Tuesday, October 31, 2006

パジャマ

ちょっと寝坊。寝起き悪し。 いまだに月曜日のマスプロ講義二つに慣れない。 膨大な人数が相手だと、普通の講義とは違う種類の筋肉? 力?エネルギィ? 分からないけど、何か違うものを使うように思う。 やはり数百人級の人数の若者を黙って座らせておくには、 ある種のカリスマが必要に違いないのだが、 そのようなものを持ち合わせていない人間が、 少しの間とは言え、それを演じようとする、という所に無理があるのだろうか。 火曜の朝に寝起きが悪いのは単に、 反動で月曜の夜に飲み過ぎているだけかも知れないが。

それでも、珈琲、レーズンパン、林檎のジュースの朝食の後、 午前の間に掲示用のレポート課題を作る仕事を済ませた。 TeX でなくて MS Word で作成したのが、我ながら退廃。 御飯を炊いてだしを引き、納豆とか海苔とかの粗食で昼を済ませ、 キャンパスへ向かう。 今年初めて、コートを着て外出。 まだ昼間は暑いが、暗くなるともう丁度良い。 あれこれ雑用を済ませて、夕方から卒研その2。 Lieb-Loss の教科書で、滑らかな関数による Lp 近似。 今日は学生があまり勉強してきていなかったのか、随分と不調だった。 教科書の証明におかしな所があったりしたのも、原因ではあったが。 18 時前に終了。 バス停の人出が減るのを待って、帰路につく。

南草津駅前の MUJI でパジャマを二着、購入。朝方冷えてきたので新調した。 グレイのヘリンボンと千鳥格子。 頻繁に洗濯できないことを考えると、三着にした方が良かったかな… 20 時前に帰宅。夕食は豚肉とピーマンの千切りを炒めて、 冷や御飯を食べる。 お風呂に入って、新しいパジャマを着る。 おろしたてはやはり、特別に気持ちがいい。 森茉莉がどこかで、シャツのようなものは本来は着流し、つまり、 何度か着たら(洗濯することなく)捨てるものだ、と書いていたような気がするが、 それは言い過ぎにしても、まあ、言いたいことは理解できるね。 いや、理解できないでもないかな、という程度かな。

Monday, October 30, 2006

マスプロ

ニュースでちらっと観たのだけれど、今の安藤美姫は凄いな。 氷上の曲芸じゃなくても、 世界レヴェルのモダンバレエで通用しそうな切れ味とバランスだと思った。 凡庸な感想だが、やはり人間の成長には一度は挫折が必要なのかも。

月曜日は衣笠出講日。 「数理の世界」と続いて「情報の数理」。 「数理」は整数の定義を復習して、 今日は整数に足し算、かけ算などの演算を定義した。 講義の途中で法学部の事務の方が聴講者名簿を持ってきたのだが、 講義を続けながらもちらっとそれを見ると、 「登録者数 578 名」と書いてあって膝の力が抜けそうになった。 500 名近い、と学期が始まる前に聞いたのだが、それを遥かに越える人数。 どうりで毎回、370 名収容の講義室が満杯になるはずだ。 講義は毎回、皆さん熱心に聞いてくれているのは結構なことだが、 今からレポートを採点するのが憂鬱。 続いて、「情報」の方は 50 名強くらいに落ち着いてきた。 勿論こちらも、レポートは 300 人くらいは提出するのだろうが。 今日は即時的コード、語頭条件など。

講義は 18 時少し前に終了して、バスで大宮まで帰る。 近所のワイン屋さんに寄ってチーズを買ってから帰宅。 夕食は焼きそばを作る。 焼きそばにあうワインがあると言う話も聞くが、 飲み残しのリースリングと。 夜はチーズとワイン。

Sunday, October 29, 2006

休肝日

完全休日。遅く起きて、カステラと珈琲の朝食。 昼食は、近所の町屋インドカレー屋さん。 午後は、洗濯などの家事のかたわら、読書とチェスの勉強など。 夕食は御飯を炊いて、冷奴やちりめん山椒などの粗食。 食後、お風呂に入ってから、小一時間チェロの練習。 少しだけ明日の講義の予習のおさらい。 今日は休肝日として、アルコールもなし。 ほとんど家の中でひっそりと過した。 うーむ、自己完結し過ぎだな。気をつけないと。

今週の目標は、 先日査読が返ってきたプロシーディング論文の改訂作業を済ませるのと、 次の春の学会講演の準備に着手すること。

Saturday, October 28, 2006

My life as a...

最近の懸案であった科研費申請の手続が、 金曜日の午前でようやく全て終了した。 献身的に助力してくれた事務方に感謝したい。 とりあえず、少しほっとした。 今夜は近所のワイン屋さんのローヌ試飲会。 今日はローヌ担当のブランドマネジャ Y が御説明します、 と言って始まったが、実際は Y さんと司会との掛け合いのシーンが多く、 なかなか楽しかった。このスタイルをデフォルトにしてみてはどうだろう(笑)。 出張疲れで舌が鈍くなっていて、 微妙な味の違いは良く分からなかったのだが、 何故か嗅覚の方は普段より敏感で、 色んな香りがかしましくて困るくらいだった。 疲れると味覚が鈍化して嗅覚が鋭敏化する、 と言うのは一般的な現象だろうか?

