Wednesday, December 31, 2008

大晦日

8 時起床。珈琲とカステラ。 午前中はまた大掃除の続き。 料理はお休みの方針なので、 昼食は近所の定食屋さんにて。 午後は近所のワイン屋さんで年始用のシャンパンを買った後、 一泊だけ実家に帰る予定。(これは予約更新です。)

今年のまとめと反省。 二十代の頃に立てた予定より二年早く、大学を辞めることにしたのが一大事か。 三月の上旬に最終的な決心をしたので、 四月からは一年後に照準を定めての準備。 飛ぶ前に身体を屈めることが主だったので、 とりわけ何をしたと言えるような一年ではなかった。 春の段階で、あらゆる事態を想定し、 リスクを出来る限り計算したつもりではあったのだが、 たった一年先でも未来のことを決めるのは難しいものだ。 ああ、そうと知っていたならば、とか、 そんなことが起こると分かっていれば、 などとまるで思わなかったと言い切れるほど、私は強くないが、 自分で決める価値を信じられないほど、弱くもない。 その程度にはまだ残っている意志と、 一部屋分の本と猫一匹以外に何も持ち物がないことだけが、 今の私の武器だろう。 私は賢そうなふりをするのは上手なのだが実際は相当無能で、 いつ化けの皮が剥がれるかと心配しながら、 日々を何とか綱渡りでハックしている。 だから数少ない強みをフルに活用するしかない。 たとえそれが「何もなくて軽い」、程度のことでもだ。

ほぼ何もしなかったとは言え、 それ以前にやっていたことがいくつか形にはなった。 まず、L 先生との論文がようやく出版された。 この内容は数年前のものである。 その仕事で、夏の大きな国際学会で話せたのも良かった。 来日した L 先生と数日間で研究もずいぶん進んで、 少し新しい結果も出来た。 いずれ論文にまとめたい。 (これから二週間以内に、プロシーディング論文も書くが、 それは今年夏の時点での内容にするつもり。) 12 月にオーストラリアでまたほとんど同じ講演をさせてもらった。 流石にこの話はもう打ち止めだろう。 また新しい問題を考えたいものだ。 これまた実際は数年前に初稿は出来ていたのだが、 ルベーグ積分の教科書の翻訳も今年出版された (「測度と積分」ツァピンスキ=コップ著/二宮・原共訳/培風館)。 けっこう好評で、嬉しい。 特に数学以外の専門家で、熱心に読んで下さっている方がいるようだ。 「数理科学」に短い記事を書かせてもらったのも、楽しい仕事だった。 数学関連はそんなところ。

数学以外の活動。短編小説の翻訳を引き受けた。 依頼されてすぐに第一稿をあげた割に、 校正段階でずっと停止されていたのだが、 また作業が始まったようで、年内ぎりぎりに再校を提出した。 今のところ来年二月に出版と言われている(が、この業界、予定は未定)。 この校正作業は大変に勉強になった。 監修者や編集者が原稿にチェックを入れてくれるのだが、 それを読むと、自分がいかに翻訳作業というものを軽んじていたか分かった。
チェスにはあまり時間が割けず、チェロもほとんど弾けず。 私に残り時間は少ない。どちらか、あるいは両方、 しばらく休止した方がいいのだが、気が多いもので、 どちらも下手の横好きを続けることになりそう。

来年の目標は、そうですね、 難問を解くことを楽しみたいです(笑)

Tuesday, December 30, 2008

大掃除

9 時起床。今日は回収車が時間通りに来たらしく、 今年最後のゴミ出しに失敗。朝食は ホットチョコレートのみ。 目覚しにチェスのタクティクス練習をしたり、 趣味のプログラミングをしたり。 (cons (list 1 2) (list 3 4)) はどうして ((1 2) 3 4) であって、 ((1 2) (3 4)) ではないのだろうか、 「変だなあ、でもま、いっか」と思いつつ、 「魔術師本」 を読み進み続けて、今日ようやく cons の意味を悟った。 年をとるとどんどん馬鹿になるなあ。

起き出して、朝風呂に入る。 わしくらいの年寄になると、朝風呂だけが楽しみになるもんじゃよ。 ……極楽、極楽。昼食は最後の肉骨茶を使って、肉骨茶丼。 白ワインを一杯だけ。食後に珈琲。 午後は普段はしないようなタイプの掃除。 換気扇フィルタ二枚を浴室の湯船で洗い、そのあと浴室を掃除。 さすがに換気扇フィルタは油汚れが強烈だった。 化学の力と根気でかなりのところまで汚れを落としたが、 まだもう半日の作業はかかりそう。 こんなことをしている内にうっかりガス中毒とかになって、 「年末の孤独死」とか書かれちゃうのかな……年はとりたくないものじゃ、 やれやれ、よっこらしょ、と。こぶしで腰を叩きながら、浴室を退散。 夕食は冷蔵庫に余っている卵一つと葱とで炒飯を作る。 胡瓜も一本の半分あったので、切っただけサラダ。 食後に珈琲を一杯と、いただきもののカステラ。 これで明日から三が日くらいは、料理をしない予定。 夜は、ガスレンジ、シンクなどの掃除。

Monday, December 29, 2008

シャンパーニュを一杯

8 時起床。朝食はホットチョコレートだけ。 午前中はゲラ校正。最後に一通り音読して、チェック。 昼食は胡瓜、卵のサンドウィッチ。珈琲。 近くのコンビニエンスストアまで歩いて、 ゲラ校正チェックのコピーを作りに行く。 一旦帰宅して、クロネコヤマトで出版社にゲラを送り返す。 設定した締切より約一週間早く提出。

今年最後の挨拶を兼ねて、夕食は近所のバーにて。 開店早々に予約の電話を入れてから、 「計算機プログラムの構造と解釈」(サスマン=エイブルマン=サスマン/ 和田英一訳/ピアソン)を持って歩いて行く。 昼間は日が差して暖かかったが、 やはり日が沈むとかなり寒い。この一年と次の一年を祝してテタンジェを一杯。 次の四月からは全く新しい日々が始まる。 ものごとを新たに一から始めるのは常に難しい上に、 タイミングは最悪だったようだが、自分で決めたことだ、しようがない。 少なくとも今日の私には、良いシャンパン一杯くらい味わう価値があるだろう。 牡蠣のキッシュ、鯛のポワレなどで、白、赤ワインを一杯ずつ。 ガレットを出してみたらどうか、とシェフに進言すると、 まんざらでもないような返事だった。 そろそろ店も混んできたので、 最後にモンドールを少しいただいて帰る。

