Wednesday, February 28, 2007

ロールケーキ

今日も地獄起きしてキャンパスへ。 今日の講演は、パリ第六大学の J 先生の第二回、第三回、 Marne-la-Vallee 大学の H 先生の第三回の連続講義、 そして慶應の H 先生のリサーチレヴェルの講演、 最後にショートコミュニケーションのセッションでは、 阪大の Y 君と東大の F 君が講演をしてくれた。 今日のコーヒー・ブレイクのお菓子は、ロールケーキ。 まさかこの大量のロールケーキを朝から巻いてたんじゃないだろうな、 と思ったが、流石に市販品だったようだ。

夜は最後のイヴェント、 学内に入っている某ホテルの出張レストランでソーシャル・ディナ。 今日の司会は Y 富先生。 ほのぼのしたお人柄で、随分得をしているよなあ、、、Y 富君。 そして第七回を迎えた今回もまた、 組織化された大勢の学生たちがくるくると異様に良く働き、 至れり尽せりのホスピタリティを提供する、 極めて良くオーガナイズされたシンポジウム、 と言う絶賛がゲストから繰り返された。 勿論内容もお褒めにあずかりはするのだが、 外国からのゲストの口ぶりからして、 大量の学生が使い魔か式神の如く研究会をサポートする姿が、 何よりも衝撃を与えるようだ。

今日も初日と同じくパーティ開始が夕方だったので、 かなり早い時間に終了。 ちょっと研究室で雑用をしてから帰っても、9 時台には帰宅できた。 何だか、ようやくほっとした感じ。 今日のパーティの後、Y 田先生が、 「特に仕事がなくても、これが終わるまでは何だか落ち着きませんよねえ」 とおっしゃっていたが、全く同感だ。 毎年この研究集会が終わって、やっと一年が終わった、と言う気がする。 明日は一日中、家でごろごろしてやろうかと思っていたのだが、 午後に臨時の教授会が入った。せめて朝はゆっくり寝よう。

(…ほっと一息)

Tuesday, February 27, 2007

手作りケーキ

今日も地獄起きして、キャンパスへ。 今日の講演はプリンストンの A-S 先生の連続講演の第三回、 パリ第六大学の J 先生の連続講演の第一回、 Marne-la-Valee 大の H 先生の第二回の他、 うちの A 堀先生、東大の Y 先生によるリサーチレヴェルの講演が二つ。

ランチが終わったところで、A-S 先生が一足先にニューヨークに帰ると言うことで、 私が南草津までの車中にお付き合いする。 またひとしきりジョークを聞かされるのかと思ったが、 無難に私の身元調査が行なわれた。 つまり、出身大学はどこか、学位は誰のもとで取ったか、 どの数学者より年上で年下か、 どこの国でアカデミックイヤーを過したか、エトセトラエトセトラ。

そして、午後三時の問題のコーヒー・ブレイク。 会場の外に出てみたら、ホールのケーキが数個並んでいた。 手作りケーキだそうだ。 私は苺ショートをもらった。こんな本格的なのをいつ作ったんだ。 って言うか、そんな時間があったら、Ikeda-Watanabe の第一章でも読め、 と口の先まで出かかったが、まあいいや。とても美味しかったです。ご馳走さま。 数学の道が駄目なら、パティシエって線も考えるように。 珈琲はスターバックスの豆のドリップ。 いつも研究集会のインスタントコーヒーにうんざりしているので、 そこは高く評価しておく。

夜は外国からのゲスト、J 先生と H 先生を迎えて、 祇園縄手あたりの料亭「京新山」でクローズドな会食。 19 時開始だったのだが、タイミングを見計らうのが難しくて、 30 分以上も早く現地に到着してしまった。 その上に、急に強い雨まで降り出したので、 祇園花見小路のバーに行って、 アペリティフにシャンパンを飲みながら雨宿りする。 バーテンダが親切にも、傘を貸してくれて、 開始時間丁度に間に合うよう「京新山」に歩いて行く。 J 先生、H 先生は二人とも、とても美しい奥様を連れて、 フランス人らしく時間に遅れて登場し、15 名ほどで賑やかに会食の開始。 22 時頃、終了。外に出たら、すっかり雨は止んでいたので、 バーに借りた傘を返しに行く。 御礼に、と言うわけでもないが、キールロワイヤルを一杯だけ頂いてから帰る。 帰宅は 23 時過ぎ。

Monday, February 26, 2007

チョコ・フォンデュ / 統計学ジョーク

地獄起きしてキャンパスへ。 Y 田先生のフランス語にしか聞こえない英語のスピーチで開幕。 さすがストラスブール学派。 今日の講演は、Marne-la-Vallee の H 先生による、 株価などのデータを短い間隔、中くらいの間隔、 長い間隔で観測したときの違いをテーマにした連続講義の第一回、 プリンストンの A-S 先生による、 ジャンプ過程を用いた最適ポートフォリオ選択問題についての連続講義の第一回と二回、 うちの W 君と京大数理研の Y 君のリサーチレヴェルの講演が二つ。

いよいよコーヒー・ブレイクの時間がやってきた。 おそるおそる会場を出ると、手作りケーキこそなかったが、甘ーい香りが。 廊下でチョコレート・フォンデュが出来上がってました… 画期的だ。休憩時間にチョコ・フォンデュが饗される数学のシンポジウムが、 未だかつてあっただろうか、いやない。まさに画期的だ。 それはともかくとして、ちゃんとドリップした珈琲がサーヴされていたことだけは、 高く評価しておこう。珈琲は数学者のガソリンだ。良質に越したことはない。