出張の新幹線車中での読書。 読みかけていた小説の残りと、「物理学者、ウォール街を往く」 (E.ダーマン著/森谷博之監訳、船見侑生・長坂陽子訳/東洋経済新報社)。 原著の "My Life as a Quant" を既に読んでいたので、その意味では再読。 オックスフォードにいたときに仲良くしてくれていた香港人の大学院生が、 これからの進路を悩みつつこの本を愛読していたのが、 原書を読んだきっかけだった。 数学者や理論物理学者の大学でのポストはとても少ない上に、 ツブシの効き難い分野でもある。 そんなわけで多くの人が妥協の上に、他の道を歩んでいくことになるのだが、 それぞれの時代にそんな人々が流れ込む分野がある。 あるときは通信、あるときはコンピュータサイエンス、 現在では、その一つが数理ファイナンスだろう。

最近、やはりオックスフォードでポスドクだった某英才が、 証券会社だか何かに就職したと耳にして驚いたし、 僕の学部時代からの同級生で理論物理学をやっていた某君も、 いつの間にやらクォンツに転身していた。 私は近頃、 研究の場として大学は必ずしも良い場所でなくなりつつあるのではないか、 と深い懐疑を抱きつつあるので、 自然なことでもあり、良いことであるのかも知れない。 その同級生は、最近では「多様体上の確率解析の良い教科書はないか」とか、 メイルで尋ねてきたりする。 そんな高級な数学まで必要なのだろうか、 と以前の私なら思っていただろう。しかし、 最近では自分も数理ファイナンスに首をつっこんでいるおかげで、 事情が少しは分かってきて、もう何が応用されようが驚かない。 例えばゲージ理論ですら既に応用されているし、 いずれ、超ひも理論とか、岩澤理論が応用されたって不思議はない。 いや、もうそういう研究があるかも知れない。 実際、R 大学の数理ファイナンス研究グループの中でも、 ほにゃにゃら理論(内緒)によって金利モデルを統合しようと言う試みが、 水曜夜の院生ゼミで深く静かに、ひっそりと、進行しているのだ…

Thursday, October 26, 2006

清く正しく美しく

今日も早起き。 午前中は「プログラミング演習」。 前回に提出してもらった課題のプログラムから数例挙げて講評をしながら、 清く、正しく、美しいプログラムの書き方を説明する。 最後は自分のプログラムを書き直してもらったりして終了。 昼食を取る暇もなく、京大に移動。 昨日から開かれている確率解析の研究会。 京大はアクセスがあまり良くない場所にあるので、 こういうときに困る。 しかし、何とか目当ての講演に間にあった。 以前に自分がした研究と関係があるので聞きたかったのだ。 あのときは共同研究者の言うがままにするのが精一杯で、 きちんと考えることが出来なかったのだが、 今日の講演はその辺りの事情が綺麗に整理されていて、 ああ、こういうことだったのか、と思わされた。 あのとき、ここまでクリアに考えられていたらなあ。 最後のショートコミュニケーションも面白く、 BKC から移動してきた甲斐があった。

夜はシャンパンを二杯。 今週は結構働いてるような気がする… でもそれが報われる味だった。 明日の午後から出張なので、 次回更新は一日休んで土曜の夜。

Wednesday, October 25, 2006

エロイカ

早起きして、朝食は珈琲とソフトボイルドな茹で卵。 そのままキッチン兼ダイニングで科研費申請関係のお仕事。 バブル期のジャパニーズ・ビジネスマンなみに頑張ったつもりだが、 それほど進展せず。 あとはキャンパスでしか作業できないので、午後から BKC へ。 この仕事のエスティメイトとして、最悪の場合、 金曜日の午前までかかる可能性を見込んでいたのだが、 事務の方のミラクルな助力によって、今日の午後の内にほとんど解決。 必要な情報は集まったので、今夜にでも済ませられそう。 良かった、良かった、と思いながら帰る前に、 今日が締切の卒研配属希望表を見に行くが、もう片付けた後だった。 しかし、三回生らしき学生たちが通りかかって、 僕の研究室は定員をオーヴァしなかった、と教えてくれた。 これで配属の調整作業も不要になって、上々。 しかし、10 名以上もなんて、どうやってゼミを組織しよう。 ま、来年考えよう…ケ・セラ・セラ、なるようになる。

夜はちゃんとした夕食の支度をする時間がなくて、 蒸し野菜のサラダ(蒸して、出来合いのドレッシングをかけただけ)と、 カルボナーラ。 つまり、パスタを茹でる鍋の上で同時に野菜を蒸した。 ワシントン州産のリースリング、エロイカを一杯。 意外とリースリングらしいリースリング。 ちょっとデフォルメ気味のような気もするが美味しい。 やっぱり、リースリングはいいな… 食後に珈琲。少し残業。

Tuesday, October 24, 2006

ゆっくりしてはる

昼から個研で、二人の学生の卒研配属相談の面談。 他にも数名、メイルで相談があったのでその返事とか。 会議までの時間を使って、健康診断に行く。

X 線撮影から始まってあれこれあって、 採血、心電図、そして内科診察で終了。 最後の内科診察でお医者さんの前に座ると、 さっき取ったばかりの心電図をふむふむと見た医者が、 「このハートレイトの低さは……スポーツをされてますね?」 と言う。「いいえ、(チェス以外には)何も」と答えたにも関わらず、 「陸上か、水泳でしょう」と、畳みかけてくる。 「いいえ、全く」と答えてもまだ、 「じゃあ、遠くにお住まいで自転車か徒歩で通勤ですか」と言う。 「電車とバスです」と答えると、 「…たまたま、ゆっくりしてはんにゃ。(京都弁)」 と結論されてしまった。ロハスな心臓なのだろうか。

採血のために昼食をとっていなかったので、 血を抜かれた分を取り返すため随分と遅めの昼食をとって、 夕方から、某委員会の会議。三時間ほどで終了。 帰りに、卒研配属希望表を見に行くと、 私の研究室への配属を希望する学生は既に 12 人で、 リミットの 13 人まであと一人。 明日の夕方が締切なので、オーヴァするかも知れない。 12 人だとしても、卒研ゼミは最低 3 つには分けなければいけないだろう、 とすると院生のゼミもあわせて 4 つ、 そして講義が半期に 3 つで…とか数えているとブルウな気持ちになってきて、 そのまま帰る。9 時少し前に帰宅。 しかし最近、私の周りにはとても多忙な人が多いので、 ゆっくりしてはる心臓を持つ私が、 これくらいで忙しいとか愚痴を言ってはいけないのだな、 と思う今日この頃。 例えば、近頃ほとんど執事を見かけないのだが、 大トラブルで燃えさかるラインにヘルプで入って、 毎日、座ったままか、運が良ければ床の上で寝袋で寝て、 それ以外の時間は全てコーディングしているそうだ。 この前、シャワーを使いに来たのに偶然出くわしたので、 「何も修羅場にヘルプに入らなくても」と声をかけると、 「ふっ」とニヒルに笑うと、「私が、修羅なんですよ…」 と言い残して、また戦場へと帰って行った。 その背中に「俺がやらねば誰がやる」と書いてあるような気がした。