Sunday, December 28, 2008

ガレット讃

昨夜は古い仲間と忘年会。 多くの人が冬休みに入って初日の土曜日だからか、 街はもの凄い人。幹事曰く、どの店も予約が取れなかったとのことで、 タクシーで移動のあと、適当に飛び込みで決めることになった。 大通りもタクシーで埋め尽され、交差点を曲がるのも一苦労 (本当に不景気なんだろうか?)。 少しさまよったあと、丁度人数分の席があると言うので、 ビストロ風の店に入った。 飛び込みで入ったわりには良い店で、特にガレットが美味しかった。 実は私は、ガレット初体験。 私が頼んだのは一番シンプルなもので、 具は卵、たっぷりのグリュイエールチーズ、生ハム、だけ。 しかし、感激した。 ガレットがこんなに美味しいものとは思っていなかった。 蕎麦粉を仕入れて家で作ろうかと思ったくらい。 でも、こういうシンプルな料理は実は存外難しかったりするので、 近所のバーのシェフにガレットは作れないのかと訊いてみることにしよう。

8 時起床。飲み過ぎのせいか午前中はぼうっとしているうちに過ぎた。 昼食は近所の店でお好み焼き。豚玉、そば入り。 私の家の近くには何故か、お好み焼き屋が何軒もある。 滅多に行かないのだが、最近、お好み焼きが食べたいなあ、 と思っていたのだ。 午後はまた校正作業。予定通り、最後まで目を通した。 明日の午前中に再度、全体を音読してチェックし、 午後の宅急便で出版社に返す予定。 夕方に昼風呂に入り、 夕食にはサンドウィッチを作った。胡瓜と茹で卵、それぞれ一つずつ。 白ワインを一杯。

夜は、市川崑追悼の意味で、「犬神家の一族」でも観るかな……。 ところで、私は横溝正史の作品のうちで「犬神家」 は、ぱっとしない方だと思う。 個人的趣味かも知れないが、「獄門島」が抜きん出ていて、 強いて言えば次点は「本陣殺人事件」かな、くらいの感じ。 「犬神家」を映画化した上に、リメイクまでするのは、 どうもよく分からない。絵になるシーンが多いのだろうか。

Saturday, December 27, 2008

校正の日々

8 時起床。猫にキャットフードを与えて、自分にはホットチョコレートの朝食。 寝台であれこれのあと起き出して、朝風呂に入る。 午前中は短く休憩を入れながらプロジェクト「K」のゲラ再校正作業。 昼食は、肉骨茶(五回目)とオリーヴオイルと黒胡椒だけの素パスタ。 午後も同じく校正作業。 途中でクロネコヤマトが集荷に来てくれて、タワー型PC(小)の処分完了。 今日の夜は珍しく忘年会。と言うわけで、これは予約更新です。

ところで、趣味で少しずつ翻訳していた "Tao of Programming" が完結しました (こちらでまとめて読めます。 リンク先はラベル "Return of Dr. Hara" での「Tao of Programming」のサーチ結果)。 まだ下訳の段階ですが、いずれ推敲したのち、 html, cookie jarなどの形式にまとめる予定です。

(22:00 追記: 27日 15:00 頃から "Return of Dr. Hara" が閲覧できなくなっていた模様。 cgi が置かれているサーバがダウンしていることが原因でした。 現在は問題のサーバを回避して、閲覧可能にしています。)

Friday, December 26, 2008

肉骨茶と南海鶏飯

7 時半くらいに起床。外は小雪が散らついている。 猫にキャットフードを与え、ゴミ出しをして、 自分にはホットチョコレートを作る。 寝室に戻って、午前中はプロジェクト「K」のゲラ再校正作業。 今日から三日間集中的に行う。途中で朝風呂に入った。 昼食は、肉骨茶(三回目)、チキンライス、味付け茹で卵と胡瓜とトマト添え。 午後は、また校正作業。 途中でタワーPC(小さい方)を捨てる算段をしたり、 夕方になって久しぶりに本を売りに行ったり。 寒い!ようやく本当の京都の冬らしい冷たさ。 寒風吹き荒ぶ中、両手に持てるだけの本を売りに歩いて、 1500 円ほどの収入を得て帰る。 夕食も肉骨茶(四回目)、チキンライス、味付け茹で卵と胡瓜とトマト添え。 白ワイン(鳥居平)を一杯だけ。 食後に珈琲とシュトーレンを一切れ。 夜はさらに少し校正作業。今日の進捗率は 40 パーセントくらい。

こんな感じでした。いかにもアジア飯。

Thursday, December 25, 2008

クリスマスは(事実上)お休み

8 時起床。階下でホットチョコレートを作って、寝室に戻り、 趣味のプログラミングとか。 しばらくして起き出して、朝風呂に入る。 外は雨が降り始めたようだ。雪になるほどには寒くない。 昼前に郵便局に用事に行き、 ついでにそのすぐ近くのカレーライスのチェーン店で昼食。 グリーンスープカレーと、サラダ。近所で食材や珈琲豆を買って帰宅。 一時間ほど昼寝をしてから、読書。 「アナバシス」(クセノポン/松平千秋訳/岩波文庫)を読了。 就寝前に一章だけ、というように少しずつ読んでいたので、 けっこう時間がかかった。しかしそれだけのことはあり、 カルヴィーノの忠告に従って、一字一句飛ばさずに読んだのが良かった。 戦略と内政と外政の、いや人生の、問題集(模範解答つき)と言えましょう。

一万人を越えるギリシア兵たちを率いて 6 千キロの大撤退戦を行うクセノポンには、 数々の困難な問題が降り掛かる。 一万人以上の軍隊が移動していくのだから、通過される方にとっては大迷惑だ。 軍隊とは言え、現地人にとってみれば略奪者集団に過ぎない。 国が変わる度に現地の指導者との交渉で、 それも友好国だったり敵国だったりするが、 いずれにせよ大量の傭兵たちの食糧と賃金を手に入れて、 通り過ぎていかねばならない。 外にはギリシア対ペルシアの問題があり、 内には昔からのアテネ対スパルタの問題があり、状況は刻々と変わっていく。 略奪者となった負け犬たちの惨めさを、 規律の「様式」(スタイル)だけが拭う撤退戦の繰り返しの中、 率いるもの同士の反目があり、 率いられるものには率いるものへの不信と疑惑がある。 例えば、新しい雇い主が約束したはずの給料を支払ってくれない。 各人の思惑と、状況と、ずる賢い佞臣が関わっている難しい状況だ。 雇用者である友好的でない国と、 被雇用者である一万の傭兵たちの間に立つクセノポンはどうするのか。 「アナバシス」はそれら典型的問題の実例集であり、 その解答集でもある。

そのあとは、夕食の支度の時間まで、 「計算機プログラムの構造と解釈」(サスマン=エイブルマン=サスマン/ 和田英一訳/ピアソン)で Lisp の勉強。 外は雷が鳴ったり、晴れたり、雨が降ったり、おかしな天気。 夕食はもちろん、肉骨茶(2 回目)。 今日はチキンライスの素を使って、 チキンライスも炊いてみた。胡瓜とトマトを切っただけのサラダ。 白ワインを一杯だけ。 食後に珈琲とシュトーレン一切れ。 今日は仕事らしいことを一切せずに、のんびりしました。

