Tuesday, September 30, 2008

ドライカレーの日

8時起床……のはずが、9時起床。慌ててゴミ出しをして、 お弁当用にドライカレーライス(第 5 回)を作り、すぐに出勤。 研究室で雑務のあと、お弁当で早めの昼食をとり、 12 時から卒研ゼミの相談。参加人数の多いゼミは調整が難しく、 全員が参加できる時間が朝一番のコマしかなかった。 他の卒研も学生の希望にあわせると、火曜日の朝一番の 9 時から、 卒研1,2,3と三つ連続してゼミをすることになった。 今期は学生の都合で 4 つあった卒研ゼミが 3 つに統合され、 少し楽になったものの、火曜日はきつくなりそうだ。 二週間に一回の会議が入ると、 朝9時から夜まで20分の休憩が昼休みにあるだけで、 他は10分間隔でずっと連続してゼミ、ゼミ、ゼミ、演習、会議。 ホワイトボードに作成中の時間割を見つつ、 最後の学期にふさわしい華麗さだな、 としばし黙考。院生ゼミ二つの予定はこれからだが、 それも何やら不穏な雰囲気だ。 うーむ、これが働き盛り、ってやつか。 14:10 からの「プログラミング演習」を終えて、雑務少々のあと帰る。

夕食もドライカレーライス(第 6 回)の生卵トッピング。 織田作カレーをイメージしてみました。織田作死してカレーを残す。 南瓜の冷たいサラダ。赤ワインを一杯。夜は 9 月の決算。 9 月も今日で終わり。3 月 31 日まであと 182 日である。

Monday, September 29, 2008

雨の日のバス

9 時半起床。いかん、新学期から少なくとも 8 時には起きるつもりだったのに。 慌ててゴミ出しをして(セーフ)、珈琲だけの朝食を済ませ、 あれこれ雑用のあと衣笠にバスで出勤。 衣笠キャンパスへはバス一本で行けるので楽。 まず講義の部屋を確認。 今期は二コマ連続で講義するのだが、 間の休憩が10分間しかなく、 講義室の建物が相当離れているので、移動が難題だ。 早めの昼食を学生食堂、通称「ぞんち」で済ませ、 講師控室とは名ばかりの事務の空いたスペースで講義のおさらい。

13:00 から「数理の世界」。 数学とは何か、数、幾何、確率などの例を通して紹介しましょう、 と言う感じの文系向けの易しい講義。 前年までとは違って、今年は定期試験で評価することにしたので、 相当聴講者が減るだろうと期待していたのだが、 階段ではない通常大講義室が一杯程度には人が入っていた。 続いて、明学館だったかな、 そう言う感じの名前の遠くの建物まで急ぎ、 14:40 から「情報の数理」。 こちらは例年、シャノンの情報理論を易しめに講義している。 ただ、それでは教えられる人が限られてしまう、 と言う理屈で、最近もっとぼんやりした講義概要に (正直に言えば、「何でもあり」な感じに)書き変えさせられたので、 担当者も変わる来年からはかなり違ったものになるだろう。 今日は枠組みの設定など。講義のあとに、 もぐり聴講に来た他学部の先生がご挨拶に来てくれて、 おうちでとれたと言う豆を沢山と、 出張土産のニュージーランド・ワインを下さった。 ありがたし。

帰りのバス停はものすごい混雑。BKC もひどいが、 こちらは街中と同じ普通のバス停にこれだけの学生数が殺到するので、 また違う迫力がある。 雨でじめじめした中、ぎゅうぎゅう満員のバスで家まで帰る。 もうぐったり。雨の日の満員のバスほど、 じっとりしたじっとり気分をよりじっとりさせるものはない。 猫しかいない家に入って、本当にほっとした。 早速、お風呂に入ってしまった。 御飯を炊いて、夕食はカレーライス四回目。もらいものの豆の塩茹でをトッピング。 このさやごと食べる豆、何と言うのだったかなあ、 近所のバーでつけあわせに出ていたことがあって、 その時も名前を聞いたのに忘れてしまった。 イタリアの赤ワインを一杯。

Sunday, September 28, 2008

your shoes

9 時起床。朝食代わりの珈琲。 早めの昼食(カレーライス二回目、茹で卵トッピング)のあと、 大阪のチェスクラブに行く。 今日の目的は本の寄付だったので、 一局だけ公式試合に参加して帰る。 ``New in Chess" を Year book とあわせて二年分ほど寄付した。

対局は苦手な超攻撃的な常連の方と。 黒番、シシリアン・ドラゴン。今日はこちらから攻めて勝ち。 考えてみれば当たり前のことかも知れないが、 攻撃が得意な人は攻撃されることに弱く、 守備が得意な人は守備されることに弱い。 自分が慣れていない状況にたたされるから、 と言うこともあるが、裏側から見れば、 自分が弱いことを軸にプランを立てがちだからかも知れない。 つまり、相手も自分と同じようにこれに弱いだろう、 と無意識に考えてしまう。 相手の身になって考えることは非常に難しく、 多くの場合はそのつもりでも自分を基準に判断しているだけで、 それは結果として赤裸々に自分を記述してしまう、 と言うことかな……。

17 時くらいに帰宅して、夕食は三回目のカレーライス (茄子生姜焼きトッピング)。赤ワインをグラスに半分ほど。 食後に珈琲。 夜は明日の講義の予習など。

Saturday, September 27, 2008

売り食い / カレーライスとワイン

8 時起床。珈琲豆切れが続き、カフェイン中毒には厳しい。 午前中は家事をあれこれ。 昼食は、茄子とベーコンのアーリオオーリオ。 ワインも昨日なくなったので、純水を一杯と。 近所にある大変庶民的なスーパーで、 大きな茄子が四本も入った袋売りが 100 円だった。 秋茄子は美味しくて安くて結構だ。 昼食の後は、風もそよそよ涼やかなことだし、 気持ち良く昼寝をしてしまった。 午後はまた本の整理をしたり、あれこれ。 夕方になってから、三条にまた本を売りに行く。

今日は単行本を十数冊も持っていったので かなりの金額になり、 ちょっと嬉しかった。 勿論、平均して定価の一割以下だし哀しくなりこそすれ、 喜ぶ理由は全くないのだが、変なものだ。 自分のものを誰かに売ると言うことには、 何やら侘しさが伴うようなのだ。 何となく、零落、没落、斜陽、と言うようなキーワードが浮かぶ。