Monday, October 23, 2006

シャヨウ

衣笠出講日。 生協食堂で昼食を取って、午後は連続して「数理の世界」と「情報の数理」。 今日は、「数理」では自然数のかけ算を帰納的に定義して、 自然数の定義を使って整数も定義した。 もちろん、自然数にゼロと負の数を付け加えて整数と言います、 で済ませても問題ないが、 あえて、 自然数のペア全体を適当な同値関係で割った同値類として定義してみた。 演算の定義を自然に行うのと、有理数の定義へのイントロとするためだが、 文系ではやや無理気味だったか…。 と思っていたら講義が終わったあと、女の子が質問に来て、 「私、シャヨウ?とか全然知らないんですけど、 高校の教科書とか復習した方がいいですか?」 と言っていた。君、それはシャゾウ(写像)です。 しかし、こんな講義をしているわりに聴講者が全然減らない。 今日も 370 人収容の大講義室がほとんど一杯だった。 「情報」は、コードの一意復号性の必要十分条件、 即時的コードへのイントロ。 こちらはせいぜい 6、70 人なので大講義室が閑散として見える。 これくらいだとむしろ寂しいような錯覚に陥ってきた。

夕食は、しめじ、ピーマン、ベーコンのスパゲティと、 ポテトサラダの残り。白ワイン。 夜は、事務から科研費書類の訂正が入っていたので、少し自宅残業。 ちょっと週始めから疲れたなあ、と思いつつ、 疲れを癒すための読書。癒されるなあ、、、 「フランス 地方のおそうざい」(大森由紀子/柴田書店)(読書?)。

Sunday, October 22, 2006

紅葉つきもの

けっこう早起き。寝床で「西洋哲学史 古代から中世へ」(熊野純彦著/岩波新書) を少し読む。 朝食はレーズンパンと珈琲。午前中は講義の予習。 昼食は御飯を炊いて、出来合いの餃子を焼き、 昨日作ったポテトサラダと。 午後は科研費書類の作成作業。全国的にシーズンである。 どうせ当たらないのになあ。 それに数学はそれほど資金確保がクリティカルでないので、 こういう申請作業に気持ちが入らない。 本当に科研費って必要かなあ…、 などと不埒なことを考えてみる。そう言えば、 ハルモスもかつて同じような提言をしてなかったっけ。 夕食は油揚げと若布の味噌汁と冷や御飯、 ポテトサラダなど冷蔵庫の残り物。

22 時から NHK 教育の「劇場への招待」で、 南座で公演した山村美紗原作のミステリの舞台の録画が放映されるので、 ちょっと長いけど観ようかな、とお酒などの準備中。 萬田久子主演はいいとして、 舞台でもやっぱり出るのか、山村紅葉。と、変なところに感心。 山村美紗の遺言にそんな条項でも入っていたのだろうか。

Saturday, October 21, 2006

双子座うまれは星占いを信じない

一日、完全休日。今日はいい天気。 午前中は寝台でラオの「統計学とは何か」を読んだ。 面白いことが一杯書いてある。 図書館で借りたので今月末に返さなくてはいけなくて、 ぺらぺらと再読しているところ。こんな名著が品切れとはおかしい。 是非、すぐに再版してもらいたい。 この本の昨日たまたま開いたところには、 イギリスの数学者ハーディが夕食会の席で、 "2 + 2 = 5" から某氏がローマ法王であることを証明してみせた、 という逸話とその証明が出ていた。 今日たまたま開いたところには、 ある母集団のデータに、 期待値が異なる別の母集団からのデータが混じっていると、 もとの母集団の期待値の推定が、 悪くなるのではなくて逆に良くなってしまう、 と言う奇妙な現象が、簡単な不等式評価で説明してあった。 今、開いたところには、 数学者スマリヤンは、貴方はどうして星占いを信じないのか、と訊かれて、 「双子座うまれは星占いを信じないのだ」と答えた、と書いてあった。 (実際、スマリヤンは論理学と基礎論が専門だが、 大学で占星術の講義をしたことがある、と何かで読んだ。)

昼食に茹で卵と若布の煮麺を作って食べる。 午後は少し午睡をしてから、昼風呂。 休日だし、少しは陽気な気分になろうと、 湯船で「大転落」(イーヴリン・ウォー著/富山太佳夫訳/岩波文庫)を読む。 この訳者あとがきは、原作者を褒めているような、けなしているような、 微妙と言うか絶妙の書きぶり。お風呂上がりに白ワインなど。 これで、昼寝、昼酒、昼湯を制覇。 朝寝、朝酒、朝湯を午前中に全部こなすには、 かなりの早起きの上に勤勉でなければならないと思う。 夕方、近所のスーパーに食材を買いに出る。 夕食はカルボナーラ。 明日以降のためにポテトサラダを作りおき。 ちょっと玉葱を入れ過ぎて辛い。

Friday, October 20, 2006

スケジュール帳

朝食に少しでも何か食べよう運動。朝食は茹で卵と珈琲。 スコーンがなくなったので。 午前中は掃除や洗濯などの家事をして、 午後は百万遍へ。京大での関西確率論セミナ。 ドイツからのお客さんが、 マルコフ連鎖でジャンプ過程を近似するような話をしていた。(多分。) 17 時過ぎに終了。