Wednesday, December 24, 2008

肉骨茶

8 時起床。ラッフルズホテルのホットチョコレートだけの朝食のあと、 出勤。今日も寒い。キャンパスに到着して研究室であれこれ。 10:40 より卒研ゼミF。大偏差原理について。 20分間の昼休憩に、生協弁当を買って食べ、 12:30 から修士ゼミ。30 分間で切り上げて、13:00 から学位審議会。 続けて 14:10 から薬学部「数学4」。統計の問題設定、正規母集団の性質など。 講義のあと、部屋で少し雑用をしてから帰る。

今日で年内の学内業務を終え、 ふつうならやれやれ、と近所のバーに夕食に行くところだが、 今日の日付を考えると満席に違いない。 そんなわけで、自宅で一時間半ほどかけて肉骨茶(パクテー、バクテー) を作った。 シンガポールや台湾などアジアのあちこちで見られる料理で、 どうやら「ビーフティー」のアジア版らしい。 「茶」と書くが、実際は骨つき肉の漢方香辛料スープ。 この特徴的な香辛料あれこれを紙の袋に入れたものが「バクテーの素」で、 この袋をそのまま入れて煮るだけで出来る、お手軽料理だ (しかし調理時間は長い)。 チキンライスの素も使って米を炊こうかな、とも思ったが、 全体に味が濃厚過ぎる気がしたので、 あとでビーフンを茹でて、スープを利用した麺(バクテー麺?)にした。

こんな感じに出来ました。意外なほど美味しいです。 予想に反して非常にあっさりとした料理。 骨つき肉そのものの美味しさを味わう感じで、 いくらでも食べられそう。これならチキンライスともあうかも知れない。 こんなに美味しいなら、もっとあちこちで肉骨茶の素を売ってくれればいいのに。 ちなみに豚のスペアリブを 1 キロ以上使ったので、 明日から数日は肉骨茶三昧です。

Tuesday, December 23, 2008

南国詰め合わせ

7 時起床。慌てて珈琲とジンジャーブレッドの朝食をとり、 すぐに出勤。今日はかなり冷える。 9 時から卒研ゼミI。二つの乱数列の中で一致する数列など。 早めの昼食をとり、あれこれの雑用のあと、 午後は卒研ゼミS。再配置不変の関数空間など。 続いて、14:00 から「プログラミング演習」。 今日は会議が休みだったので、すぐに帰る。 帰り道の肉屋で豚のスペアリブを1キロ買って、帰宅。

シンガポールの知り合いから、 パクテーの素、チキンライスの素、 ラッフルズホテルのホットチョコレートなどの詰め合わせが届いた。 時間をみつけて早速、パクテーを試してみたい。

Monday, December 22, 2008

ジンジャーブレッド

8 時起床。オリーヴ入りのパンと珈琲の朝食。 郵便局に電話をして、エコゆうパックの集荷を依頼する。 ついでに処分する本をまとめたりしてから、出勤。 学生食堂にて早めの昼食、講師控室で予習。 13:00 より「数理の世界」。確率の現代的定義など。 続いて、14:40 より「情報の数理」。システムエントロピィなど。 講義のあと、モグリ聴講に来て下さっている他学部の某先生から、 クリスマスらしいジンジャーブレッドをいただいた。 奥様の手作りだそうだ。ありがたし。 講義のあとはすぐにバスで帰宅。お風呂に入って、 夕食の支度をしていると、郵便局が集荷に来た。 これでモニタと DVD プレイヤの処分完了。 夕食はパンとチーズとオムレツと赤ワインを一杯だけ。 食後に珈琲とジンジャーブレッド。 夜も講義の予習など。 もちろん、明日も普通の授業日ですよ。

一昨日 A 堀先生に聞いたのだが、 オーストラリアの研究会の参加者から、 "Your student's talk was very good" と褒められたそうだ。 やはり、私は「A 堀先生の学生」と認識されていたことが再確認された。 講演が好評だったのは、学生だと思われていたからなのか……。

Sunday, December 21, 2008

fortune cookie

8 時起床。珈琲とラスクの朝食。 午前中は洗濯をして、お風呂に入り、講義の予習。 その他、あれこれ。 昼食はボンフィリオリ(ボンフィグリオリ)を持って、 近所の町屋カレー屋さんに行く。 デフォルトの豆のカレーと、里芋のカレー。 つけあわせは南瓜と、おそらく隠元とポテト。 今日は冬至なので、南瓜が食べられて良かった。 温かいチャイを飲みながら読書していると小雨が降ってきた。 本降りにならない内に帰る。 ちなみにこの店は年末から二月上旬まで一ヶ月半ほど「冬休み」をとるらしい。 普段から商売気のない店だとは思っていたが、流石だ。 日本人が皆これくらいしか生産しなかったら、 日本経済のデフレ問題も解決するのだが。見習いたいものだ。

帰宅してしばらく昼寝。夕食まで趣味の翻訳("Tao of Programming")をして、 私独自の形式の翻訳データをクッキージャー形式に変換するスクリプトも書いた。 (クッキージャー形式とは、昔の unix システムにログインすると 大抵最初に表示された「今日のおことば」(?)の類のデータの保存形式。 アメリカの中華料理屋で最後に出される 「fortune cookie(おみくじクッキー)」 から来ている。上のリンク先(ウィキペディア)参照のこと)。 10 行程度の簡単な使い捨てスクリプトなので、 作業時間のほとんどはクッキージャー形式について調べる時間。 ちなみに、レコードを "%%\n" で区切る、だけが定義で拍子抜けした。 ただ、"%" 記号を一つしか使わない人や、 このあとにコメント文を書く人がいるので、 解釈側では "\n%" にマッチさせることが推奨されていた。 ユーザが定義を勝手に拡張、 または誤用してしまうので解釈側も正しい定義に従えない、 と言う問題は昔からのようだ。 夕食はスクランブルエッグ、パン、チーズ、赤ワインを一杯だけ。 卵料理がついていると、粗食とは言い難いかな。 食後は、冬至なので柚子湯に入る。

Saturday, December 20, 2008

記念講演会

8 時起床。パンと珈琲の朝食。 午前中は講義の予習など。 午後は京大数理研へ。伊藤清先生の文化勲章記念の講演会に参加。 いくつかの講演のあと最後に、 1985 年に関西確率論セミナーで伊藤先生が講演されたときの 記録ヴィデオが上映され、大変面白かった。 これだけでも参加した甲斐があった。 私自身は、 伊藤先生が通常のセミナで気楽に話されているところを 一度も見たことがないが、 長い間、伊藤先生とセミナを共にされていた人は、 また先生が楽しそうに講演されているところを見て、 格別の思いがあっただろう。