ついでに家の近所でワインと珈琲豆を調達して帰宅。 これでやっとアルコールとカフェインが補充できた。 丁度ワイン屋さんのサーヴィス券もあったのでそれも合わせ、 本を売って作ったお金で、ワインも珈琲豆も調達できた。 これが「売り食い」と言うものか…… 夜はカレーを作る。別に何に凝るでもなく、 普通の「ジャワカレー」を 10 人分くらい。 庶民的スーパーの入口の外にダンボール箱のまま並んだ一袋 100 円の特売野菜から、 私がじっくり目利きした品で作りました。 家庭的カレーライスにあうもの、 とワイン屋さんで K 嬢に選んでもらった、イタリアのプリミティーヴォを一杯。 なるほどいい感じ、流石はプロだ。 しかし私が今回「プロだな」と思ったのは、 K 嬢に相談したときに「中辛ですか?」 と訊かれたときだ。

Friday, September 26, 2008

大根おろしとリースリング

8 時起床。涼しくなると良く眠れて、寝起きが辛い。 キャンパスに出勤。やはり新学期初日だけにかなりの人出。 少し雑用をしているうちに昼。 時間をずらせて 13 時過ぎに食堂に行ったのだが、もの凄い行列。 遠い方の食堂まで行ってみても、こちらも大混雑。 トレイをもってうろうろしたあげくに、何とか席につくことができた。

食後は部屋で雑用の続きと、後期スケジュールの確認。 後期は授業が4つと、卒業研究ゼミが4つ、院生ゼミが2つ。 理工教員会議と全体教授会の予定も既に決まっているので、 会議予定を手帳に書き込んでいると、 二週間に一回以上の頻度で入っていることに気付く (さらにその他に学科会議がある)。 学院構想で会議と意思決定が効率化される、と言う話だったような気がするのだが、 何故か会議数は増加した。 でも会議の持つ意味は減少しているようだ。 大きな政府か小さな政府か、とか、 中央集権か分散か、と言う議論が良くありますけどね、 それは問題ではないのですよ、そういうことではないのですよ、 本当に危険でそして良くあることは、 その善意の議論の末に出来た中途半端なシステムが、 その両方の悪い所をあわせたものになってしまうかも知れないよ、 ってことなのですよ、それが本当に駄目だーってことなのですよ、 つまり駄目なのですよ、全然駄目なのですよ、と独り言をしてみたり (ちなみに、吉本隆明の物真似のつもり)。

夕方キャンパスを後にして、家の近所のスーパーで食材を買って帰る。 夕食はいただきものの酢橘を使って、 また秋刀魚の塩焼と饂飩を大根おろしで食べる。 勿論、秋刀魚は焼き立てにじゅっと言うくらいの感じで酢橘をしぼって、 大根おろしと醤油ですぐに食べるのですよ。 饂飩の方はと言えば、 器に大量の大根おろしと酢橘と醤油と葱と七味を入れたもので待ち構えていて、 饂飩が茹であがったらこれですぐに食べる。 一緒にワインなどと言う洒落たものを飲みたい方向けには、 何を勧めて良いか良く分からないのだが、 私はアルザスの甘めのリースリングをおともにした。 これはなかなかの組みあわせだと個人的には思っているが、 まあ固いことは言わずに、 本当は芋焼酎のロックなどがいいのかも知れぬ。

Thursday, September 25, 2008

帰京

学会のため東京に来たついでに、 帰りにマンションの内見に行く。 吉祥寺駅にも井の頭公園にも近い、 ロケーションはまさに絶好の中古マンション。 今の家よりも広い 3LDK で、 お値段も所有者から直接買うこともあり、 おそらく安いのだろうな、と言うところ。 しかし、いかんせん古い。うーむ…… やはり、余程ぐっとこない限り、 転職のタイミングでもう一つリスクを取るのは難しいかなあ。 紹介していただいた弁護士さんと近所のフレンチでお食事をして、 東京から新幹線で京都に帰る。 新幹線では、新学期のプログラミング演習の準備……、 のつもりではなくて、単なる趣味で C 言語の本を読んでいた。 帰宅して、夕食には月見蕎麦を作る。

学会から帰ってきたら、いよいよ明日から新学期。 金曜日一日くらい休みにして、 月曜からにしてくれればいいのになあ。

Wednesday, September 24, 2008

blindfold chess

昨夜は新「黒い月」に行ってきた。 南青山の骨董通りの奥の方のビルの地下2階。 今度は大きな看板も出ているが、 かなり分かり難いところにある。 以前よりもちょっと広い。店主 R 嬢もバー犬コシュも健在。 新しい分、やはり店内には、ぱりっとした雰囲気が漂っていた。 マールをゆっくり三種類ほどいただいて帰る。

朝から東工大にて数学会。 午前中は一般講演。午後から企画特別講演と特別講演。 特別講演は兄弟子による数理ファイナンスの話だったので、 これは聞き逃すわけにはいかない。 その後、チェス友達の S さんと待ち合わせて、渋谷で対局。 手番をかえて二局。 白番、シシリアン e6 に対し定跡を外したら、 ずばりまともにとがめられて必敗だったと思うのだが、 無理に頑張っている内に何とか誤魔化せて、1ピースアップの終盤。 時間にも助けられて勝ち。黒番、加速ドラゴン。 これもかなり危ないところを切り抜け、 やや有利と思うポーン・エンドゲームに持ち込んだが、 それは勘違いでどうやらドローらしい形。 しかし、無駄なテンポムーヴを続けている内に、 相手の時間切迫によるミスで勝ち。

対局のあと、渋谷の居酒屋さんで S さんと食事。 そのあと、喫茶店で雑談をしたり、 ものは試しと目隠しチェスをしてみたりしている内に (互いに 20 手くらいずつ指したところで私が降参)、 随分と遲くなってしまった。申しわけなし。 ホテルに帰ったのは 23 時過ぎ。

Tuesday, September 23, 2008

狸さんの人生

9 時半起床。 昨夜、少し遲くまで「お伽草紙」(太宰治/新潮文庫) を読んでいたせいか寝坊。 男たるものはときどきこの「お伽草紙」の「カチカチ山」を読み返し、 この狸さんの人生に思いを馳せて、 深い反省をした方がよいと思う。 もちろん他の作品も人生の真実がぎっしり詰まった傑作だ。 私は「舌切り雀」が特にいいと思う。

