Sunday, November 30, 2008

プロジェクトR

7 時半くらいに起床。 シリアルと珈琲の朝食のあと、身支度をして家を出る。 新幹線で東京へ。行きは早割を使って「ひかり」。 30分ほど余計に時間がかかるが、安いし、空いているし、 早割の差額を使うか新幹線版のマイレージを使ってグリーン車にすれば、 なお快適に過せるし、で私は「ひかり」愛用者だ。 二時間半ほどの間、珈琲を飲みながら、数学を考えた。 移動車内は邪魔が入らないし、他にすることがないので、 集中する仕事にむいている。

東京に着いてお茶の水の洋食屋でランチを取ってから、不動産屋へ移動。 マンションの賃貸契約をする。 あれこれの条項が詳しく書かれている契約書を、 担当の方が一行ずつ全て読み上げて説明していくのを、 全部ちゃんと聞いて、しかもちゃんと聞いて納得しました、 という書類をいくつも作ったりするので、けっこうな時間がかかった。 さらにマンションに行って、鍵を確認し、入居のための追加説明を聞く。 また不動産屋に戻って、丁度やって来たオーナー様にもご挨拶。 全て終了したのは、15時くらいだった。 このマンションはオーナーの意向で、 賃貸ではなく買ってしまうオプションもあったのだが、 いくら気に入ったとは言え、今の時点で買うのはリスキィだと判断した。 不動産相場や景気の問題ではなくて、あくまで私の問題で。 帰りは、マンションから水道橋駅までの道を歩いてみることにする。 私の新しい住まいは文京区小石川である。 最寄り駅が他にいくつかあるが水道橋まではちょっと遠い。 でもこれで、満員電車とも満員バスともおさらばだ。 水道橋駅から東京駅へ。新幹線で京都に帰る。 帰りの新幹線では "Project Euler" の問題を一つ、 コンピュータを使わずに解いた。

夕食はチゲ鍋のもとの残りを使って、卵と長葱の雑炊。 ボルドーの赤を一杯だけ。 今日は新居契約を祝う意味で、シャンパーニュの手もあったなあ……、 と思ったが既に遅し。 近所のワイン屋も日曜日は 18 時で閉まっているし、 近所のバーも日曜日は定休日だ。食後に珈琲と、ワッフル一つ。 お風呂に入ったあと、プロジェクト「K」の翻訳再校正の作業。

Saturday, November 29, 2008

ワッフル

8 時起床。シリアルの朝食のあと、カフェオレを作って寝床に戻る。 しばらく読書と、Lisp プログラミングの勉強。 Scheme 処理系として Gauche を使わせてもらっている(セロ弾きのゴーシュだ)。 Gauche でもメルセンヌ・ツイスタが用意されていることを知り、 素数判定の確率的アルゴリズムに反映した。 私の知る限り、素数判定に使う乱数の質はさほど重要でないが、念のため。 簡単なプログラムなら書けるようになってきたが、 まず C 的な制御構造を思い浮かべてから Lisp 的に翻訳し直しているので、悟りは遠そうだ。 本当は数学をしなければいけないのだが、 つい、逃避でこんなことばかりしてしまう。

天気の良い散歩日和なので、 近所の町屋インドカレー屋さんに歩いて昼食に。 デフォルトの豆のカレーと、オプションは南瓜のカレーにした。 つけあわせは蓮根と芋類。食後にチャイを飲みながら、 Bonfiglioli の第二作 "After you with the pistol" を少し読む。しかし、そうしている内に、外がみるみる暗くなり、 昼間から薄暗い冬になってしまった。 帰りに、近所のワイン屋でポルトガルの白ワインを購入して帰る。 午後は少し昼寝をしてから、本の整理など。 夕方になって、また本を売りに行く。 帰りに、そのお金で牛乳と、一休堂の七味と、讃岐饂飩一玉と、 ヒロヤのワッフル三つ入りパックと、珈琲豆を買って帰る。 これで丁度、本を売って得た金額くらいだった。そんな売り食いの日々。 夕食はチゲ鍋。ボルドーの赤ワインを一杯だけ。あとは饂飩。 食後に珈琲と、ワッフル。 夜は、ワゴンの解体作業(このワゴンも部品に分解できる) など家の整理。これでワゴン二台の処分もほぼ終了。

Friday, November 28, 2008

リサイクルと解体作業

8 時起床。ゴミ出しをして、カフェオレだけの朝食。 午前中はゴミ出し関連の作業。 Gateway2000 のノート PC とモニタのリサイクル回収の申し込み。 モニタはかなり昔のものなので有料。けっこう高い。 しかも自動的に「ゆうパック」だ。次は、無用の本を段ボール箱一箱分、 もらってくれそうな人にクロネコヤマトで送りつける。 がんばれ、クロネコ。 次は、二度と開きそうにない文庫本などを五十冊ほど見繕い、 鍋焼き饂飩の昼食のあと古本屋に売りに行く。二千円くらいになった。

帰宅して、文庫用の小さな本棚の解体作業。 紙製の薄い板を噛み合わせてできていて、こんなときに便利だ。 次は、靴棚の解体。執事がおいていったものだが、 プラスチック製の板と棒の組み合わせで、やはり簡単に分解できる。 全部こんな風になっていれば、便利なのだが。 つまり安くて、軽くて、丈夫で、簡単にばらばらに出来て、 簡単に元通り、あるいは別の形に組み直せる。 バックミンスター・フラー的、または、 「生きのびるためのデザイン」のパパネック的なデザインだ。 さらにこの発想を延長すれば、 おそらく未来には身の周りのあらゆるものが、 レゴブロックのように小さな基本部品に崩したり組み直したり、 できるようになるかも知れない。 そのブロック部品は分子スケールの大きさで、 例えば大きなベッドが一瞬で砂山になったり、 次は自分で勝手に冷蔵庫になったりするのだ。

夕食まで少しの時間、Lisp の勉強。 素数判定のプログラムなど色々書いてみる。 やはり慣れていないので、試行錯誤でようやく納得する感じ。 一番外側の括弧開く、から、括弧閉じ、まで十行くらいがやっと。 とは言え、 括弧を山ほど書く割に大したことができないイメージがあったのだが、 意外なほど表現力があることが分かってきた。 夕食は水炊き鍋、そのあとに雑炊。 ボルドーの白ワインを二杯(普通の人の一杯分くらい)。 食後に煎茶。 読みたい本があったので、酔い覚ましの珈琲をいれて、しばらく読書。 このあとはプロジェクト「K」の再校作業をするかな……。 どうなったのやら、と思っていたプロジェクト「K」 も進んでいたらしい。昨日、原稿が送り返されてきた。

Thursday, November 27, 2008

自宅静養

8 時起床。寝床でしばらく、 「アナバシス」(クセノポン/松平千秋訳/岩波文庫)を読んだり。 ギリシア兵たちが黒海を目にして、 「タラッタ、タラッタ(海だ、海だ)」と皆で泣きながら抱き合った、 という一つの山場。あとは船に乗って楽々とギリシアへ帰還、 とギリシア兵たちは思っているのだが、 実際はこの時点で「アナバシス」全体の丁度真ん中くらい。