夜は関係者たちと近所の居酒屋で食事。 一次会を終えて S さんと二人、タクシーで四条まで帰るが、 S さんがまだ少し時間があるからと言うので二次会。 まず祇園のバーに電話したのだが満員とのことだったので、 南座近くのバーに飛び込みで入り、シャンパンを二杯ほど。 今年のノーベル経済学賞の裏話や、研究の話などを聞き、 なかなか楽しかった。日が変わる前に何とか帰宅。

Friday, December 19, 2008

粗食

7 時起床。ホテルで朝食をとって、東工大へ。 大岡山駅のコンビニエンスストアで珈琲を買って行き、 会場で珈琲を飲みながらプロジェクト「K」の校正作業を少し。 9 時半から研究会最終日のプログラム。午前の部の司会をする。 昼食は東工大のローカルオーガナイザの方、 フランスから大阪に短期滞在中のゲスト、 イタリアからの留学生の 4 人で、近所の蕎麦屋さんで昼食。 午後の部の講演を二つ聴いてから、退室。 品川から「ひかり」で京都に帰る。 新幹線の中で作業をしようと思って「ひかり」にしたのだが、 けっこう混んでいた上に、 一時間くらい気を失ってしまい、あまりその意味はなかった。 19 時過ぎくらいに帰宅。 夕食はパンとチーズと赤ワインを一杯だけ。洋風の粗食だ。 お風呂に入って、ゆっくり。

明日の午後は京大数理研で伊藤清先生記念の講演会が開かれる。 元々は文化勲章受賞の祝賀会として企画されたもの。 受賞後すぐにお亡くなりになり祝賀会と題することは出来なくなったが、 そのまま伊藤先生の業績を展望し、 回顧する機会として開催されることになった。 ところで、今年の文化勲章受賞のときのニュースではほとんどが、 「ノーベル賞を受賞した小林さん、益川さん、 指揮者の小澤征爾さん、小説家の田辺聖子さん、などに授賞されました」で、 伊藤先生の名前を挙げたのは NHK くらいだったように思う。 人類に与えたインパクトから考えれば、 伊藤先生が断トツだと思うのだが……。 文化勲章について言えば、科学者は相当不利なんじゃないだろうか。 ノーベル賞をとるとか、 ウルフ賞、ガウス賞、京都賞を全部もらったあとでないと、 田辺聖子さんや日本水泳連盟名誉会長に並べないのだ。 いや、田辺聖子さんが偉くないわけじゃ全然ないけど、 私の身贔屓のせいか、ちょっと不利みたいだな、って気がするんです(笑)

Thursday, December 18, 2008

short communication

8 時起床。 オリーヴと玉葱を焼き込んだパンと、珈琲の朝食。 すぐに家を出て、新幹線で東京へ。「ひかり」車内では講演の資料作り。 一時間ほどで出来たので、あとはシェルスクリプトの勉強など。 東京に着いて、東京工業大学へ。 かなり分かり難い会場で、しばらく迷ってしまった。 午後の講演を二つ聴いたあと、 ショートコミュニケーション。 5 人発表者がいたが、私以外は学生だったような。 発表時間は 15 分間なので、準備するのも話すのも気楽。 今までショートコミュニケーションで話したことは(おそらく)なかったのだが、 短い時間でもポイントは話せるし、悪くないものだなと思った。 今日の研究会のスケジュールを終えて、 渋谷に戻り、ホテルにチェックインする。 夕食は近所で済ませて、夜はホテルで プロジェクト「K」の校正作業など。

明日の朝は一コマさぼってゆっくり起きようかな、 と思っていたら、司会を頼まれてしまったので早起き……。

Wednesday, December 17, 2008

チーズのサンドウィッチ

8 時起床。珈琲とパンの朝食。 昨日買ったチーズ二種類と、いただきもののパンでサンドウィッチを作り、 身支度をして、すぐ出勤。 午前は卒研ゼミF。大偏差の縮約原理など。 20 分間の休憩の間に紅茶とサンドウィッチの昼食。 12:30 から修士ゼミ。 続いて、14:10 から薬学部の「数学4」。大数の法則、中心極限定理など。 続いて、16:00 から学科会議。 途中で退席させてもらって、17:30 から委員会。 終了後、部屋で委員会の結果を受けてメイルを二つ書き、 今日の業務終了。 帰宅は 21 時少し前。 夕食はまた水炊き鍋の予定。

明日、東京に移動して年末大シンポの最後の二日にだけ参加。 ショートコミュニケーションで話す予定だが、 まだ準備していない。明日、新幹線の中で OHP シートを書こう。 明日木曜日は東京に泊まりますので、 いつ更新するか、あるいは更新できるかどうか、 定かではありません。

Tuesday, December 16, 2008

美人ワイン

7 時起床、珈琲だけの朝食をとって、すぐに出勤。 午前中は卒研ゼミI。夫婦円卓問題とポワソン近似など。 そのあとは、一週間留守をしていたので事務的雑用をあれこれ。 学生食堂で昼食をとって、 12:30 から卒研ゼミS。再配置不等式の章に入った。 続いて 14:10 から「プログラミング演習」。 今日は会議はお休みなので、すぐに帰る。 帰りの車中では、往きと同じく、修論の添削作業。

かなり早く帰宅したので、その足で近所のワイン屋さんに買い出しに行く。 やはり年末だけに、店は慌しくも活気がある。 お忙しそうな中、少し時間をいただいて美人たちに選んでもらい、 白ワイン一本とチーズを二種類。帰宅して、柚子風呂に入り、 湯船で「計算機プログラムの構造と解釈」 (サスマン=エイブルマン=サスマン/和田英一訳/ピアソン)を読んでくつろぐ。 夕食はまた鍋。味ぽんと柚子で水炊き。 国産の白ワイン、鳥居平ヒデカを一杯だけ。 あとは饂飩。食後は珈琲とシュトーレンを一切れ。 夜は修論の添削作業。

Monday, December 15, 2008

柚子

8 時起床。シリアルと珈琲の朝食。あれこれ雑用のあと、衣笠に出勤。 学生食堂で早めの昼食のあと、 法学部の講師控室でアインシュタインの論文 「動いている物体の電気力学」を読みながら、時間待ち。 13:00 から「数理の世界」。確率論の基礎について。 続いて、14:40 から「情報の数理」。 情報経路の問題、二進対称経路についてなど。 授業アンケート週間なので、どちらもアンケートを取った。 250 人登録しているが 50 人しか出席していない講義で アンケートを取る意味があるのかどうか分からないが……。 講義のあと、モグリ聴講して下さっている他学部の先生から、 田舎で収穫されたと言う柚子を沢山もらった。ありがたし。 アンケート用紙を産業社会学部の事務に提出に行き、 ついでに統一補講日の時間割を確認してから帰る。 今日は学生がいつもより多いようだ。年末なので、 そろそろ大学の様子を見に行くか、と思うのかも。 実際、キャンパス内では「講義ノート売り屋さん」がチラシ配布を始め、 年末気分を盛り上げてくれている。 バス停はまさに黒山の人集りだった。満員バスに乗って帰る。