珈琲豆が切れていたので紅茶を朝食代わりにして、 午前中は出張の準備。昨夜で食材を片付けたので、 昼食は近所のカレーライスのチェーン店にて。 午後、東京へ移動。夕方、渋谷のホテルに到着。 部屋の番号は、連続する三つの素数の積で、 右から読んでも左から読んでも同じ四桁の数だった。 夕食のあと、お風呂に入って、 明日の内職用に読みたかった論文などの資料を揃えたり。 夜は、最近移転した新「黒い月」を探索に行く予定。 Google map で住所を検索したところ、ここから歩ける距離のようだ。

Monday, September 22, 2008

インド本格

8 時起床。朝食代わりの珈琲。午前中は出張の手配など。 明日火曜日から木曜日まで二泊三日で東京出張。 東工大での数学会年会に出席のため。 昼食は近所のインドカレー屋さん。 何となくスパイシィなものが食べたくなって。 この店はなかなか本格的なのだが、 やる気のない延び切った雰囲気が特徴的だ。 この雰囲気がインド本格なのだろうか…… 例えて言えば、キーティングのゴーテ警部ものみたいな(?)。 午後は本を読んだり、昼寝したり、 お風呂に入ったり、少しは数学を考えたり。 夕方涼しくなってから、三条に本を売りに行く。 ハードカヴァの単行本を 10 冊ほど売ったのは良かったが、 そのお金で文庫本とは言え、また一冊本を買ってしまった。 太宰治の「お伽草紙」(新潮文庫)。

明日も明後日も更新する予定ではありますが、 ホテルのインタネット環境次第の上、更新時間も不定です。 もし更新できなかった場合には、 The Return of Dr. Hara で、``Tao of Programming" の拙訳でも読みながら 木曜日の夜まで待っていただけると嬉しいです。

Sunday, September 21, 2008

雨の一日

昨夜は 5 人で遅くまで飲んでいたせいで、 目が覚めたのは 10 時過ぎ。体調不良。 朝方、激しい雨が降っていたような気がする。 朝食代わりの珈琲。昼食は月見饂飩。 午後、急に空が暗くなり、激しい雷雨になった。 ようやくおさまったかと思っていたら、また夕方になって雨。 夕食はカルボナーラ。シャンパンを一杯。 夜には土砂降りになった。 こういう雨の一日があって、 ああ、秋になってきたなあ、と思う。

日本人は、と特殊化して良いのかどうか分からないけれど、 トップは単に頂いているだけだから誰でも良い、と考えがちのように思う。 でも実際は、それは大きな間違いなんだなあ、と思う今日この頃。 確かに現場にはちゃんとやっている人が沢山いて、 組織も出来上がっていてちゃんと回って行くのだが、 それはトップがちゃんとしているときの話だ。 単なるシンボルであってもトップが駄目だと、 無力感やアパシーや遂には狂気が段々と侵食して、 真面目に仕事をしていた人たちをも追い詰めてしまう。 人それぞれに色んな思いがあって毎日働いているんだと思うが、 それでもやはり、 どうしてこんな人を持ち上げていなきゃならないんだ、 と言う単純なところに行き着くんだろうか。 自分の力で、自分の周りだけでも、何とか整えてきちんとしたい、 そうできるはずだ、と信じる人にとってこの認識は辛い。 自分の虚栄と嫉妬を見つめることは難しい。

Saturday, September 20, 2008

妹より

8 時起床。 予報に反して、朝から良い天気。洗濯と家の中の整理など。 ついでに PC のデスクトップも整理。 Gnome-Do が使いたくて、デスクトップ環境を Xfce から Gnome に切り替えた。 無駄な視覚効果満点。 Gnome っていつの間にこんな Mac 風(?)に。 新しい Windows OS のデスクトップをまだ見たことがないのだが、 やはりこんな感じなんだろうか。 昼食は、昨夜割烹で食べ切れなくてお土産にもらってきた御飯と、 そのあたりの適当なもの。午後は家事をいろいろ。 買い物のため少し外出して、すぐに帰宅。

妹から手紙が来ていた。 随分と他人行儀な時候の挨拶とお祝い、 それから「又、お会いしましょう」との言葉が一筆箋に書かれていて、 図書カードが同封されていた。 初老を迎えた兄に図書カードとは……。 相変わらず良く分からない妹だが、 とりあえず、親きょうだいと言うものはありがたいものだ。 私には兄弟がいないし、一人っ子がどういうものかも分からないが、 妹とは、肉親ながら、時に赤の他人のように思えるものだ。 自分と似たものが女である、と言う奇妙な親しさもあり、 やはり違うな、と言う絶対的な距離もあり。

お風呂に入り、CD で朗読を聞きながら昼寝。 夜は烏丸四条あたりのフレンチで会食。

Friday, September 19, 2008

L'apprenti sorcier

昨夜はブランドの「ぶち猫」(論創社)を持って、 久しぶりに近所のバーに行き、夕食をとった。 シャンパンを一杯のあと、キッシュと子羊のソテー。 味覚が子供なのか、キッシュにコーンが入っていると嬉しい。 羊はタイムの入った赤ワインソース。 私はかなり生に近い肉が好きなのだが、 今回も良い焼き具合で美味しかった。 そのあと、チーズとデザートワインをいただいてから帰る。

雨のせいか大変に涼しく、良く寝てしまった。 起床は 9 時半くらい。 朝は色々と家の雑用をして、昼食は鍋焼き饂飩を作った。 午後は家事とか、読書とか、合間に論文を読んだりとか。

夜は師匠と、河原町丸太町あたりの割烹で会食。 大学を辞めることをずっと言わずにいて、 そのせいでますます言い出し難くなり、 失礼を続けているところに、 先生の方から声をかけていただいた次第である。 そのメイルによれば、「何と大胆な、しかし分かる気もする」、 とのことだった。

明日の夜も別の会食の予定が入っていますが、 今日と同じく予約更新で 21 時丁度に更新されます。

Thursday, September 18, 2008

初老を迎えて

「人生論ノート」(三木清/新潮文庫)所収、「幸福について」より。

幸福は徳に反するものでなく、むしろ幸福そのものが徳である。 もちろん、他人の幸福について考えねばならないというのは正しい。 しかし我々は我々の愛する者に対して、 自分が幸福であることよりなお以上の善いことを為しうるであろうか。

愛するもののために死んだ故に彼等は幸福であったのでなく、 反対に、彼等は幸福であった故に愛するもののために死ぬる力を有したのである。 日常の小さな仕事から、喜んで自分を犠牲にするというに至るまで、 あらゆる事柄において、幸福は力である。 徳が力であるということは幸福の何よりもよく示すところである。

