つまり巻き寿司と稲荷鮨)。 午後は読書と、少し原稿書き。 夕食まで少しチェロを弾く。夕食はおせちの残りと煮麺。

この冬休みに T.Tharp の "The Creative Habit"と、 N.N.Taleb の "The Black Swan" を読んでいる。 両方とも必ずしも首肯できないところが多々あるが、 どちらも刺激的で面白い。 英語で読んでいるせいでなかなか進まないのだが、 両方とも小さなエピソード集めいた性格があって、丁度良い。 例えば、Tharp の方で今日読んでいたところには、 こんな逸話が出ていた。 芸術における「技術」についての章で、 芸術においてはパーソナリティも技術の一つである、と著者は言う。

著者が大学をサボってマンハッタンのスタジオでクラスを取っていた頃のこと、 ある日突然、かのマーゴット・フォンテインが着替え部屋にやって来た。 彼女はミンクのコートを着て、 いかにも "Grande Dame" と言う格好をしていたそうである。 ダンサーは皆、赤貧と決まっているので、 著者はそのオペラスターみたいな格好を目を丸くして見ていると、 彼女がそのコートを脱いだ。 毛皮のコートの下は黒のレオタードにピンクのタイツだけだったそうだ。 そして彼女がスタジオに入ると、 もちろんインストラクターは鏡の一番前に来るように手招きするし、 他のダンサーはみんな中央の場所を自然に空ける。 しかし、マーゴは絶対に前には行かず、 最後まで後列で練習を続けたそうである。 彼女の「技術」でもあり、彼女の最高の魅力の一つだったのは、 そうした身体に刻み込まれた "humility" のセンスであって、 偉大なダンサーは皆そういうものだと著者は後に学ぶことになったと言う。

実るほど頭を垂れる稲穂かな、では絶対にない。 彼女はスターとして振る舞うし、 練習着の上に毛皮のコートを着るようなあざとさもあるが、 スタジオの鏡の前では違う。 単に謙遜や礼儀の問題ではなくて、 自分がどこでどう振る舞うべきかについての、 センスの鋭さと自信の深さは、 身体に刻み込まれるまで訓練された一種の技術である、 と著者がみなしているところが面白い。

Wednesday, January 02, 2008

ウースター家の掟

8 時起床。カーテン越しの日差しからして、 今日の京都は良い天気らしい。 しばらく寝台で「ブランディングズ城の夏の稲妻」(P.G.ウッドハウス/ 森村たまき訳/国書刊行会)を読む。 やっぱり、ウッドハウスはいい。偉大なる人生の師だ。 今年は、友だちをがっかりさせず、 淑女のプロポーズは断らない、そうありたいものである。 階下のキッチンでクロにキャットフードをやり、 自分には珈琲。キャットフードが丁度切れた。 天気が良いので散歩がてら、キャットフードを買いに行く。 帰りに新刊書店で、 ソレルスの「女たち (上・下)」(鈴木創士訳/河出文庫)を買った。 世界は女たちのものである。

午後は少しチェスプロブレムを考えてから、昼寝をし(まだ寝るか)、 少し原稿書きの仕事。 年末に書き出してみたら、 やっぱりいま一つのような気がしてきたので、 また白紙に戻して一から構想を練り直す。 あれこれ絵を描いて、色々やってみる。 もう丸一日、二日構想に必要かなあ。 一時間ほどチェロを弾く。 ロングトーン、スケール、リーのエチュード、 G 線上のアリア。 夕食まで、"The Creative Habit" (T.Tharp)を読む。

夕食は、お正月らしく歌舞伎中継を観つつ、 またおせちの残り、巻き寿司、稲荷鮨。 やっぱり、助六は團十郎やね。 昨夜から開けて飲み始めたローランのモレサンドニ '94 年。 近所のワイン屋の社長のおっしゃるには、 良い年ではないがこういう感じがお好きだろうと思う、 とのことだったが、確かにそうであった。 少し感動したくらい。