夕方から学内のレストランでウェルカム・パーティ。 例年通り、私が司会をする。 毎年、あとで「ご苦労さまでした」などと言ってもらえるのだが、 実際は司会なんて、スピーチしてくださる人を紹介するのと、 "Please help yourself to anything you want and enjoy the party" なんて決まり文句を並べるだけのもので、全然大した仕事ではない。 それより私が毎回驚くのは、 直前にスピーチを依頼した人々に、 常にすらすらと当意即妙のスピーチをしてもらえることだ。 今日はオープニングを O 川先生、 クロージングをプリンストンからの A-S 先生に依頼したが、どちらも名スピーチ。 A-S 先生に頼んだのは実際、パーティが始まってからだった。 すると、しばらくして私のところにやってきて、 「スピーチで御礼を言わなくてはならないのは誰と誰と誰にだ。 Y 田と O 川と A 堀と…」とか言うので、 「Y 田教授と O 川教授を忘レナケレバ問題にゃいノこと」と答えると、 「しかし、タイプIのエラーとタイプIIのエラーとどっちが深刻かな?」 と言って、一人で「わっはっはっは」と笑った上で、 決まった!と言いたげな顔で去って行った。 統計学ジョークだ。説明しよう。 仮説検定についての専門用語で、 本当は正しい仮説を棄却してしまうことを第一種の過誤(Type I error)、 本当は正しくない仮説を棄却しないことを第二種の過誤(Type II error)、 と言う。 今の場合、感謝すべき人に感謝しないのと、 感謝しなくていい人にまで感謝するのと、どっちがいいかね、 と言いたかったわけだ。 念のために付け加えておくと実際のスピーチで A-S 先生は、 Y 田教授と O 川教授と A 堀教授と原教授に感謝し、 その他、スタッフ全員に感謝し、 あれこれの雑用をしている学生全員と、 最後にはこの部屋にいる全員に感謝していた。

統計学ジョークにやられたわけではないが、ぐったりして帰る。 パーティが始まったのは夕方なので、帰宅したのも非常に早かった。 実際、9 時には帰宅。 お風呂に入って、グラスに少しだけ白ワインを飲みながら、 美しい言葉とはどういうものかを思い出すために、 久保田万太郎句集を読む。

Sunday, February 25, 2007

ケーキとスシ

8 時起床。今日は寒い。足元の冷え方が違う。春まだ遠し。 朝食は珈琲のみ。Fritz とブリッツ。 昼食は御飯を炊いて、目玉焼き、大根と油揚げの味噌汁で一汁一菜。 夕食はまた炒飯。白ワインを一杯だけ。 昨日、応諾した研究集会は日程が一年以上も先だった。 タイム・プレッシャにしては遠い。 でも、こういうのはチェスの対局と同じで、 いくらでも考える時間があると序盤で思っても、 気付いたら秒を読まれているものだ。

明日の朝は、 京都ブラ○トン・ホテルでゲストをピックアップして行かなくてはならないので、 相当早起きしないと、と思っていたら、 今日の午後になって、 「本当は別のホテルだったのでピックアップ不要。 明日は直接大学に来て下さい」 と携帯電話に手作りケーキからの連絡。 それはそれで仕事が減って良かったのだが、 そのゲストの空港からホテルへの送迎はトラブルがなかったのか、 とちょっと心配になった。 何せ空港に出迎えに行ったのが、 常識はあるけど英語のできない手作りケーキと、 英語はできるけど常識のないスシ二号のコンビだ。 まあ、なんとかなったんだろう。 二人とも今時の女の子らしく度胸も愛嬌もあり余ってるから。 特に度胸は分けてもらいたいくらいだ。

明日から月火水と三日間、毎晩帰りが遅くなりますので、 このページの更新は深夜近くになると予想します。 毎日、更新はするつもり。

Saturday, February 24, 2007

タイム・プレッシャ

夜中にまた目が覚める。玄関のドアの音で目が覚めたようだ。 そう言えば、執事がスノーボードに行くので深夜に家を出ると言っていた。 青春だなあ。僕には、青春なんてなかったさ(by 高橋源一郎)。 目が覚めてしまったのでやむなく、 寝台の近くに置いている小型のノートPCでメイルチェックなどしてしまう。 某研究集会の招待講演依頼のメイル。大変に光栄なことではあるが、 最新の研究成果を話して下さい、と言われても、 ここ一年まるで進展らしい進展はない。 でも逆に、自分にこのタイム・プレッシャを与えれば、 火事場の馬鹿力みたいなものが湧いて素晴しいものが出来る、 なんてこともないとは言えない。 しかし、実際そんなことは今まで一度もなかったし、 自慢じゃないが私もタイム・プレッシャに弱い。 しかしまた、そういうプレッシャがなければないで、 いつまでも無為徒食の日々を過してしまう自分の弱さも重々承知している。 しばらく考えた上で、承諾メイルの下書きを作成して保存。 一時間ほどあれこれ姿勢を変えて、ようやく寝直す。

9 時起床。今日もまあまあの天気。でもちょっと寒い。 珈琲だけの朝食を取りながら、応諾の返信メイルを出す。 Fritz とチェスをして、いつものように簡単に 1 ピース取られて負ける。 昼食は冷や御飯を使って長葱と卵の炒飯。 午後は寝室で読書などして、のんびり休んだ。 夕食は甘藍とベーコンのパスタ、白ワインを一杯。

Friday, February 23, 2007

白舞茸

8 時起床。 最近、寝ている時間が長いわりには良く眠れた気がしない。 昼食は御飯を炊いて、回鍋肉と若布のスープで一汁一菜。 午後はキャンパスへ。 来週月曜日 26 日から始まる毎年恒例、 国際シンポジウムの最終準備ミーティング。 今回は外国からのゲストが三人(フランスから2、アメリカから1)、 期間も三日間だけ(26、27、28)、と小じんまりと行なうので気楽。 今までは私がやっていた会場周りの各種雑用も、 今回は元気の良い某女子学生が仕切ってくれるらしいし。 でも今日聞いたら、 お茶の時間に手作りケーキ出そうと思うんですよ!とか言っていた。 画期的アイデアではあるが、やや焦点がずれているような不安もある。 お暇な方はどうぞ。手作りのお菓子が食べられるかも知れません。 ( 詳細(公式情報に限り)は 公式サイトまで。)