夕方帰宅して、もらった柚子を早速使って柚子風呂に入る。 夕食は、胡麻油の代わりにもらった柚子を使ってピェンロー。 器で柚子と塩と七味を混ぜて味をつけて、食べる。 あっさりして、これもいい感じ。 あとは雑炊。ポルトガルの白ワインの最後の一杯。 食後に珈琲とシュトーレン。夜は修論草稿の添削など。

Sunday, December 14, 2008

美味しい休日

昨夜は 9 時前には眠っていたのだが、8 時過ぎまで寝てしまった。 今日はかなり寒い。 階下で猫に食事を与え、自分には紅茶をいれて寝床に戻る。 珈琲豆が切れているのでやむをえない。 午前中は出張中の費用の会計や、出張中のメイルの返事など。 昼食にはアーリオオーリオを作った。 自分で作ったものを久しぶりに食べると美味しい。 午後はお風呂に入ってから、あれこれ。 今日一日は丸ごと休日なので、身体も休められるし、 仕事にも手をつけられるしで、助かる。 研究会に最後まで参加することも出来たのだが、 やはり一日早く帰って正解だった。 実際、あれだけ寝たのに、さらに昼寝をしてしまった。 しかも、まだいくらでも眠れそう。

夕方になって近所のスーパーまで買い出しに行く。 夕食は水炊き。土鍋の蓋が割れてしまったのだが、 手鍋用の金属の蓋を使ってなんとかした。 やはり、ミツカンの味ぽんは美味しい。 時々、気取って高級なポン酢を買ってみたり、 自分で作ろうとしてみたりするが、味ぽんが一番だ。 実は日清のインスタント焼きそばも好きだし、 育ちは隠せないものだな…。 一緒にポルトガルの白ワインを一杯だけ。 かなり安いワインだったが、鍋にぴったりだった。 あとは饂飩にした。味つけは塩と京都の七味とぽん酢少し。 鍋とはあわないが、食後にシュトーレン一切れと、珈琲を一杯。 ああ、美味しい。 カフェインが身に染みわたるように、珈琲が美味しい。 メルボルンでは何故か、珈琲も紅茶も美味しくなかった。 ワインの産地だし水は良いはずだと思うのだが、 どうなのだろう。 夜は趣味のシェルスクリプト書きなど。

知り合いから、石窯焼きの立派なパンが届いた。 いいパンは、一見しただけでもう、存在感が違う。 シーズンなので、シュトーレンも一つ入っていた。 毎年、ありがとうございます。

Saturday, December 13, 2008

after your study

木曜日のソーシャルディナはレバノン料理だった。 そして参加者と話しているとまたしても、 「勉強(study)が終わったあと、 進路はどうするの?」 と訊かれた。つまり学生だと思われているわけだが、 真面目に答える気になれなくて、 「研究(study)にヲワりはナイです」 と言ったのだが、「は?」という感じの顔をしている。さらに、 「ジャ、研究がヲワたら、リタイアーしマす」 と答え直しても、「えっ?ウェイターになるって?」 と話が通じない。 二回続けたジョークを説明するのは二倍恥ずかしいので困っていると、 現地の参加者が「彼はプロフェッサなんだよ」 と助け船を出してくれたのだった。 「ソーみえナイいカモシれまセんが、モう四十です」 と言うと、随分驚いていた。

最終日はホテルでゆっくり朝を過してから、直接空港へ行こう、 と思っていたのだが、やはり研究会に行くことになった。 昨夜の会食のときにオーガナイザに、 せめて最初のお茶の時間までは研究会に顔を出して、 記念撮影のカメラにおさまってから帰ったらどうだ、 と説得されてやむなく。そして、記念撮影に参加してから、 秘書にタクシーの手配を頼んで、大学から空港へ。 数日の滞在だったので、メルボルン出張の印象は、 数理ファイナンス業界での A 堀先生の大物っぷりと、 こちらの鳥の鳴き声が全然違うことくらい。どの鳥も電子音みたいな声だった。

午後の出発でメルボルン空港からクワラルンプール空港へ。 7 時間かけて到着。乗り換えまで 3 時間。 空港中に麺屋の強烈な匂いが漂っているので、 ついまた食べてしまった。きっと味蕾がいくらか死んだに違いない。 まだまだ時間が余っているので、SBUX でカプチーノを飲みながら時間待ち。 真夜中の出発で、クワラルンプール空港から関西空港へ。 帰りは往きより早いらしく、6 時間弱で到着。 日本はどれだけ寒いかと期待していたのだが、 早朝なのに気温は 9 度と随分と暖い。 残った外国紙幣を日本円に両替して小銭は寄付し、 暖くて着る必要もないコートと襟巻を手荷物預かり所で受け取って、 「はるか」で京都に帰る。 帰宅は 9 時半くらい。 猫に食事を与えて、洗濯をしながらとりあえずお風呂に入り、 掃除機がけをして、洗濯ものを干す。 飛行機で不必要に食べさせられたので昼食は抜いて、二時間ほど昼寝。 夕方まで読書などしてゆっくり休み、夕食はほぼ開店時間に電話をして、 近所のバーにて。山芋のキッシュとホロホロ鳥のロースト、マデラソース。 ローストはローヌのシラーを一杯と。

昔、イギリスにハーディと言う数学者がいた。 かなり神経症的なところのある人で、 エルデシュと同じように、 人生は彼に敵意を持っているらしい神との個人的な戦いだと考えると同時に、 (明らかに矛盾しているが)無神論者でもあった。 ハーディはある船旅をする前、 知り合いに「リーマン予想を解決したようだ」と手紙を書いたと言う。 なぜなら、もし船が沈没して死ぬようなことがあったら、 ハーディはひょっとしてリーマン予想を解決していたのではないか、 と人々は思うだろう。神はそれを大層不愉快に思うはずだ。 だから神はハーディを沈没の災難にあわせる楽しさよりも、 むしろ船を沈めないことを選ぶだろう、と言うロジックである。 もちろんハーディだからこそ他の人が「もしかしたら」 と思ってくれるので、私がそう書いたとしても悪い冗談である。 ハーディの時代には現在ほどには、 リーマン予想の解決が難しいとは考えられていなかった、 と言うこともあるけれど。