起き出して、カフェオレだけの朝食をとってから、 洗濯機に洗濯を任せながら、朝風呂に入る。 湯船でしばらく、「計算機プログラムの構造と解釈」 (サスマン=エイブルソン=サスマン/和田英一訳/ピアソン)を読む。 私は湯船での読書を難なく習慣にしているが、 人に言うと、本が濡れないのかとか心配される。 読んでいないときに本を水から守る手段があれば、 タオルで手を拭くくらいで、全く問題ない。 唯一の難点は、時々うっかり栞を湯に落としてしまうことくらいだ。

午前中はあれこれ事務的雑用。 昼食にはアボカド、しめじ、ベーコンのスパゲティーニを作った。 アボカドは大変に良い食材だと思う。 切っただけでも美味しく食べられるし、 御飯や醤油など和食とも相性がよく、便利で有り難い。 しかし、コツが一つだけある。 (当たり前のことだが)熟したものを使うことだ。 店で買ってきたばかりのアボカドはしばしば、追熟の必要がある。 午後は少し昼寝をしてから、講義の予習など。 夕食はピェンロー鍋。白ワインを一杯。 あとはあっさり味の雑炊にして、沢庵と食べる。食後に煎茶。 夜は出張の手配などの事務用、明日のゴミ出しの準備など。

夜になって、雨が降っていることをインタネットで知る。 外に出ないと天気も季節も分かり難い。 せめて気分を変えるために MyYahoo! の背景をクリスマステーマにした(笑)。 まあ、年末だからと言って特に変わったこともないのだが、 楽しい気分くらい共有させてもらってもいいだろう。

Wednesday, November 26, 2008

アボカドのサンドウィッチ / Bonfiglioli

7 時起床。シリアルと珈琲の朝食をとり、 昨日仕込んでおいた具で昼食のサンドウィッチを作る。 一つはアボカドとベーコンのサラダ、一つは舞茸とベーコン炒めのマヨネーズ和え。 出勤して、午前は卒研ゼミS。 Sanov の定理のツーステップ経験分布版の続き。 正午くらいに部屋に戻ると、院生から今日のゼミは風邪で休むとの連絡。 急に一コマ分の時間が空いた。 部屋でゆっくりと、紅茶とサンドウィッチの昼食をとる。 なかなか美味しい。まあこの具材で不味いサンドウィッチを作るのはむしろ、 至難の技だけど。

アボカドのサンドウィッチを食べていると、 かつて初めてイギリスの地に降り立ったときに食べた、 超絶的に不味い 「アボカドとクリスピーなベーコンのサンドウィッチ」 のことを懐しく思い出した。 噂には聞いていたが、イギリスとはサンドウィッチまで不味く作れる国なのか、 と愕然としたものだった。 今でも忘れられないが、あの超絶的に不味いサンドウィッチは、 (1)パンが水分で濡れきっていて、(2)ベーコンが段ボール紙のようで、 (3)アボカドが熟していなくて、こちらこそクリスピィで味は石鹸のようだった。 もちろん、私の運が悪かっただけで、 イギリスの食べ物は一般にはそんなに酷くはないし、大変美味しいものもある。

14:10 から薬学部の「数学4」。多次元の分布について。 多項分布、多次元の正規分布。続いて 16:00 から学科会議。 二時間ほどで終了。少し雑用をして帰る。 夕食は近所のバーにて(を予定)。

帰りの車中で、ボンフィグリオリ(K. Bonfiglioli ボンフィリオリ) の三部作の一つめ、"Don't point that thing at me" を読了した。凄い作家だ。 全く違うジャンルだが、エルロイの「血まみれの月」 を発見したとき以上の衝撃を受けた。 TK 大の N 先生に教えてもらった作家で、 ここまで面白いとは思っていなかった。 実際は、あまりに英語が難しいので、 三分の二が伏せ字されているような状態の読書だったが、 それでも感動した。これは是非、翻訳すべきだ。 三部作の第三作だけが昔、サンリオ文庫から翻訳が出たらしいのだが、 全くその作品の噂も聞いたことがなかったことからして、 当時は読者に受け入れられなかったのではないか。 今ならきっと大丈夫だと……思う。 ただ訳者を見つけるのは難しそうだ。 相当の英語読解力と、教養と、ブラックなユーモアがないと、 格好もつかないだろう。 バーティ&ジーヴスもののダーク・パロディと言う側面もあるので、 森村たまきさんでどうでしょう。

Tuesday, November 25, 2008

年の瀬 / 動的計画法

7 時起床。ちょっともたついていたら珈琲をいれる時間もなく、 身支度をしてすぐに出勤。 満員電車と満員バスに乗ってキャンパス着。 9 時から卒研ゼミI。 ポワソン分布による近似、誕生日問題再び。 そのあとは雑用をあれこれしてから、 早めの昼食。 12:30 から卒研ゼミS。Orlicz 空間について。 続いて、14:10 から「プログラミング演習」。 素数定理の数値計算を課題に出した。 部屋に帰ると事務の方が来ていてちょっと対応したり、 あれこれのあと、雨の中を帰る。 電車の中で、おばさんが雑誌のおせち料理のレシピを熟読していた。 一方、おじさんが読んでいるスポーツ新聞は紅白歌合戦の記事だ。 もう年末だなあ。

近所のスーパーで食材を買って帰宅。 明日は朝から夕方まで休みなしの水曜日なので、 せめて美味しいサンドウィッチでも作って持って行こうと思い、 サンドウィッチ用の食材も調達。 夕食はチゲ鍋。ボルドーの赤を一杯だけ。あとは雑炊。 食後に珈琲を一杯。 夜は趣味のプログラミングをしたり、 明日のサンドウィッチの具を仕込んだり。

時に、なるほど、と膝を打つようなアルゴリズムがある。 例えば、でたらめに並んだ数を大きい順に並びかえる高速アルゴリズムの、 「クイックソート」などだ。 私が自分で気付いて、とても嬉しかったアルゴリズムの一つに「動的計画法」 と呼ばれるものがある。 色々な数が一段目に一つ、二段目に二つ、三段目に三つ、 と言う具合に三角形に並べられているとせよ。 この数を一番上から、右下か左下を選んで下へ下へと段を下りながら、 その数を足し合わせていく。 このとき、一番その和が大きくなる通り道を探せ。 素朴に考えると、一段下がる度に右か左か二通りの選択があるので、 N 段の三角形に対し、2 の N 乗の通り道の可能性がある。 これを全部調べるとすると大変巨大な計算量になる。 しかし、これには非常にうまい高速計算法がある。 上からではなくて、下の段から計算するのだ。 あることに気付くと、計算量が二倍ではなくて半々になっていき、 全体で N の二乗程度の計算量になる。 動的計画法の典型例である。 昔、初めて自分でこの原理に思い当たったときは嬉しかった。 しかし、今になって悟ったことには、 この原理自体はこのような骨組だけの問題を出されれば、 少し考えれば誰でも思いつくのだ。 大事なのは、そして難しいのは、 一般の問題からこの骨組を抽出すること、 逆に言えば、 一般の問題をこの動的計画法の問題に帰着することである。