夜は家の近所のバーにて夕食。 最近は忙しそうなので遠慮していたのだが、 すっかりご無沙汰してるなあ、と思って。 多分、一ヶ月ぶりくらいか。 山芋と菜の花と合挽きミンチのキッシュと、 豚ロースの白ワイン煮込み料理。 私は山芋の入っているキッシュが特に好きだ。食感も味もいい。山芋万歳。 煮込み料理のつけあわせの白舞茸も美味しかった。 「いかがですか」 「この白いキノコはなんですか?」 「白舞茸です」 「ふーん、美味しいね、これ」 「ソーテルヌで炊いてます」、 とシェフが言うのに、心の中では「ええっ」と思ったが、 口では「ふーむ、なるほどね」と静かに食す。 シェフは勧めたいチーズがある様子だったが、 この煮込み料理はかなり量があるのでギブアップ。 グラスワイン二杯だけで、早めに切り上げて帰る。

Thursday, February 22, 2007

散歩

9 時起床。朝食は珈琲のみ。 晴れ。気温も高い。 午前中に家を出て、 南草津駅の近くのカレーライス・チェーン店で昼食を取り、 キャンパスまで歩いて行くことにする。 散歩に丁度良い天気かと思っていたら、 汗ばむほどの陽気。完全に春。 三十分ほど歩いてキャンパスに到着。 午後は修士論文の公聴会。 二つの部屋に分けて行い、私は解析系の方に出る。 しかし、実際は解析系と言うより完全に「数理ファイナンス系」で、 発表者の三名は全員数ファ研、私はこの三人全員の副査なのだった。 株価のボラティリティ関数を推定する話とか、 企業価値と株価の数理モデルから企業の「透明度」を計算する話とか、 デリバティヴの動的ヘッジと静的ヘッジとか。 それぞれオリジナルな結果を含んだ、十二分に修士論文に値するものだった。 公聴会にはミャンマーからの大学院新入生も参観に来ていた。 でもミャンマーに株式市場はあるのだろうか… 公聴会の後はその判定会議。すぐに終了。 夕方、帰宅。

もうこの週末までだったはずだが、 二月のセールで買い物していなかったな、とふと思って、 近所のワイン屋に行く。申し訳程度に白ワインを一本だけ。 バーゲンセールに行って一本だけ、ってのはどうなの、 と後で思った。しかもセールは 27 日までだった。 夕食はカルボナーラ。

Wednesday, February 21, 2007

景色

9 時起床。 朝食は珈琲のみ。午前中はチェスの勉強を少し。 昼食は御飯を炊いて、豚汁と常備菜だけの一汁一菜。 フランク・ロイド・ライトの DVD を観ながら食事。 ときどき、個人の強烈な意思で成し遂げられた素晴しい何事かを讃えたくなる。 日々、目に映るものや出会うものの中に、そう言ったものが珍し過ぎるからだろう。 そう思ってしまうのは、自分の方に力がないからか。 自分の中に美しいものがあれば、外を眺める必要はない。 食後は頭に冴えが戻るまで読書で時間をつぶしてから、 4 年後を目処に始めるプロジェクトの準備の仕事など。 その間、PC の画面を開いておいて、あるイベントが起きるのを待つ。 午後二時過ぎにそのイベントが起こり、観測値が取れた。 大体、予測していた程度の値。

夕食前に久しぶりに一時間ほどチェロの練習をする。 ロングトーン、メカニック、スケール、エチュード。 この前、ピアニスト S さんに「最近、チェロは弾いていないのか」と尋ねられたとき、 「忙しいので優先順位を下げた」と答えてしまったのが、自分でも恥ずかしかったので。 他の人はともかく、この私が口にして良い言葉ではなかった。 うっかりそんなことを言ってしまったところを見ると、やはり弱っていたのか。 夕食は NHK 教育のマリ・アントワネットの番組(前編)を観つつ、 冷や御飯で長葱と卵の炒飯、白ワインを一杯。 そう言えば、岸恵子のパリのアパルトマンの家主でもある老数学者 M 先生は、 「フランス革命は人類史上の愚行だ」が持論だと聞いたことがある。 さすが王党派(?)。 夜はエンドゲームの勉強。

今日は家から一歩も外に出なかった。おかげで色んな景色が見られた。

Tuesday, February 20, 2007

落水荘

8 時に目が覚めたけど、9 時に起床して、10 時に寝台から降りた。 午前中は原稿の清書をしてメイルで提出。 昼食は昨日の残りの牡蠣なしの牡蠣御飯と、 久しぶりにだし巻き卵を作る。大根と油揚げのお味噌汁で、一汁一菜。 午後はキャンパス。夕方から教授会。 こんな時期にある教授会はつまり、人事がらみだ。 帰宅は 8 時過ぎ。 冷蔵庫の残りものスパゲティ。白ワイン一杯。珈琲。

夕食のおともは、 今日 amazon から届いていた フランク・ロイド・ライト の生涯と建築を紹介した DVD。 昼間も研究室の PC でしばらく見入ってしまった。 落水荘(The Fallingwater)を動画では初めて観た。 うわあ、本当に滝が流れてる、凄いなあ。 でもタリヤセンが一番綺麗だな、内部は初めて見た。 こんな所に一日でも住んだら、心が綺麗になりそうだ。 おお、旧帝国ホテルも内部の映像が。 これは何とか維持できなかったものだろうか。 確か今では正面玄関あたりだけが、愛知の明治村に保存されているのだ。 屈辱的だ。煉瓦が泣いてる。 バーだけは今の帝国ホテルの中に残っているんだったっけ、 もしそうだったら一度行ってみたいなあ。 春休みの間に行こうかな、 などと言っている内に、あっと言う間に時間が過ぎる。 大きな建築に妙に血が騒ぐのは、やはり先祖帰りだろうか…