…(中略)…

幸福は人格である。 ひとが外套を脱ぎすてるようにいつでも気楽にほかの幸福は脱ぎすてることができる者が 最も幸福な人である。 しかし真の幸福は、彼はこれを捨て去らないし、 捨て去ることもできない。 彼の幸福は彼の生命と同じように彼自身と一つのものである。 この幸福をもって彼はあらゆる困難と闘うのである。 幸福を武器として闘う者のみが斃れてもなお幸福である。

機嫌がよいこと、丁寧なこと、親切なこと、寛大なこと、等々、 幸福はつねに外に現われる。 歌わぬ詩人というものは真の詩人でない如く、 単に内面的であるというような幸福は真の幸福ではないであろう。 幸福は表現的なものである。 鳥の歌うが如くおのずから外に現われて他の人を幸福にするものが真の幸福である。

Wednesday, September 17, 2008

サドが冷えてます

昨夜もまた最後までチェスの観戦をしてしまって、 少し寝坊。9 時頃に起床。朝食代わりの珈琲。 掃除機がけや洗い物の雑用のあと、 文系教養科目の科目概要を書いたり。 正午少し前に外出。日中はまだまだ暑いし、日差しが厳しい。 昔より紫外線が増えているんじゃないだろうか。 まず三条の古本屋で本を売ってから、バスで百万遍へ。 カレーライスのチェーン店で昼食を済ませて、 午後は京大にて臨時の関西確率論セミナ。 ドイツから来日中の有名人二人、 ドゥーシェルとアルベベリオそれぞれの講演。17 時過ぎに終了。 ゲストを囲んでの会食は遠慮させてもらって、すぐに帰る。 家に帰ると母から手紙が届いていた。 金一封の上、これでたまにはまともなものを食べなさい、 とのことだった。 夕食は九条葱と生ハムのスパゲティーニ、 白ワインを少し。食後に珈琲。

世界女子チャンピオン決定戦、 最終ラウンド第三局はドロー。 14 歳の侯が再びミラクル・セイヴ。ミラクル侯だ。 またしても最後の最後で踏み止まった。 追い込まれて、実力を発揮するタイプなのか。 そして、良く言われることではあるが、 やはりトップ・プレイヤーはエンドゲームが素晴しい。 つまり技術面で卓越している。 そして既に先程から開始されている、今日の最終第四局だ。 スコア 2.0-1.0 でコステニウクの白番。 シシリアン防御、タイマノフ変化。 序盤はシシリアンで良く見られる形に組み上がり、 どちらも攻撃準備完了か。面白い中盤になりそうだ。 黒番の侯が勝たない限り、コステニウクの世界チャンピオン決定。 ならば、祝うことが二つになって大変、結構だ。 既にシャンパンを用意して待っています。
追記(9/18 0:45 AM):第四局もドローで、コステニウク優勝。 激しく際どい興奮の対局でした。サドでお祝いの一杯。

Tuesday, September 16, 2008

鯖鮨 / ドローゲーム

9 時起床。昨夜はチェスの観戦をしてて遅くなったこともあり、 少し寝坊。 朝食代わりの珈琲を飲んで出勤。 出張申請の書類を書いたり雑用をしたあと、 昼食はいただきものの鯖鮨。 山葵が入っているところがちょっと変わっている。 でも美味しかったです。 午後は論文のプリントアウトなど雑用のあと、 14時から卒研ゼミS。 ルベーグ分解定理とか、ラドン・ニコディムの定理とか。 16 時頃から言わゆる高大連携のお仕事で、 付属高校の卒業研究(?)の中間発表会を見に行く。 帰宅は 20 時少し前。 夕食は卵のせ焼き蕎麦。白ワインを少し。

世界女子チャンピオン決定戦、 最終ラウンド第二局はドロー。 14 歳の候が瀬戸際で踏みとどまった。 終盤直前までコステニウクがかなり良いように思ったので、 ここでライヴ観戦はやめて明日の朝、女王二連勝のニュースを見ればいいかな、 と思っていた。 しかし、3ポーンも差がついたルーク・エンドゲームになった時点で、 よくよく見てみると、おやこれはもしかして…と思い、 結局最後まで観戦してしまった。 そして、なんとドロー。 理論的にはこの終盤は最初からドローだったらしいのだが、 世界チャンピオンの座がかかって、しかも 1-0 に追い込まれた状態で、 さらに時間切迫の状況で、これをドローにできるのはすごい。 事前にd ファイルを制していた判断、 左右翼に目もくれず一手のミスもしない正確さはさすがだ。 候は強い。

そして先程、第三局が開始された。 今度は侯が白番。コステニウクが優勝を決めてしまうか、 侯が追い付くか、注目の対局は再びクローズド・ルイロペス定跡。 侯が 15. Qh5 から手順にナイトを捨てて襲いかかった! コステニウクはナイトを返却して、1 ポーン・ダウン、王様の周囲も薄い。 しかし、ダブルビショップがあるし、展開も早く、ストラクチャもいい。 今日も最後まで観戦になりそうだ。

Monday, September 15, 2008

うどん

9 時起床。珈琲と、昨日余ったものをいただいた御萩。 プレプリントも一応は最後まで書いたし、 今日はほとんどお休みの日にすることにした。 午前中は登録してある blog を読んだりしているうちに過ぎて、 昼食の時間。昼食は月見饂飩。 子母澤寛の「味覚極楽」で読んだのだったと思うが、 どこかのお坊さんが、 一番のご馳走として饂飩を挙げていたのを思い出した。

禅僧は食事中に音をたててはいけない。 勿論、話してもいけない。文字通り黙々と食すのが掟である。 禅のおいては食事も一つの修業であるし、 粗末ながら心のこもったものをしみじみと味わうのであろう。 しかし、饂飩だけはいくら音を立てて食べてもいいのだそうだ。 しかも、饂飩だけは「おかわり自由」で、何杯食べてもいい。 皆、嬉しくて、わざと音を立てて食べるのだそうだ。 その饂飩と言うのも、 我々が普段食べるように色々な具が入っているわけでも、 立派なだしがはってあるわけでもないだろう。 しかし、それが大変に美味しくて、一番の珍味だとのことだった。 修業を積んだ禅僧とは言え、その日は何やら皆、 浮き足だっているのではないかなあ…と想像して、可笑しい。 そして、そりゃあ美味しいだろう、と思う。 それを思うと、私はほとんど美味しいものなんて知らないんじゃないか、 いや食とは何かも知らないのではないか、とさえ思うのですよ。