河原町に寄り道して、LOFT で来年のスケジュール帳を買う。 私は一ヶ月単位のスケジュール帳が好き。 私自身は忙しい人間でないが、私の観察によれば、 多忙な人に限って、通常の週単位や一日単位ではなくて、 一ヶ月が一目で見えるものをメインに使っていることが多い。 多分、スケジュール帳を見て色々と考えることがある人は、 少なくとも一ヶ月先までは簡単に俯瞰できないと使い難いのだろう。 例年は A4 サイズの月めくりカレンダを手帳代わりに用いていたが、 今年は魔が差して、Quovadis の visoplan を使っていた。 月めくりなのはいいが、小さ過ぎ。やはり、もう小さな手帳を持つ年齢でない。 そして、今回もカレンダを買って代用しようかな、 と思っていたところに、 要求にぴったりのスケジュール帳を発見。同じく Quovadis の、 「マンスリー4(Monthly4)」。新製品らしい。 今年の 10 月から始まっているのもいい。

にこにこしながら、大宮駅まで帰り、 近所のワイン屋さんで注文していたワインを受け取って帰宅。 夕食は冷や御飯と冷蔵庫のもので粗食。

Thursday, October 19, 2006

偶然と必然

午前中は「プログラミング演習」。 12 時 10 分に終わって、12 時半までに食事。 今日も昼食は生協食堂。穴子丼。 午後の最初の 1 コマは来年の卒研配属相談のための、 オフィスアワに確保しておいたのだが、 学生は誰一人として現れず、 結局その時間を利用して、 「プログラミング演習」の提出レポート全部を添削してメイルで返却した。 14 時 10 分から、卒研ゼミのパート1。 マルチンゲールの残り、 Doob の上向き横断回数補題、前向き収束定理など。 17 時半に終了。 しばらく雑用をしてから帰宅。

毎日、生協食堂のような気がしてきたので、 夕食は自宅近所のバーにて。 地鶏と茸のキッシュと、豚バラ肉の煮込み料理。 キッシュは山羊のチーズを使ってみました、 と言うので、ほほう、と思いながら食べると、 チーズは溶かしているのでなく、形を残して入っていた。 なるほど、これもまた面白い感じ。 そして、今日は初めて、キッシュはもう売り切れです、 と言う言葉を聞いた。この早い時間に売り切れとは。 F 村シェフのキッシュは名物になってきたようだ。 煮込み料理は脂の乗ったバラ肉を巻いてから輪切りにしたような、 バームクーヘン状。バロンコーレと良い相性。 最後に、マール・ド・ブルゴーニュを一杯だけ飲んで帰る。

今日の車中の読書。「奇偶(上)」(山口雅也著/講談社文庫)。 私は勿論、偶然の現象に深い興味を持っているので、 こういう話は大好きだ。 そもそも専門に確率論を選んだのはそういうこともあってのことだが、 確率論は完全に数学なので、 最近はもっとアートとしての側面のある統計学にも密かに興味を持っている。 とりあえず、ラオの「統計学とは何か」(ラオ著/藤越・柳井・田栗訳/丸善) には、深く感動した。今では品切れか絶版かで手に入らないのが残念。

Wednesday, October 18, 2006

顔見せ

今日の昼食も生協食堂。 13 時から卒研説明会。 来年度の卒業研究の配属を決める季節で、 説明会は教員の顔見せと言うところか。 一人あたり数分くらいで、卒研ゼミの内容を簡単に説明する。 この三回生の学年がそれ以前とは格段に入学定員数を増やした、 言わゆるビッグバン元年。 卒研はセミナ形式で行うが, 単純に教員数で頭割りしても十名くらいになってしまう。 均等になりっこもないので、いくつかのゼミは人口爆発するだろう。 数学のゼミにはなりそうにない。 それを承知の上での定員増で、 これが言わゆる「高度な政治的判断」と言うものか。 卒研説明会はあっさり短時間で終わって、 夕方は学科会議。来年の科目担当の決定など。 また生協食堂で慌てて夕食を取り、 18 時から院生のソリトン理論についての自主ゼミ。 今日は短く 20 時過ぎに終わって、 今、帰宅。

明日の昼も生協食堂。どこまで続くか、生協食堂での食事。

Tuesday, October 17, 2006

数学って…

午前中は自宅で資料の発掘作業。 整理システムを構築する前の資料だったので発見できず。 午前の内にキャンパスへ。 昼食は生協食堂。 午後はあれこれ雑用をしてから、 卒研ゼミのパート2。 畳み込みの定義と可積分性など。 学生が超関数論を全く知らないようだったので、 5 分間の超速攻「超関数論の要点」レクチャーをしてあげたら、 「数学ってええですねぇ」と妙に感心していた。 確かにいいけど、4 年生になって初めて超関数を知るってどうなの。 18 時少し前に終了。 夜は院生主催の鍋大会。 ちょっと数ファ研で院生と会ったときに、趣旨は何なの? と尋いたら、「大会です」とだけしか教えてくれなかった。 鍋大会までの半時間ほどの時間は、査読を頼まれた論文に目を通す。 19 時くらいから鍋大会で、今終了。 結局、趣旨は良く分からなかった。 さて、お家に帰ろう…

Monday, October 16, 2006

1 + 2 = 2 + 1

先週は忙しかったので、今朝に午後の講義の予習。 「情報の数理」の方は昨年と方針と内容を変えていないが、 「数理の世界」は内容を変えて、新たにノートを書き下ろしているので、 毎週けっこう大変だ。午後から衣笠出講。 生協で昼食をとってから、「数理の世界」。 前回は自然数を定義したので、今日は自然数の足し算を定義した。 自然数間の写像として「a を足す」という作用を定義する方法。 この方法では、a に b を足した結果と、 b に a を足した結果が等しくなることは自明でない。 ちゃんとした証明はやや面倒なので、 1+2が2+1に等しいことだけ証明した。 理解できた学生がどれだけいたのか全く不安だが、 少なくとも、きちんと定義から始めると、 自然数の足し算の可換性さえ明らかなことではない、 と言うリマークにはなっただろう。 続いて、「情報の数理」。 前回までにやったことをおさらいしながら、 数学的に整理し直した。 衣笠の方では自分のオフィスもないので仕事もなく、 講義が 18 時近くに終了するとすぐに帰ることになる。 帰宅は 19 時くらい。夕食は近所の定食屋で済ませる。