Monday, November 24, 2008

カルボナーラ

8 時起床。キャットフードが切れたのに昨日買うのを忘れていたので、 ゴミ出しのついでに近所まで買いに行く。 猫に食事を与えてから、カフェオレだけの朝食。 あれこれのあと、身支度をして衣笠に出講。 祝日でも授業は平常通り。 学食で早めの昼食。法学部の講師控室で予習などして、 午後は「数理の世界」から。複素数のかけ算の意味など。 講義中から雨が降り始めた。 続いて「情報の数理」の講義。平均語長とエントロピィの関係、 Shannon-Fano コードなど。講義を終えると、外は土砂降り。 走って講師控え室まで戻り、また走ってバス停へ。 満員のバス停から満員のバスに乗って帰る。 雨の日の満員バスは気持ちが折れる。

夕方帰宅して、まずはお風呂に入って身体を温めてから、 カルボナーラを作って夕食。 素人料理なのでしょっちゅう作っているものでも、 作るたびに出来が違う。今日のカルボナーラは抜群だった。 こういうムラもまた楽し。 ボルドーの白ワインを一杯だけ。食後に珈琲。 明日のゴミ出しの準備のあと、趣味のプログラミング。

ようやく普通ゴミで出せるようなものは、 ほぼ全て捨てられたと思う。 いよいよ大物を捨てる段階に入ったか。 ソファ、ベッド、タワー型 PC 2 台とモニタ 1 台、 小型の電子機器が数台、テレビ 1 台を、 今年中に何とか捨てる予定。

Sunday, November 23, 2008

車と天幕

7 時半に起床。少し風邪っぽい。 くしゃみ少々、鼻水少々、頭痛少々。 右手首も少々痛いし、それぞれは大したことがないが、 全体に体調不良。カフェオレだけの朝食。 午前中は朝風呂に入ったり、趣味のプログラミングをしたり、 とのんびりしていた。 最近は Lisp (の Scheme 方言)で遊んでいる。 考え方が違って面白い。 C とは別の意味で計算機自体に近いと言うか、 プリミティヴな気がする。 Lisp がどんなものか大体は知っているが、 以前からずっと本格的に勉強したかった。 格好悪いことにとても忙しくなってきたので、勉強を始めた。つまり逃避だ。 昼食は舞茸とベーコンのマヨネーズ和えのスパゲティ・アーリオオーリオ。 食後に珈琲。午後はほとんど安静にしていた。 夕方から会食のため外出。 もう言うまでもないかも知れないが、 明日の勤労感謝の日の振替休日も普通の授業日ですよ。

最近は就寝前に「アナバシス」(クセノポン/松平千秋訳/岩波文庫) を数章ずつ読んでいる。 キュロスが死んだ上に部隊長たちが皆、謀殺され、 ギリシア兵一万余が敵地のただ中に残されて、 あらゆる面で絶体絶命、 あとは故郷を思いながら呆然と死を待つばかり、 となった絶望の一夜に、ただの一兵卒だったクセノポンが立ち上がる。 ミラクルリーダーの誕生、 そしてギリシアまで六千キロの大撤退戦の始まりである。 このときクセノポンが、明るい面を数え挙げて兵士を鼓舞したあと、 一番最初に提案する行動が、自軍の車と天幕を焼き払うことなのだ。 車は最適の退路を選ぶのに邪魔になるだけであり、 天幕は運ぶのが厄介な上、戦にも生きるのにも役に立たない、と。 さらに、武器と料理道具以外の荷物を全部捨てさせる。 やはり危機や、大きな変化にあって生き残りを計るときは、 兎に角、小さく軽く鋭くなることが重要だ。 なかなか難しいことではあるが、 誰にも車と天幕を捨てなければならない事態はありうる。

Saturday, November 22, 2008

ヌーヴォに酢豚

7 時起床。シリアルと珈琲の朝食。 食後は、朝風呂に入り、湯船で「計算機プログラムの構造と解釈」 (サスマン=エイブルソン=サスマン/和田英一訳/ピアソン) をのんびり読む。 やはり賢い人が書いた本は爽やかな知性に満ちていて、 読むと心が洗われる。そのあと、書庫の整理をして、 ダンボール箱に詰めた本をもらってくれそうな人にクロネコで送りつけ、 外出ついでに近所のワイン屋で注文していたヌーヴォを受け取り、 スーパーで食材を買って帰る。 昼食はチゲ鍋とそのあとの雑炊。午後は昼寝をしてから、 また本の整理をして古本屋に売りに行く。

町はかなりの人出。京都は観光シーズンの真っ盛りだ。 本を売ったあと買い物のため高島屋に入ると、 こちらも大入り満員で、宝飾品売り場に人が群がっている。 さすが、今年も週末があとわずか 6 回ともなれば、 クリスマス、年末商戦の華やかさだ。 わしも若い頃には彼女にショーメをプレゼントしたりしたものじゃよ、 バブルってものがあって、信仰薄き者まで年末に浮かれ騒いでおった、 前世紀のことじゃがのう。 目当ての地下食品売り場も身動きできないほどの人。 買い物を済ませて河原町駅から帰る。 特急が大変に混みあうし、数分の差しかないから、 できるだけ快速に乗るように、と係の人が拡声器で説明している。 やれやれと家に辿り着く。

夕食には北京風酢豚を作った。 紹興酒の代わりに赤ワインを使うところがオリジナル。 なかなかいい感じに出来た。 つんとくるくらいの黒酢の酸味、脂身たっぷり豚バラ肉の濃厚な味わい、 胡麻の香りが特徴で、 好きな人にはたまらない料理だが、猛烈に身体に悪そうで、 万人うけはしないかも知れない。 思うに紹興酒の代わりにワインを使うと味が滑らかになって、 ちょっと食べ易くなる。 お供は今年のボジョレ・ヌーヴォをグラスに一杯。 さらに饂飩の茹でたてに一味、九条葱、醤油をかけて食べた。

明日の夜は会食の約束がございますので、 更新が遅れるかも知れません。 昼間に時間があれば更新予約します。

Friday, November 21, 2008

数を数えて

8 時起床。寝ている間に右手首をひねったらしい。 キーボードを打つのは問題ないが、 何かをつまんだり、物やペンを持つと痛い。 ホテルで朝食のあと、名古屋大学へ。午前二つ、午後二つの講演。 夕方に終了して、新幹線で京都に帰る。 新幹線の中では、ノート PC を開いて、 また "Project Euler" の問題を一題解いた。 1 から 1000 までの数を英語で読み上げると、 全部で何文字を使いますか、と言う問題。 名古屋から京都に着く前にプログラムが出来た。 けっこう早い時間に帰宅。 これなら余裕で近所のワイン屋さんのイベントに出られたのだが。 夕食はシンプルな水炊き鍋。あとは饂飩。