Thursday, December 11, 2008

講演褒め

月曜、火曜が院生向けくらいのワークショップで、 水曜日から研究会。私は初日の午前中に講演をした。 相変わらず冴えなかったし、意味不明なことを色々言っていた気がする。 講演のあと休憩中に、参加者二人から「大変クリアだった」 とほめられて、今回はまあまあだったのかも知れないと思い始めていた。 講演のポジティヴな感想にも色々ある。 例えば他のほめ方(?)には、「エキサイティング」、 「ビューティフル」、「インタレスティング」、「ノットバッド」、 「パーソナリィ、アイライクイット」)、など色々ある(大体この順に良くない)。 パーソナリィ、私は「明解だった」とか「明晰だった」と言われるのが一番好きだ。 もちろん、全然明解でないが素晴しい講演も世の中には沢山あり、 おおむね、重要な講演や立派な講演は明解ではないので、 あくまで趣味の問題ではある。 それはさておき、内心、「よしよし」と思っていたら、 近所の大学から参加していた中国系の学生に話しかけられた。 私の講演の感想なのだが、色々と話が食い違う。 どうやら私のことを Ph.D の学生か、OD だと思っているらしくて、 講演の内容はその学位論文だと思っているのだ。 随分と若く見えるのだな、と喜ぶべきなのか、 それほどにぱっとしなかったのか、と悲しむべきなのか、 いずれにせよ複雑な気持ちだった。

今日は研究会二日目、夜は招待講演者で会食の予定。 これは予定更新です。 明日の午後のフライトでこちらを発つので、明日金曜日の更新はありません。

Wednesday, December 10, 2008

メルボルンより

何とか生きています。 7時間飛行機、4時間クワラルンプール、 7時間飛行機で何とか辿りつき、 ほぼ寝ないまま朝に到着してすぐにワークショップに参加、 そのまま夕方からレセプションというハードスケジュール。 32 時間ぶりに寝て、実際12時間ほど熟睡して起きたら、 猫の世話を頼んだ元執事から連絡がなく不安だし、 ヴィザがらみでトラブルがあるし、 さらに持ってきた PC が繋がらず、 講演の日程はせまってくるしで大変でした。 さきほど、ほぼ全ての問題を解決し、 講演も無事に済んだので、ちょっとほっとしたところ。

一つ良かったことは、飛行機の中ですることがないので、 やむを得ず数学を考えていたら、ブレイクスルーがあったこと。 メルボルンについてほとんど PC もつながらない中、 年末の東京でのシンポジウムのショートコミュニケーション発表を申し込んだ。 ひょっとしたら勘違いしているかも知れないが、 それ以前に SC で話せるくらいのところまでは出来ていたので良かろう、と判断した。

クワラルンプール空港の麺屋で食べた、 カレーヌードルスープが美味しかったです。 スープカレーの中にラーメンを入れた感じでした。

Saturday, December 06, 2008

真冬の国から真夏の国へ

8 時起床。シリアルと珈琲の朝食。 寒い。寒いと言うより、冷たい。一気に真冬の冷たさだ。 バスで衣笠キャンパスへ。 定期試験と追試用の問題を事務に提出し、学食で早めの昼食。 法学部の講師控室で予習をして、13:00 から「数理の世界」。 確率の易しいパラドクス的問題、初等確率モデルなど。 続いて、14:40 から「情報の数理」。 Shannon の第一定理の復習、情報経路の問題の設定など。 R大学が月曜日だと言い張っても世間は土曜日なので、 私が乗るバスは一時間に一本しかない。 バスの時間まで、今日は閉まっている喫茶店スペースで、 自動販売機のホットレモネードの類を飲みながら待つ。 バスで近所まで帰ってきて、 予約してあった「はるか」のチケットを駅で受け取り、 スーパーでキャットフードを買って、帰宅。

夕食に昨日から準備してあったつみれ鍋(蓋なし)。 つみれは鰯と鶏。 ボージョレ・ヌーヴォを一杯だけ。 つみれ、というのも鍋界の伏兵とでも言いますか、 普段は忘れているけど、なかなかよいものですね。

明日の朝の出発で、オーストラリアのメルボルンに一週間ほど行ってきます。 留守中のことは元執事に頼んだ。真冬の国から真夏の国へ。 なんとなく近い国のように誤解していたのだが、 実はけっこう遠かった。しかも経由地があるので、 ほぼ、まる一日かけての移動。 何時間も狭い所に座り続けるのに耐えられる年ではないのだが、 会議のことを思えば少しは楽になるかも知れない。善処したい。 そんなわけで、しばらくの間は更新できるかどうか不明です。

そうだ、どうやらリーマン予想を解決したような気がするのだが、 プレプリントを公開するのは、帰国したあとにしておこう。

Friday, December 05, 2008

鍋の蓋とワイングラス

激しい雷雨で目が覚めた。朝から強い雨。 昨夜遅かったので二度寝してしまい、起床は 9 時くらい。 まだ間にあったので 45L 袋二つ分をゴミ出し。 余分なカーテンの処分完了。シリアルと珈琲の朝食。 ダンボール一箱分、本を荷造り。もらってくれそうな人に送りつける。 今回は画集中心でかなり重かったので、クロネコに集配に来てもらった。 ハンス・ベルメールとか、クロヴィス・トルイユとか、 悪趣味のかたまりみたいなものを、好事家に送りつけている。 もうほとんど処分完了したが、若気の至りとは恥ずかしいものだ。 "Project Euler" の問題でふと高速化のアイデアを思いついたので、 少しプログラミング。こんなことしている場合じゃないのだが。

昼食は鶏肉としめじと長葱のスパゲティーニ。 午後は講演の準備など数学と、出張の準備など。 京大での臨時特別セミナに出たかったが、 明日の土曜日はR大月曜日なので、今日の内に仕事を片付けないと時間がない。 午後の間にやっつけることにする。そうしている内に、 夕方、出版社からプロジェクト「K」の再校ゲラ後半が届いた。 大体、今年中にチェックする予定。 夕食はピェンロー、ポルトガルの白ワインを一杯。あとは雑炊。 食事中に鍋の蓋を取り落として、割ってしまった。 つなぐには細かい部品が多い。うむ…これがお別れの時期だったのである。 さよならだけが人生だ。日も暮れよ、鐘も鳴れ、月日は流れ、私は残る。 もう一食だけは、つみれ鍋の用意がしてあるので、 やむなく蓋なしで鍋料理をするが、あとは引越しするまで家で鍋はなし。 そう言えば、ワイングラスも最近は割れても買わないことにしているので、 もう一つしか残っていない。 流れる水のように恋もまた死んでゆく。命ばかりが長く希望ばかりが大きい。

今日はけっこう仕事したな、と思い、 夜は楽しく「計算機プログラムの構造と解釈」(サスマン=エイブルマン=サスマン/ 和田英一訳/ピアソン)を遊ぶ。 さて、明日は今週二度目の月曜日だ。がんばろう。 海の男の一週間、月月火水木金金。