世界女子チャンピオン決定戦、 最終ラウンドの第一局をコステニウクが黒番で勝利。 私が最も正調、正統、楷書体と感じる、クローズド・ルイロペス定跡で、 侯をたしなめるような印象さえした貫禄勝ち。 侯は白番らしく強く指したし不利になってからも良く守ったが、 分かっていたこととは言え、良いタイミングで 33. ... Nd3 とナイトを置かれるとひどすぎる。 私は結果を知ってから棋譜を見たのでここで勝負あったと思うのだが、 ライヴで観ていたら違っただろう。 実は d3 ナイトを取ってパスポーンを許すのが絶妙手で、 後に白からパスポーンが出来る見込みでシノギの手があるのでは、 などと、素人ならではの読みで、 最後まではらはらしながら楽しめたかも知れない。 やはり対局はライヴで観たいものだ。 今日はコステニウクの白番。いきなり山場を迎えた。 侯は少なくともドローを取らないといけない。 そして、もう対局が開始している。 序盤はフレンチ・ディフェンス、 コステニウクはタラシュ変化を選んだ。 現在、15. Bg3 の後、侯が考え中。 このビショップ引きはいい感じだ。 しかし黒からも色々リソースがありそう。 お互い自分と相手の黒マスのビショップをどうするかが気になる。

Sunday, September 14, 2008

中秋の名月

9 時起床。寝床で少し考え事をしていて、 10 時近くに起き出す。朝食代わりの珈琲。 今日も良い天気のようだ。いつものように午前中を過して、 昼食はオムライスを作った。午後はプレプリント書き。 一応、最後まで一通り書いた。L 先生に送っておこう。 ワインが切れていたので、 夕方、少し涼しくなってから近所のワイン屋に買い物に行く。 アルザスのリースリングと、マルキ・ド・サド。 夕食は秋刀魚と冷奴。 夜は知り合いが御萩を作って月見に行くと言うので、 おつきあいさせていただくことにする。 月見って御萩でするものだったかなあ…

オックスフォードで一番親しくしてくれていた P 君からメイル。 学位を取ったあと香港に戻って、ポリテクに助手ポジションを得たようだ。 来月上旬の数日間、大阪に滞在する予定だそうで、 京都にも遊びに行って再会したいとのこと。 それは是非来てくれと返事しておいた。

ばたばたしている内に、ビルバオのグランドスラム・トーナメントが終わっていた。 途中まではひょっとしてカールセンか、と思っていたが、 終わってみればトパロフの優勝。アナンドの不調が印象的。 一方、世界女子チャンピオン戦 は、もう今日から決勝戦。 いつの間にか、コステニウクと Hou Yifan(侯逸凡) が決勝戦に残っていた (9/12news)。 我等が女王アレクサンドラの復活か、 二枚ヘアピンがお茶目な14歳の世界チャンピオン誕生か、 と言う話題性もあるし、 もうちょっと盛り上がってもよさそうなものだが。 今日 14 日から毎日一局ずつ四日間が用意され、 18 日がタイブレイクと閉会式。

Saturday, September 13, 2008

人生の謎

また寝坊してしまって、10 時起床。午前中はいつもの雑用。 最近、暇な時間があったら、 何か捨てるものを一つ以上見つけて処分するようにしている。 捨てるのに手続きがいる大物と本とは別にしても、 いくらでも捨てるものが出てくる。 減っている気配すら感じられない。 自分は本を除けばほとんど何も持っていない、と信じていたのに、 やはり生活していると澱のように、 自分の周りにものごとが積り重なっていくのだ。 お勧めしたいのだが、 ちょっと真面目に部屋と家の中を探索して、 壊れたもの、使えないもの、既に使うはずのないもの、 つまりただのゴミがいかに沢山あるか調べてみると、 その多さは衝撃的だろう。 ゴミ屋敷を全く馬鹿にできない。 不用なものを集める行動はビルトインされているのではないか。 何故、人間は必要なものだけで綺麗に生きていけないのか、 そこには何か、深い謎があるような気がする。

昼食は長葱と油揚げとベーコンのスパゲティ。 少し休んだあと、午後はプレプリント書き。 今日はちょっと集中したので、 一つめのトリックの説明が終わり、 二つめの説明も終わった。 最後の「材料を全てあわせて完成です」の章だけを、 明日以降に残した。 夕方になって食材を買い出しに行く。 慎重に秋刀魚を選んだが、まだまだ旬には早そうだ。 夕食は御飯を炊いて、また秋刀魚の塩焼、冷奴、 板ずりしただけの胡瓜、大根の味噌汁。 夜はまた家の中の整理など。

Friday, September 12, 2008

秋刀魚と饂飩

8 時に目覚めた。また二度寝してしまって、本当に「起床」したのは 9 時。 珈琲のみの朝食の後、いつもの雑用。 さらにいくつかまとめた用事を片付けに、郵便局へ。 かなり待たされたのでお昼時になり、 近所のカレーライスのチェーン店で昼食を済ませて帰ってきた。

午後は少し休んでから、またプレプリント書き。 二次元で積分近似を収束させるトリックを示すところ。 分かり難いので挿絵を入れることにした。 ドローイングツールを使うのが普通なのだろうが、 慣れないツールを使うのが面倒で、 picture 環境のコマンドだけで描いてしまった。 しかし大体、綺麗な整数比のバランスは人間の目には美しくないので、 微調整を何度もすることになり、 こんなことならツールを使った方がずっと早かった。 しかも、数学論文の挿絵なんて意味が分かればいいだけなのに、 凝り始めると止まらなくなる。 ピクセル単位で図形や文字の位置を変えたり(x 軸の 'x' と書いてある場所とかね)、 結局、夕食後も続けてしまった。 しかもこれだけ凝っても、実際、本人以外には違いが分かりもしないのだ。 そもそも世界で 5 人くらいしか読まないし。 数学自身をこれくらい熱心にやってれば、 今頃、もっとましな数学者になれていたと思う。