外国語で数を正確に数えるのはなかなか難しい。 大抵、外国語を習うとき一番最初に習うので、 当然出来る気になっているのだが、案外、落とし穴があるものだ。 例えば英語なら 100 や 1000 の十進単位に複数形の "s" をつけるのかどうか、 "and" をどこに入れるのか、とか。 それに日本の数の数え方は 4 桁ずつ位上がりするが、 英語では 3 桁ずつなので、すぐに翻訳できない。 2 兆 325 億 10 万 2 千 23 をさらっと正しい英語で言えるだろうか。 (私は相当考えながらでないと言えないし、 正しい自信もあまりない。)

Thursday, November 20, 2008

名古屋出張

7 時起床。シリアルと珈琲の朝食。 事務用などを片付けてから、出かける。 京都駅伊勢丹の地下二階で「はつだ」のお弁当を買って、 新幹線で名古屋へ。車内で昼食。 はつだの牛肉弁当はキャベツが美味しいね。 昼過ぎに名古屋駅着。地下鉄で名古屋大学へ。 ずいぶんと前から工事をしていたが、 ついに地下鉄「名古屋大学駅」が出来ていた。 本山で乗り換えて一駅。 乗り換えが面倒な上に、一駅だけというのが無駄っぽく、 さして便利になってないんじゃないかなあ…、と思ったが、 かつてはかなりの距離を歩いていたはずで、 これが便利になって贅沢になる例だろう。 午後から開始の研究会に参加。 名古屋大学はやたらに広い。 基本的に自動車のスケールで出来ている気がする。 初めて行く建物だったのでしばらく道に迷ってしまったが、 開始時刻には何とか間に合った。 夕方終了して、栄のホテルに宿泊。 夕食は近所でカレーライス、SBUX のエスプレッソとスイーツ。

Wednesday, November 19, 2008

真冬 / 珈琲とチョコレート

7 時起床。シリアルと珈琲の朝食。少し雑用をして、出勤。 外は真冬だ。 午前は卒研ゼミF。2 ステップペアの Sanov の定理の証明。 グラフ理論的な数え上げの評価をするところ。 20 分間の昼休憩の間に、朝に買っておいた生協弁当の昼食。 続いて 12:30 から修士ゼミ。続いて 14:10 から薬学部「数学4」。 確率変数の独立性、共分散、相関係数など。 そのあとの学科会議は、今週は久しぶりにお休み。 少し雑用をしてから帰る。今日からコートを着て手袋をしているが、 南草津駅は冷たい風が吹き抜けて既に猛烈に寒い。 近所のスーパーで買い物をして、 珈琲豆を買って、帰宅。夕食はチゲ鍋。赤ワインを一杯だけ。 あとは雑炊。食後に珈琲と、学生からお裾分けしてもらったチョコレート。 近所の珈琲屋に再度相談したところ、 その好みならアイスコーヒー用に焙煎した豆だと言うので、 購入してみた。味見してみるとこれが一番いい。

最近は大手製菓会社のチョコレートでも、 なかなか本格的なものがある。 チョコレートも贅沢にきりのない世界で、 一時はかなり情報が広まり始めていたと思う。 細工物や工芸品的な美に流れがちな菓子の世界の中で、 チョコレートは超硬派でエレガントにしてデカダン、また一つ異質の世界である。 しかし、ワインや珈琲に比べて、 カカオ道楽は流石に高踏的に過ぎたようで、 さらに不景気もあり、最近は下火の様子。 とは言え、まだ地方の百貨店でもかなりのものが手に入るし、 既製品の品質が上がると言う影響が残ったのは結構なことだ。

明日、明後日と名古屋に一泊の出張をしますので、 明日木曜日の夜は更新できるかどうか定かではありません。

Tuesday, November 18, 2008

饂飩すき

7 時起床。シリアルと珈琲の朝食のあとすぐに出勤。 満員電車と満員バスでキャンパス着。 9 時から卒研ゼミI。 置換の不動点の問題、夫婦円卓問題の応用編。 いくつか事務用をして、 学生食堂で早めの昼食のあと、 12:30 から卒研ゼミS。 バナッハ関数空間など。 続いて 14:10 から「プログラミング演習」。 続いて 16:00 から理工学部教員会議。 投票の必要な人事案件が 18 もあった割には、 わずか三時間ほどで終わった。 ふらふらになってバスで帰る。 接続が悪くて、帰宅したのは 21 時近く。 今、饂飩すきを作っているところ。 うっかりして練り物を買っておくのを忘れた。

朝から冷たかったが、夜になって急激に冷えてきた。 流石にもうコートを出さないと駄目だ。 湯気をあげている饂飩すきが美味しそう。 今日は少しくらいワインを飲んでいいですか…

Monday, November 17, 2008

撤退戦

8 時起床。シリアルと珈琲の朝食。 講義の予習などしてから、バスで衣笠出講。 学生食堂で早めの昼食をとり、法学部の講師控室で予習。 13:00 から「数理の世界」。三次方程式と複素数の関係など。 続いて 14:40 から「情報の数理」。 エントロピィ関数の性質など。講義終了後、すぐに帰る。 近所のスーパーで食材を買って、帰宅。 夕食はキムチ饂飩すき。ちょっとひねってみても鍋は鍋。 白ワインを一杯だけ。 明日からは、また一気に冷え込むそうだ。冬本番。

最近の就眠儀式本は、「アナバシス」(クセノポン/松平千秋訳/岩波文庫)。 何度読み返しても得るところのある軍記だ。 私の古典の一つと言ってもいい。 キュロスが兄の王位を奪うため、その動機を隠したまま、 ギリシャ兵一万数千人を連れてはるばるバビロンまで行くのが短い前半の「上り」 (つまり「アナバシス」)で、そこであっさり負けて死んでしまい、 敵中深々に取り残されたギリシャ兵たちが、 またはるばると逃げ帰る撤退戦の「下り」が長い後半になっている。 小キュロスみたいな馬鹿なリーダー(多くの場合それは自分自身なのだが)に騙されて、 おかしいと思いながらもとんでもないところに連れて行かれ、 気付いたらにっちもさっちもいかなくなっていて、 あとは死ぬまではるばると長い撤退戦をする中で、 駄目は駄目なりに規律とスタイルを持って、 時には閃きを見せつつ、効率的に、かつ淡々と、しかも雄々しく、 何とかやっていきましょう、と言うのが人生じゃないだろうか。

