9 時起床。今日は入試採点の中休み。
その代わりに明日明後日の土日とも採点だけど…
寝床で「モンテーニュ エセー抄」(宮下志郎訳/みすず書房「大人の本棚」)
から一つ読む。寝室の外で猫がやかましい。
まだ起きる気になれなかったので、例外的に猫を寝室に入れてやった。
大喜びでなついていた。さらに Bonfiglioli を読む。
主人公は難しい状況に陥ると昼寝をするようだ。
こんなときにツイードを着たイギリスの父親と言うものは、
一緒に一日中丘を歩いてぽつぽつと話を聞いたあげく、
「できるだけのことをするだけさ」とか「男らしくふるまわんとな」
とか言った後、鱒釣りを教えたりするものらしいのだが、
主人公には昼寝が同じ効果を与える、と書かれている。
まあ、主人公と同じく私の父もそんなタイプではなかったし、
私も昼寝が大好きではある。
10 時頃になって起き出して、珈琲。今日はいい天気だ。
洗濯、掃除機がけ。お風呂掃除をしてから、
寝室から風呂場の前に BOSE の CD プレイヤを運び、
湯船でマリア・カラスのアリア名曲集を聞きながら朝風呂。
さっぱりしてから、昼食。
昨晩作った散らし寿司と、卵の澄まし汁。
DVD で「ロシアより愛をこめて(007/危機一髪)」を観ながら食べる
(Quiz: 昨日観た映画との関連は?)。
食後にお茶を飲んでから、
小麦粉とバターと卵でブリゼ生地を作り、ラップをして冷蔵庫で休ませる。
雑誌の記事の著者校正をまとめ、その投函のためと散歩がてら外出。
郵便局の前のポストに投函して、大宮から地下鉄で河原町へ。
LOFT でまた女の子たちの嬌声に混じり、
できるだけ職人オーラを発するよう努力しながら、
深刻な面持ちでタルト型を買う。
BAL ビルで本を見るついでに、紅茶葉を買って帰る。
帰宅して生地を型に入れて、またしばらく休ませてから、空焼き。
イメージしていたほどではなかったが、まあまあの台が完成。
次はベーコンと玉葱を調理して卵と生クリームと一緒に入れ、
焼き上げる。つまり、キッシュ・ロレーヌを作った。
近所のバーのキッシュを食べることを癒しにしている私だが、
バーに毎日行けるわけではない。毎週すら難しい。
それなら自分で作ってやろう、と思って久しかったが、ついに実現。
ついでにポトフも作りおきし、夕食はキッシュを二切れとポトフ。
キッシュの仕上がりは初めてなら許せるかな、と言う程度。
特に問題だったのは、生地を薄く作り過ぎたこと。
そのせいで具の脂や水分が浸みでてきて、底の部分のさくっとした食感が失われた。
でも、味については本当に大変、美味しかった。
とは言え、この材料とレシピではどう作っても、
不味くなりようがない気がする。
炒めたベーコンと玉葱と、卵と生クリームとチーズをパイ生地に入れて、
焼いてあるのだもの。恐るべし、ロレーヌ人。
いくつかこの料理のポイントが分かったので、
次はもっと上手に作れると思います。
酒の肴の高野豆腐も冷やしたし、白ワインも冷えてるし、
さ、今日二度目のお風呂に入ろう。
また明日は入試採点だ。
「生活の技法2」© HARA, Keisuke 2008