Monday, February 19, 2007

牡蠣御飯

8 時起床。でも寝台から降りたのは 10 時近く。 昨日の対局疲れだろうか、なかなか起き上がれない。 珈琲豆も切れていて、燃料も入らず。 とは言え、サボっているわけにも行かず、 学内誌の原稿を書くお仕事。 学内誌なんて読んでいる人がいるのだろうか… 私が今回書くページも、持ち回りではあるが、 お忙しい上に大変に偉い先生方にも書いてもらっているので、 その機会損失は甚大なんじゃないかなあ、と思う。 以前は、次は誰に原稿を頼むか、と言う議論までしていたのだが、 ついに賢い人が現れて「面倒だから持ち回りにしよう」 と言ってくれたおかげで、ぐんと状況が改善したのだ。 しかし、やめましょうと言うことにはなりそうにない。 おそらく世の中のこの手の原稿は、 丸エー、こんな報告書でも何かやっているという主張にはなる、 丸ビー、一度始めたものは止め難い、 の二つの理由だけで続いているんじゃないだろうか。

夕方になって、買い出し。 近所のワイン屋さんでチーズを買って、 スーパーで生姜を買って、タリーズで珈琲豆を買って(この順に店が並んでいる)、帰宅。 昨日 S さんからお土産にいただいた焼き牡蠣を見ていたら、 これは炊き込み御飯にしてみよう、牡蠣御飯と言えば生姜だな、と思った次第。 醤油と酒を加えただしで牡蠣を少し煮て、そのだしで御飯を炊く。 米肌が見えたあたりで牡蠣を戻して炊き上げ、 最後にたっぷりの針生姜を入れて蒸らす。

Sunday, February 18, 2007

三条大橋の対決

9 時起床。まだ少し雨が残っている。今日は猫が起こしに来ない。 階下に降りて行くと目を合わせた途端に、ソファの下に隠れてしまった。 夜の内に何か悪いことをしたらしいのだが、 部屋のどこを見ても昨夜と変わったところはない。 分からないな…しばらくすると警戒しつつ姿を現して、朝御飯を食べていた。 人間の朝食は珈琲。昼食はまた鴨の生ハムのスパゲティ。 数日前に思いつきで作ってみたら美味しかったので。 午後は、 クリスチャンセンの "Storming the Barricades" をぺらぺらと少し眺めて攻撃的な気分を盛り上げてから、 三条大橋に向かう。外は時々日が差す曇り空。

研究会のため京都に来ている S さんと SBUX 三条大橋店で会う。 S さんは代数幾何学を専門にする若き数学者で、 難曲を好んで弾くアマチュアのピアニストである。 お父様はフランス文学者。お母様は教育学者、 おば様はイタリアの大学の日本語科で教えているとか。 うーん、言わゆるサラブレッドだね。 ずっと前にお借りしてそのままになっていた CD をようやく返却。 この CD をお借りしたときにゴドフスキー( レオポルド・ゴドフスキー Wikipedia 項目) と言う作曲家を教えてもらったのだった。 長々と借りていたお詫びに、 間違ってダブりで買ってしまったチェスの本を一冊進呈。

第一回スターバックス・マッチ(in 広島。結果 1.0-1.0)に続き、 第二回スターバックス・マッチ in 京都。 持ち時間は 20 分プラス、一手毎に 10 秒追加のフィッシャー式。 第一ラウンド、黒番、ペトロフ・ディフェンス(8.Re1)。 中盤でこちらのミスを咎められたものの、 何とかフェアな白ビショプ vs. 黒ナイトのエンドゲームに持ち込み、 エンドゲームは思い通りに勝つ。 やはり流石に詰めものの作家でタクティクスの読みが深いし、 序盤にもそつがない。 しかし、中盤から終盤への構想と、 エンドゲームではこちらにエッジがあると見た。 第二ラウンド、白番。シシリアン・タイマノフ。 タイマノフは良く知らない。我ながら危なっかしい序盤、中盤。 嘘っぽいサクリファイスで何とかエンドゲームに転換して、 同色ビショップと 2 ルークのエンドゲームを勝つ。 第三ラウンド、黒番。シシリアン・ドラゴン。 S さんが見るからに疲れてきているところに、 シャープな定跡でぽんぽん攻撃的な手を続けて優位に立った。 メイトを狙っても良さそうだったが、 この相手には危険だと判断して、 2 ポーン・アップのルーク・エンディングに転換。勝ち。 内容にはそんなに差があったとは思えないが、 S さんが対局を続けるに連れて見る見る疲れて行くようなのと、 エンドゲームでのエッジを利用して、結局三連勝できた。

夕食も近所の居酒屋でご一緒する。ビールと燗酒。寒鰤、鰤大根など。 主に数学、チェス、詰将棋、プロブレムの話などして、 次は春の数学会年会ででも会いましょう、と三条河原町で別れる。

Saturday, February 17, 2007

ノラの音楽

今日の京都は終日、雨が降り続く。 朝 9 時に起床。 昼食は御飯を炊いて、甘藍の炒めものとベーコン・エッグ。 夕食は冷や御飯で長葱と卵の炒飯。 ホセリートのチョリソの微塵切りをちょっと散らしてみる。