Sunday, November 16, 2008

美術館での愛

8 時半起床。シリアルと珈琲の朝食。 洗濯をしながら、遊びのプログラミング。 洗濯もの干しを済ませて、出勤。 朝少し雨が降っていたが、気温はそれほど低くない。 駅前のモスバーガーでかなり早めの昼食。 ハンバーガーとミネストローネを食べながら、 ボンフィグリオリ(K.Bonfiglioli, ボンフィリオリ)を読む。 ヴィンテージのロールス・ロイスをやむなく谷底に捨てて、 チャーリィ(モートデカイ閣下)と暴力執事ジョックがしんみりしているシーン。 今日も遅れている電車と、日曜なのに何故か学生で満員のバスに乗り、 休日のキャンパスに到着。 午後から、今日の午後だけのミニ・ワークショップ。 パリ第六大学から Y 先生、チューリッヒの ETH から D 先生、 二人の大物を迎えて小さいながらも豪華な研究会。夕方、終了。 夜の歓迎会は遠慮させていただいて、帰ることにする。 夕食はチゲ鍋。ボルドーの赤ワインを一杯だけ。食後は雑炊。 前回の反省のもとに薄味。 雑炊にするとスープを全部食べてしまうことになるので、 かなり薄味にしないと。食後に珈琲。

NHK 教育の「日曜美術館」 でハンマースホイの特集をしていたので観る。 絵自体はこの前、上野で観てきたのでそれは良いのだが、 コペンハーゲンの美術館で人々が解説者の話を聞きながら ハンマースホイの絵を観ているシーンが映って、 その表情がどれも幸せそうなのにショックを受けた。 日本のどこの美術館でも、 そんなに幸せそうに絵を観ている人たちを私は見かけたことがない。 以前に読んだ、 「美術館で愛を語る」(岩渕潤子/PHP新書)を思い出した。 普通の日本人からすると超絶的なことばかり書かれている本だが (例えば、「クリスティ家の劇場で行なわれるオペラの公演だけは、 できるだけスケジュールの都合をつけて出かけることにしている」、 とかね。勿論、グラインドボーン・フェスティバル・オペラのことだ)、 そこまでふっきれていると楽しく読めるし、 豊かさと貧しさについて考えさせられる本だった。

Saturday, November 15, 2008

クラッカー

8 時起床。カフェオレを作って寝室に戻り、 寝床でしばらく読書と、遊びのプログラミングなど。 10 時近くになってようやく起き出し、 書類と本の整理と掃除機がけ。昼食にはニラ玉饂飩を作った。 食後は少し昼寝をしてから、 午後は趣味のプログラミング、院生ノートの添削、 講演準備など。夕方になってまた本を売りに行く。すぐに帰宅。 珈琲を入れて、レオンハルト指揮のブランデンブルグを聴きながら、 また院生ノートの添削など数学のお仕事。 夕食はまた鶏の水炊き鍋。あとは雑炊にした。

毎週土曜日 20 時頃から放映されている「ブラッディ・マンデイ」 の主人公の高校生ハッカー(実際はクラッカーだが) が Python 使いだと言うので、ちょっと評判になっている。 わりとまともなネットワーク攻撃シーンが描かれているらしい。 ドラマどころか映画でも通常は荒唐無稽かナンセンスなことが多いので、 ちょっと珍しいなと思い、参考までに観てみた。 ちらっとしか映らないので良く分からないのだが、 今日、目に入ったところでは、 netstat -i で 4444 を grep したり、 ネットワークプリンタを踏み台にしたりしていた。 TCP 4444 番ポートって何だっけ……。 ".py" がついたファイル名が出てくるとか以外に、 シリアスに Python 使いらしきシーンがあるかどうかは未確認。

Friday, November 14, 2008

semi-god

7 時起床。今日も昨日に続いて良い天気だ。 京都は小春日和が続いている。ちょっと前まで冷え込んでいたのに、 急に暖くなったせいか、眠いようなだるいようなで、 体調がいまひとつ。 ゴミ出しをして猫に食事を与え、シリアルと珈琲の朝食をとりながら、 Project Euler から一問、遊びのプログラミングをする。 そのあと、午前中は書類と本の整理、院生のまとめノートの添削。 昼食は御飯を炊いて、もやしのお味噌汁、沢庵と白菜の漬物、卵御飯。 午後は少し休んでから、また朝の続き。 夕方、また本を売りに行く。 夕食はまた鍋だが、今日は目先を変えて、チゲ鍋にしてみた。 具は豚肉、豆腐、白菜、韮、えのき茸など。 あとは昼食の残りの冷や御飯を使って雑炊。

伊藤清先生が先日 10 日に、 京都市内の病院でお亡くなりになったとのこと。 確率論の分野では、ウィーナーやコルモゴロフと名前を並べても不思議のない、 この分野を代表する研究者だったので、 まさに「巨星墜つ」で間違っていないだろう。 私自身は、記念式典のようなイベントを除けば、 京大セミナでお見かけしたことがあるのと、 おそらくシンポジウムでの最後の講演だったと思われる講演を聴いたくらいで、 ほとんどお会いする機会もなかった。おそらく私より一つ上の世代までが、 伊藤先生と直接に親しくお話のできた世代だと思う。 大体、私は伊藤先生の弟子の弟子の弟子の世代なので、 曾孫くらいの距離感になるのか。 とは言え、そんな私ですら、喪失感とでもいうのか、 何か一つの時代が終わったような感覚がする。

確か 2000 年のこと、イギリスで L 先生に会ったとき、 「何か、伊藤のエピソードを教えてくれ」 と訊かれて、 「直接にはほとんど知らない。 我々にとって伊藤は semi-god のようなものだ」 と答えたら、L 先生は「半分だけか?」 と言っていた。 又聞きのエピソードを滅茶苦茶な英語で話したが、 L 先生の方はリトルウッドのエピソードを教えてくれたのだった。 当時はまるで、聞き取れなかったのだが。 伊藤先生は私にとって、そのような人であった。

Thursday, November 13, 2008

人間の仕事

8時起床。シリアルと珈琲の朝食。 午前中は洗濯をしながら、講義の予習など。 昼食はしめじとベーコンのアーリオオーリオ。 先週末からの疲れが蓄積しているようで、午後の仕事はなかなか捗らず。 今日はゆっくりした方が良さそうだ。 夕方になって、また書庫を整理して、本を売りに行く。 外出ついでに、所得税の予定納税(第2期分)を払う。 さらに、四条駅構内にある京都市の証明書発行コーナーに立ち寄る。 公務員二人がのんびりと読書しているところにお邪魔して、 住民票の写しを発行してもらう。 免許証などで本人確認をして、ボタンを押して、料金を受け取る、 というだけの仕事に人間を二人も配置しているところからして、 機械よりも人間の方が安いのだろう。 人間なら誰にでも出来る易しい仕事なのに、 機械で自動化するにはコスト的に難しいものは結構多い。 未来にはこういう仕事が高給になるだろう、と予言する人もいる。 私はむしろ、 (未来の技術水準で)機械なら簡単に出来ることを、 あえて、高度に訓練された人間がする仕事が高給になるんじゃないか、 と思うけど。