夕食は、秋刀魚を焼いて、饂飩を茹で、 また両方とも大根おろしと酢橘と醤油で食べる。 美味しいなあ……一匹 100 円もしなかったけど。 秋刀魚は偉大だ。

Thursday, September 11, 2008

寝子

9 時起床。どうも最近、寝付きが良くない。 朝食代わりの珈琲。 チェスの問題を一題考えて、個人的なプロジェクトをあれこれ。 昼食は冷や御飯で炒飯を作る。 秋刀魚のわたと唐辛子でソースを作っておいて、 味つけに使ってみた。 この秋はほとんど秋刀魚で生きて行こう。 少し休んでから、午後は数学。プレプリントまとめ作業。 重要な補題の証明をクリア。 全体でトリックを二つ使うのだが、 その一つの中で本質的に使う解析的評価の部分。 これで全体の 3 分の 1 くらいは書いたか。 夕方、涼しくなってから、本を売りに行く。 何となく普通の酢豚が食べたくなって、 河原町の「餃子の王将」で夕食。

確かにもう夏ではないが、 まだ涼しいと言うほどでもない京都。 猫は良く寝ているので、確かに過し易くはなっているらしい。

Wednesday, September 10, 2008

Garbage In / Garbage Out

8 時に起きたつもりだったのだが、 ビルスマ演奏のバッハの無伴奏チェロ組曲を気持ち良く聞いていたら、 次に気付いたのは一時間後くらいで、 音楽もいつの間にか一番から三番まで終わっていた。 いかんなあ。新学期に向けて、すぱっと起きられるようにせねば。 朝食代わりの珈琲。午前中はあれこれ雑用。 昼食は大根おろしを大量に作ってスタンバイしてから、 秋刀魚一匹を焼き、饂飩を茹でる。 両方とも焼きたて、茹でたてを、 大根おろしと酢橘と醤油でいただきました。 やー、旨い。手間をかけた料理をする意味ないね。 酒飲みだったら、秋刀魚のわたで酒肴をもう一品作ったりするのだろうが、 私はそこまでではないので、普通に塩焼だけで食べた。 午後の仕事に差し支えるとは言え、 白ワインを少しだけ飲んでしまった。

シャワーを浴びて少し休んでから、午後は数学。プレプリント作り。 キーになる補題の証明に入ったが終わらず。 一番の山場は明日に持ち越し。 もともとあまり集中できる方ではないが、 年を取るごとに散漫になってきて、 今ではせいぜい、休憩を入れつつ二時間だ。 多分、連続した時間では最長 15 分間くらいだろうか。 これではまともなことが考えられないのも当たり前だ。 せめて、 「ガベージ・イン/ガベージ・アウト」 にならないように気をつけるくらいしか、 努力のしようがないが。 夕食は御飯を炊いて、大根と油揚げの味噌汁、卵御飯、胡瓜。 卵御飯も美味しい。 ふーむ、つまり良い材料を入れれば、 ちょっと混ぜるだけで、良い料理が出てくるわけで、 まさに「ガベージ・イン/ガベージ・アウト」の逆、が料理の奥義だな。

Tuesday, September 09, 2008

生ハムのパスタ

8 時起床。でも眠くて二度寝してしまった。 慌ててゴミ出し。珈琲だけの朝食をとって、出勤。 生協食堂で昼食のあと、 午後は付属高校の生徒の相談をうける。 新聞社主催の科学コンテストみたいなものに論文を出すそうで、 その相談。昨年も同じ生徒が相談に来て、私が対応し、 そのときは幸運にも入賞した。 才能ある若者と話せるのは刺激があっていい。 今日は軽く話しただけで、また来週、本格的に対応する予定。 続いて、次は卒研ゼミS。 教育実習で抜けた分のゼミをしたいと言うので、 先週からつきあっている。 重心と平均値不等式、Lp 空間、ミンコフスキの不等式など。 この卒研生のことも才能ある若者、と、日記には書いておこう(昭和ネタ)。 夕方終了して、キャンパスを後にする。

近所のワイン屋に注文していた生ハムを受け取りに行く。 知り合いの方も同じものを引き取りに来ていて、少しご挨拶。 店内にカザルス演奏のバッハの無伴奏チェロ組曲がかかっていたので、 たまたま店に出ていた社長とマダムOとしばらく音楽話など。 バーと言い、店舗といい、家のすぐ近くに良い店があって幸福だったのに、 ご近所なのもあと半年とは残念だ。 家に帰って、夕食は早速に生ハムでパスタを作る。 葱と生ハムのスパゲティーニ。 上にかかっているのは黒胡椒をすり鉢で粗くひいたもの。 撮影のあと、EVオリーヴオイルをかけて食べる。 うーん、天才かな、私。 白ワインを一杯だけ。食後に珈琲。

Monday, September 08, 2008

秋刀魚御飯

9 時起床。朝食代わりの珈琲。今日も良い天気。 登録している blog を読んだり、 フリーセルをしたり、メイルをチェックしたり、 仕事は昼食のあとから始めた方が良かろうと判断したり、 の駄目な午前中でした。 ここから ちっとも成長してないな……。 昼食には回鍋肉丼みたいなものを作る。 午後は、ようやくノートを開いて、エディタを立ち上げ、 プレプリントにまとめる作業。 全体の論理構成の章立てを作り、 補題一つ分ほど内容を確認しつつ書いた。 夕方涼しくなってから、河原町の LOFT に文房具を買いに行く。 蒸し暑くないとは言えないものの、やはり既に風が秋のものだ。 夕食は、秋刀魚御飯を炊いて、卵のすまし汁。 白ワインを少しだけ。 夜は明日の付属高校生との面接の準備など。

明日は、ゼミなどのため BKC に出勤です。

Sunday, September 07, 2008

秋刀魚と酢橘

8 時過ぎに起床。 今日も良い天気だ。秋晴れと言うにはちょっと暑そうだが。 朝食代わりの珈琲。チェスの問題を一つ考える。 ふと、Problem Paradise のことをすっかり忘れていたことに気付く。 月末が締切だったっけ。家の近所で待ち合わせて、 酢橘(すだち)と野菜などのお裾分けをいただく。 さて帰ろうかな、と思ったら、 R 大の二条キャンパスのあたりから、 激しい雨がまっすぐに道を下ってくるのが見えた。 馬の背を分ける、とは良く言ったもので、 本当に雨のカーテンが近付いてくるようだった。 すぐに家までかけ足で帰り、ぎりぎり豪雨にあわずに済んだ。 昼食は獅子唐とベーコンのアーリオオーリオ。