Tuesday, January 01, 2008

魯山人 / 花束に千両 / 帰京

昨日は夕方に実家に着いた。 夕食は両親と妹と一緒に蟹鍋。 妹も私も独身なので、家族の数は減る一方。 ちょっと前まで妹はヴェジタリアンだと主張していたわりに、 特に困難なく蟹は食べていた。甲殻類はいいのだろうか。 実家に帰っても特にすることもないので、 紅白歌合戦を観ていると、 妹が、「君は薔薇より美しい」が好きだ、 あれは歌詞が素晴しい、名曲だと絶賛していた。 良く分からないセンスだ。 深夜は、妹とテレビを観ながら、 持って帰ったシャンパン(ヴィルマール)を飲む。 実家では酒を飲む習慣がないので、 ワイングラスやシャンパングラスの類がない。 しょうがないので薄手のビールグラスで飲んだ。 妹はお笑いが大好きなのだが、今年はつまらないと言うので、 「美の壺」の再放送を観る。

魯山人ってどこがいいのか分かんないねえ。 いや、私もそう思とったんやけどね、 金沢で今年見たら、ごはん盛ったら美味しそうやなあ、って感じやねん。 でもさ、ほらほらこれとかね、どれもなっちゃいないね、 今時、居酒屋でもこんな素焼きの俎板皿ばっかりじゃん。 そやけどねえ…つまりこの人が最初なんやね。 パイオニアってわけ? そうそ、それまでは…ほらほらこんなんやったわけよ、どこの料亭でも。 でもさ、今だったらこっちの方が新鮮だよ、 むしろ今、料理屋でこんな古伊万里でおつくりでもでてきたら、 おおっ、って思うね、魯山人風はもういいっていうか、クサいよ。 そうかも(笑)、でも、いいからこれだけ広まったんやね。 そうかあ?こんなのニセモノだよ、 さっきのガレの蜻蛉の器とか 5 千万円でもそりゃそうだろ、って思うじゃん、 こんなのに数十万も出すなんてただのスノッブ、百円ショップで十分。 まあねえ…でもガレには盛れんやろ。 うーん、花を生けるのは無理だねえ…もう既に完璧だから。 鑑賞するだけやろ?そこが違うねんね。 ほらほら、もう書からしてなってないよね、 「いい味だしてる」とか言ってる段階でガレの爪の垢でも飲めっていうか、 ただの賞金稼ぎっていうか、心根が貧乏臭いよ。 そこまでゆうか、なんか魯山人に恨みでも(笑)。 なんていうかインチキなんだよねー。 そこがええねん、ほっとすんねん、偉そうやない、っていうかね、 誰でも、南瓜盛ったろか、っていう気になれんねん。 そうかあ?…

元日は朝がおせちと雑煮。 うちのおせちは大変につつましいものである。 蒲鉾とか、だし巻きとか、牛蒡とか、 普段より貧しいくらいのものが詰まっていて、 要は二三日は火を使った料理をしなくて済むように、 と言うだけのものだ。 さらに今年は天然の大きなものが手に入らなかったとかで、鯛もなし。 鯛は何故か二日目に食べるので、 今日帰ってしまう私にとってはどちらでもいいが、 おせちの脇にあるのとないのとでは見栄えが違う。

妹と父は初詣に行ったので、私は昼食まで寝直し(まだ寝るか)。 昼食は茶碗蒸しと巻き寿司とお稲荷さん。 正月に何故か巻き寿司とお稲荷さんなのだ。 しかも何故、茶碗蒸し。実家では正月にしか茶碗蒸しを食べない。 一服してから、母方の祖父母の墓参り。 花束がやや、つつまし過ぎるので、 母に庭で千両の枝を四つほど切ってもらって足しにする。 墓参りのあとはそのまま和歌山駅に送ってもらい、 オーシャンアローで京都駅まで戻ってくる。 車中の読書は往復ともに、"The Black Swan"(N.N.Taleb / Random House). 丁度、1 時間半で京都駅に着くので意外と近い。

夕食は実家でタッパウェア 5 つに詰めてもらってきた、 おせちと巻き寿司とお稲荷さん。 今、ミシェル・アルノー・エ・フィスの残りを飲み始めた。