このノラ はケージを越えたね(YouTube より)。 最近とみに貫禄の出てきたうちの駄猫も、 チェロを弾いたり、 珈琲を淹れたりしてくれないものだろうか。

もう一匹、猫映像。 猫好きの人は癒されちゃって下さい。

Friday, February 16, 2007

なつかしい味

ちょっと夜更かしをしたら、朝10時まで寝てしまった。 珈琲だけの朝食。Fritz と久しぶりにチェス。 昼食は鴨の生ハムを使ってスパゲティ。 午後は京大での関西確率論セミナに参加。 チューリッヒからのボルトハウゼンが講演。 聴衆がスピングラスについて知り尽していることを仮定した講演で、 さっぱり分からなかった。 英語の勉強にと思って真面目に聞いていたが、 すごい早口の上に同じ単語をしきりに繰り返すので (つまりつまり、このこのこの、ギブギブギブス測度による…)、 聞き取り難かった。 夕方に終了して、夕食は祇園のバーにて。 いつものようにキッシュとビーフシチュー。 キッシュは菊菜ときのこと地鶏。菊菜の苦みが思いがけなくも、良い感じ。 酔っぱらいの集団がやって来て、シャンパン(ガティノワ)をおごってくれた。 確か前にこのバーに来たときもそうだった。 酔っぱらいは私を見ると、シャンパンをおごりたくなるようだ。 飲み切れないので、 最後に椪柑(ポン柑)のシャンパンカクテルにしてもらう。 この味!なつかしいなあ… どこか頼りなくて優しい椪柑の味。癒される。 私は和歌山生まれなので、柑橘類にはうるさい。 21 時帰宅。

Thursday, February 15, 2007

税務署に行く

今日は快晴。午前中はまた入試判定の学科会議。 入試の回数自体が多いので、会議も一回では済まない。 昼食は家から持ってきたお弁当。卵と長葱の炒飯を作って持ってきた。 予定されていたこととは言え納税がショックで、つい節約ムード?

午後は一旦自宅に戻って、税務署まで歩いて納税に行く。 交通費の節約にもなるし、 天気も良いからお散歩気分でいいかなと思ったのだが、 風は冷たく強く、日陰に入ったとたんに後悔した。 随分な距離をてくてくと歩いて、 税務署に到着したら支払いは瞬時に終わった。 わざわざ税務署まで出向く必要もないのだが、 敵を知り己を知れば百戦危うからず、 こっちもちゃんと払うけど、そっちもちゃんと働いてるんだろうな、 おいそこ、仕事サボって美味しそうに東京ばな奈食べてんじゃない、 と口には出さないものの、 サングラスで無闇にあちこちを睨みつけながら、 実は全然大したことのない少額の追徴分税金を支払う。 スジモノと思われたのかも知れない、 領収書をもらうときに最敬礼で送っていただいた。 再びてくてくと自宅まで散歩して帰る。 丁度、今日が配送日だったな、と思い出して、 通り道にある近所のワイン屋で頒布会の品を受け取って帰る。

夕食は豚肉と長葱の炒麺。 夜はプログラミングの勉強など。 日々の雑務以外には、 今月末の国際シンポジウム( 公式サイトはこちら) まではスロウペースで半分趣味の勉強、 三月に入ったら三月末の学会発表に向けてちょっと集中して本業の数学、 言うところかな。

Wednesday, February 14, 2007

フィアンセの要求

アイン・ランド「水源」読了。面白かった。ストーリーは完全にメロドラマ。 午後一時半からの東海テレビ制作連続メロドラマと言うか、 「俺の空」と言いますか…兎に角、千ページがあっと言う間に読める。 本当に連続メロドラマ化したら、 「真珠夫人」どころではなく大ヒットしそうだ。 そして、ここで描かれている思想については、 若者には刺激が強過ぎるかな、と言う気もするし、 若者でなければ冷笑的に読み過ぎてしまうだろうな、 と言う気もする。 我々がランドよりかなり後の世界に生きているので、 どうしても類型的な思想に翻訳してしまうからだろう。 しかし、実際はランドの方が根っこなわけで、 ソ連から亡命してきたランドの怒りや憎悪、歪んだ欲望や、 倒錯や混乱がごちゃまぜになったものを、そのままに味わうべきだと思う。 こんな奇妙な本は珍しい。凄い小説だ。

今日は朝から雨。入試関連もほぼ一段落して、 国際シンポジウムまでの中休みモード。 昼食には焼きそばを作った。 確定申告書の清書をしたり。 今年は何故か安いなあ、と思っていたら清書の段階で間違い発見。 やはり、例年と同じくらいの額の追加支払いだった。 夕食は御飯を炊いて、回鍋肉と若布のスープ。

執事との会話。新居探しが進展していないそうだ。
「うーむ、時期が時期だからかな?」 「いえ、そうじゃなくて、フィアンセの要求が高いのです」 「大変だな。で、どんな風に?」 「まず総フローリングじゃないと駄目だそうです」 「マンションとかじゃ今時、全部洋間だろう。 あ、でも一室くらい畳だったりするのか?茶室?」 「私の調査によれば全部洋間と言うのは案外ありません。 それに押入も嫌だそうで」 「洋間だったら自動的にクローゼットじゃん。論理的には一つの要請だな」 「それがそうでもないんです。クローゼット風でも、引き戸だったり、 開けると上下に分かれてたり」 「そういうものかねえ」 「そういうものみたいです。それに 2LDK 以上でないと」 「ま、そこは二人暮らしだからね。なるほど、案外ないものかね… あ、ちょっと待って、良く考えたらこの家がそうじゃん。総フローリングだし、 総ウォークインクローゼットだし、3LDK だし。 僕の方が出て行ってやろうか?サーヴィスで猫もつけとくよ」 「いいえ、博士の方が新居探すの大変でしょうから。それに猫はいりません」 「いや、僕は住居に要求ほとんど無いからすぐ見つかる。どこだっていいよ」 「それは良く承知しておりますが…あ、それから猫はいりません」 「遠慮しなくてもいいのに」 「フィアンセも猫を飼いたいとは言ってるんですが、その猫はちょっと… では失礼します」