最寄り駅に戻ってきて、近所のワイン屋に立ち寄り、ワインを補給。 ボルドーのフェアに乗って三本のセットで、 かつ、鍋にあう赤と白を選んでもらう。 料理用にパルメジャーノ・レッジャーノも購入。 帰り道のスーパーで食材を買って帰宅。 夕食はまたしても鍋。骨つき鶏肉と豚肉の水炊き。 早速、先程買ったボルドーの白ワインを一杯だけ。 あとは饂飩にした。やはり鶏の骨はだしにとって重要だ。 夜は明日のゴミ出しの準備をしたり、あれこれ。

Wednesday, November 12, 2008

Project Euler

7 時起床。珈琲とシリアルの朝食をとって出勤。 午前は卒研ゼミF。2ステップペアの経験分布の Sanov の定理。 20分間の昼休憩中に朝買っておいた生協弁当で昼食を済ませ、 12:30 から院生ゼミ。 続いて 14:10 から薬学部の「数学4」。 多次元の確率分布など。 続いて 16 時から学科会議。 運良く二時間ほどで終了。 会議を受けて報告書を書き、メイルで送ってから、帰る。 帰宅は 20 時くらい。 さて、これから夕食を作るのも辛いし、 近所のバーに行くかな。

某 blog で "Project Euler" と言うサイトを知った。 簡単な数学の問題が沢山挙げられていて、 どれだけの問題が解けたかを競うことができる。 しかし、数学の問題と言っても、数学的洞察だけでは不十分で、 簡単なプログラミングが必要なものがほとんど。 例えば、3 桁の数を二つかけて出来る最大の回文数 (右から読んでも左から読んでも同じ数)は何か、とか。 実際、どのプログラミング言語を使用するかというアンケートもある。 おそらく、Perl, Python, Ruby などのスクリプト言語を使うのが楽だろう。 簡単なプログラミング演習の課題のストックとして、使えそうだ。 あるいは、 あえてこれらの問題をコンピュータを使わずに解くことは、 なかなかチャレンジングな頭の体操になるかも知れない。 3 題ほど手計算だけで解いてみたが、けっこう頭を使った。 天才向けとしては、 "Project Euler" の問題を全て「暗算で解く」という課題をお勧めしておこう。

Tuesday, November 11, 2008

そばシャンパンのひととき

7 時起床。シリアルを食べる暇もなく、 珈琲だけを飲んで、ゴミ出しをして、すぐに出勤。 満員電車と満員バスに乗り、満員のキャンパスに到着。 朝 9 時から卒研ゼミI。負の二項分布、負の超幾何分布など。 今日は卒研ゼミSが学生の都合でキャンセルされたので、 14 時までかなり時間が空いた。 まずは学生食堂でカレーライスの昼食。 早い時間なのに相変わらずの混雑。 今日は附属校らしき高校生の大群が来ている。 パリ祭の翌日、 学食でざる蕎麦と冷奴を肴にシャンパンを飲んだと言う荻野アンナ様、 慶O大学の昼時はどうですか? (ちなみに私は、荻野アンナの駄洒落好きなところと、 缶チューハイが好きなところと、 けなげなところが好きだ。) 食後はあれこれの事務用。ToDo リストを次々にこなし、 優先度の最も低い「研究室の機材の破棄手続の問い合わせ」 以外は片付けた。14 時過ぎから、「プログラミング演習」。 その後は幸運なことに会議もなく、 もう少し事務用をしたあと、キャンパスを後にする。 夕食まで講義の予習など。

夕食はまた水炊きの鍋。白ワインを一杯だけ。 あとは雑炊にする。雑炊の作り方はいつもいい加減。 鍋の残りに塩を足し、研いだ米を入れて、火にかけて放っておく。 私はこの過程のため、 葛切りや春雨の類を少し鍋に食べ残しておくのが好きだ。 しばらくすると、おそらく鍋肌に米が焼きつくのか、 「ちりちり」と言う感じの小さな音が聞こえる。 それが出来あがりの合図。卵を割り入れて、葱を盛大に散らし、 火から降ろして食べる。 雑炊と言っても、水分の少なめのふっくらしたものが出来る。 お供は、冷たいお漬物がよい。

Monday, November 10, 2008

sense of wonder

8 時起床。シリアルと珈琲の朝食。 朝のあれこれのあと身支度をして、バスで衣笠に出講。 学生食堂で早めの昼食をとり、法学部の講師控室で講義の予習など。 13:00 から「数理の世界」。 実数のまとめと、複素数についてなど。 終わってすぐに遠くの建物まで移動して、 14:40 から「情報の数理」。情報源の拡大、情報量など。 終了後、バスで帰宅。 夕食は普通の水炊き鍋。葛切りとか春雨とかって、 鍋に入っていると何故こう美味しいのかなあ。

3 分の 1 を小数で書くと、0.33333…… になる。 この両方を三倍すると、1 = 0.99999…… となる。 これは不思議だね、と言うお話がある。 実際はまったく変ではなく、まさにこの等式は正しい。 私がこの「パラドクス」(?)を聞いたのはもう大人になってからだったので、 最初は何がポイントなのか分からなかった。 これを不思議とする意味が理解できなかったのである。 そもそも 1 と 0.99999……が等しくないと言うなら、 その差はいくつなのか? どんな正の数よりも小さい非負の数、つまり 0 だ。 しかし、今では私も経験を積み、 これを不思議だと思う気持ちを理解した(と思う)。 だが、不思議だと思う人への説明が出来るか、 ということはまた別の問題だ。 0.99999……の「……」が意味するのは、 9 をどんどん増やしていったときの極限の数のことなので、 それは勿論 1 である、という感じで良いのだろうか。 厳密に言えば、実数の連続性が「これは勿論」 のところを保証するので、 実数についての正しい理解が必要になり、 そこのところを易しく説明することができるのか、どうか。 その点はまだ課題である。

Sunday, November 09, 2008

ディキンスン / 扁炉

8 時起床。シリアルと珈琲の朝食。今期で初めて暖房を入れた。 私は寒さには強いので、厳冬にしか暖房の必要は感じないが、 暖房機のチェックを兼ねて朝方だけ。 カフェオレを作って、寝床に戻りしばらく読書。 ディキンスンの「毒の神託」(浅羽莢子訳/原書房)。 ディキンスン作品の特徴である極端な設定。 小さな石油王国が舞台で、 それ自体が我々にはエキゾチックなイスラム文化だが、 さらにその領内に、 完全に隔絶された独自の文化と特異な言語を持つ少数民族「沼族」 が住む沼地がある。主人公は心理言語学者のイギリス人で、 王のオックスフォード時代の学友だったことが縁で動物園を任され、 天才チンパンジーに言語を教えることと、「沼語」の研究で暇つぶしをしながら、 拉致同然の生活を送っている。 ディキンスンは沼語の特異な文法まで詳細に説明しながら、 異様な舞台設定を徹底的に書き込んで行く。 ディキンスンはいつもこの調子である。