Thursday, December 04, 2008

北向き / 物件談(その三)

8 時起床。珈琲だけの朝食。洗濯機に洗濯を任せつつ、ファイナンス仕事など。 掃除機がけをして、洗濯ものを干し、あれこれ雑用。 廃棄する PC のハードディスクを壊したり。 昼食はしめじのスパゲティーニ・アーリオオーリオ。 午後は郵便局に行っていくつか用事を片付け、 その後はのんびりモードで雑用あれこれ。 木曜日は、 つい後回しにしてしまった細かい雑用あれこれをバッチ処理する日になってしまう。 夕食はまた鍋にしてしまった。あとは饂飩。 夜は趣味のプログラミングと読書など。

東京物件談、その三。 おそらく 15 件目くらいの内見だろうか、 「予算内に収まってますし、このお値段でこの広さは珍しいですよ。 中古ですが設備も充実です」などと聞きつつ、現地に歩いて行く。 駅から随分と歩いて、大通りから脇に入った途端に、 しっとりした雰囲気の住宅地になった。 しかし、まだ到着しない。もう10分は歩いただろうか。 「やっぱり、かなり安いのは、駅から遠いからですか」 「いえ、都心だとあまり関係ないです。多分、北向きが効いてるかなと」 「北向きだとそんなに駄目ですか」 「ええ、北向きの図面だけで却下、ってお客様も多いです」。 ふむ…それはグッドニュースだ。 確かリンボウ先生が、家を南向きに建てるのは農家の発想だとして、 北向きの合理性を説いていた。 私も林先生邸と同じく北向きにしたいと思っていたところだ。 遠いあまり、道に迷ってうろうろしていると、 向こうの方に怖そうなおじさんが立っているのが見えた。 「あ、あれですね!」。この物件を管理している不動産屋さんらしい。

いかにも昔気質の不動産屋と言う感じの、その怖そうなおじさんに内見させてもらう。 廊下のつきあたりなので、玄関の前に少しスペースがあって、鉄柵がついている。 中に入って、まずはリビングを見る。 いきなり「北向きです。」と、 怖そうなおじさんがぶっきらぼうに言う。 「やー、広いですね!十分明るいですしね」。 と、私担当のいつもの不動産屋さん(H さん)はご機嫌だが、おじさんは反応なし。 H さんがまだ負けずに、 「これはかなりおトクなんじゃないですか?」と食い下がると、 怖いおじさんはぶっきらぼうに、 この近所の大手マンションの値段をいくつか挙げて、 それに比べればずっと安いが、昨今の状況を考えるともう少し下げるべきかも知れない、 しかし同じ間取りがこの値段で最近売れたばかりなので売値の方は下げられない、と答えた。 一つ売れたので、こちらは賃貸でも、とオーナーがお考えになったらしい。 「いやー広いし、綺麗ですね!」 とテンションが上がっている H さんと、他の部屋を見ていく。 北向きのリビングがお供を引き連れるような形で、 西翼、東翼にそれぞれ部屋が一つずつある。 構造上の理由で、三部屋とも一風変わった形だ。 バスルームも広くて綺麗だし、特にキッチンが素晴しい。 オーナーが随分とお金をかけた上に、丁寧にお使いになっていたと思われる。 内心、「これだな」と思い始めた。 それに、不動産屋さんの無愛想な態度が気に入った。 「このスイッチは何ですか?」とか 「オーヴンの隣のこれは何ですか?」と尋ねてようやく、 「床暖房です」「食洗機です」と教えてくれるのだ。

そのあといつもの不動産屋さんに戻る。 購入の内見予定がいくつか入っているようだし、 今すぐ申し込みした方がいいのではないか、と H さんは言うのだが、 私は数日は下調べして、 再度内見させてもらってから判断することにした。 結局、二回目の内見のあと、申し込みをして審査などを受け、新居が決定した。 ところで、その怖い方の不動産屋さんだが、契約が終了したあとには、 設備の些細な注意点を説明するためにわざわざ新居までついて来てくれたり、 私の猫の写真を見て相好を崩して絶賛してみたり、 意外と(?)いい人であることが分かった。

Wednesday, December 03, 2008

当たりの野鳩

8 時起床。シリアルと珈琲の朝食のあと、身支度をして出勤。 午前は卒研F。サノフの定理の具体例、縮約原理など。 20 分間の昼休憩に、BLT サンドウィッチの昼食。 12:30 からMゼミ。 早く終わったので、隙間時間を利用して、 定期試験の問題を事務に提出したり、雑用をあれこれ。 14:10 から薬学部「数学4」。多次元正規分布について。 今日は学科会議が幸運にもお休みだったので、さっさと帰る。 車中の読書は、"After you with the pistol"(K.Bonfiglioli / Penguin Books). 夕方に帰宅して、 夕食は「禁断の市場」(B.B.マンデルブロ、R.L.ハドソン/高安秀樹監訳、 雨宮絵里・高宮美佐子・富永義治・山崎和子訳/東洋経済新聞社) を持って、近所のバーにて。

新居決定記念にテタンジェを一杯。 鯛と茸とじゃが芋のキッシュと、 ローヌのシラーを一杯と一緒に野鳩のロースト。 鳩のつけあわせは、じゃが芋、春菊、 白いんげん豆のトマト煮込みの三種類。 「弾が入っているかも知れませんから気をつけて」 とのことだったが、本当に一つ入っていた。 F シェフに「これで今年はツイてますよ!」と言われたが、 今年はあと四週間もない。もう少し早く弾に当たりたかった。 最後に、ウォッシュタイプのチーズ(ポンレヴェック) を少しだけいただいて帰る。

東京物件談、その三(最終回)は、明日掲載の予定です。

Tuesday, December 02, 2008

デュプレクス / 物件談(その二)

昨夜早寝したので 6 時半くらいに起床できた。 シリアルと珈琲の朝食。身支度をして出勤。 満員電車と満員バスで BKC 着。 9 時から卒研I。ポワソン二項分布のポワソン分布による近似など。 学生食堂で早めの昼食をとって、 12:30 から卒研S。Young の不等式など。 続いて、14:10 から「プログラミング演習」。 今日は夕方の会議がなかったので、 少し雑用をしてすぐに帰る。 夕食はまた水炊き鍋。あれこれあるけどやはり、 ミツカンの「味ぽん」が好きだ。これこそ庶民の味。 夜は定期試験の問題作り。 私は後期に 4 つ授業を持っているが、一つは演習科目なので、 問題作成は 3 科目かける 2 (追試分があるので)。