Tuesday, February 13, 2007

闇夜の鉄砲

8 時起床。今日は良い天気だ。 珈琲だけの朝食のあと、出勤。 今日のメインは、入試判定の学科会議。 つまり、入試の得点分布を見て、どこで合否ラインを引くかを決定する会議。 他の大学ではどうだか知らないが、 R 大学では合格しても実際に入学してくれる割合、 つまり入学手続率が相当低いので、 合否ラインの引き方が非常に難しい。 入学手続率の低さがその誤差を増幅してしまうからだ。 大学のどこかにこの高度な推定技術のプロがいるらしく、 ここで合否ラインを引くのが妥当と思われます、と言う数字と資料が、 執行部提案の形で各学科に降りてくる。 そんな高度なアートであるから、 学科として議論できるのもそれを一点上げるか下げるか程度の話で、 しかし大事なことではあるから、その提案を良く良く吟味して、 「それで行きましょう」とか「一点上げてみます」とか答えるのだ。 闇夜に鉄砲を撃つのに、もう 1 ミリ高く構えてみましょうか、 と言うようなものかも知れないと思うこともあるのだが、 この一点の中に沢山の受験生がいて、 どれだけの学生数になるかは学科にとっても大問題だと思うと、 真剣な議論にならざるを得ないわけだ。

生協で、南蛮豚カツ定食という謎の昼食。 絶妙のコンビネーション、とポップに書いてあったからと言うわけでもないが、 ついうっかり、ひょっとしてありうるかも、と注文してしまった。 実際は、絶妙と言うよりむしろ、最近の言葉の意味で微妙なコンビネーションだった。 創作料理って本当に難しいな、と良く思う。 伝統のレシピは長い時間のフィルタがかかっているおかげで、 やはりこれしかない、と言うところに落ち着いているのだ。 夕食はカルボナーラ。

Monday, February 12, 2007

The Fountainhead

まだ早朝に起きる癖が抜けない。二度寝したけど。 9 時起床。朝食は珈琲とバターとら焼き。 昨夜も遅くまで読んでいたのだが、 午前中はアイン・ランドの「水源」の続きを読む。 昼食は御飯を炊いて、ちりめんじゃこなどの常備菜と、 油揚げと葱の味噌汁で一汁一菜。京番茶。 一週間ブロイラのように、量と栄養の多過ぎる昼食と、 シャトレーゼ攻撃にさらされていたので、 清貧の食卓が心地良い。午後も「水源」を読んだり。 夕食は長葱と卵の炒飯と若布のスープ。

久しぶりに面白過ぎる小説を読んでいる。アイン・ランドの「水源」。 千ページ以上もあって、しかも二段組で、 ビジネス書系の出版社から出ていて、 帯に政治評論家の宣伝文まであるので、なかなか日本では読者を獲得できないだろうとは思う。 さらに、冒頭の登場人物表も酷い。東海テレビ制作のメロドラマかと思った。 その上に実際、ストーリー自体はメロドラマなのだ。 でも読む甲斐は絶対にあると思う。

Sunday, February 11, 2007

水源/花の都パリ

昨日も朝から採点で、 結局、採点週間の中で最も時間がかかった。 バターとら焼きをぱくぱく食べながら、採点採点また採点。 チェックチェックまたチェック。 とは言え、夕方には全部無事に終了してほっとした。 夜は一週間の労働で疲れ切った身体を癒しに、 美味しいものを飲み食べに行ったのでした。

疲れているはずなのだが、昨夜はなかなか眠れず。 浅い眠りの中で何度も目を覚ました気がする。 起床は 9 時過ぎ。朝食は京番茶とバターとら焼き。 昼食は冷凍饂飩で済ませる。 今日は洗濯や掃除の傍ら、読書をしてのんびりと過す一日。 昼からお風呂に入って、湯船でアイン・ランドの「水源」を読み始める。 確かに凄いパワーのある小説だ。一章読んだだけで分かった。 できることなら、もっと若い時に読みたかった。 天才の物語は年寄には読むに辛い。 やはり寝不足で眠くなってきて、少し昼寝。 夕方になって珈琲豆と食材を買いに外出。 夕食は豚肉と長葱の炒麺。ちょっと食欲がなくて麺類続き。

執事がやって来て、「フランス/パリ」のガイドブックを貸してくれと言う。 そんなもの持ってたっけ、と一瞬思ったが、 階段の二階踊り場に処分用に山積みしてある中の本のことだろう。 十年以上前のデータで良ければ、と貸す。 確か、友人の写真展の手伝いに行くときに買ったもの。 執事は三月下旬の結婚式を終えて新居への引越しが完了したら、 四月はパリに新婚旅行だそうだ。 新婚旅行に花の都パリとは通俗的に過ぎないかね、 と半分以上、と言うよりほぼ 100 パーセントのやっかみで言ったら、 従姉妹がパリの教会で挙式をするので、 その参列を兼ねているんだ、とのことだった。 お目出たいこと続きで、結構なことだなあ。

Saturday, February 10, 2007

今日はバターとら焼きでした

なんとか無事に入試採点が終了。 くたくた… 詳しくは明日。

Friday, February 09, 2007

今日のシャトレーゼ

採点で今日も今日とて地獄起き(季語は「採点」)。 流石に 6 時台に起きると辛い。 電車は今日も遅れていたが、 ほとんど予定通りにキャンパス着。 午前、午後と入試採点に励む。夕方に終了。 まっすぐ家に帰って、夕食は梅若布饂飩。 梅干しは知り合いに毎年送ってもらっているもので、 今日のは紀州南高梅の 2003 年ヴィンテージ。 さて、いよいよ入試採点は明日が最終日。頑張ります。 何事もなく終わりますように。