Sunday, October 15, 2006

スコンデ(Seconde)

10 時まで寝てしまった。思ったより爽やかな目覚め。 とは言うものの、 午前中は珈琲とスコーンの朝食をとっただけで、 あとは呆然としている内にお昼。 昼食は近所のベンガルカレー。 秋晴れの良いお天気なので、午後はまず洗濯をして、 しばらくお昼寝。いくらでも眠れそう。 夕方になって外出。"Problem Paradise" の解答を郵送し、 近所のワイン屋さんに行って、 注文していたブリュット・ゼロのシャンパーニュと、 リースリング一本を受け取る。 ついでに、しばらく前に一つ割ってしまってそのままになっていた、 スパークリングワイン用のグラスを二つ買った。 社長としばし雑談。自分自身と猫を除けば、 今日、直接に言葉を交わした唯一の機会だった。 夕食は月見若布煮麺。 お風呂上がりに、シャンパーニュを開けて飲む。 一応、個人的に還暦のお祝いのつもりで。 世話人の一人だったと言うだけで、大して何もしなかったのだが、 なんだか一仕事終えたような気がする。

タイ・ブレイクの早指し 4 局の後、 世界統一チャンピオンはクラムニクに決定。 クラムニク 2.5 対 トパロフ 1.5 のスコア。 トパロフが勝った局は派手な快勝譜ではあったが、 クラムニクの方も本人らしい渋い勝ちだった。 ドローに終わった本戦の方も、 両者ともに個性がはっきりとでた対局が多く、面白かった。 全体の印象としては、やはりクラムニクは強いな、と。 トパロフが優位を得ながらもブランダーなどで勝ちを得られず、 と言うシーンが目立った。それはつまり、 クラムニクのマッチ・プレイヤーとしての強さだと思う。

還暦祝い

私の基準では地獄起き。 土曜日の朝の町は人気もなく、バスはすいすいと走る。 まず京大の経済研へ行き、兄弟子の S さんと H さん、 そして留学中の S 君の弟子の学生さんとともに機材を京大会館に運ぶ。 あれこれ準備をして、10 時より T 師匠の還暦記念シンポジウム開始。 18 時に終了して、次は還暦祝いのパーティ。 20 時半に終了。 後片付けをして、機材を経済研まで戻し、 上記の実働部隊 4 人と TK 大の N さんと 5 人で、 四条烏丸へ。「瓢亭 MARU」で反省会。 講演の部にはのべで 100 名近く、 パーティには 70 名以上に参加していただく大盛況で、 兎に角、つつがなく終了できて何よりだった。 実は直前まで、ひょっとしたら人数が集まらなくて、 広い部屋の片隅でひっそりとしみじみ語りあうようなパーティになるんじゃないか、 と世話人一同で心を痛めていたので、嬉しい誤算だった。 問題点は色々とあったが、講演者がスター揃いの上に、 素晴しい講演をしていただけたことが勝因であろう、 と居酒屋反省会で分析。

やれやれ、兎に角、終わった。明日は休む。断固として休みます。 月曜日の講義の予習だって、月曜日の朝にします。

Friday, October 13, 2006

not a sausage

早起き。 自宅であれこれ雑務。 御飯を炊いて、だし巻き卵と豆腐と若布の味噌汁の一汁一菜。 午後はコンビニエンスストアでコピーをしたりしてから、 百万遍へ向かう。 関西確率論セミナに参加。ウィナー・ソーセージの話。 ウィンナー・ソーセージではない。 Wiener 過程の標本路、 つまりブラウン運動の道筋に微小幅をつけたものを言う。 勿論、駄洒落ではある。 帰りにバス停まで歩く途中、進々堂で朝食用にスコーンを買う。 朝食も少しくらいは何か食べなさい運動推進中。 バスで家の前まで帰る。 夕食は冷や御飯を炒めて炒飯。

明日土曜日は京大会館にて、 私の師匠である T 先生の還暦を記念した研究会と、 夜にはお祝いのパーティ。 私はもちろん裏方の一員。 おそらくこのページの更新はかなり遅いことでしょう。

クラムニク vs. トパロフのマッチは最終局をドローで終えて、 6.0-6.0 ポイントのタイ。 しかし、トパロフの 1 ポイントは第5局の不戦勝によるものなので、 盤上での勝利はクラムニクが 1 ポイント勝っている。 どうするのかな、と思っていたが、 結局タイ・ブレイクが行なわれるようだ。 今夜、4 局の早指し(25 分プラス一手毎に 10 秒追加) 対局を行いマッチの勝敗を決める。 もしこれも引き分けなら、 さらに持ち時間の短い 2 局の電撃戦、 それでもまた勝負がつかなければ、 「アルマゲドン」と呼ばれる、 ドローは白負け(ただし白の方が少し持ち時間が長い) のルールでサドンデス対局を行い、決着をつける。 明日は早起きなので、できるだけ早く終わってほしい…

Thursday, October 12, 2006

味噌海老フライ

ちょっと早めに出勤して、個研で電話したりメイルしたり。 10 時 40 分から「プログラミング演習」。 終了して、生協購買部で海苔巻を買って、個研で食事。 続いて午後最初の1コマは、 卒研配属の希望者向けのオフィスアワー。 続いて、定例の卒研ゼミのパート1。 Williams で停止時間、ドゥーブの任意抽出定理、 ランダムウォークの到達時間の分布の計算など。 ゼミの途中の休憩時間とゼミ後にも、 小さな仕事をあれこれ。 遅くなったので、生協食堂で夕食をとってから帰る。 味噌カツ風の海老フライ、と言う謎の料理があったので、 つい注文してしまった。 味噌カツはありうる料理だと思うが、 やはり味噌海老フライはどこか間違っている…