そのあとは家事。二週間分の洗濯とか。昼食にはカルボナーラを作った。 疲れをとるため今日は一日何もせずに単なるお休み。 湯船で長々と読書。天気が悪いので、日差しが弱いのが残念だが。 さらに昼寝。と言っても、2 時間近くも熟睡してしまった。 スーパーに食材を買いに行く。ついでに珈琲豆も購入して、帰宅。 夜は今期初のピェンロー(中華風の白菜鍋)にした。 季節にはまだ早いものの冬気分だったので。 私の冬の定番メニュで、白菜の一番美味しい頃がよろしい。 妹尾河童で知った料理だが、私の作り方はさらに単純。 椎茸でだしを取りさえしない。レシピと言うにも馬鹿馬鹿しいくらいで、 白菜と鶏肉と豚肉を鍋に入れて煮て、途中で胡麻油をさし、 日本人の感覚ではちょっと煮過ぎなくらいに煮たら、 最後に春雨の類を入れて完成。 良い胡麻油があるなら、仕上げの香りづけにちょっと追加するとよい。 これを椀の方で、塩と一味で好みの味つけをしながら食べる。 あとは必ず雑炊にする(こちらが本番)。それだけの料理なのだが、 白菜の季節だとこれがとても美味しい。

夜はまた、ディキンスンの作り上げた奇妙な世界を読んで過ごす。 沼語には因果関係を表すための単語や文法構造がなく、 原因や結果にまつわる概念もない。 沼地は閉ざされた小さな世界で、 ほぼ全てのものが具体的に知られているため固有名詞を持ち、 したがって普通名詞もほとんどない。 そんな言語で考えるとはどういうことなのだろうか……、 などと考えつつの冬の夜。

Saturday, November 08, 2008

冬来たる

8 時起床。ホテルで朝食を済ませて、チェックアウト。 昨日に比べて、ぐんと寒い。 気付いたら、もう冬ですねえ。街も気の早いところでは、 クリスマスの気配。 広尾に移動して、午前中は統計数理研究所での研究会に参加。 終了後、お茶の水でランチをとってから、 東京から新幹線で京都に帰る。 京都も空気がすっかり冷たくなっていた。 夕食は、鍋料理の残りの葱と茸類を使って、鍋焼饂飩。 茸類なんて、ほとんど水とほこりみたいなものだと思うのだが、 美味しかったり、変にいいだしがとれたりして、不思議だ。 白ワインを一杯だけ。

Friday, November 07, 2008

フェルメール / ハンマースホイ

ホテルで起床、朝食。 今日は広尾の有栖川公園の隣の統計数理研究所での研究会。 大変クラッシィな良い場所にある研究所だが、移転が予定されている。 今回も、ひょっとしてもう移転先が会場かも知れないと思って、 事前に一応調べたくらい。 今回の個人的な目的は M 先生の二コマ特別講演。 昼食は近所のスープ・ストック・トーキョーにて、 玉葱のカレー、トマトのストロガノフ、珈琲のセット。 研究会は SC のセッションの前に抜け出して帰る。 夕食は相変わらず、血液を取り戻すぞディナ。 血のしたたるような、とか、そんな感じ。

開室時間が延長される金曜日の東京都美術館の フェルメール展 に行ってきた。 空いている時間のはずなのにそれでも、ものすごい混雑で、大行列。 これではまともに絵など観られない。一応、通り抜けはしたが、 単にフェルメールを見た、と言うだけの感じ。 フェルメール作品の中では「小路」と「手紙を書く婦人と召使い」 が良かったものの、まさに黒山の人集りなので、 むしろデルフトの他の画家の作品に興味がひかれた。 特に、ファブリティウス、ファルコリエ、ウィッテなど。 ウィッテの「ヴァージナルを弾く女」がいい感じ。 とは言え、上野動物園にパンダを見に来たような人の多さにうんざりして、 さっさと美術館を出てしまった。 その欲求不満から国立西洋美術館に梯子(こちらも金曜日のみ時間延長)。 こちらは人が少ない。入口でチケットを買っていると、 隣の窓口でおばさんが 「ファミールはどこでやってるの」 と訊いていた。 さすが窓口係は慣れている。 「フェルメールのことですか」などと聞き返すこともなく、 即座に「動物園の方です」と答えていた。

そして国立西洋美術館の ハンマースホイ展 の方は素晴しかった(リンク先のサイトも充実。 3D でハンマースホイの部屋と作品を観られるページもあって面白い。) 本当に心が洗われた。 デンマークは油断できない国だ。 雑踏に苛立っていた心も休まり、 静かな気持ちで恩賜公園を少し歩き、 東京文化会館を見て感傷的な気持ちになったりしてから、 上野駅より地下鉄で帰る。

Thursday, November 06, 2008

ハンバーグの変遷

8 時起床。珈琲だけの朝食をとって、 あれこれ出張準備をしたあと、キャンパスへ。 健康診断を受ける。長い長い行列ができていて、 受付から最初の診断項目「聴力」にたどりつくまで、 一時間弱もかかった。 結局、すべて終了したのは二時間以上経った後。 そのうち待ち時間が一時間50分くらいあり、 リトルの法則に対する理解がかなり深まった。 システムへの時間あたりの流入量とシステム内の滞在時間の積は、 システムの容量に等しい。 検診では視力が少し良くなっていたのと、少し痩せていた。 最近は朝食も食べるし(シリアルだけど)、 鍋が美味しいせいで食べ過ぎていると思っていたのだが、 体重は 57kg に減っていた。 夏場はこれくらいで快適だが、 寒い季節には 60kg くらいが一番調子が良いので、 もう少し太ろう。

予約してあった新幹線を軽く数本逃したが、 とりあえず京都駅に直行、新幹線で東京へ。 昼食は駅弁。車中ではボンフィグリオリを読んだ。 夕方に着。今日に仕事を入れないでおいて助かった。

青山のホテルに宿泊。 今日抜かれた血液を取り戻そうと、夕食はハンバーグ・ステーキ。 それで思い出したが、最近の家庭におけるハンバーグの主流は、 煮込み風になっているのだそうだ。 理由は、 最近の家庭の料理人がハンバーグの焼き方を知らないので、 ハンバーグの種やレシピを売るのが危険だから、 と言うのだが本当だかどうだか。 食後に珈琲とエクレア。

Wednesday, November 05, 2008

チャウダー

8 時起床。珈琲とシリアルの朝食のあと、すぐに出勤。 午前中は卒研ゼミF。 サノフの定理とその証明。 20 分間の昼休憩の間に、 朝、買っておいたサブウェイのサンドウィッチで昼食。 12:30 から修士ゼミ。続いて 14:10 から「数学4」。 確率密度関数の色々。 サンドウィッチだけではお腹が減って、 講義の帰り道にコーン・チャウダーを買って飲み、 続いて、16:00 から会議。 17:30 に退席させてもらって、次の会議へ会議の梯子。 この会議をうけて部屋でメイル仕事をして、20 時頃に店仕舞い。 帰宅は 21 時過ぎ。これから鍋でも食べよう……。