もうご存知の方も多いと思うが、私は次の四月から、 大学を辞めてただの会社員に華麗なる転身をする予定である。 念を押しておくが、問題を起こしたわけではなく、 自主的に設定した定年による依願の辞職だ。 ちなみに、新しい勤め先でもオープンにされて、 私を知る人の間では 「何しに来られるんですか?やっぱりサイコロ振りですか?」 と話題沸騰とのことである。 私も良く知らないから、スカウトした人に訊いて欲しい。 職場は東京は水道橋、神保町あたり(または、モンペリエ)。 大学を辞めることは、ずっと以前から予定していたのだが、 色々な事情で二年ほどスケジュールが早まることになった。 物事はなかなか予定通りにはいかないものだ。 実際、予定が遅れる可能性を見込むばかりで、 まさか早まるとは予測していなかった。 おかげで、決断の正しさは既にかなり怪しい。 しかし、それが人生。 もう既に、嗚呼そうと知っていれば……、と思うこともあったが、 仕方ない。

そんなわけで、昼寝をしてから午後はインタネットで物件調査をする。 水道橋、御茶ノ水あたりで最悪でも広めの 1LDK か……、 などと探すと、20 万円/月くらいからのようだ。 交通至便 3LDK の一軒家に 12 万円で住んでいる身からすると、 理屈では分かっても感情的に納得し難い。 やっぱり通勤するかなあ、吉祥寺とかから。 これからどれだけ物を捨てられるかにかかっているかも。 夕方、近所のスーパーに食材の買い出しに行く。 夕食は、秋刀魚の塩焼、冷奴、葱と豆腐の味噌汁。 早速、いただいたばかりの酢橘が活躍。やはり秋は秋刀魚だ。 明日は秋刀魚御飯を作ってみよう。

Saturday, September 06, 2008

命名権

8 時起床。 二日酔いと言うほどではないがやや不調。 やはり私にはワイン一本は無理だなあ……。 朝食代わりの珈琲。チェスの問題を一つ考える。 良い天気なので洗濯をし、 掃除機がけ、本の整理などの家事をする。 昼食は、冷奴のあと、かけ蕎麦。長葱と茹で卵入り。 少し仮眠を取ってから、午後は数学。 ここまでのところをノートにまとめていく。 出来ていると思っても、何故か LaTeX を使って活字に組むと、 間違いが発見されたりするものだ。 夕方から外出して、 まず古本屋でまた本を 10 冊ほど処分。 南座前に移動して、 ``The Cauchy-Schwarz Master Class" (by J.M. Steele / Cambridge University Press)を読みながら、Kさんを待つ。 言わゆるコーシー=シュワルツの不等式を中心に、 不等式の話題をあれこれ面白く解説した本。 時々、拾い読みするのだが、 今日は Polya が夢の中で見たと言う、 相加相乗平均不等式の証明のところを読んだ。

南座前で待ち合わせて、 夕食は再び天才プログラマKさんと焼き鳥屋。 普段、この店では野菜中心に食べることが多いのだが、 今日は肉ばかり食べていたような。 Kさんは今年中にお子さんが出来るようなので、 私が 2008 年の良いワインを 1 ケース買ってプレゼントする代わりに、 ゴッドファーザーの権利、つまり命名権を得る、 と言う交渉をする。 もういいんじゃないの、「啓介」で。 21 時半くらいに切り上げて、解散。 改装した祇園のバーに顔を出そうかなと思ったが、 かなり酔っている気がしたのでおとなしく帰ることにした。 22 時少し前に帰宅。

Friday, September 05, 2008

お鮨屋さんにて

9 時起床。 午前中はあれこれ雑用をしているうちに過ぎ、 早めの昼食はカルボナーラと胡瓜のサラダ。 午後は L 先生のノートの最後の極限操作のあたりを考える。 夕方早い時間から、松ヶ崎のお鮨屋さんで、 某A社の天才プログラマKさんと会食。 ブルゴーニュの良い赤ワインを二本ほどと一緒に、 お鮨を一通り。 とりわけ縞鰺のスモークが美味しかった。 折角、 携帯端末の世界では最大のシェアを持つブラウザのメイン開発者との会合なのだから、 目下話題の Google の新ブラウザ「クローム」(クロム, Chrome) がもたらす影響について議論しても良かったはずなのだが、 酔っぱらい同士の雑談に終始した。 私は来年の四月から東京で働くつもりだったのだが、 買収先の所在地モンペリエで働くと言う可能性を指摘され、 どうせ独り者だし、まあそれもいいかなあ、と思ったり。 人生にはいろいろある、とりあえず赤貝追加で握って下さい。 次のディスカバー・キョート企画は、 比叡山と名門スッポン鍋かな、など。 K氏は大阪まで帰らなくてはいけないので、21 時半くらいにお開き。 22 時過ぎに帰宅。

明日の夜もK氏と会食を予定しておりますので、 更新は遅くなると思います。 明日は南座近くの焼き鳥屋の予定です。

Thursday, September 04, 2008

初KRP / 解析学のセンス

9 時起床。珈琲だけの朝食。あれこれしていたら、 特に生産的なことをするでもなく昼。 豚丼を作って早めの昼食を済ませ、 午後は京都リサーチパーク、 通称 KRP で開催中の数理ファイナンスの研究会に行く。 私の家からかなり近いはずなのだが、 うまく行く方法がない。 調査の結果、大宮駅まで歩いてからバス一本で「京都リサーチパーク前」に行くのが、 時間はかかるものの一番分かり易そうなので、この方針で。 13 時過ぎに到着。 大きな建物が一つあるようなものをイメージしていたのだが、 実際は、複数のビルが集まって建っていて、街中にある大学のような感じ。 こんなに大きな施設だったのだなあ。 会場が分からなくて迷ってしまったので、 一号館の受付で教えてもらった。 13 時半から、午後最初のタイヒマンの講演を聞く。 ほとんどそれが目的だったので、 もう一つ講演を聞いて会場を後にする。

KRP 近所の SBUX でカフェラテとダブルチョコレートドーナツを食べながら、 一時間ほど L 先生ノートを読む。どうも正しそうだ。 しかし、最後の「あとはこの極限を取れば良い」があやしい。 解析学では多くのことが、 1「本質的な不等式評価を出す」、 2「その極限を取る」、と言うステップで示される。 良い解析学者はそれぞれのステップの鋭い感覚を持っている。 つまり、大小関係のセンスと、 無限のセンスである。 経験豊かな解析学者は滅多にこの勘を外さない。 しかし、難しい問題とは、そこのところが微妙なのである。 また、それが正しいにしても、 実際に証明の形でちゃんと示せるかと言う、 言わゆる「テクニカルな」問題が別にある。 勿論、経験豊かな解析学者は優れたテクニックを持っている。 しかし、難しい問題とは、そこのところが微妙なのである。 そう言うわけで、楽観視はできない。