東京物件談、その二。「デュプレックスってどうですか? 最近けっこうあるんですが、好き嫌いが分かれるみたいで」 と不動産屋さんが言うので、 「別に抵抗ないですよ。今も二階建一軒家ですし」と見に行くことにした。 私の唯一のデュプレクス体験は、ずっと前、私がまだお金持ちだった頃、 ラベイ・ド・サンジェルマンのデュプレクスに一週間ほど泊まったことだけだったので、 その言葉から受ける印象はすこぶる良かった。 「これが図面です。ビルの最上階ですね。 総面積はご希望よりかなり狭いんですけど…」 「おや、でも、かなり安いですね。しかも、駅からとても近い」 「ええ、意外といいかも知れませんよ!」 「この『多目的ルーム』って何ですか?」 「そこがちょっと面白いんじゃないかと」。 現地の細長いビルの最上階に到着。部屋に入ると、一階部分はかなり狭い。 東京に初めて出てきた学生が、ちょっと無理をして借りた 1K と言う雰囲気。 キッチンとバスルームもビジネスホテル並みに狭い。 不動産屋さんも、思ったのとちょっと違うな、と言う表情をしている。 「二階を見てみましょうか」、と二人で部屋の中にある階段を上がった。

問題の二階に上がってみると、まずは普通の洋間があり、 ガラスのサッシを境にその隣りが、日の光が燦々とあふれる明るい謎の空間。 一見、やけに広いベランダがあるなと思ったが、 それが多目的ルームだった。床は石造りで、こちらの部屋とのしきりと、 向こう側のベランダへの出口が全面サッシ窓、そして天井がガラス張り。 ビルの最上階なので、日光が降り注いでいる。 天井は天幕とでも言うのか、帯状の白い布で覆われて日除けされているが、 カーテンのように片側にまとめられるようだ。冷暖房もついている。 「ここが……多目的ルームです!開放的ですね。面白いですね。 いかがですか?猫ちゃんと遊んだりできますね!」。 猫と遊ぶどころか、ライオンでも洗えそうだ。 隣の洋間との関係も込めて見れば、動物園のパンダ飼育室のようでもあり、 独房のレクター博士にスターリング捜査官がインタヴュするシーンのようでもあり。 「なるほど……たしかにユニークな物件ですね……犬とか飼う人にはいいのかも… むにゃむにゃ(「羊たちの沈黙」ごっこにも)…」。 「いやー、面白い部屋ですねえ。あ、ベランダにも出られます。 広いですよー。あ、周りにつながってます。ちょっとした散歩ができますね」。 ビルの最上階と言う特徴を存分に生かしていることは確かだ。 一瞬、この多目的ルームを寝室にするのは面白いかも知れない、 夜空を見ながら眠れるし、 朝起きるときに気持ちがいいだろうな、ベッドで朝食もとったりして、 と夢が膨らんだが、 衆人環視されているようで落ち着かないし、日焼けしそうだ。 「いや、面白い部屋ではあるんですけどね、ま、そろそろ行きましょうか」 「そうですよね(笑)」と言う感じで退室。

後で思いついたのだが、 おそらくピアノを弾く人にはいいかも知れない(実際、ピアノ可、だった)。 下の階も自分だし、最上階なので誰にも迷惑がかからない。 非日常的な演奏ルームとしてお薦めできる。 隣りの部屋にお客を入れて、演奏会も可能かも。

Monday, December 01, 2008

カーテン / 物件談(その一)

8 時起床。今日は良い天気だ。ゴミ出しをして、シリアルと珈琲の朝食。 いよいよ 12 月。新しい手帳に切り替える。A5 版の大型手帳にしてみたものの、 今年の年末 12 月分はおまけのため使えるスペースが半分で、 ちょっと残念。早く一月にならないかなあ。 手帳を見ていて、今週の土曜日が月曜日であることを思い出し、 ブルーな気持ちになる。祝日も授業日にしている R 大学でも、 「成人の日」だけは休みにするため、その分の振替授業日だ。 バスで衣笠に出講。学生食堂で早めの昼食。 予習などのあと、13 時から「数理の世界」。今日から易しい確率の話。 続いて、14:40 から「情報の数理」。 Shannon-Fano コードの続き、情報源の拡大と直積のエントロピィ、 Shannon の第一定理など。こちらのキャンパスでは雑用のしようもないので、 講義が終わったらすぐにバスで帰る。家の近所のスーパーで食材などを買って帰宅。 夕食はまた水炊き鍋。 ポルトガルの白ワインを一杯だけ。これは鍋にぴったりだった。 味ぽんと七味にあう感じ。あとはうどん。食後しばらくして、珈琲とワッフル。 夜は不用なカーテンをまとめてゴミ出しの準備。 けっこうかさばるので一回では無理のようだ。 私の近所では一度に 45L のゴミ袋二つくらいまで、ということになっている。 カーテン処分にあと二回くらいかかりそう。

新居を決めるまでは、かなりの数の部屋を見てまわった。 中には相当ユニークなものもあり、 最近は思い切ったデザインの物件があるんだなあ、と思った。 例えば、不動産屋さんが「この物件はちょっと予算オーバーですが、 なかなかすごいですよ。一見の価値ありです」と言うので見に行く。 図面からは普通の 2LDK としか分からない。 「黒の部屋と、白の部屋と、ブラウンの部屋があります」 「はあ、部屋が真っ黒とかですか?」 「いえ、色をイメージしてるってことでして、 それぞれ設計が違うんですね。黒がおすすめです」、 などと言う会話をして、ゴージャスなエントランスを入る。 扉と壁の区別がほとんどつかず、どこに進めばいいのか良く分からない。 忍者屋敷みたいだ。 「これも一種のセキュリティです」などと説明されながら、 二人で道に迷いつつ、何とか目的の階へ。

部屋に入るなり、おおっ、と思わず声をあげてしまった天井の高さ。 普通の二階分か、それより高いようにさえ見える。しかも、 南向き部屋の前面全てが下から上まで巨大なガラス窓だ。 部屋の広さは普通の 2 LDK なのに、この高さは何ごと。 「ね?どうです?」 「たしかに……なんと言いますかユニークですよね。 横より縦の方が長い部屋っていうか……むにゃむにゃ (「三毛猫ホームズの推理」っていうか)……」 「そうでしょう。ほら、月が綺麗ですよ」 「はあ、たしかに綺麗です……」。 異様な広さの窓の上の上の方にぽかんと満月が見える。 何だか、断崖絶壁の上に立って月見しているようだ。 「夏は凄まじい光線でしょうねえ」 「カーテンがあれば大丈夫です」 「ここにかけるカーテンありますかね」 「特注、ってことになりますね!」。 同じく南向きの隣の部屋も同じ調子だが、こちらは背面が下から上まで収納だ。 この高さなので、収納十分と言って差し支えなかろう。 勿論、上の方は届かないので、長い梯子がかかっている。 面白い部屋だが、どんな人が住むのだろう、もう一つ分からない。 「いやあ、面白い部屋です。次、行きましょうか」 という感じで退室。