今日のシャトレーゼは、「リュンヌ 苺 (苺とお月さま)」と、 「田舎パイ あずき」でした。

Thursday, February 08, 2007

パスポート番号/シャトレーゼのお菓子

今日はゆっくり寝られたはずなのに、習慣で早朝に目覚めてしまった。 今日の仕事は午後の会議だけなので、出勤のついでに、 更新したパスポートを受け取りに行く。京都駅の旅券事務所。 IC チップが埋め込まれた厚紙のようなものが、 パスポートの中程のページに挟まっている上に、 他のページのデザインも随分と凝ったものに変わっていた。 受取場所にIC チップの読み取り機もおいてあって、 チップに保存されている情報とパスポート記載の情報が一致しているか、 自分の目で確認させてくれる。 余談だが、 私の前のパスポート番号には変にゼロが多くて、 何か隠された意味があるんじゃないか、 と友人にも勘繰られたりしていたものだが、 今回の番号はランダムらしい外見(?)でほっとした。

午後は次年度の役職を決める学科会議。 何となく予感、と言うか覚悟、はしていたのだが、 大変な一年になりそうだなあ… まあこの先、仕事が重くなっても軽くなるって年はないよね。 会議は二時間ほどで終わって、そのまま家に帰る。 今夜も外食。家で紅茶と、 採点場で余っていたのを沢山もらってきた、 「シャトレーゼ」のお菓子。 店舗が大学の近所にあるので、大量購入のお得意様。 私は「シャトレーゼ」のお菓子の中では、 「チーズ饅頭」と「バターとら焼き」 の二つが突出して美味しいと思う。

通勤車中で「ディファレンス・エンジン」を読了。 舞台設定とアイデアは凄いが、小説としてはあまり出来が良いと思えなかった。 これだけ魅力的な歴史上の人物をたくさん登場させているわりに、 エンタテイメントに乏し過ぎる。 もうちょっと何とかなったんじゃないだろうか。 期待が大き過ぎたせいかも知れない。

Wednesday, February 07, 2007

大学基金

今日も今日とて地獄起き。 午前も午後も採点作業。夕方終了。 今日はキャンパスで入試自体も行なわれているので、 駅からのバスは行きも帰りも、膨大な数の受験生と一緒だった。 家には18 時半くらいに着いて、近所のワイン屋で買い物をし、 ついでにベンガルカレー屋で夕食。

地獄起きの毎日が続くが、明日はようやく寝坊が出来る。 明日は採点業務の谷間で、午前は採点なし、午後は学科会議のみ。 金曜、土曜は再びフルに採点業務。

今日の読書。「勝者のポートフォリオ運用」(D.スエンセン/次世代年金実務家ネットワーク訳/金融財政事情研究会)。 タイトルはインチキっぽいが、内容は至極真面目な資料。 イェール大学基金の過去二十年に渡る運用の、運用者自らによる詳細な記録。 大学の基金を市場で運用して、 資本をインフレに負けないよう保持するばかりか、 運用益を大学運営の補助金に充てることは、 世界ではけっこう普通に行われている。 イェール大学の基金の規模は 70 億ドルを越えているそうで、 これが年利数パーセントででも運用できれば、 授業料も入学費もいらないんじゃないか、と思ってしまうところだが、 スエンセンは二十年間を平均年利 17 パーセントで運用したそうだ。 大学基金を積極的に市場で運用することには、 日本ではまだまだ抵抗がありそうだ。 とは言え、日本の大学もファンド運営の才がないわけではない。 例えば、国債より低い利率の学校債を発行している私学があるそうだ。 その大学が日本国より長持ちするほど大安泰でない限り、 この学校債を売って得た資金で直ちに同じ満期の国債を買い直せば、 資金ゼロかつリスクゼロで魔法のように大金が生まれる。 ファンタスティックな運用方法だが、 この利益が「愛校心」とか「金融リタラシの欠如」の現金化であると思うと、 ちょっと気持ちは悪いね。

Tuesday, February 06, 2007

ランディスト

今日も地獄起き。今日は運良く電車も遅れず、 予定通りにキャンパス着。 午前、午後と入試採点業務。 夕方に終了。 帰宅して、鶏肉と長葱の焼きそばを作って夕食。 お風呂の中で、「アンビエント・ファインダビリティ」 (P.Morville 著/浅野紀予訳/オライリー・ジャパン)を読む。

入試採点をしている某先生が貸してくれた 「真理と美 ~ 科学における美意識と動機」 (S.チャンドラセカール/豊田彰訳/法政大学出版局)を通勤車中で読了。 生協書籍部に届いていた本。 「水源」(アイン・ランド/藤森かよこ訳/ビジネス社)、 「欲望と幻想の市場」(E.ルフェーブル/林康史訳/東洋経済新聞社)。 リバタリアニズムってちょっと野蛮、って思うけれども、 アイン・ランドも読んでいないのはいかんだろうな、と思って、 小説として面白そうな「水源」を買ってみた。 採点が終わったら、二段組で 1000 ページもあるこの本を、 ホテルかどこかで一気に読もうかな、などと思ってみたり。

Monday, February 05, 2007

あなたの見つけるものがあなたを変えていく

今日も地獄起き。今日は嵯峨野線が遅れていて、また無駄骨。 作業開始 10 分前に辛うじて到着。午前、午後と採点三昧。 今日はけっこうトラブルがあったが、ちゃんと夕方には帰れた。 入試採点週間は他の仕事がほとんどなくなるので、 大抵早く帰れるのはありがたい。

amazon から届いた本。 「アンビエント・ファインダビリティ」 (P. Morville 著/浅野紀予訳/オライリー・ジャパン)。 何をテーマにした本と一口で説明し難いが、なかなか面白い本。 そんなに凄い本ではないものの、 昨今書店に跋扈するWeb 2.0 がどうしたとか言う安物のビジネス本を読むくらいなら、 こちらにした方が 256 倍は良い。 訳書の副題は「ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅」と説明的だが、 原副題はもっと洒落ている。 "What we find changes who we become", 「私達の見出すものが、私達が何者になるかを変えていく」。 Ambient Findability とは著者の造語らしく、 至るところから何でも見つけられる世界のありよう、 と言った感じの意味らしい。