今にも激しい夕立が降りそうな空を見つつ、バスで帰宅。 夕食は冷や御飯を使って炒飯、キャベツ炒め添え。 白ワインを一杯。食後に珈琲。 夜はおおざっぱに数学を考える。

明日は夕刻より、 A社の天才プログラマKさんとの会食を予定しておりますので、 更新が遅くなるかも知れません。

Wednesday, September 03, 2008

デジラティ

一旦早朝に目覚めたが、また二度寝してしまった。 朝食代わりの珈琲。午前中は手帳とあれこれ相談して、 昼食は盛り蕎麦。 チェスの問題を一つ考えてからお風呂に入り、 午後は数学など。途中で激しい雨が降った。 夕方になって近所のスーパーで買い物。 そろそろ秋刀魚か…… と思ったが、もうちょっと先にしておこう、 と踏み止まった。 気温はそれほどでもないが、湿度が凄くて蒸し暑い。 夕食は御飯を炊いて、生姜焼き。野菜は玉葱とししとう。 沢庵、南瓜の味噌汁。

書庫の整理をしていると、インタネット創成期くらいの頃の、 テクノロジ評論とかインタヴュ集とかが色々出てきて、 つい読みふけってしまった。兎に角、前衛的で刺激的なのだ。 コンピュータとインタネットが、 コミュニケーションも、社会も、人間の精神も、 人間そのものすらも、決定的に変えてしまうだろう、 今我々は人類史上の大革命に立ち合っているのだ、と言う論調である。 一方では、クリフ・ストールに代表されるように、 インタネットは何の大したことも人間にもたらさない、と言う批判もされていた (結局、それが正しかったようだが)。 実際、議論のポイントは既に当時に出つくしていたようで、 今、こんなに刺激的な情報技術評論がされるとは思えない。 こういう議論が、 電話の受話器に音響カプラをつけて超低速通信をしていた時代にされていたと思うと、 色んなものが速くなって、色々クールなガジェットは現れたけれども、 思想的には特に当時から進歩していないんじゃないだろうか。 ひょっとしたら退歩しているかも知れない。

宴会

8 時起床。寝起きはまあまあ。 もう秋だし、と思って、 昨夜はオレグ・カガン演奏のバッハのパルティータをかけて寝たのが 良かったのだろうか。ゴミ出しをして、目覚しの珈琲。 チェスの問題を考え、少し数学を考える。 炒飯とオクラで早めの昼食を取って、出勤。

午後は学生の希望で卒研ゼミS。 昨日、SBUX で四年生でも考えられそうな数学の問題を思いついたので、 卒研生といつも聴講参加している学生にふっておく。 研究室で雑用をしていると、 L 先生からメイル。 より詳しく倍ほどの長さになったノートが送られてきた。 間違いだと私が思ったところが解決されている模様。タフだなあ。 夕方 17:30 から解析セミナ。 ウィーンからのゲスト T さんの発表。 今週、京都リサーチパークで開かれる数理ファイナンスの研究会に参加するため、 海外から結構な数のゲストが来日する。 T さんもその一人で、 この分野での若きスターである。 実際、今日もなかなか面白い話をしてくれた。 その後は、近所の料亭で T さんを囲んでの歓迎会。 モデレートする年配者がいなかったせいか、 院生たちがかなり盛り上がった、と言うか…… ヤングサマーセミナーのような宴だった。 帰りは南草津駅でかなり待ち時間があったので、 T さんに一通り明後日の講演のストーリィを説明され、 今度はラフパスの話をするから必ず聞きに来い、と説得される。 京都駅で別れて、ようやく今、帰宅。

Monday, September 01, 2008

四六時中も愛してる

9 時起床。今日は良い天気で、気温も高そうだ。 予報によれば今週は夏が戻ってくるらしい。 珈琲豆が切れているので、朝食は純水のみ。 午前中はチェスの問題を考えたあと、八月の決算。 昼食はかけ蕎麦を作る。長葱と卵入り。 午後は書庫の整理をして、 小一時間ほど ``Code Reading" (by D.Spinellis)でコード読み。 夕方、少し涼しくなってから外出。 古本屋で文庫本 10 冊と単行本を5冊ほど売り、 そのお金で珈琲を飲みながら、 しばらく数学を考よう、と三条大橋の SBUX に行く。

そう意図したわけではないのだが、 テーブルに向かい合わずに二人でべったりくっついて座っている、 高校生カップルの隣りに座ることになった。 SBUX 内でこんなにべたべたしているのを見るのは、 オックスフォードのコーンマーケット通りの SBUX の二階の隅で レズビアンのカップルを見て以来だ。 しばらくして、男子の方がその女子のことを「四六時中」考えている、 と言ったことから、「四六時中」とはどういう意味なのか、 と言う議論が始まった。 若いわりには趣きのある男女の会話だな、と微笑ましく思っていたのだが、 よく聞いてみると、二人は本当にその言葉の正しい意味を知らないらしかった。 「そりゃ、もちろん、 アバウト 4 時間から 6 時間くらい、 ってことや」 と男子は断言したのだが、 女子の意見では、それは控え目過ぎるような気がする、 とのことである。 しばらく考えていた彼女が閃きを見せた。 「ひょっとして、 4 足す 6 で 10 時間のことちゃう?!」 「でもなんで 10 時間やねん」 「大体、8時間寝ててな、食べたりお風呂入ったりしてたら、 フリータイムは 10 時間やろ。 その間ずっと、って言うことやん」 「なるほど、おまえ賢いなあ」と一旦はおちついた。 しかし、また議論がぶり返した。 それでもまだ少ないのじゃないか、と彼女が言い始めたのだ。 どうやら、さっきは授業時間を考慮していなかった、 と言う観点が気になるらしい。 私にとっては思いがけないロジックの展開だったが、 方向性は正しそうなのでもう少し聞いていると、 議論の詳細は省くが(正直、ついていけなかったのだが)、 「四六時中とは 18 時間くらいが、 しっくりくる」 と言う結論が出たようだった。 二人が幸せなのならそれでいい。

カップルの隣で一時間ほど数学を考えたあと、 珈琲豆、パスタ、唐辛子など買い物をして帰る。 夕食は茄子と長葱のアーリオオーリオ。 一緒にニュージーランドの白を一杯だけ。 食後に珈琲。やっぱり、カフェインはいい。

明日の夜はウィーンからのゲストの接待につきあう可能性が高いです。 その場合には、更新はかなり遅くなるでしょう。