明日は朝にキャンパスで健康診断のあと、午後に東京へ移動。 木、金と二泊して土曜に帰る予定。 留守中の猫の世話は元執事に頼んだ。 6 日(木)と 7 日(金)の夜も通常通り更新するつもりですが、 定かではありません。

Tuesday, November 04, 2008

make

7 時起床。20分で身支度をして、出勤。 9 時から卒研ゼミI。 ランダム置換の中の振動列の長さの期待値、 誕生日問題、ポーカーの手の確率など。 ゼミのあとはプレプリントの印刷をしたり、 雑用を色々してから、学生食堂で早めの昼食。 ホッケの開き、つみれ汁、玄米など。 12:30 から卒研ゼミS。 シューア・テストの応用としてヒルベルトの絶対不等式、 ハーディの定理など。 続いて 14:10 より「プログラミング演習」。 課題の講評と、分割コンパイルの練習など。 続いて 16:00 より理工学部教員会議。 定足数がなかなか集まらず、しばらく開始が遅れたが、 一時間程度で終了。 部屋に帰って、メイルをいくつか書く仕事。 来週の「プログラミング演習」では簡単な make 入門をしようと思って、 図書館で GNU の make マニュアルを借りて帰る。

夕食は茄子とベーコンのトマトソースのリングイネ。 赤ワインを一杯だけ。 食後に珈琲。「まったり」ブレンド。

Monday, November 03, 2008

ワインと鶏鍋

8 時起床。珈琲とシリアルの朝食。 あれこれのあと、バスで衣笠キャンパスに出勤。 今日は祝日なので学生が少ないだろうなあ、 と思っていたのだが、結構な人出だった。 学生は意外と休まない。 正確に言うと、もうかなりフィルタがかかっているので、 今でも出てくる人は出てくるし、来ない人は来ない。 早めの昼食をとり、講師控室で講義の予習など。 おや、事務は閑散としている。正規雇用が余程少ないらしい。 13 時から「数理の世界」。デデキント切断と実数の定義など。 続いて、14:40 から「情報の数理」。 Huffman コードが最適コードであることの証明など。 満員のバス停で少し待って帰る。 近所のスーパーで買い出しをして帰宅。

夕食はまた鶏鍋。白ワインを少し。あとは雑炊。食後に煎茶。 雑炊ってどうしてこう美味しいのかなあ……。 ところで鍋と言えばお供はシャンパンに決まりだと言う、 ゴージャスな方々が最近は多いようなのだが、 私自身は鶏鍋のような淡白な鍋にはすっきりし過ぎのように思う。 同じ意味でビールもさっぱりし過ぎで、 もっととろりとした白ワインとか日本酒の中に、 本当にあうものがあるんじゃないだろうか。 今度、プロに意見を訊いてみよう。

Sunday, November 02, 2008

珠玉

8 時起床。しばらく寝床でボンフィグリオリを読み、 階下で猫に食事を与え、自分にはカフェオレを作る。 昼まで、「ビューティフルコード」 (A.Oram, G.Wilson 編/久野禎子、久野靖訳/オライリー・ジャパン) よりジョン・ベントリーの寄稿 「私が決して書かなかった、一番美しいコード」 を読んだ。心が洗われた。 昼食は、近所の町屋インドカレー屋さんへ。 豆カレーと魚のカレー、じゃが芋と豆、玄米御飯。 一旦、帰宅してから大阪のチェスクラブへ。 またチェス本を二十冊ほど寄贈。 対局は午後の最後の一局にだけ参加して、すぐに帰る。 往復の車中では同じくジョン・ベントリーの 「珠玉のプログラミング」(小林健一郎訳/ピアソン・エデュケーション) を読んでいた。 帰宅して夕食には、月見饂飩を作った。 夜は、次の木曜日からの出張のホテルと新幹線の予約とか、 事務用をあれこれ。 あとはお風呂に入って、 読みかけの「封印の島」(P.ディキンスン/井伊順彦訳/論創社) でも読むかな……

明日は文化の日ですが、関係なく普通の授業日です。

Saturday, November 01, 2008

まったりブレンド

8 時頃に起床。階下で猫に食事を与え、自分にはシリアルと珈琲の朝食。 珈琲を持って寝床に戻り、しばらくボンフィグリオリを読む。 アメリカに到着したモートデカイ閣下はワシントンDCのホテルで起床。 朝食のあと、ハイヤーでナショナル・ギャラリーに行き、 ファン・ダイクなどの絵画鑑賞(閣下の商売は悪徳画商)。 そのあと、 冷たいビールでランチをとるため、典型的な下層中産階級向けの店に行こう、 と運転手に命じると、 もう少しクラッシィな店にすべきでは、と進言され、 サー・トビーの「この服は飲みに入るのに十分に良いものじゃ、 このブーツもな」という引用で反論しているところだ。 サー・トビーって誰だろう、と思って調べたら、 シェイクスピアの「十二夜」に登場する愉快な酒好きらしい。

午前中はファイナンス仕事。数理ファイナンス理論の実践のため、 私も少々リスク資産の入ったポートフォリオを持っている。 ところで、数理ファイナンスを勉強すると儲かるんですか、 と昔は良く訊かれたものだ。(今は訊かれない。) 実際、数理ファイナンス理論は「誰もただで儲けられないし、 未来のことは誰にも分からない」ことが原理なので、もちろん儲からない。 ただリスクのコントロールについての洞察と手法が得られるだけだ。 自分の資産を全部、貯金しておけばリスクがないわけではない。 確かにその金額は安全だが、問題なのはその数字ではなくて、 それでいくら物が買えるかだ。つまり現金のみで持つと、 インフレによるリスクを全部引き受けることになる。 インフレの危険は常にあり、大変凶暴なものだ。 そのリスクの形が好ましい人もいれば、そうでない人もいる。 そうでない場合にはそのリスクを好ましい形に変形して、 コントロールできた方が良い。

昼食は冷や御飯と梅干し、うるめ鰯、白菜の漬物、沢庵など。 食後にお茶。少し食休みをして、腹ごなしに書庫の整理をしてから、 午後は数学を少し。 本線に戻って自分が書いたプレプリントの当該箇所を書き直したり。 しばらく離れていたので、頭を戻すのにまた少し時間がかかりそう。 次はプログラミング演習の準備など。 夕方になって、売り食いのためまた本を売りに行き、 そのお金でリカーマウンテンでパスタ各種を買って帰る。 帰宅して夕食の支度。 茄子とベーコンのアーリオオーリオと、白ワインを一杯だけ。 一杯と言っても私の一杯は普通の半分くらいで、 おそらくテイスティング用グラスで一杯と言うところだろう。 食後に珈琲。近所の商店街で買った珈琲豆だが、 ブラジルは煎りが浅くて、 むしろ「まったり」ブレンドの方が好みの苦さ。 次はこの情報を伝えて、再度、豆選びをしよう。