帰宅。何とか、 クラムニク vs. トパロフの最終局の中盤までに間にあった。 流石に今日は最後まで観よう。

Wednesday, October 11, 2006

はつだのお弁当

日帰り出張。 京都駅で新幹線の接続に少し時間があったので、 出張に彩りを添えようと思って、 伊勢丹の地下二階にお弁当を買いに行く。 予約が必要な老舗料亭の御重なども悪くないが、 私には贅沢過ぎる。 それに車内で食べるとどうも美味しくない。 少し迷った末、「はつだ」の特選和牛弁当にした。 ややお昼には早い時間の新幹線だったが、 車内でお弁当。無難に美味しいな… ちょっと赤ワインがあれば最高だったのだが。 午後の早い時間に東京着。某所にて某委員会。 会議を終えて、まっすぐ東京駅に向かい、帰路につく。 往復の車中で、積ん読になっていた本を二冊消化するつもりだったが、 二冊目が四分の一ほど残った。 夕食を準備する時間がなく、近所の定食屋さんで済ませる。

クラムニク vs. トパロフの第 11 局はドロー。 私は 17. ... Qd7 が興味深かった。 終盤はクラムニクが巧妙に優位を取り返したように見えたが、 どうもトパロフが冴えなかったようだ。 ひょっとしたらクラムニクが勝ちを拾うかも、と思ったが、 最後の最後はもう一つ攻めに行かず、結局ドロー。 次はクラムニクの白番だ。

Tuesday, October 10, 2006

甘々

午前中はメイルであれこれ仕事をして、 午後はキャンパスへ。 印刷作業のあと、学部長選挙のイベントに行く。 この前の一回目の予備選挙で選ばれた候補者がそれぞれ、 立派で有能な他の候補者に比べて自分が如何につまらぬ小人物か、 いかに学部長に相応わしくないか、を謙虚に述べるのを聞いたあと、 二回目の本選挙の投票を行なう。 その後の夕方から、 選挙イベントのせいで 30 分遅れて卒研ゼミのパート2。 リースの表現定理の主張とその証明。 学生が定理の主張を理解していないようなので、 叱らなければいけないところだったが、 結局、しばらく考えさせた後、黒板で説明してあげて、 「ま、四年間で帳尻があえばいいよね」、 と言うことにしてしまった。 こんなことだから、親切で温厚な先生、と評判になってしまうのだな。 証明が終わったところで今日のゼミは終了。 読み残していた名作ミステリを読もう計画の一環で注文していた、 「殺意の楔」(E.マクベイン著/井上一夫訳/ハヤカワ文庫)、 「魔の淵」(H.タルボット著/小倉多加志訳/ハヤカワポケットミステリ)と、 amazon で買った Khalifman の棋譜を持って帰る。

8 時過ぎに帰宅して、冷や御飯のおかずに、 鮭と舞茸をバターで焼いて柚子を絞ったものと冷奴。 もともと少し塩が入っている鮭なので、ちょっと味つけが強すぎたかな…

明日は某委員会のため、東京に日帰り出張。

Monday, October 09, 2006

数とはいったい何でしょう?

月曜日は衣笠で文系講義二連続。 生協食堂で昼食をとってから、「数理の世界」。 しばらく「数」について話すことにする。 今日は高校までに習った色々な数の「定義」(?)と、 そのどこがおかしいかと、どこがもっともらしいかを説明し、 最後にペアノの公理系による自然数の定義を紹介した。 続いて、「情報の数理」。 コードの平均語長とか、一意復号可能性とか。 今日もふらふらになって、四条大宮までバスで帰る。 夕食は御飯を炊く元気がなく、 ベトナム麺を茹でて偽フォーみたいなものを作った。 食後に、アンドレ・ペレのサン・ジョセフと、 チーズはミラベラ。癒される。

生協で買った本。「西洋哲学史 古代から中世へ」、 「西洋哲学史 近代から現代へ」(熊野純彦著/岩波新書)。

クラムニク vs. トパロフの第 10 局はクラムニクの勝ち。 今度はトパロフが全く冴えなかった。 ブランダーとされる 24. ... f6?? は、 クラムニクが攻めこんでいったことが心理的に効いたのかも知れない。 私はチェスソフトを使いながら観戦していないので、 25. Nd7 が実際に指されるまで、 これはトパロフの罠なんじゃないか、と思っていた。 いかにもきな臭い雰囲気なので。 単にフォークを見逃しただけではないとは思うが、 結局はトパロフの変調だったようだ。 サイコロジィに全てを帰する観戦態度は好きではないものの、 世界タイトルマッチはどうしてもそこがポイントになる。 対局者二人ともが、 プレッシャーと対局の心理学についてのグランドマスターでもあるわけだし、 一方では最も大きなプレッシャーがかかるマッチでもある。 複雑かつ巨大な力がバランスした、極めて不安定な状態なのだろう。 これで後 2 局を残して、5.0-5.0 のタイ。 目の離せないマッチになったことだけは確かだ。

Sunday, October 08, 2006

the hardest player to beat

朝食は珈琲とベーグルを半分。 今日の仕事は明日の講義の準備。 世間は三連休だそうだが、R 大では明日の祝日も平常営業。 この文系講義二つは昨年も持ったものなので、 昨年のノートを昨年の反省のもとに追加変更するのと、 アクティヴに話せるようにおさらいしておくのが主。 一から始めるのではない分、比較的に準備は楽。 昼食は鮭炒飯にしてみた (実は昨日、鮭を大量に買ってしまったので)。 午後は PC の定期フルスキャンをしつつ、読書など。 「自由論」(J.S.ミル著/塩尻公明・木村健康訳/岩波文庫)の続きと、 「西洋音楽史」(岡田暁生著/中公新書)。 「世人は、天才によって人物が人を感動させる詩を書き、 また絵画を描くことができるという場合、 天才をよいものと考える。しかし、天才の真の意味、 すなわち思想と行動とにおける独創性という意味においては、 ほとんどすべての人々が ― 天才など何も感嘆すべきものではないとは誰も言わないにせよ ― 心の底では、 自分たちは天才がなくても充分やってゆけると考えているのである…」 (「自由論」、第三章「幸福の諸要素の一つとしての個性について」より)。 講義の準備の合間、合間に少しチェロを弾く。 バッハの無伴奏一番プレリュード。 夕食は冷蔵庫のありあわせパスタ。 夜も講義の予習を少し。