Sunday, February 04, 2007

バイロンの娘

7 時起床。私の基準では地獄起き。 無理に早起きしたのに、京都駅で電車が遅れていて無駄骨。 セーフマージンを取ってはいるので、仕事に遅れることはなかったが。 午前、午後と入試採点業務。午後 3 時過ぎに今日の部は終了。 少し研究室で時間をつぶしてから帰る。帰宅は 17 時くらい。 執事があれこれ掃除中だった。 この家を出て行くのは三月末らしいが、立つ鳥後を濁さず、というやつか。 夕食は、鶏雑炊。雑炊ばかり作っているので、腕が上がってきた。

「ヘッジホッグ」読了。ヘッジファンド業界の雑多な話の集まり、 と言う感じで、特に情報が得られたわけではないが、 それなりに刺激を受けたし、楽しめた。 「ディファレンス・エンジン」は、 ようやくエイダ・バイロンが出てきて盛り上がってきた。 エイダ・バイロン( エイダ・ラブレス 1815-1852) は実在の人物。 詩人バイロンの娘で、数学を愛好し (ド・モルガンが家庭教師だったこともあるそうだ)、 機械式汎用計算機の発明者バベッジに師事した。 バベッジの講演録を翻訳し、 世界で最初と考えられるプログラムを含む膨大な注釈を加えたことから、 史上初のプログラマとされることもある。 どれくらいの人物だったのかは議論のあるところだが、 小説的想像力をかきたてる女性であることは確かだ。 小説「ディファレンス・エンジン」の中の世界では、 バイロンが英国首相になっており、 娘エイダは蒸気で動くコンピュータ、 差分機関をあやつる天才プログラマとして活躍する。

Saturday, February 03, 2007

北北西

9 時起床。今日は良い天気。 バゲットのチーズのせ焼きと珈琲の朝食。 昼食に御飯を炊き、 葱と煮込んだ豚バラと、玉葱、長葱、しめじ、焼き豆腐、 煮込みと一緒に作った醤油卵で、 豚バラ飯。そして今日の午後も出勤。 今日も寒い。夕方くらいに終了。 太巻きを買って帰り、北北西に進路を取って食べる。 今年も無病息災でありますように。 一緒にニュージーランドのシャルドネ。良い香り。 毎年、来年の太巻きは自分で作ろうと思うのだが、なかなかそうもね。 かと言って、今年のようにスーパー製じゃ寂しいし、 某お鮨屋さんの blog を見ていて、 来年は予約を頼もうかな、と思った。

崇文荘書店から目録が届いていた。 ちょっと興味を引いたのが、 ヴァージニア・ウルフの「オルランド」。 ニューヨーク刊、1928 年初版限定版、著者署名入り。 そして何と、東京裁判のブラックニー弁護士の蔵書だったものだとか。 42 万円(笑)。 4 万 2 千円だったら考えるけどなあ。

さて、明日の日曜朝から次の土曜日夕方まで、入試採点週間。 がんばります…

Friday, February 02, 2007

差分機関

9 時起床。バゲットとチーズを焼いて、珈琲との朝食。 今日は寒い。朝方、雪が降ったとか。 洗濯などしながら雑務。 昼食は昨日から煮込んでおいた豚バラ肉とその醤油だしで、 長葱と豚肉の焼きそばを作る。 午後は出勤して大学のお仕事。 夕食は豚バラ煮込みを使った中華風おでんと焼き饂飩。 今日は足元が冷える。ようやく京都らしい寒さ。 夜は確定申告の計算など。

通勤車中の読書。 「ディファレンス・エンジン (上)」 (W.ギブスン&B.スターリング/黒丸尚訳/角川文庫)。 蒸気機関で動くコンピュータと言うアイデアで、 「スチーム・パンク」の世界を生み出した、 サイバー・パンクの立役者二人の伝説の共作。 それはさておき、 ギブスンがもう六十歳近く、スターリングが五十代半ば、 と言うことにショック。 今日、買った本は「ヘッジホッグ」(B.ビッグス/望月衛訳/日本経済新聞出版社)。 モルガン・スタンレーのリサーチ部門を立ち上げ、 退社後は 70 歳にしてヘッジファンドを設立したビッグスが描く、 ヘッジファンド業界の裏話。

Thursday, February 01, 2007

入試のシーズン

9 時起床。長葱と卵の炒飯を作って朝昼兼用食にして、 京都駅の旅券事務所にパスポートの更新に行く。 今日は寒いという話だったが、昼間は春のように暖い。 パスポートの申請書を出したあと、 そのままキャンパスに行き、打ち合わせを一つ。 実際はメイルで済むような問題ではあったが、一応念のため。 大学は期末試験も終わり、学部学生が消え失せて静かになっている。 講義も試験も終わって、のびのびと羽を伸ばしているのだろう。 注文していた本を受け取って、夕方、キャンパスを後にする。 キャットフードなどを買って帰宅し、荷物をおいて、 近所のワイン屋に注文していたスイスのチーズを受け取りに行く。 アッペンツェラーなど。

流石に日が落ちると冷え込んできたので夕食は鍋。 白菜と鶏の鍋と、その後の雑炊。 味付けは塩と一味だけなのに、 自分でもびっくりするほど美味しい雑炊が出来た。 しかし、手順のどこが良かったのか分からない。 毎回、この水準で作れればなあ、と思うが、 たまーに偶然にしか出来ないのが悲しいところ。 明日以降のために、 豚バラ肉のブロックを葱で煮込んでおく。

いよいよ関西の私学は入試シーズンに入った。R 大も明日から。 続いてこの週末からの一週間の毎日、 多くの教員は入試採点に貼り付くことになる。 大変は大変なのだけれど、 早起きしなくてはいけないが夕方までには終わるし、 毎日お祭りのような高揚感もあって、嫌いではない。