なんと昨夜はクラムニクが第 9 局を敗け、 ポイントで 4.0-5.0 と逆転された。 クラムニクは第 8, 9 局と続けて落とし、 特に今回の第 9 局は素人目にも、負け方が悪い。 時間に追われると、 世界最強のディフェンダでもこんなことになるんだな、 と少し悲しくなるような終盤だった。 正直に言って、ショック。 トパロフは常に前半が悪く後半から調子を上げてくるタイプだそうだし、 今の状況の心理的プレッシャーを考えれば、 これでクラムニクがぽっきり折れてしまう可能性もある。 なんとなくレイキャヴィクでのスパスキーを思い出さないでもない。 これでマッチの行く末は決まった、と思っている人も多そうな気配。 しかしこれでは、トイレ問題のクレームが「絶妙手」だった、 と言うことになってしまうではないか。 クラムニクのファンとしては、ここでこそ持ち堪えて、 さすがマッチでカスパロフを倒し、 「世界で最も倒し難い棋士」とカスパロフに言わしめた男だ、 と言うところを見せて欲しい。

Saturday, October 07, 2006

御御御

良く寝た。この季節はいくらでも眠れるなあ… と、夏以外はいつでも言っている気がする。 朝食はベーグルを半分と珈琲。 朝食をとりながら、チェスプロブレムを考える。 が、三手ヘルプが一題解けただけ。 ProblemParadise の締切も近くなってきたのに、まだほとんど解けていない。 煮麺の昼食を挟んで、今日は資料作りのお仕事。 MS Word とか MS Excel とか。 こういうのでドキュメントを作って pdf 形式に変換したりが、とても面倒。 pdf リーダを正規の acrobat から Foxit (公式サイトと、 窓の杜) に変えたことで、少なくとも pdf ファイルを見るのは早くなって、 格段に作業能率は上がったけれども (アクロバットが遅い、とお嘆きの貴兄にお勧め)。 夕方になって食材などの買い出し。 近所のワイン屋さんで注文してあったローヌの白と赤一本ずつを受け取り、 帰り道のスーパーで食材を買い、タリーズで珈琲豆を買って帰る。 夕食は御飯を炊いて、一汁一菜。 塩鮭と、舞茸の御御御付け。おみおつけ、って漢字で書くと凄い。

新学期の最初の二週間弱が過ぎたけれど、 まだ自分の勉強と研究の時間をどこに組み込めば良いのかつかめない。 かなり先に予定した講演にあわせて、色々と考え直す時間が欲しいのだが。

スコアをタイに戻して、クラムニク vs. トパロフの第 9 局が開始。 クラムニクの黒。現在、16 手で白がキャスリングをしたところ。 どっちもどっちかなあ… 白の方がちょっと良さそうだが、 私なら黒の方で指してみたいような気もする。

Friday, October 06, 2006

ベーグル

ちょっと寝坊。 朝食は珈琲だけ。洗濯機をしかけてから、仕事に入る。 昼食はしめじとベーコンのスパゲティ。 昼食後、洗濯物を干してから、 午後も少しだけメイルベースであれこれ作業。 その後、四条大宮からバスで百万遍に向かう。 15 時半から京大での関西確率論セミナ。今日の講演は、 reinforced なランダムウォーク、 つまり、ある道を一度通ると、 そのことでその道がより通り易くなったりと、 歩行自体が確率を変化させてしまう、変形型のランダムウォークの問題。 この設定は応用上は明らかに自然で、重要な問題である。 しかし、 数学の問題としてはスジワルなんじゃないかなあ、と思わないでもない。 大宮までバスで帰る。 車中の読書はフリーマントルの「別れを告げに来た男」(中村能三訳/新潮文庫)。 昨日の通勤の帰りから読み始めたが、 中編と言っていいくらい短い作品なので、すぐに読了。 うーむ傑作だ、確かに。 フリーマントルはチャーリー・マフィンのシリーズしか読んでいなかったので、 思わぬところに未読の名品が。 18 時過ぎに大宮着。 パン屋さんでベーグルを三つ買って、家に帰る。

昨夜のクラムニク vs. トパロフ戦はトパロフが初勝利。 クラムニクのファンとしては敗けたのは残念だったが、 大変面白い対局だったと思う。特に序盤から中盤は、わくわくした。 クラムニクが極めてシャープな刃を隠し持っていることは周知だが、 本人のスタイルからして、滅多に見せることはない。 それがちらりとでも見えるときはファンとしては嬉しくなる。 しかし一方、序中盤をそつなくしのぎ、 最後には非対称で難しいエンドゲームを勝ちに行って、 しかも実際に競り勝ったトパロフは、流石と言えよう。 これでポイントはタイになり、厄介なことになった。 つまり、 第 5 局不戦勝の取り扱いをどうするか、と言う問題が顕在化せざるを得ない。 お互いのマネージャがまたおかしな口出しをしそうだが、 対局者たちは残りのゲームに集中させてあげたい。

Thursday, October 05, 2006

秋刀魚のキッシュ

午前中は「プログラミング演習」。 生協食堂で昼食をとって、 午後から夕方まで卒研ゼミその1。 Williams の続き。条件付期待値の残りを終えて、 マルチンゲールの章に入った。 定義、例、マルチンゲール変換など。 夜になって少し雨が降ってきた。 バス停には数百人もの学生の長蛇の列。 図書館で少し暇をつぶして、バスが空いてきた頃を見計らって帰る。

夕食は近所のバーにて。 秋刀魚のキッシュ、雛鳥のソテー。 秋刀魚のキッシュはずっと食べたかったので幸運だった。 今日いらっしゃると思って、作って待ってました! と F シェフは調子のいいことを言っていたが。 ソテーはつけあわせの山芋が美味しかった。 ワインを白、赤一杯ずついただいて、小雨の降る中を濡れて帰る。

第 7 局の直前にトパロフ側から、 クラムニクの着手の 78 パーセントがチェスソフトの Fritzに一致した、 と記者会見発表があったそうだ。おいおい。 もうただの嫌がらせのレヴェルで、 トパロフ側のマネージャは正気とは思えない。 トイレ問題以降の対局は、 クラムニクよりもむしろトパロフが全く自分らしく戦えていない。 激しいプレッシャーはトパロフ側にあると思われる。 それはともかく、棋譜を見よう。 第 7 局は IQP (孤立したクイーンのポーン)テーマの、 なかなか勉強になる局だった。 こういう局面ではクラムニク側のバランスと調和に優れた防御が冱える。 トパロフの特に悪くもないが良くもない、と言った程度の平凡な手を、 じりじりと押し返して攻撃の構想を無効化していく。 第 8 局はクラムニクが白番。注目の一戦が現在進行中。

Wednesday, October 04, 2006

スロウペース

やはり一日おいて疲れが出てきたかな…と思いつつ、 スロウなペースで一日を過す。 午後はキャンパスで雑用をして、 夕方 18 時からソリトン理論についての院生の自主ゼミに参加。 終わったのは 21 時くらいで、すぐにキャンパスを後にしたが、 帰宅は 22 時半。 明日も午前に演習があるので、朝が早い。

クラムニク側は状況と第 5 局の扱い次第では、 FIDE を訴えると申し出ているようだが、 訴えて何がどうなると言うわけでもないと思うので、 今度はクラムニク側からの盤外戦術だろうか。 兎に角、現在、第七局(なのか?)が進行中。 またスラヴ。 20 手台後半の今、ぱっと見た感じでは、 なかなか面白い形になっている。 やや白のトパロフがいいのかな?

Tuesday, October 03, 2006

On Liberty

けっこう早起き。特に身体も痛くはない。 一日置いてから筋肉痛になる、というパターンだろうか… 午前中はメイルベースであれこれ雑用。 投稿論文の改訂版をかなり前に共同研究者に送っていたのだが、 どうなっているのかと尋ねたところ、やっぱりまだ見ていなかったようだ。 これから見ると書いてあったものの、いつになることやら。 幻の論文にならなければよいが。 午後はキャンパス。学部長の予備選挙の投票に行ったり、 科研費分担者の承諾書類を出したり、またあれこれ雑用。 夕方から卒業研究ゼミのパート2。 先学期、聴講だけしていた一人が卒業単位を揃えるのに忙しい、 とのことで、今期は発表者と私のマンツーマン・ゼミ。 リーブとロスの教科書で、今日は Lp 空間の強収束凸結合定理とその証明。 18 時くらいにキャンパスを後にする。 車中の読書は、「自由論」(J.S.ミル著/塩尻公明・木村健康訳/岩波文庫)。 夕食は冷や御飯を適当なもので食べておく。 具体的には、ちりめん山椒、梅干し、ピーマンに出来合いのドレッシング、冷奴。

トイレ問題で中断していたクラムニク vs. トパロフ戦は、 何とか修復された模様。 私はクラムニクはマッチ続行に応じると思っていた。 むしろ、トパロフ側が対局中止を申し出る一手を読んでいたのだが、 これは勝手読みだったようだ。 結局、第 5 局なのか第 6 局なのか分からないが、日本時間で昨夜、 マッチが続行された。白のトパロフがやや優勢に思われたが、 これくらいの小さなアドバンテージではクラムニクに勝つことは出来ない。 結果、ドロー。 様子見なのか、静かで穏やかな対局だった。 かなりのところまで(ドロー含みのための) 研究手順だったようにも思う。 最新定跡みたいなものを全然知らないし、 まだ気にしても意味がないのだろうけれど、 今、スラヴ・ディフェンスがホットなのですか?

Monday, October 02, 2006

満員立ち見御礼

衣笠での文系講義、初日。 「数理の世界」は予想通り、立ち見が大量に出る状態。 おそらく、350 人から 400 人というところか。 多過ぎて見当がつかない。 何とか捻じ伏せるようにして、静かに講義を聞いていただいた。 続いて、「情報の数理」。 こちらは 200 人くらいなので、一つ目に比べれば楽勝。 両方とも思ったより学生たちが熱心かつ静かに聴いてくれて、 スタートとしては上々だった。 ただ、久しぶりに三時間続けて、立ちっぱなしで板書し続け、話し続けたので、 もうぐったり。明日は手も上がらないだろう。 慣れるのに二、三週はかかりそう。

夜はワインとお食事。今日一日が報われるような味だった。

Sunday, October 01, 2006

秋の雨の日曜

終日、雨。秋の雨の日は、ひっそりとしていて、寂しい気持ちになる。 雨の音ばかりが気になって。 昼食は御飯を炊いて、 鶏の軟骨揚げとか酒の肴の残り物をおかずに済ませる。 午後は家で明日の講義の準備。 ときおり、合間にチェロを弾く。 夕食はしめじとベーコンのパスタ。ワインをグラス一杯だけ。

夜は、ダン・ローズの短編集「コンスエラ † 七つの愛の狂気」 (金原瑞人・野沢佳織訳/中公文庫)から二作品を読む。 文庫版巻末の解説者の言葉だが、どの短編の主人公も「気の毒すぎる」。 ちなみに、この短編集の原題は "Don't tell me the truth about love". 七つの短編が含まれているが、一日に一つか二つにしておいた方がいい。 そもそも読まない方がいいかも。